231 獣ノ國 - under the ground -
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――回想・第1棟広間――
[ そういえば、以前にも彼から“それ”の匂いを嗅いだことがあったかもしれない、と。マトモな頭で顔を覗き込む。 幾度か施設内で見知った顔だ、と思い返しつつ、やはり名前は記憶から引っ張り出せないまま。]
……よくいるし俺、じっさい。
[ >>0:161イメージ、と形容されればマスクを揺らし頷いた。サイズの大きく固定されていない面体がずり、とズレるのを直す。その間に彼がサメと自身の生態の相違に思いを過らせていることなど、露にも想像しなかった。
他にどこにいけっていうんだろう、とひねた皮肉じみる感想は喉奥に押し込みながら。 ――彼だけの力で管理下に置かれているなんて思う訳もなかった。勿論、“実験”のアマル先生だって同様に。
それでも「管理者の先生」をマスクの下、見つめ返しては。同時に浮かぶ疑問を、そのまま面体の奥から小さく溢す。]
(3) 2015/07/10(Fri) 03時頃
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…、どうして先生はここにいるの?
[ 本当の“うみ”も、においのする花だって幾らでも見られるんだろうに。と、白い壁を回し覗いた。くぐもった声はもとより、届かなかったかもしれない。聞き返されでもしなければ、何度も問うつもりもなかった。
――本当のうみを、彼は、管理者たちは見た事があるのだろうか。
うみを、本当のひかりを見たら、ここでの暮らしに自分は耐えられるんだろうか。
勿論仕事だといわれれば頷くしかない。管理者は自由に外へ出入りできることも解っている。ただ包帯に浮かぶ血を見ながら、――先ほど、滲む程握りしめられた掌を思い返す。それにどんな意味があるかなんて、自分の考え及ぶところでもなかったが。
警告か忠告か知れないそれ>>0:162を受けつつ、別に好きで傷つけてるんじゃない、と。八つ当たりじみた感情を逃がすよう、踏みつけた血をグリと数度、躙った*]
(4) 2015/07/10(Fri) 03時頃
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――第1棟広間――
[ 大理石に伸びた血へ、マスク越しに視線を落とす。いくどか子供じみた八つ当たりに形を崩したひとの血は、少量であれやはり微かに、におった。分厚い合成繊維の中、ひととも獣ともよらない中等半端な身を1つ震わせる。
さかなはうみでおよぐもの。
とりがやまへとぶように。 ここへ訪れるさなか、見かけた茶色の羽を過らせる。冷たい床を舐めそうなほどに大きなそれは、人工光の落ちる中におよそ不釣り合いにも、映っていた。“愚か”と、すれ違う間際>>0:114、庭園へと落ちた言葉の奥は、表情の浮かばない目に読むことはできなかったけれど。
……そういえば、うたう彼の背には、にたそれはなかった、と。度々届く歌声の主を思い浮かべつつ。
外界からシャットアウトしてくれるハズの、役にも立たない硬い面体を撫でる。今日も吸収弁は“正常”に動作してるんだろう。ここにも、朝と夜が毎日決まって訪れるのと同じに。 ――たとえ、と。その先はあまいにおいののぼるままに、思考すら掻き消える。]
(28) 2015/07/10(Fri) 13時半頃
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……あ、
[ 決まりきった動作で、替えの吸収缶をマスクにすげ付けながら。羽織ったパーカーの奥を探っては声を落とす。
濾過の有効時間を過ぎた缶が手袋越しに触れるのみであれば、面体の中で舌を打つ。役には立たないとは思ったものの、外気に晒されるままより気休め程度にはなる。また、“ほかのにおい”になるべく触れない方が、ココではこまったことにはならない。
――これじゃあやはり余計に、ひとなんかといられない。
替えの吸収缶はいつもと同じに支給されるのだろうが。今日に貰いに行った方がいいのかもしれない、と鬱とした気持ちを携えては。
硝子戸の前に見かけた、にた形の“口”を持つ姿>>0:160を記憶の端に浮かばせる。 ……彼がもし“同じ”なら、管理者には内密に貸してくれることなんてないだろうか、と。
――背を向ける直前、庭園へのばされた手の先を思いながら。 同じよう触れたなら、このあまったるいにおいも一瞬は忘れられるのかもしれない。たとえにおわない、つくりものの花でも。*]
(29) 2015/07/10(Fri) 14時頃
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――第1棟・広間→――
