162 絶望と後悔と懺悔と
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[次の言葉が発っせられる前に。 周の体が遠ざけられる。
――…離されて、しまう。 身を留めんと立てた爪は、どれ程彼の肉を抉っただろう。]
(4) 2014/02/12(Wed) 00時頃
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――折角の機会…なのに。
[近くに在れば、『斃す』機会は幾らでも作れそうなものを。
倒れた背中。その流れる紅が視界に入る。]
………退ける、訳がない。
逃す、訳がない。
[状況の変化に、周囲の吸血鬼達が咆哮を上げた。殺せと殺気を強くし、周にもサミュエルにも、牙を向く。]
斃させる、訳には――…いかない、から。
(26) 2014/02/12(Wed) 00時半頃
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[刃の鳴る音が切り裂くのは空気だけではない。 散らすのは火花だけではない。
九昆の、押された力を流して身を屈め、小太刀の柄尻を腹に打ち込まんとする。 それでサミュエルの体が離れても。]
……ふたりとも、ここで 死ねば、い………イ
[金の上から紅を乗せた、紅鬱金が眸に混じる。 邪魔になる雌雄の刃は腰のベルトに差し。
横にした小太刀の刃を撫でるようにして構え直す。]
(41) 2014/02/12(Wed) 01時頃
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[撃ち込むべき身は、先に離れていく。
サミュエルを見返す零瑠の、微笑みに混じる色は何色か。 咆哮が煩わしい。
邪魔をするなと叫ぶために開く口は、振るわれた九節により閉じざるを得ず。]
(48) 2014/02/12(Wed) 01時頃
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[一歩、踏み出した足の二歩目を止めるのは声、聲。
抉れた土の、誰の血とも知れぬ赤で濡れた土が零瑠の頬を汚す。 手から小太刀を落とし、零瑠は顔を覆って地に膝を着いた。 そのまま背を丸くして、踞る。]
………
(54) 2014/02/12(Wed) 01時頃
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柊…と、だれ………
[明之進のものではない足音がする。>>40 のろり顔を上げる。
黒衣はもう見えない。 迫ろうとした鬼達の、散開する鬼達の、姿に紛れて。
なのに]
あま、ね?
(58) 2014/02/12(Wed) 01時頃
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[決して抗えはしない鎖は金色の。
それが眸に僅か表れたのだろう。 金の眸を持つ者は限られている。]
………う、ん
[俺だけを殺せと見上げる視線に、やや間を開けてから頷いた。]
(59) 2014/02/12(Wed) 01時半頃
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[這うようにして周に近寄り、 手袋の、指の部分を噛んで引っ張り、捨てる。
震えた手で彼の頬に触れ、頭を抱き抱えた。]
………お、とう……
(60) 2014/02/12(Wed) 01時半頃
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おとう、さま。
……トルドヴィン、さま。
[伺いを立てる聲。]
ひとり、連れて帰っても……宜しいで、しょうか。
(*7) 2014/02/12(Wed) 01時半頃
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あなたが昔、殺さなかった―――男のひとりです。
叶うなら、御前で。 ………捧げましょう。
(*8) 2014/02/12(Wed) 01時半頃
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[土産をと、問い掛ける合間に響く明之進の声。>>63 制止にびくり肩が跳ねた。
拍子に頭を落としそうになり、慌てて留める。]
……だって。柊……
[振り返り、明之進を見る目は弱々しい。]
(67) 2014/02/12(Wed) 01時半頃
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………あき。
[大家族であった頃の様に、1度だけ名を呼ぶ。]
『家族』だからこそ、だよ。
なら、柊はどうするの?
