151 雪に沈む村
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[>>1ジリヤに何の用かと問われ、カルヴィンはぶんぶんと剣を振り翳す動作をする]
急にチャンバラがしたくなっちゃってさ。 ウォーレンから剣を拝借して、こうズバババっと暴れ回ってやる…つもり、だったんだけど……。
[横にいるウォーレンの視線が気になって、段々とカルヴィンは声を潜める。 カルヴィンの作戦が失敗に終わったことは、ジリヤにも伝わったかもしれない]
ウォーレンの仕事の邪魔なんてしてねーしー。 むしろ遊ぶっていう子供の仕事を俺は全うしているだけだしー。
[などと、自分勝手な論理を展開する。ウォーレンならばこのような物言いも許してくれるだろうという、甘え]
(26) 2013/11/20(Wed) 12時頃
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[続いてトニーを労うジリヤの反応>>2に、カルヴィンは心外そうな顔をして]
ずいぶん対応が違うじゃん。 ぶーぶー。差別はんたーい。
[子供らしく頬を膨らませた。 よくよく自分の行動を思い返せば。ジリヤのお店に無断で忍び込んだり、植物に悪戯したり……。昔から繰り返してきた悪行の数々を鑑みて、彼女の反応の差は至極まっとうなのだが]
(27) 2013/11/20(Wed) 12時頃
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『あれ……、そいえばカルヴィンっていくつだっけ?』>>9
[無邪気なソフィアの問いに、カルヴィンの心がチクリと傷んだ。 内心は慌てふためいていたが、決してそれを表に出さないようにして]
うーんと。900歳!!
[努めて子供らしく、明るくおどけてそう答えた。 冗談にしか聞こえないのがミソだ。 事情を知らぬ相手は笑って流すであろうし、嘘を吐いている訳ではないから罪悪感もない。 カルヴィンは経験上、こう答えるのが自分自身が1番楽だと知っていた**]
(28) 2013/11/20(Wed) 12時頃
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『9歳のまちがいじゃねーの?』>>48
[トニーの横槍に、うっせーよとカルヴィンは口を尖らせる。 こうやって茶化してくれるトニーが、カルヴィンにはとても心地良い]
ん、どうしたソフィア。
[>>35ありのままの事実を言ったのだが、どうやらソフィアは子供扱いされたと捉えたらしい。それはそれで計算通りの反応なのだが。 あからさまに不機嫌な表情をして、頬を膨らませた彼女に。カルヴィンはぷっと吹き出して]
そう面白い顔をすんなよー。 ハリセンボンみたいだぞ。
[からからと笑うと、ますます彼女の神経を逆撫でしてしまったようだ。冬支度の手伝いをしないことを諌められてしまう]
こんな時期だからこそ、遊ぶんだよ。
[軽く笑ってみせるが、それはまぎれもない本心で]
(56) 2013/11/20(Wed) 21時半頃
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そ、それだけはやめてください……。
[今までの悪行の数々をジリヤに暴かれそうになり>>42、カルヴィンは思わず敬語になってしまう。 この古馴染の記憶力と付き合いの長さを考えれば、ひとつずつ過去の悪戯を列挙されたら日が暮れてしまうことだろう]
ちぇっ。はいはい、分かりました。 トニーを見習えばいいんだろー、っと。
[拗ねたように言って、そっぽを向いてしまう。 この古馴染にはなぜか昔から頭が上がらない。 口答えをすれば倍で返って来るのを、カルヴィンは知っている]
(59) 2013/11/20(Wed) 22時頃
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[お説教の続きだろうか。何かを言おうとしたジリヤの声>>43は、ソフィアの素っ頓狂な声にかき消されてしまう]
……まずい。ジリヤがお説教モードに入った。 トニー、逃げるぞ。
[ここぞとばかりに、トニーの耳元でそっと囁く。 それから工房の面々となにか言葉を交わしただろうか。 隙を見て立ち上がると、そそくさとトニーと連れだって工房を後にすることだろう]
(60) 2013/11/20(Wed) 22時頃
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― 村はずれの田舎道 ―
[いつもの分かれ道に近付いていくにつれて、徐々にトニーとの会話は減っていった。 口を開くと、旅に出るという彼を引きとめるような言葉を吐いてしまいそうだったから。 雪化粧された道は、いつも歩くそれとは違った表情を見せていて]
とりゃっ。
[ぱりん、と水溜りの氷を踏み割る。 体力さえあればトニーと雪遊びでもしたいところだったが、無理をすれば本当に彼の旅立ちまで“保たない”かもしれない]
ちぇっ。トニーがウォーレンからお使い頼まれてなきゃ、雪合戦でもして遊ぶんだけどなー。
[言い訳めいた文句を言いつつ、はぁーっと息を吐いて手を温める。 すっかり白くなった自分の息を見て、冬の訪れを感じた。 忌々しい、冬]
(63) 2013/11/20(Wed) 23時頃
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[自慢げにオセローに自分のことを報告し始めたチェシャ>>*0に、ピーターは頭を抱える]
(ひいぃ、もうやめてくれよ)
[耳まで真っ赤になるほど恥ずかしかった。 よりにもよって、あの老龍に対してキャッキャとピーターの凄さを報告するとは。 ……チェシャ、恐ろしい子]
ご老体。笑っておるだろう。
[やっとのことで捻りだした言葉には、威厳もへったくれもなくて]
チェシャ、我のことはあまりやたらと口外するでないぞ。 我は隠居の身。あまり世間にその正体を知られてはならぬ。
[などと適当なことを言いつつ、なんとか話題を逸らそうとする]
(*1) 2013/11/21(Thu) 00時頃
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分かってる。ちゃんと寝るよ。 トニー、なんだか俺のカーチャンみたいだな。
[>>85心配そうな声色のトニーを安心させるように呟く。 しかしこんなのはカルヴィンらしくない、とかぶりを振って。 元気で、無邪気で、生意気な――そんな子供がカルヴィンだったのではないか]
……っと。 ここらへんまでで大丈夫だよ。ありがとな。
[気付けば、いつもの分かれ道。 トニーに気付かないように、そっと『それ』を背後に隠し持って]
それじゃあ、また――
[言い終わらぬうちに、振りかぶる]
(95) 2013/11/21(Thu) 09時半頃
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ばしゅっっ!!