[ さかなはうみでおよぐもの。 鳥がうたってやまへとぶのと同じに。 ……ならひとは、と。思考は吸収缶をすり抜け、あまいにおいが鼻腔を通るうち失せていく。
――そうして訪れる人影>>16に、祈りを映すことすらない面体の奥をひくり、とさせた。長髪を下ろす彼の名は知っている。自ら、いくどか傷つけたことすらあったかもしれない。
外皮の鱗は下――足先から上へと、なで上げられれば柔い皮膚には血がにじむ。 においに錯乱すれば同胞にすら、とかちりと歯を立てては、くつわじみた面体に触れかかりつつ。
衣服に覆われてはいるものの。仮にも管理者なら理解してない訳もないだろう、と1つ、寄せられる歩に後退る。]
……ヴェスパタイン、先生。
[ いのりも“みちびき”もままならないだろう地下で。におわない花を見る様に、胸元の十字架を眺めながら。 名を呼びつつ、足下の血をグリ、と一層隠しにじる。 ――何か用か、と短く投げては、いくつか交わす話もあったろうか。やがてプールへと足を進めれば、スータンの裾を見つめ。
“そのカッコじゃ、先生はおよげないだろうけど”と、小さく揶揄いを投げることすら。]
(30) 2015/07/10(Fri) 14時頃
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[ >>*0秘密のおハナシ、と届く声にマスクごと、首を傾げる。――やがてちらつく2つの音程に、同様に耳を向けた。
どうやら離れた位置にいるようだ。まるで文字で読む“かいちゅう”みたいだな、と何と無しに息を殺しつつ。 針鼠が注射を打ち込まれた、と知れば、覚えのある痛みを思い、顔を顰めた。かといって余計な口をきくつもりもなく、押し黙るまま。――そういえば、彼女は外からきたのだったか。
ほんものを知っているなら。と、羨望ににる熱はあまい臭気に潰される。うみ、と心中で反芻しながら。外を知る針鼠の彼女は、ココを出たならまずどこへ向かうのだろう。]
――……、人間に?
[ 続いた梟の声>>*5には、思わずくぐもった声をあげた。アマル先生の“実験”は聞き及んでいたものの、目的までは知り漏らしていた。 それが本当なら、何のために為すのだろう。共存姿勢? 針鼠のいうように支配欲だろうか、それとも。
いずれにしろ、奇特な話だと思う。興味のまま、己の言葉が届くなら。その実験はどこで行われているのか、と声を投げただろう。受けた経験のある者がいるなら、興味深げに話を聞き出そうとも。]
(*8) 2015/07/10(Fri) 16時半頃
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――回想/第1棟・広間――
……さみしいって顔じゃないな。
[ 形容する言葉とはほど遠く、見据えられる表情に短く落とした。 隙、狭められる距離には体を硬くしたまま。――屈みこまれる首もと、薄い皮膚をマスクごしに映せば喉奥がひく、と鳴る。ひとのにおい。
覗き込まれる視線に、反射材入りのレンズ越し目を合わせては。間近であれば、融合した獣――鮫らしい黒目がちの瞳が、寸暇男のそれとかち合ったかもしれない。食欲に滲むそこを隠す気もなかったが、挑発するような仕草にはただ、耐えるように眇め見つつ。]
ヴェス、……パタイン。そこ危ない、
[ “センセイ”は先ほどの名残と、また気まずさから距離を取るように付けていたものの。慣れない、といわれれば素直に呼び捨てに切換え、警告じみて余裕なく声を落とす。
長い施設暮らしの間――といっても、自分にとってはココが”せかいのぜんぶ”だったが――良く言葉を交わした男とは、多少気を許す仲だったろうか。 ただその体に幾度と、錯乱した己がしたことを忘れたわけでもなく。分かってるだろう、とわざと手袋をズラし脱いで、生身の掌を晒した。]
(108) 2015/07/11(Sat) 00時頃
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……ひとおよぎ。
[ 勿論単に脅しであれば、目の前に翳すのみに留め下し、手袋を嵌め直した。あごをプールの方向へく、と向け、不親切ともとれる端的な語を投げる。]
――、…どうして、そんなカッコしてる。ここで、
[ ひとつ、緩く視線を見上げる顔へと擡げては、伸ばされる十字架模様に小さくくぐもって落とす。生まれてこのかた施設で生きていれば、“神”なんて概念すら持つ事もなく。当然いのりすらささげたこともなかった。また、スータンの似合う教会も、施設内には知る限り見当たらない。
――天すらマトモに見えないつくりもののココで、ひとの信仰の象徴を身につける事に、奇妙さすら感じえながら。]
……、
[ 誇らしげな顔に鼻を鳴らし、泳げないんじゃないのかと薄い笑声すら漏らした。]
