22 共犯者
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――ヴァンルナール家 応接間――
[会話は次第に、異様な内容に踏み込んで行った。]
しかし……しかし、十二人もの生贄、どうやって準備します? 今では「咎の牒」(とがのふだ)を戸口に掛ける習慣もございません。
ずっと、無視できない犯罪者は、国の裁判に任せているではありませんか。 もう……時代が違います。
『生贄は志願することもできる。 それも古い伝えだよ。 今の生贄だって、そうやって募っているではないか』
……殺されると解っていて、志願する者がいるとおっしゃいますの?
『それで足りなければ……仕方ない。 よそ者を集めるなり、考えよう』
(2) 2010/07/31(Sat) 00時頃
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よそ者をですって? もし、もしも本当に、これが御徴だとすれば、それこそ! 村の者以外を、巻き込むべきではないでしょうに!
生贄が真実、「契約」に基づいたものならば、参加する責任があるのは「契約」した血を引く者、せめて「契約」に守られる者であるべきです。
『そうだねえ。 私も、何も知らないよそ者をというのは、承服できないよ。 どうだろう? 志願者で不足した分は、村で生まれた者の中からくじを引くのでは?』
(10) 2010/07/31(Sat) 00時半頃
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寡婦 パピヨンは、メモを貼った。
2010/07/31(Sat) 00時半頃
寡婦 パピヨンは、メモを貼った。
2010/07/31(Sat) 00時半頃
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――ヴァンルナール家 応接間――
[その場の勢いは、もう止めようがないものになっていた。]
『夜になる前に、村の者全員を広場に来させないとな]
『どう説明して集める?』
『今夜からの祭りは特別なものになると、そう触れて回ればいいだろうよ。 何をするのか詳しく教えるのは、生贄に決まった者だけでいい』
『……それがいいのかねえ』
『満月までは外へ出ないように、村中に徹底させるのも忘れてはいけないな』
『リンドクヴィストも、もうこれ以上異存ないな?』
(35) 2010/07/31(Sat) 01時頃
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(こうなったら……仕方ない。 この人たちを説得するよりも、若い人たちのほうが、きっと……)
わかりました。 では、私も志願いたします。
[ある、最後の希望を胸に、彼女は頷いた。]
(36) 2010/07/31(Sat) 01時頃
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寡婦 パピヨンは、メモを貼った。
2010/07/31(Sat) 01時頃
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――リンドクヴィスト家――
[帰り着くとすぐに、奥の間に向かう。 普段はほとんど近づくこともない飾り棚の最上段から、古い木箱を下ろした。 蓋を開け、幾つかの包みの間から、長方形をした物を取り、包みを開ける。 現れたのは、彼女の手よりも一回り大きい木の札だった。一面に樹木の枝と葉が複雑に絡み合った意匠が細密に掘り込まれ、端に小さな穴があいている。
その札を持って表へ戻り、戸口の上を見上げた。 古びた釘が打ち込まれたままあるのを確認して、札を持った手を伸ばす。 しかし、彼女の背丈では届かなかった。]
『奥様、何なさってるんですか?』
ちょっと、踏み台を持ってきて。
(65) 2010/07/31(Sat) 07時頃
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[運ばれてきた脚立に上る間、札を預かった少女が、彫刻を見て感嘆の声を上げる。]
『これ、何ですか?』
「咎の牒」と言って。 昔は、次の祭りで巡礼を出すことになった家に、その祭りまで掛けておく慣わしだったの。
『トガノフダ? 難しい言葉ですね』
罪を犯した印、という意味ね。 さあ、それを渡して。
(66) 2010/07/31(Sat) 07時頃
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『昨日の夜話してらした、昔の巡礼ですか?』
そうよ。 どう? これで真っ直ぐに見えるかしら?
