193 古参がゆるゆるRPする村
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― 漁師の小屋 ― [膝をつけたまま意識を取り戻したところは、小屋のようだった。 自分の居場所が解らぬまま、闖入者に驚く男が一人入ってくる。
漂流された地でよい食事を頂き、散々血色良好に帰ってきたお陰で、男からは人間に非ずと疑われる結果となる。 無益な戦いはデメリットしかない、荷物につめておいた菓子の類を袖の下に説得することになった。]
(79) 10347 2014/09/22(Mon) 01時半頃
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[それから数日間、正常な空気に慣れてしまった自分を元に戻すため小屋に留まっている。 滞在については男は小屋で寝るなら別にいいと言った。 海の傍で作られたこの小屋は元々耐水性がよく、汚れた海でも中々朽ちないのだろう。
男はその間、毎日小屋に来て漁の道具を持ってどこかに行き、暫く経った後に戻ってくる。 今日は収穫があったぞと喜んで俺に報告してくる。 中身を見せてくるが、そのどれもが生きているぐちょぐちょの何かだった。]
(80) 10347 2014/09/22(Mon) 02時頃
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何故、未だに漁をするのだ。 収穫はあっても、その魚が食べられるものかはわからない。 それに襲われる危険だってある。
[そういう質問を聞くと男はまるで変なものを見る目で自分を見ながら、 さも当たり前のように、俺は海に還るからだと答えた。
もし腹が減って食いたくなったら、食えばいい好きにしろ。 ただ食えなかった部分は海に捨ててくれ。 冗談とも付かない言葉を、本気で漁師は言った。]
(81) 10347 2014/09/22(Mon) 02時頃
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綺麗な水…? 馬鹿な、未だにそんな場所があるのか?
[体も慣れたので旅の続きをすると漁師に伝えると。漁師は次の行先を聞いてくる。行先はないと答えると、そのような場所がある事を伝えてくる。
一瞬あの病院が浮かんだが、直ぐに違うだろうとため息を吐い首を振った。
どうやら綺麗な泉だか何だかが朽ちかけた城だか屋敷にあるらしいというのだ。方角なら解るから行ってみたらどうだ―と。]
わかった、色々世話になった。 ありがとう。
(82) 10347 2014/09/22(Mon) 02時頃
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― 暫くの後 ―
端末の利用者は、次々に退院しているようだな。 徐々に書き込みが徐々に減っていた。
[端末は何故かまだ持っていて、暫く使えていた。あの場所との繋がりと言えばこれくらいだが、非現実なそれのせいで現実だったとわからせてくれた。]
これは…ここに置いていこう。 もう電源とやらが切れかけていると思う。 もしかしたら、だが…。 [誰かが見つけてくれるかもしれない。 それが端末を知る者かもしれない。 そのことを拾い上げてくれるかもしれない。
その言葉をぐっと飲み込み、黄砂に沈む中に端末を埋めた。]
(83) 10347 2014/09/22(Mon) 02時頃
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[やがて城壁が見えてくる。 漁師から聞いた目的地、城下町。 名は確か…なんだったか。
周囲には、足に纏わり付いてくる草の蔓とも蔦とも呼べるか解らない代物たち。 使い慣れている斧を構え、斧を振るいながら踏み出した。]**
(84) 10347 2014/09/22(Mon) 02時頃
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