25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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[月はまんまると呼ぶにはまだ僅かに欠けがあり、 しかしあと一夜も待てばその色は満ちるだろう。
――…昔、月の日を楽しみに暮らしていたことがあった。 黒檀の髪が短く切り揃えられていた幼い頃の話だ。 身なりも、食事も、寝床も、学ぶ作法も全て異なる同じ顔と 自由に会うことが許されるのは月に一度この日だけで。
『…隠れて、隠れて、』
霞の手を引いてはそう言い隠れ鬼の真似事をした。 離れる時間が惜しくてどちらも鬼にはならぬから、 二人で隠れる場所を探すだけの隠れ鬼の意味を為さぬ遊び。]
(323) 2010/08/03(Tue) 20時半頃
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[自室へと戻れば新たな麹塵の羽織が用意されたが あまりあの大広間へと戻ろうという気にもなれず。 そのまま休もうかと思った高嶺の心を変えたのは 従者に指摘されて気付いた黒檀の髪に咲く紙の花。]
――…ふ、 …これは一体…何時の間に…?
[ひらひらと揺れる蓮の形に、 薄い笑みとも憂い笑みとも異なる笑みが自然と零れ。 その蓮の花を部屋に大事に置くと、再び高嶺は広間へ向かう。]
(324) 2010/08/03(Tue) 21時頃
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[大広間には同じ顔と坊主の花主はもうなく、 花は、花主は誰がその場に居ただろうか。 広間でまず惹き付けられるは紅い月の絵、 何時置かれたのか、誰が描いたものか、 戸口でとっくりそれを見つめた後に 元の席へと戻ると、花達へと口を開く。]
―――…何か、見せれるものはないのか…?
[芸が見たいと、そう言えば見せる花はいるだろうか。 花が動けば麹塵を羽織る花主は、薄く笑い其方を見て。*]
(326) 2010/08/03(Tue) 21時頃
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懐刀 朧は、メモを貼った。
2010/08/03(Tue) 21時頃
懐刀 朧は、頬杖つき其れだけかと煽るような瞳で鵠を見つめれば、白鳥はどのような舞を見せるか。*
2010/08/03(Tue) 21時半頃
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[白鳥が事切れる笛の音。 演舞が始まり、そして終わるまで。 終わって三度拍手を送る間も煽るような瞳は変わらない。 多く賛辞の言葉を向けるわけでもなく、 3名の花を見る目付きは高嶺の花主のもの。]
―――…吹け、
[次をと華月が言うのならば、そう言って舞台へと送った。 窺い見る夜光と眼が合う、薄く笑った花主は 自ら舞おうとしない花を責めることなく、ただ見つめ。]
[聴こえた悲鳴には再び舞台へと。 華やかな手妻を見せて笑む花が見せる新たな一面に、 黒檀はゆっくりと細まる―――…面白いものを見るように。]
(380) 2010/08/03(Tue) 23時半頃
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――…あまり宴の席に合う演目ではないな。
[最後の事切れる音は先程と同じようで、異なる者。 演舞とはいえ目の前の舞台で二つ、命が消えた。 呟く声は文句を言いつつ楽しげな色が乗る。
夜光はどうか、後に続くか。 肩を抱く姿を眺め、無理に舞台へ行くことを強いはしない。]
……何を想って、 歌い…奏で、舞うのだろうな…花達は。
[呟くのは花主にはわからぬ花の想い。 演舞の最中は無心であろう、 興味を抱くのはその無心となる前後のこと。 答える声は、あっただろうか。]
(382) 2010/08/03(Tue) 23時半頃
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[夜光が舞台へ行く、顔を上げて。 その貌は怖気の乗るものだったけれども、 自ら挑む姿には好ましいものを見るように 口端には緩い笑みが浮かび]
―――…見目は麗しいのに、 揃いも揃って頑固でケチな花達だ。
[答えを見せぬ花二人には、そう言って文句を言う。 その裡は様々、そのようなことは承知。 それでも知りたいと思うのは高嶺の花主としてか、 それとも違う何かがそう思わせるのか。]
(392) 2010/08/04(Wed) 00時頃
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[似たようなことを同時に言う二つの花に 少しばかり考えるように黒檀は伏せられる。 売り言葉に買い言葉、にはならず二つの言葉に 文句の声は返ってこなかった。]
――…なんだ、もう聴けぬのか?