[傍に在る涼平に視線を投げ、元気だったかと問い掛け微笑む。
許可の聲に、見えずとも深々と頭を垂れる。]
(76) 2014/02/12(Wed) 02時頃
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感謝、致します
[近くに在ればこそ好機だと、そう思うは事実だが そんな未来は実在しないとも思っていた。]
(*13) 2014/02/12(Wed) 02時頃
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[心を震わせる聲に、感嘆の息を漏らす。 滅多に聞けぬその柔らかな音が、ずっと欲しかった。
良い子だと褒める言葉が、欲しかった。]
あぁ……
(*15) 2014/02/12(Wed) 02時頃
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あぁ……
[満たされた様に微笑み浮かべ、周の頭部に唇落とす。]
御許しが出たよ。行こう? 周。
[肩を抱き、身を起こさせる。赤く染まった外套を脱がせ、出来うる限りの破壊をくわえた長ドスと、匕首を残して戦場を後にする。]
(84) 2014/02/12(Wed) 02時半頃
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……ん
[ただ1度、振り返り。残そうとした匕首を拾いあげる。 止血は己の外套を引き裂いて行い。
両手が塞がって居ても構わない今であれば、 抱えられる周の、一番負担の掛からぬ態勢を取った。**]
(88) 2014/02/12(Wed) 02時半頃
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―始祖の城―
[周の事を頼んだのは、短い言葉を発するその聲に混ざるものを感じたから。>>*2 自分の頼みが機嫌を損ねるものではないと踏んでいたが、不機嫌であれば――不興を買うだけだとも。
労いの言葉は胸を擽る。>>*3 けれど、ひとり、足りない。 言葉の切れ目に横を見遣る。直円がいつも立っている場所を。]
……………
[周やサミュエル、涼平の他にも『家族』が居る可能性が、恐れが胸を襲う。 ぎゅと胸元を押さえ。]
(*26) 2014/02/12(Wed) 13時頃
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――直円は、果敢に…戦った事でしょう。
[模擬戦の時の、あの戦い難さを思い出し。 口調を変えた心境を測りはすれど。
主人の為と働く自分を、どう思っていたのだろうか。もう聞けぬ答え。 黙祷を捧げ。仇討ちに頷く。
続く話の、その先を待つものの。 誰が手柄を立てたのか、誰が……>>2:*68]
あの。今回の初陣にて、武勲は…
[伺う。 周の暫しの存命を願い出たのはその後。*]
(*27) 2014/02/12(Wed) 13時頃
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―城の外―
[学帽を目深に被った少年が、とある街の小さな診療所を訪れた。近くの公衆電話から電話をかける。]
兄が! 背中に割れたガラスが刺さって! お願いします! 血が、血が、止まらなくて、早く――たすけ、て……
[診療所のすぐ近くまで来ているからと訴え。
治療鞄を持ち、駆け出して来た医者をにこやかな笑顔で出迎えた。*]
(116) 2014/02/12(Wed) 13時頃
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―城の自室―
あまね……
[連れ去った『家畜』に周の怪我を治療させる。背中の傷を縫い合わせるのを見守り。 赤色の肉が閉じて見えなくなる。
用の済んだ『家畜』は吸血鬼に引き摺られていく。
静かになった部屋で。寝台に横たわる周の髪に触れる。吸った血の乾いた夜桜のシャツに視線を落とし。床に膝を着いて、彼の手を握る。
止血と痛み止と化膿止めの。薬をどう飲ませようか。]
(118) 2014/02/12(Wed) 13時頃
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―回想>>2:*78>>2:*79―
[不意の出来事に、零瑠は目を瞬かせる。 理依の腕の中。聞こえたのは、唇動く音だけ。]
(*28) 2014/02/12(Wed) 14時頃
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理依にとって、『家族』って、なんなのさ。
[この先、同じ問を投げるとは思いも知らず。>>2:483]
そうやって、黙って、ただ頷いて欲しい相手? 我慢するような、相手のこと?
[そろり指先を伸ばし。跳ねた髪の一房を引っ張る。]
仕舞っておかないで、よ。 これ以上閉じ込めてしまうなよ。
(*29) 2014/02/12(Wed) 14時頃
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どんな事でも、俺は聞く。
理依だって、本当は…分かってる、だろ?
