73 ─深夜、薔薇の木の下で。
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──回想・医務室──
うん。……こんなんで役に立てたかな。お大事にね。
[恐れていたこと>>1:415はどうやら杞憂だったらしく。後ろめたいことがあるせいだと自嘲した。]
……俺も戻ろかな。
[後輩たちにも声をかけ、ふらりと外へ。無人になるかもしれないが構いはしない。]
(64) 2011/12/25(Sun) 09時半頃
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──シャワールーム──
〜〜っ!!
[人肌に触れたせいか限界がきていて、細かいことを気にする余裕もなくシャワールームに駆け込んだ。]
はっ、……ん、
[熱いお湯を頭から被り、なぞるのはかつて自分に触れた幾人かの手の動き。呼ぶ名はなく、声も殺し切る。
何時だったか、自分をそのグループに誘った先輩は、巻き込んでごめんと言った。本当に好きな人ができた時、ここでのとこは傷になるからと。 好きな人なんて作る気もなかった自分は曖昧に笑って首を振った。何故だろう、思い出すのはそんなこと。]
……ーっ!
[果てる間際こぼれ出た音は、自分の耳にすら入らずシャワーの音にかき消された。]
(65) 2011/12/25(Sun) 10時頃
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[果てた後のぼんやりした自己嫌悪の時間に声が飛び込んで来る。慌ててシャンプーボトルをひっくり返したりしなかったのは上出来だと思いたい。]
……ベネット先輩。俺ですよ、セレストです。
[臭いは薔薇や石鹸に紛れてわからなくなっていればいいと思う。扉をわずか開けて顔を出した。]
(71) 2011/12/25(Sun) 11時頃
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……俺は平気ですよ。エリアスもまたやられてるみたいだし、しっかりしないと。
[冷たい空気が流れ込んだはずが、肌の火照りは収まらなかった。口ではそういいながら、全員風邪で寝込んでしまえば平和なのになど頭をよぎる。]
ねェ、せンぱい。 ……人は、誰も好きにならずに生きてくことって、できると思います?
[モリスの言葉に動揺したのは。平等な好きを投げかけることが、誰も好きではないことだと、わかっているから。 ふと口をついたのは疑問というより、ただこのしっかり者と思っている先輩に、話したかっただけのような。]
(80) 2011/12/25(Sun) 11時半頃
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……ですよね。
[同意するのは、好きになろうとして好きになるのではないという部分。]
……すいません。変なこと聞いて。俺、もうあがりますから。使います?
[そういった柔らかな部分は意図的に麻痺させた。叫ぶ声を聞かないようにした。だから、溢れそうな感情を言葉にできず、目を伏せる。]
……せンぱいは、そういうの……いえ、なんでもない。です。
(93) 2011/12/25(Sun) 12時頃
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……悩んでるってほどじゃァないですよ。
[なにを聞きたかったのかも、自分でうまくわかっていなくて言葉に出来ないだけ。]
俺、は、好きじゃない相手とか、特にいないですから。
[それだけ言ってかぶりをふって。ベネットの言葉通り服を──換えの服は持ってきていないから元の服だけれど──着ることにした。]
(97) 2011/12/25(Sun) 12時半頃
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……せンぱいってそういう趣味なんです? いいですよ、俺は別に。内緒にしといてくれれば。
[今更、きっと、平気。くすりと笑う。 けれども相手が出ていくなら追うことはせず、ため息ついてその場に座り込んで。]
……はぁ。
[やがて冷え切る前に立ち上がるけれど、フィリップが出てきたのはそれより前だっただろうか、後だったろうか。]
(110) 2011/12/25(Sun) 13時頃
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……フィリップ。居たんだ。
[シャワールームに入る際は慌てていて、他の水音も頭に入っていなかったことに気づく。今なにを話したっけ。思い出すにつれくちびるをきゅっと結ぶけれど。]
……いいよ。あんなとこで話した俺も悪い。
[笑みは少し引きつった。]
……公平でないと思うなら、君の秘密を聞いても良いけど。
(113) 2011/12/25(Sun) 13時半頃
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へ?
[一瞬なんのことだかわからなくて目を瞬かせるが、突き出された極彩色をみれば納得がいって。]
……ああ、その子もフィリップっていうんだ。 それはすごい秘密を聞いたね、自分でつけたの? ……自分の代わりに愛されるように? それとも自分を抱きしめられるように?
