124 Acta est fabula.
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…… そうか
[肯定の言葉>>1を聞き、短く声を紡いだが男はそれ以上の問いは投げかけない。 理由はどうあれ恋人を手にかけたことに疑問は浮かべど、それ以上踏み込んではいけないようにも思え。 その後はただ手を動かし、刻んだ玉葱を湯に入れて味付けを開始した]
───── ?
[その作業の最中、器を用意するために鍋から離れた時。 厨房の扉が少し開いている>>0ことに気付き、動きを止める。 男の顔が完全に扉へと向いているため、目元が隠れていても見詰めていることは周囲からも理解出来よう]
(2) 2013/06/06(Thu) 00時半頃
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問題無い
[扉を開けて顔を覗かせるミッシェル>>3の言葉に、緩く首を横に振る]
…… 食べなけりゃ 持たん 大したものじゃ ないが
[問うような声には頷きを持って肯定を示し。 人数分の器を取り出してトレイへと並べた]
食えるなら 食うと良い
[ミッシェルにそう言って、男は運ぶだけとなったスープにスプーンを添える。 それからパンケーキはどうなったかと、チールーへと顔を向けた]
(4) 2013/06/06(Thu) 00時半頃
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[パンケーキの用意が出来たチールー>>6と頷き合って、二つに分けたそれらを運ぶべくトレイを手に取る]
部屋 …… かもしれん
声かけてみて 無理だと言うなら 後で食えば良い
[ミッシェルの提案>>7にはやや首を傾げつつも、止めることは無く。 スープならば後で温め直せば良いと、そう考えて言葉を紡いだ。
チールーに続いて廊下へと向かい、男はトレイを広間へと運ぶ。 広間から人数が減っていても、食える奴は後で食うだろうと。 そんな考えから、広間へ運んだ後は早々に食事を口にするつもりで居る。 それも終われば器を片付けて、借りている部屋へと戻る予定だ**]
(8) 2013/06/06(Thu) 01時頃
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[腹の足しにならぬ。 獣の仔は男の中で唸る。
溢れる血潮と新鮮な肉を。 獣の仔は男の中で渇望する]
(*0) 2013/06/06(Thu) 01時頃
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[いくら茶を飲んでも渇きは癒されず。 いくら飲食しても腹は満たされない。
人は満足しても、獣は不満を募らせた。
危うい均衡が崩れる時は、近い───**]
(*1) 2013/06/06(Thu) 01時頃
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─ 昨日/広間 ─
[チールーと共にトレイを広間へと運んで、待っていたミルフィや問うて来たシメオンに食事を勧めて、男も食事を口にした。 概ね好評であるらしい様子に男の口端が軽く持ち上がる。 食べることが出来ていることと零れた感想は、見聞きしていて気分の良いものだった。
食事を平らげ器を片付ける際、遅れてやってきたシビルが礼を向けてくる>>15のにも口端を持ち上げて。 頷くように頭を動かした後、厨房で洗い物をしてから借りている客間へと戻って行った]
(54) 2013/06/06(Thu) 17時半頃
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─ 昨夜/客間 ─
[雨音のみが響く客間で、被っていた帽子を右手で外す。 猫毛のブロンドが帽子と共に持ち上がり、帽子が完全に離れると柔らかな軌道で元の場所へと落ちた]
……………
[サイドチェストの上に帽子を置き、着替えもせずにベッドへと仰向けに転がる。 もう怯えずにゆっくり休めると思うと、すぐさま睡魔が訪れた]
……─── ヴェラ師匠 ──
[慕っていた人の名。 人狼だった者の名。
眠りに落ちる刹那、前髪の奥で雫が一つ、ベッドへと零れ落ちた*]
(55) 2013/06/06(Thu) 17時半頃
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─ 翌朝/客室 ─
[雨音響く中での目覚め。 男はうつ伏せた状態で目を覚まし、前髪の奥で眉根を寄せる。 全て終わったはずなのに、昨夜見た夢は赤に彩られていて。 それは男に最悪な気分での目覚めを齎した]