[どんな望みを聞かされたって。 孤児院で過ごした時間は、城で過ごした時間は、 そしてこれからの時間だって。 変わらない……はずだ。*]
(*30) 2014/02/12(Wed) 14時頃
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―城中―
[零瑠が戦場から人間の一人を連れて帰った事は、 城内に居る者には既に知れ渡っていた。
どうするのか。問われても笑みを返すだけ。 答えるとすれば主人一人にだけ。]
理依。
[外出の身なりをした彼を呼び止める。]
サミュエルから、伝言。
(*32) 2014/02/12(Wed) 15時頃
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『――……おではあいつがら逃げた。 でも、今度は逃げねぇだよ。』
『おでは、家族を吸血鬼から護る。』
[5年振りの物真似は自信がない。 戦場で聞いた言葉をそのまま伝える。>>2:457>>2:468]
……逃したんだ。サミュエルのこと。
[ジと理依の顔に注いだ視線は自らの手に落ちる。 掌を開いて閉じて、刀を緩く掴む仕草を見せた。
刃の交わりがあったと言いたげに。]
(*33) 2014/02/12(Wed) 15時頃
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……サミュエルを逃がしたから、 直円が殺された――ようでなくて、良かったね。理依。
[自分は帰還命令が出たから、仕方なく逃しただけ。 戦うでもなく『退け』と言っていたサミュエルの、表情の変化を思い出し。>>35
小さく息を吐き、口端持ち上げる。
会話の終わりには、ひらり手を振り見送る。*]
(*34) 2014/02/12(Wed) 15時頃
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―回想―
[城で迎えた14歳の誕生日の日。 ふと意識が浮上し、明之進にホリーの牙が刺さるのがぼんやりと見れた。]
ひい、らぎ。
[明ではなく、苗字の方を呼び、再び瞼が落ちた。
後日。『柊』と呼び名を改めたのは、彼の言わんとする意味を教えられてから。>>1:*204
『たとへば桑の実の、初は赤きが、後黒となりたるが如しといへり』
桑の実の様だと俄かに思った緋の眸を覗き込むも、伏せて見えなくなった。]
……あぁ。それで。
(*35) 2014/02/12(Wed) 15時半頃
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明。手。
[沈黙を破り、手を出してと促す。 明之進の手に綴るのは『鬼』そして、『柊』。]
鬼を刺す為の…
[掌の肉厚な部分を撫で、唇を寄せた。 牙の側面を当てる。]
……刺が、ないじゃないか。
(*36) 2014/02/12(Wed) 16時頃
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[では、今は? 同じものが生えているだろうと、また牙を見せ。]
痛い?
[――と問うた。 主人には向けられぬ牙。刺。
けれど。この刺は濡れ羽色には刺さる――…と。 この時は思っていた。]
(*37) 2014/02/12(Wed) 16時半頃
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[この牙が刺ではないというのなら。 やはり、まだ生えていないのだろう。 日と月を合わせた『明』の名ではなく。 『柊』と呼ぶのは。 彼がそう為らんとしている姿と知ってか。>>*227 手折る日が来ないようにと願ってか。*]
(*38) 2014/02/12(Wed) 16時半頃
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―『常磐』―
[部屋一面に、緑色の反物が用意される。 萌黄、若葉、若竹、緑青、千歳緑、常磐、深緑、鉄色、天鵞絨、革色……。]
『―――、わかるかい?』
[男児は首を振る。 すると男は障子を明け、小さな中庭の松を指さした。]
『松は桜と違い、秋になっても冬になっても、葉を落とすことがない。 つまり、』
(124) 2014/02/12(Wed) 17時頃
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『――――永久不変、
なんだよ。』
[男児はじっと松の葉を見ていた。触れれば刺さってしまいそうな、細い松葉を。 青みの濃い、緑色を。]
『……では、もう一度。―――。 自分の色を、探してみなさい。』
[柔らかな朝の日差しが室内を照らす。 深呼吸し、男児は目を凝らす。
日の当たる場所。陰る場所。 松葉と何度も往復させ。
小さな指は、やがて―――『常磐』を指す。**]
(125) 2014/02/12(Wed) 17時頃
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―城の中・自室―
[額に浮かぶ汗を拭ってやる。 握った手が動き、目覚めを知らせた。]
あまね……おはよう。 傷の具合は、どう?
[まずは様子を伺い。]
………まだ、殺さないだけ。 まだ少し、生かしてるだけ。
(138) 2014/02/12(Wed) 19時半頃
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トレイルは、瞬き、言葉を詰まらせた。**
2014/02/12(Wed) 19時半頃
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―城の中で、理依と―
つまり、今回も理依が逃げた――…と?
[笑って言う事かと眉を顰め。>>*41 互い違いの様に表情が変わる。
嫌味のある物言いをしたと左足を下げて身構えたが拳のひとつもとんでこなかった。]
………そう。 その言葉、覚えたから。
忘れたら、――――恨むよ?