(109) 2015/07/11(Sat) 00時頃
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――第1棟広間→プール――
[ 間を置いて、あるく、と反芻しては、“そとを?”と興味じみた色を漏らす。管理下に置かれたココでは、禁止されている話題だろうとは咄嗟に考えも及ばないまま。
ほんもののひかりを、うみを、彼の目の奥に覗き込むように、今度は自らと顔を寄せる。 ……やがてはたと気付き体を離しては、ごまかすようにプール方向へと足を滑らせつつ。
――ふら、とその背が廊下の喧噪に消えるのを見れば、ひと気とついでに血の気の多そうなそこに、自らは足を背けただろう。まざって錯乱でも起こせば、余計事を荒立てるのは分かり切っている。
長い髪の揺れる背姿に、気をつけて、と決まりじみた言葉を投げつつ。*]
(112) 2015/07/11(Sat) 00時頃
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――→プール入り口――
[ およぐ必要がない。――歩けるから。
とりはやまへとんで、さかなはうみへおよいで。 ひとは歩くなら。
――それなら結局、やはりどうしても、隔たってしまうままなんだろうか、と硬い靴先へ視線を落としながら。その方がいいのかもしれない、と“困った事”を思い返し、先ほど覗いた薄い皮膚を思う。
男の消えた廊下の喧噪、さけびごえ。えものが暴れるのににた不規則な音。――ちらと見えたなか、確か昼間に出会った管理者の姿もあったろうか。……怪我にきをつけて、と掛けられた最後を、今度は心中で返しつつ。
やがて喧噪に、行く先につん、とかおるにおい>>84に。 ひくりと硬い面体の下で動物めいて鼻を動かしつつ。
――領分を弁えてしまえば、きっと自分もニンゲンも楽になるんじゃないか。“うみ”にいて罰せられるさかなは文字の中に見た事もない。それに、とあまいにおいの届き切らない頭の隅で声がする。おれには、ひとも、…ほかすら、
――だってどうしても、おいしそうなんだ。]
(115) 2015/07/11(Sat) 00時頃
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――プール――
……、あ、
[ >>84プールの入り口に立つ背を見つければ、ひたりと靴底で床を踏み進む。見覚えがあると思ったら、昼間に見た“口仲間”のようだった。 ――何か頼み事を考えていた気がする、なんだったか。 こつ、とパーカーの中で吸収缶のかち当たる音がして、一瞬だけマトモな頭があまいにおいを吸い込む。そうだ吸収缶の替えだった。ひとの、ほかのにおいがするから。こまることになるから、
――……なんでにおいがしたら、ダメなんだったっけ?
面体の下で鼻をくんとする。僅かに薄まってはいるものの、足を進めるたび強くなるそれに、緩く身震いしながら。歩幅を大きくし、においのもとへと歩み寄る。
ぼうと滲む思考のまま歩んでいれば、姿はプール内部へ入り込んだのだったか。足が届けば、ゆるゆると壁辺りにくるのを見計らい、追いつめるよう身を迫らせるつもりでいた。もし尾っぽが触れる位置にあれば、緩く手袋越しの手を掠らせようとすら。
はたまた自分の姿に気付けば、事前に離れられることもあったかもしれない。そうして歩が届かず、また施設の影に見失ったなら。それ以上を諦め、プールへと入り込んだだろう。]
(131) 2015/07/11(Sat) 01時頃
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――プール――
[ 乱れた調子で聞こえた声>>146に、小さく首を傾げつつ。おれのなまえ。どうしてしってるのか、つまりは、なんてことも。水気の滲む室内に掻き消える。
――ひたりと壁へと寄せる体ははり付けたまま。 “ほんもの”の血のにおいを探るよう、硬い面体ごと顔を近づければ、地上の獣のように嗅ぎこする。]
た…?、――
[ 間。 たべると怪我をする。するのも、させるのも。気をつけなくてはならない。わずかに“マトモ”な頭が、ふらりとその体を後退らせる。我慢、我慢しないと。
――文字のさめはえさを食べても、罰せられたりしないのに。
シャワーヘッドから、はたりと水滴の落ちる音は届いたか。おれの“領分”だ、と、深い宙なんて1度も知らない動物めいた瞳が、面体の下焦点を暈す。
空腹のひとが、湯気のたつご飯をのぞきこむように。*]
おなか、へってて、
(165) 2015/07/11(Sat) 13時半頃
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…たべたら、ダメ?