[意地悪い推測が口から出た。話した瞬間後悔するのに。 ……きっとこの苛立たしい薔薇のせい。]
……ごめん。
[すぐにしおらしく呟いた。さっさと出てしまうべきだ、こんなところ。]
(124) 2011/12/25(Sun) 14時頃
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[馬鹿にする意図はあったのだから、甘んじて罰を受けるべきだという思考はあったのかもしれない。だがどちらかというと単純な反射神経の問題で、フィリップの平手を頬に受ける。]
痛っ……、ごめん。 でも俺は、きみのこと、好きだよ。
[ずきり、また罪悪感で胸が痛む。これ以上を言わないうちに、更衣室を後にしようと。]
(129) 2011/12/25(Sun) 14時頃
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……好きだよ。
[口癖をもう一度。あとは振り返ることも出来ず。 ドアを開ければ風がおこり、濡れた髪の冷たさを感じた。]
……やぁ。
[気まずいことは連続して起こるらしい。廊下には人影。]
(133) 2011/12/25(Sun) 14時半頃
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セレストは、モリスにドアをぶつけてしまったかもしれない。
2011/12/25(Sun) 14時半頃
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だ、大丈夫?
[転がる姿に慌てて近づく。聞こえただろうか、問いたいけれど墓穴を掘る気もして。]
中は……。 [わざわざ気まずい相手の名を言うのもどうだろう。カルヴィンの問いへの答えは尻切れとんぼ。]
(141) 2011/12/25(Sun) 14時半頃
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話したいこと?
……いいけど。何かな。
[二人きりというのに不思議さは感じた。この後輩とはあまり接点があった覚えもない。けれども断る理由もないし、ここから早く離れたかった。
香る薔薇の衝動は、まだぶり返さない。]
(142) 2011/12/25(Sun) 15時頃
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いいよ、君は、えェと会長と同室だっけ?
[大分部屋を空けてしまっているが、エリアスはどうしているだろう。子供じゃないし心配することもないと思うけれど、少しだけ気にかかった。]
(147) 2011/12/25(Sun) 15時頃
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いや、いいよ。 病人おいてきてるから気になってるけど……エリアスもいつものことだし。二人きりがいいんだろ?
[そのまま素直に、彼の行くところについて行こうか。]
(152) 2011/12/25(Sun) 15時半頃
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──モリスの部屋──
さてと。
[同じような作りでも、住む人が変われば雰囲気も変わる。ここにも薔薇の香りは漂って。]
どんな話し?
[髪が濡れたままで、床を濡らさないか、少し気にして撫でつけた。]
(157) 2011/12/25(Sun) 16時頃
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え……?
[完全に予想外で、数瞬固まった。]
なにをいきなり聞くのかな。そもそもなんでそんなことに興味があるの。
[ソファに置いていた手を軽く組む。]
俺はみんなのことが好きだよ。
(160) 2011/12/25(Sun) 16時頃
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好きだよ。
[その言葉に偽りはない。ただきっと、重さが違うだけ。]
……モリスこそ、好きな人は?
[顔に触れる手を、払えない。ただでさえフィリップを傷つけてしまって、これ以上誰かを傷つけたくは、ない。]
(164) 2011/12/25(Sun) 16時半頃
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え……?
[手は頬に、髪に触れ。優しい動きには別の意図もあるのだろうか。]
好きって、そういう?
[ばらまく好きと、同じ重さならいくらでも応えられた。温もりだけというなら、どうにかなった。けれども、特別を求められるのは。]
……モリス。先輩をからかうもんじゃないよ。
[声は固い。瞳は揺れる。離れる手に感じた感情を見透かされぬように。]
……。
[行くとも行かぬとも言わず、ひらりと手を振り部屋を出た。]
(170) 2011/12/25(Sun) 17時頃
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──自室──
[扉を閉めた瞬間、崩れ落ちるように座り込んでしまった。 モリスは本気なのだろうか。それとも、なにか他の意図でもあるのだろうか。考えたってわかるものではなくて。]
……つかれた、な。
[不意に熱くなりそうな目頭を押さえた。誰にも好かれず、嫌われず、空気のように生きていけたらきっと楽なのに。誰かの行動に一喜一憂して疲れる心なんていらないのに。 博愛の仮面は、少しずつひび割れてゆく。]
(174) 2011/12/25(Sun) 19時半頃
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……エリー、ごめんね、起こしたかい?