[握られたままの理依の拳。 何と一緒に握り締めたのか……何も、聞かなかった。**]
(*50) 2014/02/12(Wed) 21時半頃
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―城・自室―
……
[『そうだよ』だなんてリカルドの物真似をしたら白い目で見られてしまいそうだし、何よりすぐ近くに彼女が居たとしたら気まずい。なので、零瑠は大人しく黙っていた。>>151
手当ての言葉にこくと頷く。>>155 歯を噛み締める音に、眉を寄せる。]
悪趣味……。 なに、周。目覚めなければ良かった?
[手の力を緩めていく。>>157]
(163) 2014/02/12(Wed) 22時頃
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………周の知りたい『みんな』って、誰の、こと?
[守護部隊の、陸軍の。 そして吸血鬼の。死体の数は多い。]
直円、は……死んだ、よ。 殺された。形見のひとつも、ない……
(165) 2014/02/12(Wed) 22時頃
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仲間全部……は、ふふ。
周、らしい…。俺のことも、うん。 だから、
[だから周は此処に居るんだろう。 ばかな事を聞いたと項垂れる。]
敵方に、捕まったまま――って。
[嬉しいと思ってくれたことに小さく笑み、言葉の先があるのかと待つ。>>164]
(172) 2014/02/12(Wed) 22時半頃
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……あぁ、涼平も、城の中に居るよ… どうして来たのかは、俺、知らないけれど。
[サミュエルが死んだ情報は手に入れてないと 告げ。リカルダも無事だと告げる。]
……ねぇ、周。おなか、空いてない? 俺。食べられるものを持ってくる、から。
[その前に。 夜桜に指先を伸ばし、桜花を撫でる。 紅の眸がいま求めるのは、ひとつだけ。]
(175) 2014/02/12(Wed) 22時半頃
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―回想―
[居なくなってしまった直円への反応は皆様々で。 主人の視線も様々に見える。>>*51
零瑠が見せる言動は、計算したものではないけれど、 主人の視線と表情とに、喜びを覚えた。]
…
[武勲を立てたものとして真弓の名が上がり、 零瑠は唇を結び視線を下げる。
が、次いで自分の名が呼ばれ、はい、と明るい声で応えた。]
(*55) 2014/02/12(Wed) 23時頃
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[別の褒美とは何だろうか。真弓に視線を投げるものの。 与えられる褒美に喜びを隠せない。
また、あの至福を得られる。
けれど、自分一人の成功ではなかった。 作戦を成功させたのは、明之進も同じ。 この人は全て見ていたのに…。
やや後方に居る彼を振り返り、その視線を主人に向け。 恭しく頭を垂れた。*]
(*57) 2014/02/12(Wed) 23時頃
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そう、涼平まで。周は何も出来ないよ。これは、覚えていて。
[桜花から周の首筋へ。 1度噛み付いた傷痕が、微かに残っている。 背中の傷も、まだ痛むようだ。 あぁ、周は人間なのだなと。思う。
自分の分の食事も――と、首筋に顔を寄せようとしたが、 扉の叩く音に邪魔をされた。それに、リカルダの声もする。>>180]
……先に、周の分を持ってくる。
(194) 2014/02/12(Wed) 23時頃
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[立ち上がり。]
大人しく待ってて。 リカルダに何を言われても、この部屋から出ないように。
いい子で居てよ? 周。 俺に命令を破らせるような事を、しないでくれると助かる。
[ぴんと額を小突いて念押しすると、零瑠は部屋の扉を開けて部屋を出て行く。>>184]
やぁ、リッキィ。周なら起きているよ。 手短にね?
(196) 2014/02/12(Wed) 23時頃
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トレイルは、リッキィの頭に手を乗せ、やんわりと労わる様に撫でた。
2014/02/12(Wed) 23時頃
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…わかっていると、思うけど。リッキィ。
(*59) 2014/02/12(Wed) 23時頃
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周は怪我人だから、無茶な事をさせないで。
それと、万が一だけれど。 部屋や城の外に逃がそうだとか…そんな事、しちゃいけないよ。
周は俺が、此処に連れて来たんだから。 どうするかの権利は俺に在る。そうでしょう?