………………………
[無言のままで起き上がり、着替えるべくシャツに手をかける]
(56) 2013/06/06(Thu) 18時頃
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[男は何故自分が裸で横になっていたのかが解らなかった。 昨夜は確か、着替えるもままならず睡魔に襲われ眠りについたはず。 不可解な現象に首を傾げながらも、思い起こすのは昨夜見た夢。 妙に現実味を帯びた夢だった。
目の前に広がった紅い海。 その中に斃れる一人の男性。 獣の傷跡。
それらは何度も見てきた光景ではあった。 否応なく見てきた光景だった。
こびり付いた記憶は安寧を許さないとでも言うのか。 あまりの気分の悪さに、男は無意識に深く溜息をつく]
(*2) 2013/06/06(Thu) 18時頃
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[緩慢な動きでの着替えの最中、雨音に混じり扉をノックする音が響いた>>45]
…… 起きている
が、 着替えの最中だ
急ぎの用なら そのまま
[着替えの手は休めずに、扉越しに話を聞くと伝える。 扉越しであることと、雨音が声の邪魔をしたが、告げられた内容はしっかりと男の耳に届いた]
────!!
…… 着替え終わったら 直ぐに行く
[信じられない内容だった。 その目で確かめるまでは、実感も湧かず。 着替えの手を早めながらミッシェルへと返した]
(57) 2013/06/06(Thu) 18時半頃
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[扉から気配が離れた後、着替え終わった男はサイドチェストの帽子を手に取り、頭へと被せる]
……… どういう ことだ───
[困惑を宿しながら廊下へ出ると、告げられたベネットの部屋へと急いだ]
(58) 2013/06/06(Thu) 18時半頃
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[ベネットの部屋には既に人が集まって居た。 シメオンは既に外へ出たようで、その場に姿はない。 開け放たれた扉から鉄錆の臭いが漂い、男は前髪の奥で眉根を寄せた]
──────── っ
[人々の合間からベネットの部屋を覗き込む。 咽返る臭いと目の前に広がる光景に息を詰まらせた。 たじろぐように、足が一歩、後ろへと下がる]
…… Mein Gott ……
[掠れた低音が、驚愕と動揺を孕んで零れ落ちた]
(67) 2013/06/06(Thu) 20時半頃
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[男はこの光景を見たことがあった。 数日前の記憶などではない。 つい最近───そう、昨日だ]
─── あれは ベネットだったのか?
俺が見た あの 夢は
[現実味を帯びた夢。
否、夢と思っていたそれは、現実]
(*3) 2013/06/06(Thu) 20時半頃
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─ 昨夜 ─
[男《獣》は夜半に目覚めた。 自由に動く身体。 箍が、本能が、限界を迎えていた]
オォーーーーーン ────………
[高らかな遠吠えは夜半に強まった雨音に紛れ、他へは届かない。 遠吠えが掻き消えると、身体がじわりと変化し始めた。
皮膚は数多の獣毛に覆われ、口端は引き裂け、頭部には二つの突起が現れ始める。 身体が縮み、着ていた服の中にすっぽり隠れてしまうと、その中から毛もくじゃらな物体が這い出てきた。 元の体躯に似合わず、仔と言っていい大きさの、ダークブロンドの毛並みの狼。 すの姿に不満を覚えたか、男《獣》は身震いをしてもう一つの姿へと転じた。 人と狼、両方の形を持つ姿に]
(*4) 2013/06/06(Thu) 20時半頃
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[物音を立てても雨音で消される悪天候の中。 男《獣》は廊下に出て贄(エ)を求めた。 渇きと空腹が極限へと達し、もはや我慢の限界で。 贄(エ)を物色する時間も惜しみ、手当たり次第に襲おうとするほどであった。
その矛先となったのは、ミルフィの幼馴染であるベネット。
襲うのは誰でも良かった。 渇きと空腹が満たされればそれで良かった。 目覚めたての仔は、返り討ちになるリスクも省みず、ベネットの部屋へと押し入った]
(*5) 2013/06/06(Thu) 20時半頃
