103 善と悪の果実
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――自室――
[カーテンの締め切られた部屋は暗い。 広間の人が疎らになり始めた頃に、逃げるように、宛がわれた部屋の戸を開ける。 ―――…それから一睡も出来ずの、朝。 夜が明ければパーティも終わる、くそったれな人生が待っている。
本当に?]
ッ!
[ベッドに腰掛け、拳を眺めていた顔が 扉のノックにより跳ね上がる。まるで、それを知っていたように。縺れる足で、対峙した使用人から与えられる情報。 禁断の、果実の喪失。]
(41) 2012/09/26(Wed) 21時半頃
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俺は…ッ! 俺じゃない!
[取り乱して頭を振り、廊下に響くほど叫んだ。
しかし、使用人は言う。 犯人と疑って此処を訪れたのではなく、事実を告げにきたまでと。その顔も、男同様に、青褪めていたが。]
そ、そうか……… はは。 いや、取り乱してすまない。
[一睡もせず血走った目に、焦燥が混ざる。 それは、林檎を失ったことではなく、屋敷が狂犬によって包囲されているという、事実。 世界から隔絶されているという事実から。]
( 畜生―――! )
[心の底から使用人を罵倒して、部屋を後に、走り出した。 草臥れたスーツの内側で、ペーパーナイフが冷たく、重い。こんな物でも、持っていなくては不安で堪らなかったのだ。
そうして、壇上の主を失った広間に辿り着く。]
(45) 2012/09/26(Wed) 21時半頃
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――大広間――
[大広間に集うほんの数名の中に、 色黒の少年も確かめ、視線が――…>>10重なった。 背筋がざわりと騒ぐ。 ああ、今にもあの、少女と繋いでいない手が浮き!その人差し指が、己に向けられるのではないかと! そんな妄信に囚われて、怯えた目を、少年に返した。]
物音、など………
[聞いた、とでも言えれば良いのに。 ベッドで明かした昨晩。男の耳には、何も届いていなかった。そうしてまたも、耳に届くのだ。 この"楽園"の主が殺されたという、悲報が。]
(47) 2012/09/26(Wed) 22時頃
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[また新たに訪れる、夕闇の影。 恐怖と焦りに満ちた小物の視線が捉え、 ああ――…闇を生きる彼になら、目星のひとつも付いていないものか。
その胸中にも気づかずに、期待を込めて、視線を**]
(51) 2012/09/26(Wed) 22時頃
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[しかし、期待と裏腹に 掛けられた声は、揶揄のような忠告>>50 含みを持たせた言い草は、恐怖心を煽り、加速させるに十分過ぎて。 挙動不審なまでに一歩下がり、無意識に胸元に手を宛がう。]
ひッ、人が殺され、身動きが取れないと聞きましてね。 不出来なもので――…
貴方のように、堂々と構えていられないのです。
[おどおど。 そんな音こそ似合う態度で、柔らかく左右に頭を振る。 しかし、いくら闇に生きる者と言えど、彼の落ち着きぶりと言ったら。少しだけ――…ほんの少しだけ、怪訝な色を、浮かべたのだった**]
(55) 2012/09/26(Wed) 22時半頃
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/* どひい昨日めっちゃグロッキーでしたリアルが。 しかして早めに寝たお陰で大分回復。 うおお動くぞ追いつくぞおおおおお><
(-68) 2012/09/27(Thu) 15時頃
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――回想:それは昨晩のこと――
[敵意と熱情を混ぜた、複雑な色を点した目が 壇上の果実を映していたときにことだ。 口唇を抑えたハンカチから空ろに毒を漏らして 収束に向かいつつある広場の喧騒に、耳に、声が遠退く。
―――使用人ではない、掛けられたのは女性の声で。 視線が斜め下に移ろい、見開かれ、笑うよう細められた。]
あ、ああ………そういえば、咽喉が渇いたな。 一杯頂いても。
[今日は咽喉が渇き通しだ。 シャンパンも、水も、舌を湿らせるだけで潤いを与えてくれない。 差し伸べられた手を――この時は甘んじて受け留め、水の一杯でも恵んで貰ったのだろう。それでも、咽喉の渇きは癒えなかったが。]
(122) 2012/09/27(Thu) 15時半頃
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失礼。 申し遅れましたが、俺は………あー…ジョセフと。
貴女も、あの主人のお知り合いで?