[再会の為に、部屋を訪れたのだと思いはすれど。 ほんの僅かの可能性だって、潰しておきたいのだ。]
(*60) 2014/02/12(Wed) 23時半頃
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トレイルは、サミュエルの髪の色は山吹茶だなとふと思い出した。
2014/02/12(Wed) 23時半頃
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……磔にされた周や涼平を、見たくはない――よね? 俺だって、見たくない、よ。
[彼女を疑っている訳ではない。 在るとすれば、焦り。
どんな風にすれば主人が愉しめるか。 『贄』をどうすべきか。>>*63 思考を巡らせる。 余計な事を考えてしまわないように。追い出すように。]
(*65) 2014/02/12(Wed) 23時半頃
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[やれる事の1つに自分との会話も含まれていた。 目頭が熱くなり、釣り上がる唇を眩しそうに見詰め。>>198]
頼もしい。流石、『おにーちゃん』。
…周はさっき、リッキィの事呼んでたから。 ちょうど良かったんじゃない?
[周の匕首は腰にあるが、学生服の上からは見えぬだろう。 良かったと微笑み。>>199
リカルダとの内緒話が終われば、今度こそ部屋を後にした。*]
(209) 2014/02/12(Wed) 23時半頃
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ん、そっか。ごめん。
[余計な事を言ったと、髪を撫でる手は優しく。>>*66]
『家畜』>>*63の辿る末路>>*65を口にした。 周は『特別』なのだ、とは
……言えなかった。]
そう、だな。 聞いておいてよ…。 吸血鬼になるつもりはないか、って。
そうしたら、『みんな』……
(*69) 2014/02/13(Thu) 00時頃
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…いや。何でもない。
リッキィはリッキィの、したいようにすれば良いよ。 最善を尽くせば、いい。
あぁ。 涼平の事は柊に任せようと思ってるけど、リッキィも気にかけてあげて。
[言葉を途切らせたのは、自分でも何を望んでいるのか分からなかったからだ。]
(*70) 2014/02/13(Thu) 00時頃
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[指先は、先ほど桜を愛でた。 現実であって欲しいと願った、夜桜。
何か、なにか。 大事な事を忘れている様な、気がするのに。
例えば、どうして流血がダメなのか。 鬼になり、克服させられたことに少なからず安堵したものだ。 理由の分からぬ事への恐怖が、消えたから。]
(222) 2014/02/13(Thu) 00時頃
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[希望。希望。
昔。 書き散らしたものを思い出す。
『冀望』。その意味は―――…*]
(*71) 2014/02/13(Thu) 00時頃
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―城の中・厨房らしきもの―
……酷いな、ここは。
[鍋の中には具の少ない汁物。 あからさまに栄養価が不足している。
『家畜』用の食事なんてこんなものかと、腰に手を当てて溜息ひとつ。*]
(226) 2014/02/13(Thu) 00時頃
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―陸軍駐屯地襲撃の翌日―
お父様。食事の支度が整いました。
[用意された血杯>>*54を盆に乗せ、主人の部屋を訪れる。褒美の為に。
明之進との違い>>*63は何か。 聞けばそれは明らかで。]
…贄は、まだ眠っております。 怪我の治りを待つつもりはありませんが、 失った血が少しでも回復するまで、しばしお待ち下さい。
(*72) 2014/02/13(Thu) 00時半頃
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[鍋に火をかけ、形の歪んだ貧相な人参とじゃがいもを刻んで放り込んだ。 今日の食事は豪勢になるな。喜べ。 その分、明日の食事はないかも知れない。
何をするのかと咎める吸血鬼を制す。]
……
[医者に治療させたのは「生かせておけ」という『命令』ではない。 今、周の首が繋がっているのは、『許可』があってのこと。
彼の暫しの延命を願い出たのは、零瑠だ。
けれど、正直には言わなかった。 誤解を深める事を口にした。
生かすも殺すも――…零瑠次第。そう、今は。*]
(244) 2014/02/13(Thu) 01時頃
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―主の私室―
[古びた本の香り。>>*75 墨色が指を染めなくなって、5年が経つ。
主人の手に和綴じの本が在るのを認め、 題名が何かと首を伸ばした。
上がる顔の、その耳に掛かっている眼鏡を認め、 まさかと思考を明後日の方向に飛ばし。 有り得ないと自ら打ち消した。]
珍しいお姿を拝見出来ました。 良くお似合いで。
(*78) 2014/02/13(Thu) 01時頃
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|
[襟元を緩めた長い指、上下する喉仏に視線を奪われ、呆とその場に立ち尽くす。>>*76 食事の終わり、掛けられた言葉に姿勢を正す。