[ルームメイトの顔を見れば、少しだけ笑えた。]
そうだね、俺も薔薇に酔ったのかも。調子、狂いっぱなしだ。
[冷たいドアにもたれるのをやめたいけれど、なんとなく座ったままで。このまま眠ってしまいたかった。]
……もう少ししたらさ、また出るよ。エリーは気にしないで。
[彼の体調はどうだろうか。気遣う視線。]
(177) 2011/12/25(Sun) 20時頃
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[今しようと思っていたことを逆にされて。冷たい指が心地よくて癒されると思ったのに、何故だろう背筋を何かが駆け上がるのは。]
……ごめんねエリー、離れて。 なんか俺、変だから。
[そっと手を押しやる。今触れられたらいらないことまで話してしまいそうだった。]
(181) 2011/12/25(Sun) 20時半頃
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……?
[目の前の同室者に、かすかな違和感。なんだろう、脳裏に不安が過る。]
優しくできなかったり、さ。 自分のことなのにコントロールできなくて、馬っ鹿みたいだ。 ……薔薇のせいならいいのに。
[何か違うと思いながら言葉を続けてしまうのは、それこそきっと薔薇のせい。]
(187) 2011/12/25(Sun) 21時頃
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……エリー? …………誰。
[違和感は確信へ。だらりとおろしていた手を胸の前に。]
二重人格ごっこなら怖いからやめようよ。普段そんな話し、方、しないよ……ね……?
[けれどもそれは遅かったのか。頭をふわふわとさせる、薔薇の香り。]
やめてよ、エリー。 ……俺のこと、好きって言う人はきらい。 だって、こわいんだ。ずっといっしょは、むりなのに。
[子供のようにイヤイヤと、大好きという言葉に頭を振った。]
(190) 2011/12/25(Sun) 21時半頃
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セレストは、薔薇の香りに噎せたように咳き込んで。
2011/12/25(Sun) 21時半頃
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やだ、……エリー、かえして……!
[本当に珍しく、感情を露わにして駄々をこねる。目の前の薔薇の腕を掴み、揺さぶる力は、けれどだんだんと抜けていって。]
いやだ、薔薇、なんかに……。
[目蓋はどんどん重くなり、夢うつつの境は曖昧に。ふっと意識が途切れれば、もう今の"エリアス"のことは思い出せない。]
(197) 2011/12/25(Sun) 22時頃
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……あれ。
[香りが薄れれば夢から覚めたように、ぱちりと瞬く。なにか嫌な焦燥感だけが残っているけれど思い出せずに。そもそもなんで自分はこんなところで寝ていたのか。混乱した思考は倒れたエリアスの姿を見て一気に吹き飛ぶ。]
エリー!? なんでこんなところで寝てるのさ!?
[慌てて額に触れ、息の早さを確かめて。不安になって声をかける。]
エリー、起きて、エリー!!
(206) 2011/12/25(Sun) 22時頃
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寝相って……。 倒れたわけじゃない、んだよね? 無事、だよね?
[記憶はあちこち消されても、不安は根強く残っている。繰り返しの問いかけはいつもよりしつこく。]
……そうだよ、エリーが倒れたら、俺、嫌だもの。
[純粋な心配の思いで言葉を紡いだ。]
(212) 2011/12/25(Sun) 22時半頃
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……そう、心配なんだ。エリーのこと、好きだから。
[フィリップに拒絶された言葉を。モリスに別の意味を取られた言葉を。それでも紡がずにはいられない。]
(224) 2011/12/25(Sun) 22時半頃
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え……。
[荒げられた声に凍りつくように。いろいろなことがありすぎて、今日は弱くなっている。]
そっか……悪いね。
[優しげな表情につられての笑みは、どこか引きつった。]
俺も、人に呼ばれてるから。
[今は何時なんだろう。ちらりと見た腕時計は7時なんて時間を刺していて、ネジを巻き忘れたかなと判断する。気が進まない用事だけれど、すっぽかすのも気分が悪い。]
俺も行くよ。
[あとについて部屋を出て、別々の方向に歩きだした。]
(235) 2011/12/25(Sun) 23時頃
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[ふわりふわり。時間はゆがむ。人も時計も思い思いに。]
……なんなんだろう。
[なにかが欲しいと言われた気がする。誰にだっただろう。]
悪い夢ならいいのに。
[防音室は普段足を踏み入れぬ場所。落ち着かないなと思いながら適当な椅子に掛けた。]
(241) 2011/12/25(Sun) 23時半頃
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──防音室──
[楽器を弾く習慣はなく、音楽の授業もとくに熱心な訳ではない。すっかり暇を持て余して。蓋をあけたピアノを、右手だけでひいてみた。]
わらべはみたり のなかのばら
[ピアノを教えてくれたのは、何組目の両親だっただろうか。覚えていないということは、どうせ期間限定の関係に、慣れて疲れて数えるのをやめた後だったのだろう。]
……はぁ。
[待ち時間に思うのは、怒らせてしまったフィリップのこと。何か怒っているようだったエリアスのこと。モリスのことからは意図的に目を逸らす。**]
(278) 2011/12/26(Mon) 01時頃
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──防音室──
[待ちくたびれてぼんやりして、うつらうつらし始めたころ。後輩の声を聞く。]
……こぉら。先輩を待たせるとか、いい度胸……!?