[一心地さえ付けば、名乗る余裕も出来た。 あの女主人とも違う彩を添える女性>>35の素性を求め ほんのひと時の談笑に。 焦り、逸る心を慰められてから、その場を後にしたのが。昨晩の話。]
(123) 2012/09/27(Thu) 16時頃
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――大広間――
[夕闇伯>>65の態度はひどく、落ち着いている。 その奥に激情を抱いていたとして、それを表に出さない術を心得ているようだ。]
………、貴方は恐ろしくはないのですか。
それとも、既に犯人の目星でも?
[ペーパーナイフを隠した胸元の凹凸を 己を落ち着かせる為に、指でなぞりながら、男は尋ねる。 果たして答えはあったか如何か。
何せ、その後、粗野な男と二人。 睦み合いなどととても呼べない、触れ合い>>113を始めたのだから。]
あ、ああ………
["楽園"とはとても呼べぬ、血の色は、まだ見ぬ女主人の散らかした赤と。同じ色だろうか。 想像するなり恐怖心が沸き、視線が泳ぐ。]
(124) 2012/09/27(Thu) 17時頃
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[血走った目に、向けられた冷たい人差し指>>87
暗く澱んだ青を見開き、奥歯を鳴らす。 ああ、止めろ、止めろ止めろ止めろ!]
はッ、―――…!?
寝癖………、そんな馬鹿な、昨日は一度も…
[あの柔らかなベッドに、身を預けていない。 前髪を掻き上げ、にたりと笑う口唇に、拍子抜けする言葉に。少年に揶揄られ、からかわれたのだと思い知る。]
(125) 2012/09/27(Thu) 17時頃
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[気付いた瞬間、男に渦巻いた感情は一言で形容し難い。
焦燥、怒り、妬み、殺意、全ては衝動。 あの女から招待状を掠め取ったのと同じ、それ以上の衝動。
色黒の、あの小鳥が居る限り、無事"楽園"を出ることなど叶わないのではないか。 妄信が辿り着いたそれが――…結論だった。 大広間を、小さな背中が離れてゆく。
その背中を映す目にはもう、少年の細い首しか、映していない。それは、余りにも、男には細く。頼りなく、圧し折れるように見えて**]
(126) 2012/09/27(Thu) 17時頃
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[落ち着きを、余裕を見せていた夕闇伯>>127の姿は 刺青の男と対峙する間にみるみる剥がれ落ち、鮮血が飛び散る。
絨毯の赤に吸われる、鮮明な赤。 刃を抜き取った彼にはもう、先ほどの余裕など見えず 大広間をただただ狂気が支配する。伝染、してゆく。]
お前が、殺したのか………?
[ぽつりと漏らした先は、刺青の男。 犯人の目星について、ただ暈かされただけと謂う理由で。責め立てる材料としては余りにも弱いが。 「盗んだのか」と言わないのは 男自身が、果実ではなく明確な殺意に囚われているからに、他ならない。]
(158) 2012/09/27(Thu) 22時半頃
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[使用人が仲裁に入る様を、瞠った目に映す。 緊張に震える指先が、絶えず胸元を探って、布の下にある硬さを確かめた。 果実に狂わされた蛇のいがみ合いに すっかり心を惑わされ、血の赤が頭にこびり付き離れない。]
あ、あ、……?
[大広間にまた、招待客の姿が増える。 ブロンドの少女に、白フードの学者、そして冷笑を湛える濡れ羽色>>151 特に、彼の表情がまた、昨夜の無邪気な様と釣り合わない。]
オスカー、殿?
[怪訝な声を上げるのである。]
(164) 2012/09/27(Thu) 23時頃
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如何したも、こうしたも―――…
[複雑な色を宿した目が 刺青の男と、夕闇伯を交互に見やる。 どちらも多少なりとも怪我を負っているようで、それを見守る招待客の姿ひとつにしても、皆尋常ではない。 それは、触れれば火傷をしそうな、オスカーの表情>>165にしても。同じだ。]
朝から、如何かしている! そう思わないか。
………それに、ただの口喧嘩であのように取り乱すかね。
[柔らかく眉を顰め、怯えた目を三者三様に向けた。 濡羽色が彼に手を差し出す様に その落ち着きぶりに、感心するのも束の間。]
(172) 2012/09/27(Thu) 23時頃
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ウェーズリーは、二人の射殺さんばかりの目に、ひい、と潰れた声をあげた。
2012/09/27(Thu) 23時半頃
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/*
へへ………(楽しそうですね)
(-84) 2012/09/27(Thu) 23時半頃
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ひぃ、!