殺すと鬼として活かすのと。 どちらがより愉しみを引き出せるのかと、考え倦ねていたのを見透かされた様で。 唾を飲み込む。
揺れる金の髪。椅子の僅かに軋む音。]
……はい。では、お側に。
(*79) 2014/02/13(Thu) 01時頃
|
|
[紅と金の、その色に。魅入られる。 どんな懺悔も叶う気が、して。
片膝を長椅子に乗せ、白絹の下に指を滑らせる。 左側を選ぶのは、主の右腕を自由にさせる為。
一頻り撫でて血の筋を探し。]
あなたの血を頂けることを、感謝いたし、ます…
[礼と共に口を開き、牙を刺した。 目を伏せて味わうに意識を向ける。 次第に腰が下がり、椅子に半身を置く頃には、 腋下に入れた腕が左肩を掴み、縋る。*]
(*82) 2014/02/13(Thu) 01時半頃
|
|
―厨房→明之進の部屋―
[ましになった汁物を椀に注ぎ。 温かい内にとまずは明之進の部屋に寄る。
扉を開けて中を一瞥する。]
涼平。飯。
それと、伝言。 「ありがとう。生きててくれて」
――って。
[誰からの伝言か、と問うて見せ。 外れれば素直にリカルダだと知らせよう。*]
(258) 2014/02/13(Thu) 01時半頃
|
|
[そうして。
―――ごめん、と。
心の内で誰かに詫びた。]
(*83) 2014/02/13(Thu) 01時半頃
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―自室・前―
[部屋の前で立ち止まり、扉を叩くを憚った。 耳を欹てるとまだ声がするように思えたから。
廊下で暫く待っていようと。壁に背を預けた。
待つ間。ふと唇を指でなぞる。 空腹かと尋ねられれば否と答える。
あの至福の時間は、思い出すだけでも全身が喜色を示す。
それでも周の血を求めようとしたのは、 人間と吸血鬼なのだと、再びその差異を示す為。**]
(263) 2014/02/13(Thu) 02時頃
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―ゆめ―
[扉を叩く音に応じると、そこには絢矢の姿があった。 どうして、と目を見張る。 帝都から遠く離れた海外だというのに。]
『おめでとう』>>236
[益々訳が分からない。零瑠は悩み、 白髪の目立つようになってきた胡桃色を掴む。
絢矢は腰まで届く黒髪を揺らし。 自身の誕生日を忘れたのかと責める。]
……あ。あぁ…そう、か。今日。 いや、別に、誕生日如きでわざわざ遠くになんて。 それに、もう祝われるような歳でもなく…
あぁ、待て。待て、絢矢! すまない、俺が悪かった。
(266) 2014/02/13(Thu) 02時頃
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……ありがとう。今年も祝ってくれて。
[花瓶に活けていた花を一輪、差し出す。 菖蒲に似た、紫の花を。**]
(267) 2014/02/13(Thu) 02時頃
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―回想・主の私室―
[戦場にて1本の鏑矢が突き刺さり、1人惨めに滅び去った将。 終わりまで読めばどういう感想を抱くのか。俄に関心寄せ。>>*84 直円の首は何故飛んでこないのかと考えてしまった。 ふと過る懸念を、有り得ないと消す。対吸血鬼用の武器の特性を考えに入れれば、有り得ないのだ。]
あぁ…本当に、迷信というものが付きまといますね。それだけ日頃は遠い―――存在
[遠い? 遠かっただろうか。
菖蒲の咲く庭で。胡桃色の髪を乱す女の指は、まるで……]
……いえ。だからこそ、未だ抗い続ける輩を一掃せねば、なりません。
(*91) 2014/02/13(Thu) 15時半頃
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………っ ……ん、んっ。
[耳元を擽る熱い吐息に、零瑠は睫毛を震わせた。>>*85 主の指が髪に触れる。もう終わりなのかと切なげに眉を寄せ。けれど、牙の先が深く埋まる感触と、より吸いやすい角度となった事に、求められる喜びを得た。
嚥下する度に喉が、胸が熱くなる。体の輪郭が蕩けて無くなってしまうのではないかとすら思ってしまう。
―――嗚呼。]
(*92) 2014/02/13(Thu) 15時半頃
|
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……偉大なる父の血が、この身の一部となる幸福に感謝致します。
[かつての様に血の雫が乾きを得るまで身を離そうとせず。白絹の襟元を正す頃に、零瑠は二粒の涙を零した。
ひとつは悦の。 そしてもうひとつは、家族への希望が果てていく絶望の。**]
(*93) 2014/02/13(Thu) 15時半頃
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―自室・前―
[次の襲撃の前に、周は殺さねばならない。 出来るだけ残虐に。けれど、守護隊の――家族の士気が高まってしまわないように。
直円の様に首を落とし、晒すか。
いや、お父様の前で殺すが先か。 此方の士気を高める為に。
家族には、見せないように。
なら、今は少しでも自由にさせようか。 城の中が見たいというなら見せよう。
勿論入れない所もあるが。 逃げない様、念には念を入れて、足枷でもはめようか。]
(334) 2014/02/13(Thu) 15時半頃
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……おや、おかえり。 偵察の成果は―――って、理依?