[秘かに手に持っていた『雪玉』を、思い切りトニーの顔に投げつけた]
へっへーん。どんなもんだい!
[からからと笑うと、一目散に分かれ道を右へ]
続きはまた今度、な!
[ぶんぶんと手を振る。ちゃんといつものカルヴィンらしく振る舞えていただろうか**]
(96) 2013/11/21(Thu) 09時半頃
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……ぜえ、っくは。
[トニーと別れてしばらく歩くと、カルヴィンは苦しげにうずくまる。 ねぐらの洞窟までは、まだ少し距離があった]
ちょっと無理しすぎちゃった。かもなあ。
[しんしんと降り積もる雪は、確実にカルヴィンの体力を奪っていく。早く身体を横たえたかった。 そのとき。どくん、と胸騒ぎ。 ――同族の、気配だった]
思ったよりも近い、な。
[重い身体を引きずり、気配の方へ近づいてゆく。 やがてチャールズの姿を捉えたならば]
ごめん、洞窟まで肩貸してくれる? [引きつった顔で、たははと笑ってみせた]
(104) 2013/11/21(Thu) 19時半頃
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……ありがと。助かる。
[遠慮なくチャールズに身体を預ける>>105。 彼の肩は暖かかった。 同族の心臓を持つチャールズなら、カルヴィンの魔力の減少を敏感に感じ取ったかもしれない。 この姿をそう長くは保てないことも]
寒さに、弱くてさー。 こういう時は、チャールズが少し羨ましいよ。
[姿かたちを変えずともよい彼に、常日頃から軽い嫉妬を覚えていたのは事実で]
(109) 2013/11/21(Thu) 20時半頃
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トニーが、旅に出るって言ってるんだ。 それを見送るまでは、頑張ろうと思ってさあ。
[>>112出歩くのをやめるよう諭すチャールズに、カルヴィンはため息をつく。 白くなった自分の息が、ふわりと宙に溶けてゆく。 つまらない意地だと彼は咎めるだろうか。 いつもの子供らしい元気さも、すっかり鳴りを潜めて]
ちょっと休めば、あと少しは保つと思うんだ。だから。
[誰かをねぐらの洞窟に招くなど、普段は考えられない。 同じ龍の血の流れるチャールズにだからこそ頼めた。 彼なりの、甘え]
(121) 2013/11/21(Thu) 22時半頃
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[なにやら真顔で考え込んでいたチャールズに、抱っこを提案されれば]
ば、馬鹿っ。なに言ってるんだよ! 抱っこなんて恥ずかしいだろ!
[顔を真っ赤にして、ぶーぶー抗議する。 言ってから、まだこんなに子供らしく振る舞える自分に驚いて。 くすり、と笑ってしまう。 いいじゃないか。子供らしく甘えたって。 なんたって自分は。“子供”なんだから]
――おんぶが良い。抱っこよりも。
[ちょっぴり恥ずかしそうに、チャールズにせがんだ]
(122) 2013/11/21(Thu) 22時半頃
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[>>132チャールズに身を委ねて、おんぶをされる。 義足の足取りはどこかアンバランスで、“ドナルド号”と比べて決して快適なものではなかったけれど。 温かくて大きな背中に安心感を覚えて、ついまどろみそうになる。 寒さで赤くなった頬を、ぼすんとチャールズの背中に摺り寄せた。 確かに身体は悲鳴を上げているというのに、それは酷く幸せなひとときで]
――端から見れば、親子に見えたりするのかな。
[何気ない呟きは、自分の吐息と一緒に冬の空気に溶けてゆく。 彼の数倍を生きる自分がこんなことを言うのは、おこがましいであろうか。 着きましたよとチャールズが言ったなら、カルヴィンは洞窟に静かに身体を横たえる。 いくら同族の心臓を持つ者と言えど、本来の姿を見せることは憚られた。 自分を“子供”として扱ってくれている、チャールズへの礼儀でもある]
ありがとう。しばらく、ここで休むよ。
[暗にひとりにして欲しい、とチャールズに告げる]
(140) 2013/11/22(Fri) 00時頃
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……。
[チャールズの気配が去ったのを確認すると、カルヴィンは全身に身に纏っていた魔力を解き放つ。 まばゆい光に包まれた洞窟が元の静けさを取り戻すと、そこには巨大な翼竜が鎮座していた。 “カルヴィン”の姿は、もうどこにもない]
魔力を。温存しなければ。
[硬い声で呟くと。すぅ、と静かに目を閉じる。 もしも洞窟を訪ねてくる者の気配を感じたならば、慌てて目を覚まして“カルヴィン”に戻ることだろう**]
(141) 2013/11/22(Fri) 00時頃
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