[野次馬は 射殺しかねない目>>167を向けられただけで竦み、胸元を押さえたまま飛び上がる。正しく、小物風情に。 ああいう手合いの目は酒場でも見掛けるが 妻との口喧嘩にさえ負ける男だ。勝てた試しがない。]
だ、だったら誰だと………
[彼の言い分は、最もとは言い難いが すらすらと口にする辺り、頷けるものがある。 しかし、"しょぼくれたもの"として指を指されると、大袈裟なほど肩を震わせ。男は首を横に振った。]
ち、違う!
[声を荒げるも、二様に向けられる視線にすっかり竦んだ男の声は震え、引っ繰り返り。とても聞けたものではない。 それに加え、彼が口にした単語。
ジェフの素性を知らなかった男は、お巡りさんとの単語に、あからさまに眉を顰めたのである。]
(175) 2012/09/27(Thu) 23時半頃
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/* まあ心配なのが、まじで苛苛させてません? びくびくRP過ぎるかなってところなんだけど… 精神的にお強そうな方が多いので、一人くらい居ても良いかもしれないってそんな気持ちなんだけどどうなんだろう。 い、苛苛させてたら、ごめんなさい!(土下座)
虐めることのが多いので何かこう上手く出来ない…
(-89) 2012/09/27(Thu) 23時半頃
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[激情を籠めて向けられた、二様の視線。 濡羽色>>177の同意を得られても 今は心の慰めにならず、情けないほど竦んだ目を向ける。]
………ッ! 畜生、何で犬なんか迷い込んでるんだ、!
[つらつらと穏やかに並べられる、今の異常な状況。 この言葉で冷静を取り戻すことも。男には難しかった。 警備は、あの警官は何をしているのかと 青褪めた顔で周囲を見回して――…!色黒の少年にも突きつけられた、あの恐ろしい指が。向けられる。]
俺はただ、落ち着いてくれと言いたいだけだ! あんな、女の子も見ている前で、…ッ、と!
[震える声は如何、他の者に響いただろう。]
(181) 2012/09/28(Fri) 00時頃
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[――一言口にしたとは言え ブロンドの少女の目を、耳を気にしたことなど男になく。 他に上手い切り返しが思い浮かばなかったに他ならない。
小物が今最も恐れるあの人差し指に 動揺し、夕闇伯の氷を落としたような声>>178にもまた。]
それに、禁断の果実など……
[欲しくなどない、その言葉は正しいのか。 不自然に言葉を途切れさせ、血走った目が、夕闇伯の背中を見据えた。竦んだ感情の奥底に。 仄暗い感情を籠めて。]
……… あんたがそれを言うのかい…
[搾り出すような声だった。 既に距離は遠く、張本人に届くかも怪しい声だが。]
(186) 2012/09/28(Fri) 00時半頃
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[よく出来た使用人が朝食の準備を揃えてゆく。 食器の重なり合う小気味の良い音も 今は何の心の慰めにならず、咽喉が渇いても腹が空かない。
喚いていて渇いた咽喉をせめて潤そうと 近くの使用人に声を掛け、グラスを掻っ攫う。]
………、?
[一気に水を煽り、食道を抜けていく水の味。 数人に指を指され、怖気付きながらも血走った目が ふとブロンドの少女のそれと重なった>>185
澄んだ、水晶のような目。 それが不思議と奥底に暗い色を点すのに。 果実を元に集められたこの蛇の会合は。少女であれど、少年であれど油断も隙もないと。 新たに心に刻み、――…逃げるように踵を返す。]
(192) 2012/09/28(Fri) 01時頃
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[恐怖と焦燥と、殺意に縺れる足。
廊下で擦れ違う影があれば、ぎょろりと血走った目を向ける男は ――野次馬の為ではなく。 ただ一点、確かめたいことの為に、女主人の部屋を訪れる。朝訪れた使用人に、部屋の位置だけはそれとなく聞き留めていたから。
現場保存も碌に施されていない部屋。 シーツを被せられた亡骸>>92は赤い血染みが広がっており、捲らずとも生死を明らかにする程で。 織り成す死の匂いに。 ああ、この悶着を理由に。細い首を。簡単だ。
誰も居ないと信じているからこそ。 その背中は無防備に、扉を*開け放ったまま*]
(194) 2012/09/28(Fri) 01時頃
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