[周について考えていると、理依が居た。微かな血の香りに眉を顰める。>>175 どうかしたのかと問う視線は鋭い。**]
(335) 2014/02/13(Thu) 16時頃
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[家族である俺は、周を生かしたいのに。
お父様の子である俺は、周を殺したいんだよ。
………あまね。 俺のこと、もう家族じゃないって、言ってよ。
だいきらいだって、言ってよ……。**]
(336) 2014/02/13(Thu) 16時頃
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―回想・理依と>>1:*45―
[引っ張った髪の合間から覗く耳に、今も嵌まるピアス。この城に居てもまだ、引っ張り血を流しているのだろうか。 治りの早い身では、分からない。]
そう、『家族』。
[自分の思う家族。 理依の紅の眸を見る。互いに変わってしまった、双眸を。]
(*99) 2014/02/13(Thu) 19時頃
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じゃあ、どういうものなのさ………。
[何故、心の内を打ち明けてくれないのか。 苦しさを分けてくれないのか。
幼少期は別としても、]
孤児院に居たときだって。 此処に居る今だって――――…
俺たち、は……
[同じ『家族』という言葉を使って居ても。零瑠と理依とでは意味が違うのだと。
思いたくはなかった。*]
(*100) 2014/02/13(Thu) 19時頃
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―回想・理依と>>*102―
お節介だって? こんなの、喧嘩みたいなものじゃないか。
[拳同士を交わす訳ではないものの。]
……踏み込んで、心の中を知って。 喜びも哀しみも、おやつみたいに分けあうことが出来たら、さ。
それで死んだって、構わないよ。
[構わない。
そう思って居たのは、昔のこと。*]
(*109) 2014/02/13(Thu) 21時頃
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トレイルは、周の様子を一度伺ってから、扉を閉めて3人で暫く談笑を。*
2014/02/13(Thu) 21時頃
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―自室前―
……偵察に行って、ヘマしただけじゃあないの?
[『預かり物』と聞いて、受け取る為の手を差し出さなかった。>>*107 けれど強引に渡される。]
は、なにこれ…。
[若草色の紐飾り。何が何だか分からない。]
(*118) 2014/02/13(Thu) 21時半頃
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[零瑠というのなら、家族の誰かだろうけれど。 また、逃げたのかと視線の鋭さはそのままに。
リッキィは何も言わないから、零瑠も何も言わなかった。>>347]
………絢矢? なんで俺に?
(*121) 2014/02/13(Thu) 21時半頃
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……それは、大収穫じゃないか。
仇を―――…と、らなきゃ
[長く長く息を吐いて、笑う。 家族同士の討ち合いを、また、望まれている。]
だれ?
