213 舞鶴草の村
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―回想・肆区―
アンタも― 二枚の紙を見せる彼女>>2に驚きの表情を隠せず「えっ」と声を漏らしただろう。舐められまいと鼠の後光を借りたつもりが失敗に終わった。まさか目の前に現れた彼女も持っていただなんて。
「僕は何を盗まれたか分からない。盗まれて困る物なんてない・・はずなんだ。」
―思い出してごらん。 初めは『ない』と否定できていたのに、今では鼠の言葉によって自身を信用できなくなっている。
「だから見当はついてないよ。お姉さんは何を盗まれたの?それは取り返したい大切なもの?」
少しでも情報が欲しい。この人からも。
(8) 2015/01/26(Mon) 12時半頃
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―回想―
彼女>>15も盗まれたものが分からないのか。 今まで出会った同じ境遇の人も分からないと言っていた。 分からないということは思い出せないということなのだろうか。 ―鼠は記憶まで盗むのか― 盗まれるものはないと信じてきた、信じたいのだが不安になる。 自身がその記憶を忘れているだけで何か大切なものを失っているのではないか。
「そっか、お姉さんも同じ境遇の人と出会ってきたんだね。」
黙って盗まれっぱなしなんてさせないとの言葉から感じ取るに何かを企て鼠に反旗を翻す気でいるのだろうか。 それを邪魔をするつもりはない。ただ鼠の独り占めは困る。 会話が途切れ、それぞれその場を立ち去ろうとするだろうか。 最後にこの場にいる当初の目的であることを思いだし聞いてみた。
「お姉さんは壱区の人だよね?壱区に鼠は隠れていなかったの?」
この橋の向こう側、そこに鼠の手がかりはあるのか。
(19) 2015/01/27(Tue) 01時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2015/01/27(Tue) 01時頃
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―陸区―
縁のある場所を探すのがいいかもしれない― 昨日出会った女性の言葉を思い出す。
「縁のある場所か・・・。」
縁のある場所なんて自分にあるだろうか。 あるならば......『参区』 むかし暮らしていた場所。 戻らないと覚悟を決めて出た場所。
未だそこに縁なるものがあるのだろうか。 身内は誰一人いない。 故に鼠に関連していないのならばそこに赴く意味もない。
―逃げるのか― 記憶の奥底から聞こえる声。
「違う、僕は逃げてなんかいない...。」
(31) 2015/01/27(Tue) 14時半頃
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意を決して陸区と参区を繋ぐ橋の前へと立つ。 不安はある。ただ盗まれたモノ、失われた可能性のある記憶の手掛かりになるならば...。 笠を被り口元を引き締めじりじりと参区の方へと歩みだした。
(32) 2015/01/27(Tue) 14時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2015/01/27(Tue) 14時半頃
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―参区―
こちら側は被害というものが目に見える形でわかる。 岡っ引きや同心などが慌ただしく鼠を捜索し被害を抑えようと見廻りをしている。
「やはり参区は盗まれる側か。僕はもう陸区の人間だから恩恵を受ける側でもいいんだけどな」
何を盗まれたか理解はしていないが恩恵を受けていないのは事実。むしろ余計な混乱に巻き込まれていい迷惑だ。
ただ今回のことがなければこの地へ再び足を踏み入れることもなかったであろう。それにこのような慌ただしい状況は自身の姿を隠すには丁度良い。 笠を深く被り歩み進めるとそこに現われるは懐かしい屋敷。
(38) 2015/01/27(Tue) 23時頃
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