『はい。だいじょぶです。 うちではこんなもの、見たことありません』
もう廃れてしまった習慣だから、ここ何十年かの間に家を構えたところでは、作っていないのでしょうね。 古い家系では、家ごとにそれぞれ決まった意匠だったのだそうだけど。
(67) 2010/07/31(Sat) 07時頃
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『でも、悪い名前なのに、何でこんなに綺麗なんですか?』
……さあ。 どうしてでしょうね? 私にもわからないわ。
『奥様にもわからないことなんて、あるんですね』
それはもちろん、あるわよ。 いいえ。わからないことだらけ。
『旦那様なら、おわかりになったんでしょうか?』
どうでしょう。 ……わからなかったのじゃないかしら。
(68) 2010/07/31(Sat) 07時頃
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『……奥様、生贄に行かれるんですか?』
巡礼に参加することになったの。
『……特別な生贄だって』
ああ……。もう告知が回っているのね。
『昨日のお話の、森へ行く巡礼なんですか?』
そうよ。
『じゃあ、帰っていらっしゃるんですね?』
……ええ。 もちろん、帰ってくるわ。 皆、帰ってくるわよ。
(69) 2010/07/31(Sat) 07時頃
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―アルフレッド・リンドクヴィストの手稿から―
『この数え歌は、周辺の村では知られていない。また、数が減っていく数え歌というのも珍しい。 子供の遊び歌ではあるが、これはやはり、祭りの古式を反映したものだろうか。とはいえ、歌われた場所はあいまいで、実際の地形に比定することは困難だ。』
(70) 2010/07/31(Sat) 07時頃
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森を歩くのは十二人 祠へ行くのは十一人 帰ってくるのは十人 次の夜には十人 柱を廻って九人 帰ってくる八人 又の夜に八人 泉を汲む七人 帰るのは六人 寂しい夜は六人で出かけ 門をくぐる五人の中から 帰っていく四人を選んだ 最後の夜は四人 満月近づく三人 終しまいは二人 二人はお別れを言い 一人は長い永い旅に 夜明けは誰もいない
(71) 2010/07/31(Sat) 07時頃
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寡婦 パピヨンは、メモを貼った。
2010/07/31(Sat) 07時頃
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――リンドクヴィスト家――
>>76
[案内されてきたホリーに、少し意外そうな表情。]
あら。アレクサンデルのお嬢さん。 こんにちわ。 お母様はご一緒じゃなくて?
[だが、ホリーは一人で来た様子。 少し考える様子だったが、一つ頷いて。]
貴女も知っての通り、アルフレッドと私には跡を継ぐ子どもがいません。 この東屋敷と村役は、アレクサンデルに引き継いでもらわなければいけないわ。
こんな話はいずれその内、と思っていましたが、私は今年巡礼に参加することになりました。だから、もし私が戻ってこなかったら、後のことはどうかお願いね。 屋敷はまあ、どうとでもなるでしょうけれど、今はお客様がいらっしゃるから。
[そう話しはじめた。]
(83) 2010/07/31(Sat) 12時半頃
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寡婦 パピヨンは、メモを貼った。
2010/07/31(Sat) 12時半頃
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>>97
届けを出しおいたって……。 貴女、それでいいの?