(*123) 2014/02/13(Thu) 21時半頃
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直接聞いて、腹に傷でも負ったら堪らない。
[理依と絢矢の間でどんな話があったのか、 そんなものは想像に過ぎないし。
どんなヘマなのかも、また。
彼の指が差す、若草色。 もしかして、と話すリッキィの声。]
………は、は。絢矢なら、こういうの、用意しそうだけど。
馬鹿だな。この5年、ずっと……
(*128) 2014/02/13(Thu) 22時頃
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そう。
[伝言に対しては、短く。 生死を問わず、返してやれば良い。
立ち去ろうとする理依には、これ以上話すことはないだろう。 背中からリカルダへと視線を落とし。
ぽんと一度、頭の上に手を置いた。]
じゃあ、ふたりとも。また後で。
(*130) 2014/02/13(Thu) 22時頃
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―自室―
……あまね。ちょっと。
[扉を開けて室内にと戻ってきた零瑠は、右手に何かを握り締めていた。隙間から見えるのは、若草色の。
眠い、抱っこと、11の頃にせがんだ様に。 腕を肩に回して抱き付こうとする。]
(370) 2014/02/13(Thu) 22時頃
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[周の肩に額を押し付け、堅く、かたく、目を瞑る。 シャツよりも色褪せた桜花と、
別れたばかりのリッキィの、表情が、浮かぶ。]
…………ごめん。甘えた。
[はふり息を吐いて、身を離す。]
そうだ、ごはん持ってきたんだよ。
[腕を解き、左手の椀を見せ。]
(378) 2014/02/13(Thu) 22時半頃
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食べたら、城の散歩でも何でも付き合うよ。
……あぁ、それとも守護隊の事でも吐く? 機密事項とかさ。
怪我した周を背負っていたとき、攻撃されたんだよね。 ねぇ、容赦ないあの教育方針は誰のもの?
[情報交換でもしようかとも持ち掛け。]
(383) 2014/02/13(Thu) 22時半頃
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―廊下でのこと>>*132―
もう、死んでいたかも知れないじゃないか。 忘れられなかったのは、同じ……
[リカルダの視線。何を言いたいのか、敢えて考えるのを止めた。]
ねぇ、リッキィ。 絢矢がこれを預けたってことは、さ。
………さよならって、ことだよね。
(*138) 2014/02/13(Thu) 23時頃
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[箸も匙もないまま、人参とじゃがいも入りの薄い汁物を勧め、椀を手渡し。
右手への視線に気付くと、ゆるゆると手を開いた。 若草色の菊結び。
見せた、だけ。 貰ったとも何も、言わなかった。>>388]
(399) 2014/02/13(Thu) 23時頃
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―廊下にて>>*139―
……キャロライナ、も?
そうか。彼にも会ったんだ……。
[逃げたの? 逃がしたの? そう問う気力が、今はない。]
変わらない人達が居て。 でも、変わる人達だって、居るよ。
……ちがう? さぁ、どうだろう。 俺にはそう、思えない。
(*140) 2014/02/13(Thu) 23時半頃
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変わっても良いんだよ。
変わらないなんて、そんなもの……
[あるはずがない、とかぶりを振る。*]
(*142) 2014/02/13(Thu) 23時半頃
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さぁ? まともかどうかを判断するのは、此方じゃないかな……。
[何も無駄なことはないのだ。>>400]
………あぁ、優しい春の、いろ。
[立ち上がる周に頷き、零瑠は隣に立って彼の手首を掴む。>>405 若草色は上着のポケットの中に仕舞いこんだ。*]
(422) 2014/02/13(Thu) 23時半頃
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―城の中―
[どれ程の時間を彼と過ごしただろうか。 歩き、話し。
それを『家畜』が、『吸血鬼』が、見ている。]
―――なに? お父様が?
[召集がかかった。 顎に指を当てて考える。]
周。
[掴んだ手を引き、強引に周の背を壁に押し付ける。そうして、首筋に牙を伸ばし。
吸血が叶うも叶わぬも。 懐剣を抜くと、身を寄せたまま彼の太股に――振り下ろす。]
(424) 2014/02/13(Thu) 23時半頃
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[廊下に出た時には、既にリカルダの姿はない。>>426]
ほら、あそこ。 見える?
俺によく喧嘩を売ってくる奴の部屋。 隣の道を進むと書庫。
[指を差さずとも周の視線は探るように動く。 零瑠は微笑み浮かべ。
そう、よく見れば良い。逃れられない城なのだから。]
(436) 2014/02/14(Fri) 00時頃
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[『首を――』>>406 心臓を握り潰されそうな程の、冷たい眼差しを思い出す。
懐剣の刃は肉を裂く感触にしては浅く。 制止の手に握られていた。
渇きの為でなく、存在の違いの為に牙を立て。こくり。 乱暴にその牙を抜く。]
だって、逃げるだろ?
(447) 2014/02/14(Fri) 00時頃
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