162 絶望と後悔と懺悔と
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[突き飛ばされる勢いは、 地に突き立てる白刃でわずか殺される。 傾く真横を過ぎる太刀、 ――袖の裂ければ、血色の舞う。
地についた足、姿勢の低いまま勢い殺さず]
囮になりにきたつもりでは、ないのですけれどね。
[>>16 言葉交わす間に、背後を狙う。 低い位置からの伸び上りの斬と、 左手は受ける刃の持ち手を攻めるに備えて]
(25) 2014/02/16(Sun) 00時半頃
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それではお姉様が、 面白くないのではないですか。
[>>19 返す言葉は抑揚なく、 どの道己にかけられた言葉ではなかったが]
……そこで一緒にされるのは、不本意です。
[>>32 小さく苦情を言いながら、 >>35 安吾の追加の一閃、あわせて下から上への斬撃。 伸びた刃は真横に抜けて、黒刃は隙なく肩へと振り下ろされる。
その間も続く、絢矢の突撃。――それは]
(45) 2014/02/16(Sun) 01時頃
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――矢のようね。
[何事か呟き、>>47笑みかける姉に返すのは、 微笑みではなく執拗に左を狙う白の一太刀]
人にしても、苗にしても。 ……間引かれ続ければ、より強い芽だけが育つのは、 当然のことと思います。
[提示した解と共に、 更に踏み込む左の一突きを、 交わすを見越して二の太刀は低く切り上げた。
拾い物の獲物はそろそろ刃も零れ始めて、 囮もそろそろ役代わりであるようだった>>57]
(62) 2014/02/16(Sun) 01時半頃
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[弾かれた二の太刀、 その白い刃の長物は、一の突きをそらし、 二の突きに軽く弾かれ飛んで、地に刺さる。 そして、三の突きがわき腹を貫いた。
左の脇差も地に落ちて、――開いた両手がホリーへと伸びる。 腹に突きの刃を埋め込みながら、抱きしめるようなそれは、けれど縋るものではなくて]
……、っ、あ、
[ホリーの肩に打ち付ける左の手の平、 指輪の内側に棘の生えた角珠という暗器
腹を貫く刃を、その暗器をホリーを捕らえる杭にする。]
(68) 2014/02/16(Sun) 01時半頃
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……お姉様、ようやく手が届きました。
[微笑みの浮かぶ。 体の痛みは熱いだけ、血が失われる。 だが、それは簡単に癒えるものだ。
このまま彼女の首に、己の牙を突きたてれば]
(71) 2014/02/16(Sun) 01時半頃
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そう、ですね……、
ゆくゆくは、お父様の退屈を…… 終わらせて差し上げたいと、 ……考えて、いるのですけれど。
[その形はまだ見えず、 父に近づく力を手にしたとて、 この支配があれば、己が身は役にもたたない]
……お姉様は、 そんなことは、考えませんでした……?
(*10) 2014/02/16(Sun) 02時頃
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……相打ちは、致しません。
[漆黒の少女の艶やかな黒髪、 その隙間から覗く白い肌、肩から香る血の甘さ。 刀を一度押さえた右手が、己の血で彼女の首筋を汚した。
冷えた吐息のくすぐれば、 高貴なる純血のその肌に牙を突き立てる。 刃を己の身に抉られ、貫かれながら、 失われる血を補い、奪う血で満たす。
血塗れでなければ、優しい戯れのような抱擁、 その血にはうっとりと、微笑すら浮かぶのだから]
(77) 2014/02/16(Sun) 02時頃
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[長い髪のすべらかな感触、 血の匂い、場違いなまでの微笑み。 己を優しいと評すた彼女の言葉どうり、 それは優しげに見えた]
……お姉様は、 少し変わられたような気がします。
[牙を立てる前に、口にしたこと]
思い込みかも、しれませんが。
(84) 2014/02/16(Sun) 02時頃
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[純血の血が己を満たしていく。 傷の治癒の早まっていく、その臓腑の、血脈の蠢き。
感じている。 姉に血を奪われるよりも、 己が奪いつくすが早いだろう。
腕にその身を抱きとめたまま、 “さみしさ”など知らぬはずの存在が、 さみしさを口にしたことを思う]
(89) 2014/02/16(Sun) 02時半頃
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[手に触れたもの、囁く言葉、 もう己の血を口にしてはいないのだろう。 手にしたものを確かめることの出来ぬまま、
その小柄な人形じみた体が、 力を失っていくのを感じている。
そして自身に流れ込んでくる――なにか、を。
感謝の言葉を口に出来るのは、 己が牙を離した後、すなわち彼女が終わりを迎えた時だ]
(100) 2014/02/16(Sun) 03時頃
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、……っ、……
[引き抜かれた刃の勢いに首筋から牙を離す。 そして零れ溢れる最後の一滴をも、舐め取った]
……お姉様。
[髪をなでるように、 その首の傷跡を再び隠す。 小柄なその体を抱いたまま、確かめる。 右手にあるは短剣だった、託されたそれの由縁は知れず]
(104) 2014/02/16(Sun) 03時頃
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……ありがとう、ございました。
[そして、 己の杭としていた左手の棘をも引き抜いて。 その血のすべてを、奪い尽くした。
何に対する感謝の言葉なのだろう。 まさしく彼女は己にとっての元凶であったというのに。]
(107) 2014/02/16(Sun) 03時頃
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[そして彼女を片手に抱いたまま、向き直る。 袖にぬぐう濡れた口唇、刃は片手に置いたまま。
深みを増した緋色の瞳が見やる先、 かつて憧れた軍服の“兄”の姿と、 変わり果てた姿の“妹”]
――……どうして、
[言葉は届くか知れない。 けれど、安吾に向けるべき言葉があった]
(109) 2014/02/16(Sun) 03時半頃
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みんなに会ったわ……、 こうなること、わかってたのに。
どうして、
みんなを“駒”にしたの。
[かつての家族が鬼となること。 キャロライナは何も知らずにいた、 戦場で出会う未来を予期しなかった、とは言わせない。
きっと矛先は違っているのに*]
……どうして。
(113) 2014/02/16(Sun) 04時頃
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[頬を滑り落ちて行った手、 それを祝福だと彼女は言った。
見開いた瞳、 驚きに言葉は出てこない。
ただそういえば、 彼女はよく自分の頬に触れていたことを思い出して、 自分も彼女の頬に、手を伸ばして触れたのだ*]
(*23) 2014/02/16(Sun) 04時頃
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2人は、 ……自由になれるのかしら。
[親たる者の支配は消える、 消えて何かが残るのだろうか]
……、
[>>*12 しばし時を置いて、そんな呟きが理衣の元に届いた*]
(*24) 2014/02/16(Sun) 04時頃
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[そして否が応でも響く、父の声>>*1]
(*25) 2014/02/16(Sun) 04時頃
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……父の眷属が、 また一人増えたそうよ。
[すいと視線をやった先、 ここからは見えはしないだろうけれど*]
(114) 2014/02/16(Sun) 04時頃
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絢矢、… でもあなたは人を捨てたじゃない、
[鬼気迫る、とでもいうような姿、 ホリーの血を舐めとったあの笑みと、 満身創痍を忘れたような、それはすべて遠からぬ未来に帰結するように見えた]
[漆黒の少女の身体が消える、 安吾の刃より零れた血、 その跡もまた手より消えれば、拾い上げるは己の刃]
それでは果たす前に、尽きるわ……
[拾った刃は足を止めるになげやった。 すでに己の傷は癒え、目的は果たした。 今はとどまる理由なく、引く先は**]
(139) 2014/02/16(Sun) 13時頃
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