[語尾が途切れたのは、いきなり触れる手に驚いて。]
……っ、モリス、なに、そういう『好き』? 君も薔薇にやられた口なの。
[倶楽部での割り切った関係ならいいけれど、決まりごともない一対一は怖くて。微かな抵抗を嘲笑うように、薔薇に侵された身体は反応を示す。]
モリス……っ!
[執拗な刺激に、このまま流されてもいいかと思い始めたころ。ゲストとの言葉にまた抵抗を再開した。こんなところを人に見せる趣味などない、複数でいいようにされてしまうのではという恐怖もはしり、ぞっとする。]
……!!!
[けれども聞こえたのは、とてもとても聞き慣れた声。]
(341) 2011/12/26(Mon) 08時頃
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エ、リー……?
[自分は有り体に言って、酷い格好だっただろう。体格差も手伝い、容易に翻弄され赤くなった肌と、乱れた服と。誰がどう見たって……。]
……っ!! 嫌だ、離せ!!
[一気に顔が紅潮し、羞恥と屈辱と混乱と、見られてしまった絶望が襲いくる。モリスの腕から逃れようと暴れ。]
エリー、見ないで、違うんだ、こんなの……!!
[奇しくもあの時の彼と同じような言葉。イヤイヤと首を横に何度も振った。]
(343) 2011/12/26(Mon) 08時頃
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セレストは、混乱した感情に瞳は潤んで**
2011/12/26(Mon) 08時頃
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やめろ、やめろ……!!
[モリスの言葉を聞きたくない。こんなところをエリアスに見られたくない。
エリアスの気持ちに、欠片も気づいていなかったと言えばそれは嘘になる。けれど、目を逸らせてしまった。同室者としての親愛だとか、看病への感謝だとか、そんなものだと思い込んで、そうやって見れば納得できてしまって。
勘違いだと思っていた。このままの関係でいたかった。
……やっぱりなにも、気づけていなかった。]
やだ、ぁっ……!!
[久々の温もりに、身体の反応は早く、漏れるのは嬌声。ぱっと顔を青ざめさせ、口を固く結んで。 無茶苦茶に手足を動かす。モリスの下から抜け出そうと。**]
(351) 2011/12/26(Mon) 12時頃
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──回想・防音室──
[エリアスの怒声と、痛いくらいの力で掴んでくる腕。躊躇う余地なんてあるはずなく縋り付く。怯えた手は震えながらエリアスの服のはしを掴み。]
あ……!
[はだけたシャツの上からケープをかけられれば、助かった、そう思って。なにを見られたのかその実感が強まって来て、青ざめる。ばっと、飛びすさるようにエリアスから離れた。]
エリー、は、俺のこと……。
[首を振る。自分は汚い。エリアスが来なければ欲に流されていただろう自覚がある。そして、今回が合意で無かったのだとしても。すぐそこの生徒会長は知っているのだ。くすくすと笑いながら抱かれる自分の姿を。]
(486) 2011/12/26(Mon) 23時頃
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[こんな時だというのに触れられた箇所はまだ熱を持っていて、唇を噛む。]
ごめん、エリー、俺、きっとひどい事、するから……
[離れて欲しいと言うつもりだった。けれど、先に戻っていて欲しいと言われた時に浮かべてしまったのは、裏切られたような表情。]
……いいよ。……ごめんね、エリー。
[先に目を逸らしたのは、裏切ったのはきっと自分。 エリアスと別れ、ばらばらの方向に歩き出す。 もう、あの部屋には、帰れない。]
(492) 2011/12/26(Mon) 23時頃
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