238 聖痕の空〜Knockin' on heaven's door〜
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……そうだな。
[雨もあり身体の不調は戻りきらないが。 無理に走ったお陰か動けないという程ではなくなっている。]
じゃあ、ボクも行く。 オマエこそヤバくなる前に連絡しろよー。
[雨はまだ止まない。 呼ばれれば必ず行くと、込められた意味へと少し捻くれた信頼を返して。 紙の傘を差して、友人>>1:363とは反対の方向へと駆け出した。*]
(6) 2015/09/14(Mon) 00時頃
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[路地裏を走りながら思う。
神威=アンジェ・ロイス――嘗ての一ノ白神威。
名前を変えた事は正直どうでもよかった。 彼が痣なしを蔑む事がなかったようにカムイはカムイだった。 それでも、馬鹿だなあと思う事も、一族を負う自覚なさげに見える事に幽かな腹立ちを覚える事はあった。]
……オマエは立派な"聖痕者"だよ。
[嬉しかった、とらしくもない言葉。 守る、とごく当たり前にも言った。
親友は裏切り者ではない。 『良い』と言われたこの目を信じよう。]
(24) 2015/09/14(Mon) 01時頃
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[ ――――――――――――カァ ア ァッ ]
(25) 2015/09/14(Mon) 01時頃
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[その時、不意に光が差した。 呪雨に晒され、冷めた体を温める様な太陽の光だ。]
サイモン。
[会ったのは数える程。 それなのにこれが彼の命なのだと何故か分かった。
これなら偵察の式鬼紙《シキガミ》をまた飛ばせる。
すぐにでも実行すべきだったのだろうけれど。 暫し、傘越しに広がる青空を見上げていた。**]
(26) 2015/09/14(Mon) 01時頃
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―路地裏―
[傘が解れ紙鳥と成る。 雨により少し色褪せた鳥達は陽光の元、主の周囲を飛ぶ。
カムイは無条件に信じると決めた。 その判断も信じるならば紫藤が裏切り者。 その紫藤をこちら側とした大須賀は少なくとも雨が降った時一緒にいた。。 カムイの言い方からすると紫藤と龍山の決着はついておらず、彼女の仕業とも思えない。 かといって12柱以外にあれ程の事をできるとは思えない。]
最低で2か、3。
[それも希望的観測だ。 一体何家が加担しているのやら。 最初に襲ってきたドローンは分かりやすく土御門を連想させるが――。]
(79) 2015/09/14(Mon) 17時半頃
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[周囲の紙鳥達がかさかさと羽搏き。 前方に鋭く舞い降りる小柄な姿>>62に思考は中断される。]
……これは、百洲の。
[警戒してわっと周囲へ広がりかけた紙鳥へ目配せすると、それらは全て近くのフェンスの上で羽休めた。]
当然。 ボクが在る限り当主様に害が及ぶことはないです。
[当主と言えど他家の者。 極度に遜りはしないとばかりに愛想笑いも向けはしない。 三黒相手にそうだったように、無機質なそこに無意識な侮蔑>>63を見て取っているからでもあるが。]
(80) 2015/09/14(Mon) 17時半頃
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……ええ。 ボクの式鬼紙《シキガミ》です。
[当主らしく報告を命じる少女>>64に、伊達眼鏡の下で少し目を細める。
かさ…
主の腹立ちに紙鳥達から羽擦れの音がする。 止まらせていても警戒は解いていない、いつでも攻撃態勢に入れると示すように。]
(81) 2015/09/14(Mon) 17時半頃
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詳しくと言っても。 ボクも伝聞の部分があるので"殆ど"そのままです。
龍山と紫藤が争い。 龍山は紫藤が門を開けようとしていると言っているらしく。 そして大須賀はそれを否定している。
[伝達をする時に外した情報がある。 『大須賀は神威も裏切り者としていた事』
それを外したままの説明は理岐が『誰に』争いの話を聞いたのか、不自然な空白ができる。**]
(82) 2015/09/14(Mon) 17時半頃
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……。
[気付かれた。 無表情でバンクルに手を掛ける少女>>134を見る。
ただの警戒か、裏切り者か。 分からないがこちらから奇襲を掛けるには距離が近すぎる。 恐らく日向の攻撃の方が速いだろうと予測を付ける。]
……そうだな。
カムイに聞いた話だ。 ボクはアイツは裏切り者ではないと思っているから報告には乗せなかった。
[攻撃意志がないと、ファイルを片手に両手を上げる。 フェンスの上の紙鳥達もピタリと静止した。 最も、完全に警戒を解いたわけでなく、ファイルの影に防御用の結界札は隠してあるのだが。]
(145) 2015/09/14(Mon) 23時半頃
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[偽りの名を告げて鎌をかける事も考えた。 だが、大須賀がどちらか判断つかない以上、リスクの方が大きいだろう。
ならば、自分で釣るのが手っ取り早い。
この奇襲の好機を前に、さて目の前の少女はどうするのか。]
(146) 2015/09/14(Mon) 23時半頃
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……ッ!