[拗ねる華月には、そう訊いて。 夜光の演舞が終わる、本郷との会話を思い出す。 ―――…祭で化ける、花は居る。 目の前の花はどうなるか。
そんなことを考えていたら、本郷が戻ってきた。 迎える顔は常と変わらぬものだ。 花祭の席で、花と花主が共に居るのは当然のこと、と。]
(405) 2010/08/04(Wed) 00時半頃
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[本郷が近くに座ることを気にはしない。 まんまるは酒で潰れて転がってでもいるのだろう。 演舞が終わった中、すぴょぴょと男の寝息が聞こえ]
お前の天下一の口の悪さよりかは、幾分マシだ。
[折角の本郷の良心を打ち砕くような言葉を返す。 近くに来たということは、何か話でもあるか。 そんな視線を本郷へと向けてから見るのは辞そうとする花。]
(415) 2010/08/04(Wed) 01時頃
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―――…華月、
[名を呼ぶ。 此方を見たのなら、黒檀が細まった。]
……使う茶器の色は白だ。 種類と茶葉が判らぬ時は、鵠に訊け。
[暗に茶を淹れろ、と。 口にするのは、使い走り紛いの言葉。 先日――…鵠へと告げたものと同じもの。]
(417) 2010/08/04(Wed) 01時頃
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……今でなくとも、 祭の間ならば、何時でもいい。
[茶汲み、其の言葉が何を意味するか、 それは華月は察するだろうか。 本郷や天満月を気にする姿に笑みは零れて]
(424) 2010/08/04(Wed) 01時半頃
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懐刀 朧は、しょげていた儚き花の姿も見えると、黒檀が一度そちらを仰ぎ。
2010/08/04(Wed) 01時半頃
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[華月の返事を聴くと黒檀はもう一つの花を見る。]
……鵠、
[もう一人の花の名。]
…使う結い紐は檳榔子染、 飾りは要らん、鈴の音も私には不要だ。
[華月とは別の、使い走りを鵠にも告げる。 訪れるのなら祭の間、と言葉をつけて]
(435) 2010/08/04(Wed) 01時半頃
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―――…高嶺の名を欲するのなら、 それを持って、一度私の元へ来い。
[二つの花へ。 それが、傍らの本郷からの進捗の答えにもなるだろうか。 ぱちん。 成ったわけではない、けれども剪定をする。 花主が名を呼び選んだのは、二つの花。]
(438) 2010/08/04(Wed) 02時頃
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[先代ならもっと器用に選んだだろう。 そしてこのような花は、決して選ばなかったはず。 脳裏で聴こえた音は、今度は近くではっきりと。 本郷を見ると、随分と平たい眼をしている。 零れそうになった言葉は、飲み込まれた。]
―――…?
[不思議そうに儚き花を見る。 此方に怯えるような其の仕草は記憶になく]
……主は、見つかったか?
[そう訊いた。]
(445) 2010/08/04(Wed) 02時頃
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[花二人からの返事を見ると、本郷の姿を眺めた。 進捗、問われた言葉をそのまま返す。 目の前の男は何かを見出しただろうか。]
―――…それが高嶺だ。
[本郷からの言葉にはそう返した。 高嶺の花は、高嶺の花。 高嶺は一輪だけにあらず、先代は多くの花を囲っていた。 それと同じ形を当代が取ることになるのかはわからない、
ゆっくりと、息をつく。]
…少し、疲れたな。
[言葉が、零れる。 休むことにしようかと呟く貌には憂いの色が浮かんだ。]
(459) 2010/08/04(Wed) 02時半頃
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…あの年頃のものにはどうも、嫌われるな。
[逃げるような儚き花に、 花の名を保留している少年を思い出して呟く。 華月と鵠に今それ以上を話しかけることもない。 んぐ、と干琥珀を押し込められれば喉を鳴らし 本郷を睨み上げるが、気遣いだと言うことも判る。 子供扱いを厭うことなく貰った干琥珀を口に含んだ。]