[ 心底から疑問というように。“きみもいっしょなら、”わかるだろ、と尾の先に触れかかる。
留め具の緩んだ面体がずり、と動いた。この前も「くつわ」を壊し剥がして、ひとにかみついてしまったのだったか。
――しかられる。あのときは弱いところを捻られて、怯んで。“マトモ”にさせられて、
今度しかられたら処分されるだろうか、とパーカーのフードをぱさりと下ろす。空腹はあまいにおいを閉ざしていく。手袋を外しつつ、短く、目と同じに黒いひとの髪を掻き分けて、マスクのベルトを弄った。]
…、はずしてくれる?
[ 手間取れば、面体の下で人と同じに、幼く困ったような顔で問いかける。 過敏すぎる意識は音や作業に散りやすく、管理者であるなら連絡端末の類いは持っていたかもしれないし、使う隙すらあったかもしれない。
――また外されなかったとして、暫くして自分で外し壊せば。まずは、と鋭利な歯先で衣服を噛み剥がし、一息に胴体へかみつこうと。マスクを取り去り、ひとと似た――それでも獣の特徴として、“弱点”の鼻先を無防備に晒したまま。]
(166) 2015/07/11(Sat) 13時半頃
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――回想・第1棟廊下――
[ エゴ。 先ほど、十字架を胸にのせた男が零したそれを反芻しつつ。さり際落とされた>>135“そとのひかり”に白亜の視界を一間、細めた。彼すら行けないとおく。そこがそとのどこにあるのか、果たして知りもしなければ。
水槽のさかなもそとを、深くを歩けるなんて、そうしてそれを己にただ「与える」なんて、――成る程エゴじみて、残酷な“教え”だった。
そんなのどうしても――欲しくなってしまう。例えその報いが、2度と人工のひかりすら望めない事を意味するのだとしても。]
……、――
[ 渇望と、拗ねじみた思いこそあれ、男の、ひとの奥に潜む傲慢さを恨むこともなかった。 スータンの似合わない白壁の中で、「善」を信じるように十字架を身につける姿を思い返しては。 ――本当に救いをもとめているのは、果たしてこの地下で、誰なのだろう。
宿題、と。“センセイ”じみた言葉を思い返しては、正答できたらご褒美は昼食にしてもらおうと巡らせつつ。 定時どおりに食事をとっていなければ、服下でくうと腹が鳴る。]
(183) 2015/07/11(Sat) 18時頃
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“うみ”、
[ いずれ、>>135と投げられた最後に、ただ文字でしか知りえない場所を思いながら。
誘ったところで泳がない、といわれれば何をするつもりなのかと思いつつ。見かけたら声をかける、と1つ置き。「しおき」されてなければ大抵いる、とだけ返した。
――鱗の薄くのる掌に一間、のぞいた男の目を巡らせる。いずれ奇特な事だ、と衣服越しに頭を撫ぜた感触すら思い出しては。
きっと、けものとひととは相容れないのに。と、 幾度と擦らせ滲ませた、皮膚に垂れる液を思いかえし、喉を鳴らす。
いっそ生身の己と、”ホーム”とで、再度またああいった煽りじみた仕草を見せるようなら。
今度こそきちんと、それこそ“昼食”にしてしまおうかと、 喧噪に空腹に、ぐらと平衡を失う頭の隅、過らせた。*]
(184) 2015/07/11(Sat) 18時頃
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―― 一間 ――
[ >>*9ひとが羽や鱗を生やせばいい、という針鼠には小さく息を漏らし笑った。獣人に獣を足すのも可能なのだろうか、それこそ“ ”みたいだ。
――体はともかく、その実験体の心は今度はどこにいくんだろう。獣かひとか。新たに宿った獣だろうか。 心、と梟の告ぐそれ>>*5に1つ、首を傾げた。まざりものの体に宿るのは、果たしてどんな心なんだろう。
同じになれるわけがない、という2人の声に淡く頷く。どうしてもわかりあえないのなら、いっそ領分を分けてしまえばいいのに。]
ああ、…あそこ。ありがとう。
[ >>*10返る返事に秘密棟、と面体下を歪めつつ、礼を告げる。“イカレ”と称される女医の姿を見たいわけではなかったが、獣を人にするなんて考えには興味があった。*]
(*28) 2015/07/11(Sat) 19時半頃
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[ 2羽の“とり”の声をききながら。 ひたりと水に浮くよう、“よぞら”に映るその姿を描く。 夜のそらを縫う彼女の姿は。彼がうたう姿は。きっととても、冴え冴えとはえるのだろう。
合間、漏れ聞こえた>>*20微かな声色には、首を傾げ微かに、かあさま、と反芻する。“かあさま”って、なんだろう。*
――やがてぐるりと頭を回し、声の正体を探りながら。 これなら、ひとに見つからずこっそり相談事もできるんじゃないだろうか。――例えばそう、「自由」を得るための。
実際反抗を図っている針鼠の彼女>>*15へと、(離れてる以上意味があるのか知れないが)視線を向けつつ。]
……誰かと出て行こうとか、思わなかった?