[射出されたワイヤー>>153が迫る。 眼鏡越しでは視えずらい、けれど、その軌道に殺意は見て取れなかった。]
……。 そりゃあ、百洲の。
キミがボクを警戒する様に。 ボクもキミが裏切り者かどうか考えていたとも。
まあ、最も。 聖痕持ちでもないボクを殺す意味も価値もないと、そう思われていたのかな。
[切れた髪が二、三本はらりと落ちる。 幽かな痛みと共に、ワイヤーの掠った頬に血が滲んだ。]
(159) 2015/09/15(Tue) 00時半頃
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―幸々戸家 離れ座敷―
[裏切り者の出現に騒めく表の物々しさこそ届かぬものの。 今日は庭に出る事すらも禁じられて気のそぞろに本を読んでいた当主は黒い闖入者>>@2に目をまあるくしていたが。]
『リッキーの?』
[兄の依頼と聞けば、店員に敵意がないのもあったが警戒など何処へやらぱぁっと笑顔になった。
当の兄が見ていたら、一度に5匹の苦虫を噛み潰したような顔をしただろう。 何にも自覚していない。 いや、初めからその濃い幸々戸の血とそれに付随する聖痕以外求められていないのだ。
汚れ仕事など駒にさせておけばいいのだと。]
(195) 2015/09/15(Tue) 18時頃
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『うわあ、美味しそう。 いただきます。』
[差し出されるクレープ>>@3を当主は素直に受け取る。]
『店員さんはへんな雰囲気だね。 黒くもなくて白くもなくて。 へんな感じ。』
[クレープを一口齧ってから、満足そうな店員に首を傾げる。 目の良い兄よりはもっとずっと感覚的に言って、にこにことおやつタイムを続ける。]
(196) 2015/09/15(Tue) 18時頃
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『早く帰って来てくれないかなあ』
[兄の残して行った紙の蜘蛛を撫でる。 クレープ《幸運》のお陰でご機嫌で、体の調子もいい気がする。
それが《幸運》にも、『形代』として繋がる兄の負担を減らしたとは、弟の知らぬ事。*]
(197) 2015/09/15(Tue) 18時頃
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―路地裏―
……ああ、そうかい。 そちらから話しかけておいてそれか。
聖痕持ちの当主様はお偉い事で。
[子供相手に大人げなくも吐き捨てる。 それでも、幸々戸の『形代』の事を考慮していなそうな様子は『裏切り者』らしく見えなかった。 そう考えれば、身を守る品を渡されたとはいえ、弱ったのを本当に放置してさっさと退散した三黒はほぼ白か。
まだ冷静に思考してたのはワイヤー>>181がフェンスを打ち。 ばらりと周囲に紙が散らばるまでの事。]
(198) 2015/09/15(Tue) 18時頃
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[バチィンッ!
唸る鋼の鞭を、結界札により防御障壁を得たファイルが受け止め、弾く。]
唯では済まさない?