……馬鹿言え。 そのような脅し、一生気が抜けなくなる。
[まんまるになどなってたまるかと一つ文句を返し 先に広間を出て行く本郷を見送る。 一度、言葉を零した後は広間を出るまでは 溜息も憂いの顔も見せることは無く。
広間を出る前に華月と鵠を見る姿は高嶺の花主のもので。]
(469) 2010/08/04(Wed) 03時頃
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[高嶺が二つの花を剪定したという話は、 其の内屋敷の中に伝わるのかもしれず。
けれども花は未だ、成ったわけではない。
花主は、花達は其れを聞いてどのような反応を見せるだろう。]
―――……、
[月が、満ちていく。明日になれば全て満ちる。
『明日は、会える』
月の日を楽しみに暮らしたのは二つが共に在った時まで。 ―――…満月の時には何かが起こる。 隠した同じ顔の花が摘まれていった日も…、 先代が、潰れた実のように変わった日も。
黒檀を静かに伏せる、浮かぶ憂い…感じる負い目。 重く伸し掛かるのは過去の罪にか…それとも、高嶺の名にか。**]
(473) 2010/08/04(Wed) 03時頃
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懐刀 朧は、メモを貼った。
2010/08/04(Wed) 03時頃
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[ひとつ、音が鳴る それは夢か現か 鳴る音は堕ちた実から落つる紅
ひとつ、実がなる 腐り堕ちた実、手が生え、足が生え、頭が生える 実には大きな種が二つ、 ぎょろりと見開く目玉の種が見つめる先に咲くは
紅い、紅い…果実… 否、 咲いているのは――――…嗚呼、紅い―――]
―――…っ
[視界の先に浮かぶのは紅ではなく、ただの天井。 其処で夢は途切れた。]
(552) 2010/08/04(Wed) 17時頃
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― B棟・自室 ― [眼を覚ました時には日は完全に昇っていた。 何時もより多く寝た筈なのにちっとも疲れが 取れた気にはならず零れそうになる溜息を飲み込む。
遅い朝餉を持ってきた従者に断りを入れると 寝間着のまま窓のほうへと向かう、聞き慣れぬ音。 対の二輪を選ばれた、そう口にする従者の言葉は 正しくもあり、間違ってもいる。]
――…嗚呼、成る程。
[黒檀を細めて零れた言葉に首を傾げられたが その説明も、従者への訂正も入れずに下がらせる。 思い出したのは、一つの花の言葉だ。 頬杖ついて窓の外を庭の風景をぼんやりと眺める。 髪も下ろし、一見は月下の花主とも見間違う姿。
庭の誰かと目が合っても、此方からは今は声を掛けずに。**]
(557) 2010/08/04(Wed) 17時半頃
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懐刀 朧は、執事見習い ロビンの奏でる音はまだ続いているだろうか。
2010/08/04(Wed) 17時半頃
懐刀 朧は、本屋 ベネット達が噂ばかりしていると、一つくしゃみが出たようだった。**
2010/08/04(Wed) 17時半頃
懐刀 朧は、メモを貼った。
2010/08/04(Wed) 17時半頃
懐刀 朧は、メモを貼った。
2010/08/04(Wed) 22時頃
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― B棟・自室 ― [窓から庭を覗くと幾つかの人影。 聞き慣れぬ音は消えてしまった、 そのことに残念そうに黒檀を細める。 花主は歌えない、舞を舞うこともできぬ。 頬杖ついて暫くは庭を眺めていたが、 其れにも直ぐ飽いて退屈を覚えた。]
……湯浴みを、
[従者にそう言って寝間着の帯に手を掛ける。 待ち人があるわけではない、 花達に声は掛けたが祭はまだ2日目に入ってもおらず 選んだ二つの花に他の花主が声を掛けることだってある。 返事が戻るには未だ早いと高嶺は考えている。 窓縁からその姿を消すと、身支度を始めた。]
(619) 2010/08/04(Wed) 22時半頃
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[身を清めながら思い出すのは、 逃げるように去っていった儚き花の姿だ。 あの年頃には好かれぬとはわかっているが、 それにしても怯えられるには身に覚えがなかったから。]
……主から何か聞いたか…?