[ 首を傾げては、小柄な体を思い返す。針があるとはいえ、少女めいた体躯では限度があるだろうにと。 ――そういえば、同じくらいの“猫”の少女もいた気がするけれど。ここでの声は聞こえているのだろうか、とぼんやり思い巡らせながら。]
(*29) 2015/07/11(Sat) 19時半頃
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――プール――
[ わるいこ。 “ いただかれます ”の挨拶だったろうか。かすかに聞き覚えのあるそれ>>188に、ちかりと意識が点滅する。
赤みがかった茶色、自分とにた機械ごしの声。ふれかけてそらされる背後からのびる尾っぽ。
『だめだよ。』
ひた と、ベルトの留め具を弄る手が止まる。くせじみた、反射的な静止であれば、自分でもぐいと首をひねった。―――だめ。たべたら、どうしてだめなんだっけ?
“はは”も“ちち”も知らないまま、施設で育った己に、さとす声を思い出す。――いついつも、おなじすがたのこわいろの、そう彼は。ここは。
うみじゃないから。
ああ、と。水滴の音にかき乱される頭の奥、あまいにおいの混じった嘆息が漏れる。幼いころ、本にならぶ“うみ”の綴り。その発音をしったのは、そう――この声だったろうか。
告げられる「ほんとう」を、どこか凪いだ意識で聞きながら。]
(237) 2015/07/12(Sun) 00時半頃
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チェビィ、
[ いついつも――朝も夜も人工的につくられるここで、年月や“きせつ”のそれは、鈍い頭に殆どすり切れていたが――記憶のうち、 かわらないままだった気のする彼のなまえは、いつかどこかできいたのだったか。 わずかに“マトモ”な低い声で、ふると揺れる頭へ落とす。 それでも髪に触れる湿めった空気が。空腹が。じわとその身からたつにおいが、どうあっても。――ヒトにはなりきれない、と叫んでいる。]
しんかい、
[ きみの、と覗き込まれる瞳>>189に一瞬、獣ともひととも付かない、“乞い”を滲ませながら。 それはそとの? おれにもあるける?と、 おれはいつになったら、と。 綯い交ぜになった意識がおおきく平均台上で傾いていく。
――それもぐう、と服下、再度本能が鳴けば、ひたと乾く喉奥側へと雪崩こみ。パコン、と存外軽い音をたてマスクが外れたなら、 まるでにげだすように、鮫は亀に歯を立てかけた。 ものの、*]
(238) 2015/07/12(Sun) 00時半頃
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いッ……、っ
[ 無防備に晒した感覚器官の、――ひと際過敏なそこを摘まれたなら。それだけでヒトらしい仕草で眉間をぐ、と顰めさせ、苦悶を訴える。
まま壁に押し付けられるのにも、怯んだ身におよそ反応し切れる筈もなく。 痛みにひゅうと吸う喉奥、あまいにおいが水気を含んで滑り込み、欲に暈された視界が整っていく。]
――、ッ…あ、………俺、
[ 鼻を捕まえる正体の奥と焦点を合わせながら。苦痛に浅く息を吐いては、軽くその腕へ手を叩き解放をアピールする。]
――…、ま、た。
[ 見知る姿に気まずげに、面体で覆われていない瞳を逸らしかけ。 じわとのぼる血のにおいに耐えては、相手を確認する。生存欲。当然のごとく映る瞳のいろ。あまいにおいのしみ込んだ体に、じりと腹の虫を抑え込みつつ。 やがて状況を理解すれば、“ばつか”、と。諦観じみる声で尋ねかけながら。 これで何回目だったろう、ひとをほかを、襲うのは。秘密棟のすすけたにおいは鼻腔の奥染み付いている。 ――いい加減、『処分』かもしれない、と。転がるくつわを一瞥しては、目の前の相手へ視線を戻し。言い渡されるだろう処遇を待った。]
(239) 2015/07/12(Sun) 00時半頃
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