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[獣の本能とは良く出来たものである。 贄(エ)が声を上げられぬよう、真っ先に牙で喉を喰い千切った。 口の中に広がる血肉の味。 周囲へと撒き散らされる濃厚な香。 待ち望んだものを一気に飲み込むと、唇だけで喘ぐベネットを床へと引き摺り倒し、骨に覆われていない腹部目掛けて顎門を大きく開いた。
グチャ ピチャ ゴリッ
柔肌を牙で引き裂き、腑を啜り、勢い余って骨を噛み砕き。 心行くまでベネットの血肉を貪った。 男《獣》は満足すると紅い海に斃れるベネットから離れ、仔狼の姿で毛並みについた紅を舐め取り始める。 夜中に廊下を通る者は居らず、その光景を見るものは居ない。 紅で寝ていた毛並みを立たせると、四足で立ち上がり事切れているベネットを見詰めた。
シ《死》を齎すシ《紫》の瞳。 普段は前髪に隠れているその瞳で贄(エ)となった者を一瞥した後、仔狼は半人半狼の姿へと転じ、発見が遅れるよう部屋の扉を閉めた。 そうして開け放したままだった自分の客室へと戻り、扉を閉めてベッドに身を投げ出す。 うつ伏せに転がる獣の身体は、眠りに落ちるうちに人のものへと戻って行った*]
(*6) 2013/06/06(Thu) 20時半頃
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[紅い海に斃れるベネットに釘付けになっていた顔がチールー>>62とミッシェル>>63へと向く。 彼らの会話からシメオンの様子がおかしいと言うのは知れたが、それよりも何よりも。
チールーの冷たい無表情が。
騒動の最中の感覚を呼び戻し、背筋を寒くさせた]
────〜〜〜
[言葉を発することが出来ず、前髪の奥で困惑の表情を作り。 交互に、チールーとミッシェルへ顔を向けていた]
(68) 2013/06/06(Thu) 20時半頃
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おれが ベネット を ────
そんな 馬鹿な
俺が 人 狼 …… 師匠と 同じ ───
おれが 俺が おれ が
(*7) 2013/06/06(Thu) 20時半頃
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Mein Gott!!(何てことだ!!)
(*8) 2013/06/06(Thu) 20時半頃
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[男《人》は自分《獣》を知り、嘆きの声を上げた。 人狼として覚醒した理由は知らず、ただ血肉を求める存在であることを認識し。
目の前で為される会話に恐々とする。
追う側から追われる側へ。 再び訪れた死への恐怖に、シ《紫》の瞳が収縮した]
(*9) 2013/06/06(Thu) 20時半頃
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[下がる眉尻を前髪で隠したまま、耳に届いた声>>66にミルフィへと顔を向ける]
─── ミルフィ なにを
[言っているんだ。 そう続くはずだった声は彼女が浮かべる表情を目にして途絶えた。 人狼だと宣言して薄ら笑うミルフィもまた、男の背筋を寒くさせて。 平和に戻りつつあった感覚を、否応なく悪夢の只中へと引き戻していく]
(69) 2013/06/06(Thu) 21時頃
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…… また 殺さないと 殺さないと いけない
ミルフィが 本当に
だとしたら ────
[もし人狼ならば。 生きるために殺さなくては。
まともな思考が出来る者など、この状況でどれだけ居るのだろう。 少なくとも、男の思考は麻痺し始めていた]
(70) 2013/06/06(Thu) 21時頃
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──── 殺さないと
人を 殺して 殺して
いきるために 殺して 喰らって
今までと同じように 殺して ころ して
(*10) 2013/06/06(Thu) 21時頃
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[人の思考と獣の思考が入り交じる。 追われる側に立つ恐怖は複雑な思考を行うのを拒否して。 全てを喰らい障害を取り除こうと、男は単純な思考に支配された]
(*11) 2013/06/06(Thu) 21時頃