[主を見つけたと言っていた、其れから聞いたか。 怯えられる程の話を持つ花主を記憶に探るが、 それもまた、記憶になかった。
ふと、首を傾ぐ。 誰かと間違えているのなら―――… 浮かぶのは、同じ顔の花主だった。]
(634) 2010/08/04(Wed) 22時半頃
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[花の名残を消さぬ同じ顔の花主に抱く感情は複雑なものだ。 しな垂れ媚びる姿を、見ていられないと思うほどには。
『――…月が満ちる。今宵は、会える日。』
同じ場所まで上り詰めた花主。 酒を酌み交わすと約束した。 話すのならば―――…]
(637) 2010/08/04(Wed) 23時頃
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懐刀 朧は、湯浴みを終えると羽織るのは桑染の色。
2010/08/04(Wed) 23時頃
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[髪を結われる。 身支度を終えれば、部屋を出た。 探し物はあれど、見つかればいいという程度のもの。 宛てもないまま足音無く向かうのは本邸の方向へ。]
(644) 2010/08/04(Wed) 23時頃
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懐刀 朧は、渡り廊下を過ぎて本邸に入ると、廊下には3つの花の姿。
2010/08/04(Wed) 23時頃
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― 本邸・廊下 ―
…此度は威勢のいい花が多いな。
[廊下に響くような声に見るのは虎鉄の姿。 言葉遣いから、其処にいるのは桜の色の花だと 思っていたので少し意外そうに黒檀を瞬かせた。]
――…少しばかりか、まんまるの嗜好が 判ってしまったのはいいことか悪いことか。
[間違いなく後者ではあるが。判断に悩むように目を細めた。]
(655) 2010/08/04(Wed) 23時半頃
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[頭を下げる夜光の姿も見止め、 その手の動きには少し面白いものを見るように。 花達はいつもそうやって、気を配るものなのか。 そこは花主にはわからぬ世界で、]
―――…、
[常と変わらぬ華月からのあっさりとした答えには、 黒檀の瞳が驚いたように大きくなり花を見つめ。 しかしそれも長い時間ではなくゆっくりとした瞬きの後]
――…、…そうか。 ならば…後で、部屋まで運べ。
[告げる表情と声音は、此方もまた常と変わらぬもので。]
(661) 2010/08/04(Wed) 23時半頃
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[高嶺からは虎鉄の姿は記憶になく、 初めて見るものに緩く、首を傾げる。 記憶にないのは宴席での騒動で他を見ている余裕が なかったからでもあり、常に全ての花を覚えることを 努めているわけでもないからで。]
―――…名は?
[桜色や眼鏡の花のように噛み付いてくるのだろうか。 宴席の場でなければその態度を高嶺が気にすることはなかった。 此方を見やる花に、名を問う。]
(664) 2010/08/04(Wed) 23時半頃
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[鈴の音が聞こえ、鵠の姿を見たのは遅く。 目が合っても黒檀は鵠を見るだけで何も言わない。 今までのように煽る瞳を向けることも無く、 その変化を白鳥の名はどう受け取るか。]
――…そうだな、
[黒檀を細めて。 言わなければ含まなかったのだが、 華月が口にしたので威勢がいい中に取り込んだ。 訊ねには一つ、頷く。思う言葉は今は飲み込み]
――…冷めた茶はあまり好まん。 待つにしても、頃合いを見て来るといい。
[承諾と共に少々の無茶を言った。]
(673) 2010/08/05(Thu) 00時頃
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懐刀 朧は、虎鉄からの視線には、同じように花を見返して。
2010/08/05(Thu) 00時頃
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[礼儀がなっていないわけではないようだ。 射抜くような瞳、同じように返す黒檀は 面白いものを見る時の形で]
―――…、…如何した。
[此方を射抜く花の名は、未だ呼ばない。]
(676) 2010/08/05(Thu) 00時頃
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[辞する挨拶を向ける夜光を見る。 自由気ままに振舞う花主が花の行き先を 詮索するわけがなく、一つ頷いて]
――…下がれ、
[律儀な花に許しの言葉を。 引く姿にこの花なら知っているだろうかと ふと思い出したように名を呼び返す。]
……夜光、
儚き花を知っているか…? こう――…小さく、捨てられた子犬と仲の良さそうな。
[名も知らぬ花のこと、説明をしようとしたが あまり上手くできなく難しい貌になる。 その花の話を直前までしていた、夜光がその姿を 探しに行くのだとは知らずに。]
(682) 2010/08/05(Thu) 00時半頃
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[崩れぬ笑みの花にそれ以上を言うでもなかった。 問う言葉は華月が注文に答えてくれた時にでも話せる。 それは鵠に対しても同じこと。 花が結い紐を持ってくるかまでは未だわからぬが。
今の花主の興味は、目の前の威勢のいい花にあって]
―――…兄弟子?
[訊く口調で呟くと見るのは傍の華月のことだ。 射抜くような瞳は、挑む瞳とも似ている。 ああ、と相槌を打ち]
……見て、何を思った?
[どのような主と、目の前の花には見えるのか。 面白がるように問うてみる。]
(689) 2010/08/05(Thu) 00時半頃
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[明之進の名を出す夜光を見つめ、 その瞳の色が同じだということに初めて気付く。]
……主のいる花だ。
[それに夜光が頷けば、間違いないのだろう。 明之進、名前を覚えるように一度呼ぶ。]
…もし、会うことがあるのなら 高嶺が気に掛けていたと…伝えろ。
[その名を明之進が知っていたかまでは考えず、 伝えればまた近いうちに会えるだろうかと そのような考えから夜光に言伝をした。]
(692) 2010/08/05(Thu) 01時頃
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