[今まで気づかなかった不思議なものを見るように、ホリーを見つめる。 ホリーはまだ若いが、育ちを考えれば「特別な祭り」の意味は薄々察せられるはずだ。]
(99) 2010/07/31(Sat) 14時頃
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寡婦 パピヨンは、双生児 ホリーに話の続きを促した。
2010/07/31(Sat) 14時頃
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>>105
そ……そう。
[死を意味する言葉を、ホリーは平然と口にした。 沸き上がる恐怖を押し隠して、相槌を打つ。]
(こんな、何も解っていない子どもまで、私たち……いいえ私は巻き込んでしまったんだ。 いいえ……。この娘はこの間十八を過ぎたはずだけど。 どうしてかしら。とても幼く見える。 こんなこと……こんなことが、許されていいはずがないわ。)
(108) 2010/07/31(Sat) 15時頃
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寡婦 パピヨンは、メモを貼った。
2010/07/31(Sat) 15時半頃
寡婦 パピヨンは、メモを貼った。
2010/07/31(Sat) 23時半頃
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――リンドクヴィスト家 書斎――
[ホリーを返した後。 家中の細々とした物を片付ける。 それほど時間もかけず、最後にその部屋にたどり着いた。
「もし私が帰らなかったら、お客様が無事に村を出られるように、力添えしていただきたいと……お父様お母様に伝えてもらえないかしら」
目的だったはずのその言葉は、結局言えなかった。 村の教えに確信しきったような、それでいて不安定にも見える娘に、よそ者を頼むと言って、どれだけの意味があるだろう。そういう客観的な判断以上に、何かが怖かった。]
(ナタリア様かどなたか、他の頼りになる方にお願いしておくほうが……)
[生きて帰る、強くそう思っているというのに、彼女がしているのはまるで死の準備だ。]
(237) 2010/08/01(Sun) 00時頃
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――リンドクヴィスト家 書斎――
机の上の手稿の束を取り上げる。
(そしてこの原稿……。 私が失敗したら……これだけが、あの人の希望の証になってしまうかもしれない。 これを、このままにしてはおけない。)
(244) 2010/08/01(Sun) 00時頃
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寡婦 パピヨンは、メモを貼った。
2010/08/01(Sun) 00時頃
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――リンドクヴィスト家 書斎――
あら、マコーミックさん。 早いお帰りですね。 もう取材はよろしいの?
[机の前、振り返ってそう挨拶した。]
(252) 2010/08/01(Sun) 00時半頃
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[>>258 イアンの言葉に頷き、珍しくその唇に少し皮肉めいた笑みを浮かべる。]
夜、外に出なければ、可能ではないかと思いますよ。 特に目立つことをしなければ。
むしろ貴方が今、村を出ようとしても、そのほうが無理でしょう。 今頃は、村の者が道路を封鎖しているはずです。 村と森外をつなぐまともな道路は、とても限られていますから、封鎖はごく簡単なのですよ。 貴方が今村から出ようとしても村内に追い返されるでしょうし、無理に出ようとすれば、最低でも拘束されるでしょう。 ……申し訳ないことですが、祭りが終わるまで、この家に滞在していただければ、貴方の身の安全は確保いたします。それしかお約束できないのです。
(262) 2010/08/01(Sun) 00時半頃
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寡婦 パピヨンは、メモを貼った。
2010/08/01(Sun) 00時半頃
寡婦 パピヨンは、メモを貼った。
2010/08/01(Sun) 00時半頃
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>>270 そうです。
[ちょうど手にしていた手稿の束を、イアンに差し出す。]
貴方のお知りになりたいことについては、私が話すよりも、これを読んでいただくほうがいいでしょう。 アルフレッドがまとめた、今の私たちにわかる限りの、この村の物語です。
これは、この村の中にあっても、ほとんど何の価値もないもの。 でも、アルフレッドが望んだように、村の外にもたらせば、村にとっても、村の外の世界にとっても、意味のある存在になるかもしれません。
マコーミックさん、これは貴方に差し上げます。 祭りが終わったら、これを村の外へ持ち出して、できれば公開していただけませんか?
(271) 2010/08/01(Sun) 01時頃
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寡婦 パピヨンは、メモを貼った。
2010/08/01(Sun) 01時頃
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[>>276 イアンの言葉に頷いて、その後ろから部屋に入ってきたオスカーに、意識を向けた。]
あら、こんにちわ。 アレクサンデルさん、お姉さんは今さっき帰られたけど。 それとも……別のお話があるかしら?