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──── ミルフィが 人狼だから
[言葉の違和感には気付かぬまま、自らが人狼だと言うミルフィ>>71の言葉を男は繰り返す。 喩えまともに思考が働き、先程とのニュアンスの違いに気付いたとしても疑心暗鬼になるのは否めないだろう。
誰が人狼なのか、判ずる術は失われてしまっているのだから]
だったら ミルフィを殺せば ………
あぁでも ─── しまったな
外に 捨てちまった
[容疑者を殺すのに使っていた愛用の鉈は雨が降りしきる中に投げ捨ててしまった。 今この手に、ミルフィの命を絶てるものはない。 方法が無いわけでもないが──それを許してくれるのかどうか]
(72) 2013/06/06(Thu) 22時頃
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ブローリンは、ミルフィの言葉に前髪の奥で瞬いて、何も持たぬ手に一度視線を落とす。
2013/06/06(Thu) 22時半頃
ブローリンは、黍炉やミルフィ、ミッシェルのやり取りに耳を傾ける。
2013/06/06(Thu) 23時頃
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[人狼だと言う相手に何を問うことがあるのだろう。 ミルフィが人狼だったとしても、そうじゃないとしても。 名乗り出たと言うことは、つまり]
…… 死にたいのだろう 殺してやれば良い
誰が人狼なのかも 分からないんだ
ミルフィが 本当に人狼ならば ……それで終わる
[人狼が誰なのか分からないのならば、誰を殺したって同じ。 ならば死にたい奴を殺してやれば良い。 麻痺した思考は複雑な考えを忌避し、単純なものへと傾いていく]
(84) 2013/06/06(Thu) 23時頃
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殺して ころして コロシテ
雨が止むまで 生き延びて
ここから逃げ出せば きっと
(*12) 2013/06/06(Thu) 23時頃
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[生きるためにはそれしか方法が無い。 人として人を殺して、獣として人を殺して。 それを繰り返して行けば、生き残れる。 男を害そうとする者が居なくなれば、きっと道は開ける]
(*13) 2013/06/06(Thu) 23時頃
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何を迷う
今までも してきたことじゃないか
[これまで散々村人同士で殺し合ってきているのだ。 人狼を探す術があったにも関わらず。
ミッシェルの声>>86に端的に返して、男は人が集まる中から離れ行く。 この手に命を仕留めるものはない。 無いならば、得に行くまで]
(87) 2013/06/06(Thu) 23時頃
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[場を離れた男にミルフィの声>>89も、チールーの声>>90も届かない。 ミッシェルの言葉>>93にも、返すものはなかった。 誰を殺すかなど、悩む必要は無いために。
足を向けるのは集会場の外。 未だ降り止まぬ雨の中、傘を差して廊下の窓に面した場所へと向かう]
……………
[雨に打たれてすっかり紅が流れ落ちた鉈に視線を落とし、腰を曲げて右手で柄を掴んだ。 濡れた木の感触は男の手に馴染むもの。 その感触と重さを確かめると、何にも包むこともなく、鉈を手に集会場へと戻って行く。 玄関まで戻ると傘を壁に立てかけて、右袖についた水滴を左手で払った]
(94) 2013/06/06(Thu) 23時半頃
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───── ……… ころすか
[ミルフィが幼馴染の下へ行きたいのであれば、他も同じような想いを抱いているのだろうか。 誰も彼もが置いていかれた存在。 彼の者が先立たれた者の下へ行きたいと願っているかは知らないが───]
あの人を 殺したのは 俺 だしな
[その人は人狼だったが、それまで長く添ってきたのだから。 少なからず、想うところはあるのではないか。
低く小さく呟きながら、使うことの無い鉈を握り締めたまま、客間のある方へと歩き出した]
(98) 2013/06/07(Fri) 00時頃
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