居場所を簡単に教えると思っているのか? 裏切り者かもしれないオマエに。 オマエ、カムイをどうする気だ。
[有無を言わさぬ武力行使に、足りぬ言葉もあって、目が曇る。 彼女の狙いは聖痕持つカムイだと認識する。]
(199) 2015/09/15(Tue) 18時頃
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行かさんよ。
[何処かでいつもの調子の悪友達の声>>182>>191が聞こえる気がするのなら尚更。
かさ ざああざあ ざあ
裂かれずに散らばった紙と、ファイルから新たに飛び出す紙が瞬く間に鳥の型へと戻る。 式鬼紙《シキガミ》使いが一歩後に下がる。 それに合わせ紙鳥達は一斉に鋼のように鋭き翼羽搏いて。 少女の手首のバンクルを狙い殺到する。**]
(200) 2015/09/15(Tue) 18時頃
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あ゛あ? ならクソ偉そうにボクに話しかけんなッ!
[聖痕持てなかった者はその言葉>>220により激昂する。 『持って生まれただけ』 それだけ、たったそれだけの事がないだけで、全てが無価値だ。]
なにもしないなど。 信じられるかッ!
[目が曇る。 少女の言葉の意味も本当の目的も。 視えぬままに式鬼紙《シキガミ》を繰る。]
(233) 2015/09/15(Tue) 23時頃
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[式鬼鳥の数は多い。 群れ成し、主を囲い、その翼で切り裂いていく。 その分、個々の防御は弱く、強化されたワイヤー>>225に触れた鳥達は容易く二つに切り裂かれる。]
侮るなよ百洲。
[式鬼紙《シキガミ》使いの手には白紙の札。 5枚あるそれを扇子の如く構え。 鳥の群れを切り裂いて、振り下ろされる鋼の鞭を真横へ叩き逸らす。]
(234) 2015/09/15(Tue) 23時頃
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……チィッ。
[バリッと紫電が弾け、赤が舞った。 技量の差により逸らしきらなかった鋼は右の肩口を浅く抉った。 だが構わず腕を返す勢いで、裂かれず残った2枚を紙の刃として投じようとした時だった。]
……。 あれは。
[一瞬周囲が暗くなって、陽色-ヒイロ-と紫色-シイロ-の球体>>215が空を彩る。 それの意味するところ気が付いて、一瞬飛び回る紙鳥の動きが止まる。]
(237) 2015/09/15(Tue) 23時頃
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……関係、あるに決まってんだろッ!!!
[自失していたのは一瞬。 少女の突然の癇癪>>243に面喰っていたのも数瞬。
間違ってはいないが大いに誤解のある悪友を殺すとの宣言。 そして、一層の激しさを増した鞭による攻撃に、食いつかんばかりに少女を見据え。]
(250) 2015/09/15(Tue) 23時半頃
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その腕。 一体、何をしている?
[傷つく傍から再生をしていく傷>>235。 百洲がそのような技を持つとは聞いたことがない。 余りに異質すぎるそれに、家ごとに秘匿された技術など幾らでもあるだろうと、冷静でない頭は判断できない。]
……なんでもいい。 カムイの元へ行くというなら殺す。
殺せ。
[それを合図に紙鳥達が一斉にワイヤーへと突っ込んでいく。 触れては切られれるそれらは無数の紙片となって宙へと撒き散らされ。
視界が色紙で埋め尽くされた刹那、少女へと向かい2枚の紙の刃を鋭く投じる。]
(253) 2015/09/15(Tue) 23時半頃
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はっ、護り手風情? 護り手だからだ。
[少女>>260を刃が貫くのに、哂う。 だが、その傷も瞬く間に再生をしていく。
対してこちらは。 袖の下から腕を伝い、紅い血が流れて落ちる。 切り裂かれた式鬼紙《シキガミ》は十や二十ではきかず、反動もそれ相応に。]
(263) 2015/09/16(Wed) 00時頃
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