[続いて入ってきた人々の組み合わせを一瞥し、そう訊ねた。]
(278) 2010/08/01(Sun) 01時頃
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寡婦 パピヨンは、メモを貼った。
2010/08/01(Sun) 01時半頃
寡婦 パピヨンは、メモを貼った。
2010/08/01(Sun) 01時半頃
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>>280 表に掛けてあるのは、簡単に言えば、巡礼がその家から出るという標識です。 それ以上のことはどうか、それをお読みになって。 私にも、正しく説明できるかわかりませんから。
「生贄」についての質問には、私はいいえと答えますけれど、たぶん貴方の眼から見たらその答えは「はい」となるのでしょうね……。 そこが……森外の方に村のことを説明することの難しさ、というのでしょうか。
説明したって、その違いはわかっていただけないだろうと、私はずっと思っていました。 でも……そう。 その違いを話しますから、どうか理解してくださいと、そう言ったほうがよかったのかもしれませんね。
[考えをまとめながら、舌先で軽く唇を湿した。]
(284) 2010/08/01(Sun) 01時半頃
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巡礼……貴方が好む言い方でなら生贄の行列は、古くは村の中だけではなく、森へ分け入って夜明け近くに村に戻るもので、祭りの中核を成す行事でした。
森の中では、巡礼は一定の規則の下になら、お互いに殺しあうことを許されていました。 村内の犯罪者は巡礼への参加を強制されましたし、逆にそういった参加者に遺恨を持つ者が、巡礼に参加して報復を試みることもありました。 昔は、巡礼がそうして森の中で死んでも、遺骸は発見されないものとされておりました。巡礼は「帰らない」のであって、通常の意味で「死んだ」とは見なされず、村の墓には葬られません。巡礼として死ぬことを「森へ還る」とも言いました。 そのようにして、殺害者を社会的に犯罪者としない特別な環境が作られたのです。
アルフレッドの推測では、古代ドルイドの自己犠牲の儀式と同じように、絞殺した後樹木に吊るしたまま風化させたり、沼に沈めるなどして、遺骸を隠蔽したようです。
巡礼は、参加者が死ぬ限り、つまり村に帰ってくる人数が減る間は終わらずに、毎晩続けて行われました。
そして……。 そういった「帰らない巡礼」とは異なる死者が出る年があった、と言われています。
(292) 2010/08/01(Sun) 02時頃
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その特別な死者があった場合も、巡礼は毎夜続けられました。 死者が出なくなるまで、ほとんどの場合は、巡礼が全員帰らなくなるまで。 具体的な儀礼手順の伝えでは、正式な巡礼の人数は「その年の月の数」であったと言いますが、村人の間ではそれは容易に「十二使徒」になぞらえて記憶されました。
村の古い家系に伝えられた口承では、その死者は神、あるいは神の御使いによって殺されたもの、だとされています。 私たちの先祖は、その神と契約し、庇護される代償として、死者となる者を差し出すことになったのだ、とそこでは言われます。 巡礼の儀式自体が、そのために作られたのだと。
[くすりと笑う。]
珍しい伝承でしょう? 普通、そういう契約を結ぶ相手は「悪魔」とか「妖精」、「小人」ですし、人間の側が機転を利かせて契約を無効にしてしまうものなのに。 私たちの先祖はその相手を、神、と呼んで伝承してきたのです。
(294) 2010/08/01(Sun) 02時半頃
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寡婦 パピヨンは、メモを貼った。
2010/08/01(Sun) 02時半頃
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特別な死者……。 つまり、マコーミックさん、貴方もご覧になったという、ソフィアのような遺骸のことです。
(295) 2010/08/01(Sun) 02時半頃
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形容する言葉は少なく、それらはあまりにも、そう、私たちの言葉では……キリスト教的です。それが彼らの言葉だったのですから仕方ありませんが。 そして今日では、残された言葉から本来の意味を探そうとすれば……あんまりにありきたりな、ロマンチックな「異教的なもの」になってしまいます。
そもそも、私たちはそれを「信仰」したのでしょうか?
……わかりません。
[ぽつりと答えた。]
(297) 2010/08/01(Sun) 03時頃
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だって、私たちはまだいくつかの祈りの言葉を憶えていて、祭りのときには唱え、その意味も伝えていますけれど、その言葉が何で、本当に私たちが思い込んでいる意味なのかどうか……知らないのですよ。 例えれば、ラテン語を知らない人が何代にも渡ってミサを語り伝えるようなものです。しかも、私たちはそれがラテン語という言葉だという知識もないのですから。
少し話が逸れましたね。 巡礼のことに戻りましょう。 「御使い」は、巡礼と共にその夜を歩まれるのだといいます。 しかし、「御使い」はまた「顔を見ることのできぬ方」とも呼ばれ、私たちはその姿を見ることができません。 そしてもし、その御顔を拝することができれば、御使いの祝福を得て儀式は終わる、と伝えられているのです。
とてもあいまいな表現ですが、実際には、そのための手段として巡礼はお互いを殺しあったのです。つまり、巡礼の中に御使いが顕現しておられる、御顔を拝するとはその中から御使いを暴くこと、と解釈したのでしょうか。
もしこれが、正しい解釈の下に行われた儀式だとすれば、私たちの先祖は神を殺そうとしていた、あるいは神と殺しあっていた、ということになります。
(298) 2010/08/01(Sun) 06時半頃
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王殺し、司祭殺し、自ら犠牲となる神。 そういった概念はありふれたものだと、民俗学は考えさせるように仕向けます。 けれども私には、私たちのこの祭りが、それらと同じものとは思えないのです。それが、アルフレッドと私の意見がどうしても合わないところでしたわ。
さあ。 私は貴方の言われた「生贄」について、私たちが行おうとしている蛮行のあいまいな根拠について、説明しました。 これで何がおわかりになるでしょう? 私たちの言う「生贄」と、貴方の、森の外の世界の「生贄」という言葉の「額面」はどのくらい同じでしょう?
(299) 2010/08/01(Sun) 06時半頃
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寡婦 パピヨンは、メモを貼った。
2010/08/01(Sun) 07時頃
寡婦 パピヨンは、記者 イアンに話の続きを促した。
2010/08/01(Sun) 07時頃
寡婦 パピヨンは、メモを貼った。
2010/08/01(Sun) 07時頃
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/* PL */
うわーん。いろいろごめんなさい。 私の役割は、それなりに魅力的な書き割りとかホリゾントを提供することなのに、ここまでボトルネックになってしまうとは……。
アドリブ作業を現在進行形で楽しめている(参加できている)人はともかく、それ以外の人にとっては、ただ暇な待ち時間なんだよね……。 村側役職演技や処刑関係、人間関係の葛藤が楽しみたかった人にとっては、その前提になる情報は、企画ページに最初から置いてあるべきもので、この牛歩ペースで、しかも読みにくいログで出てくるのは許せないよね……。 理解できているのに、はまってしまうのか……。
私のやり方が、もっと早いペースで独断投稿するスタイルになれない以上、ここまででしゃばらないで、各個の演技に委ねつつ、枠組み設定は天の声でさっさと簡単に決めてもらえばずっと早かったはずなのに。 言い訳すれば、昨夜帰宅した頃にはそろそろ全生贄揃ってるかと思ってたんですよ……。それでもちょっと遅めかと思いつつ……。48時間村とはいえ、夜の外出予定があるのにこんなことに手を出した私の責任……か。
(-37) 2010/08/01(Sun) 08時頃
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ついでに、今の位置と速度だと、初回自吊り提案になるはずの私の動きが無視されて、というか(まだあのPL殺すわけにいかない)となって、殺してもらえなくなる可能性が出てきた予感……。うーん。
(-38) 2010/08/01(Sun) 08時頃
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寡婦 パピヨンは、メモを貼った。
2010/08/01(Sun) 09時頃
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[>>304 かすかに苦笑して。]
貴方には判断する権利がないと、本当にそう思われます? 貴方はずっと、「生贄」という言葉を村の外の意味で言われて、私たちを裁いておられたのに。
……いいえ。口先だけにせよそう言っていただけるのを、喜ぶべきなのでしょうね。 私ももう少し、貴方たちの言葉を信じてみることにしましょう。
(306) 2010/08/01(Sun) 10時頃
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