25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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[ゆるり、琥珀へ、 伸ばされた白い手が一度交わる。 黄泉招く、その手に触れた琥珀が――
割れる]
――――……、
[振り払い去ってゆく、その姿。 黄泉招く手がずるりと地に落ちる。
――場を支配する、常世の気配は薄まれば。 その冷気もまた消え去り、残るは葉月の空気。蝉が鳴く]
………こえが、
[くらり、揺らげば――倒れ伏す]
(@35) 2010/08/07(Sat) 20時半頃
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[喰われた、と人喰らう花の声が甦る。 浮かぶは紅月けれどそれは 近すぎて、形を捉える事が適わない。
零れた言葉は、意図せぬものばかり。
―――誠に己は亡者であるのか、 それとも本当に気が触れたのか。
倒れ横たわったまま、手を見つめる、それが日差しに透けて見えるのも錯覚か。真実か。惑うていれば、影が射す、その先を見上げる虚ろな双眸は、けれど微笑む]
――…主様、
[透けるようなその指先は、主が目にはどのように映るのか]
(@36) 2010/08/07(Sat) 20時半頃
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[袖に指先を仕舞い込む、 幾度も呼ばれる名に、目蓋を伏せる]
―――……、
[こちらから呼ぶ声に、 ゆらぐ気配は引き戻されて]
主様――…、 いえ、少しばかり暑気にあたりまして……
[伸ばした指先はもう、揺らぎはない。 けれど、先ほどのそれが幻ではないこと、主に確信は出来ただろう]
(@37) 2010/08/07(Sat) 21時頃
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[伸ばされた手に、手を重ねるを躊躇う。 存在が揺らがぬようにと、願う。 この身を縛るが妄執であったとしても、 ――いま少しだけ、と]
……はい、お傍に。
[その手に引き寄せられて、現世に立つ。 うたがきこえる、狭間の歌を、振り切って]
すみません、大丈夫ですから。 主様こそ、お疲れでしょう? 暇なきことはわかりますが、少し休まれては――……
[笑みかけて、耳を掠めるそれに止まる。 鈴の音――眉根を寄せて曇る表情]
(@38) 2010/08/07(Sat) 21時半頃
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[聞こえる、黄泉のこえ、 重ねた手に感じる血の気配]
……私は、危険な目になど。
[俯くそれは、言葉端を飲み込む。 伏せた眼差しに昏い気配は一度過ぎる。 黄泉よりの声は言う、其は生きては非ず、と ――ひとつ続いた名は生きてる]
―――……、
[見上げた眸は一度歪んで、――りん、と鳴る鈴の音。 それが現世のものだと気づけば遅れてそちらを振り返る]
(@39) 2010/08/07(Sat) 22時頃
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[常に似たその様子に何を思うか、と。 変わらぬ笑みを、少しだけ怖くも感じる。 ―――それは己の身に、ではなくて]
華月殿……
いえ、私は大丈夫ですから。 ご用件がおありでしたら、どうぞお構いなく。
[小さく頭を下げて、一歩控える。 背後に隠れて、主が衣が裾をそっと握って]
(@40) 2010/08/07(Sat) 22時頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2010/08/07(Sat) 22時半頃
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[華月の微笑ましげな声音には、小さく笑んで頷いて。 主が背に付き従いながら、そっと耳を傾ける。
現世の声と、狭間の声に――**]
(@41) 2010/08/07(Sat) 22時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2010/08/07(Sat) 22時半頃
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[その声は白い桜花にのみ、届く。
「――此処に居るよ」
冬を呼ぶ声聞こえれば、 冷たくも、何処か柔らかな囁き声はセシルの傍で囁く。
「何時でも、キミの傍(なか)に。」 と**]
(@42) 2010/08/07(Sat) 23時半頃
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[――冬の声は桜花が元で囁いて]
「ボクは煙じゃないし馬鹿でもないけど 付き合うよ。」
[セシルの傍で微かな苦笑い それから、仕方ないなと溜息。 触るなと釘刺す言葉は無く、 彼の内に宿るは、獣の血 彼の内に宿るは、冬の魂]
「もし、出来るなら ……屋根をつたって、逃げられたら良いのに
孕んだなど、人間に知れたら どうなるか」
(@43) 2010/08/08(Sun) 00時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 00時頃
落胤 明之進は、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 00時頃
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――刷衛の部屋― [主についた黄泉花は、 同じくその絵画を主の背後より見た。 死者をあらわす――その言葉に目を留めた一箇所。
――“あわい”椿。
指先がその花に触れかけて、危うくひっこめた。 主を一度見上げる、その動きには気づかれただろうか]
………月瀬殿は、何処に?
[自ずと我が耳も捉える、 現世の声――使用人たちの囁き]
(@44) 2010/08/08(Sun) 00時頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 00時半頃
落胤 明之進は、室内から ふわり、と庭へ出る
2010/08/08(Sun) 00時半頃
落胤 明之進は、一度振り返り、戻れば主が傍らに。
2010/08/08(Sun) 01時頃
落胤 明之進は、小さくその袖を引く。
2010/08/08(Sun) 01時頃
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―刷衛の部屋、前庭― [一度庭に下りた黄泉花は、見上げて。 再び室内へと戻ったのだけれど、小さく呟く]
空を……
[白い桜花の傍らの冬もまた、見上げていた。 浄土への道しるべのように、登る煙を。 穏やかに、哀愁帯びて伸びていく。
もの言わぬその気配は、彼の傍にあるだけ。 無邪気に話すはセシルに任せ、空を見ていた あの頃のように]
(@45) 2010/08/08(Sun) 01時頃
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―B棟・階段―
……たなびく煙が見えました、 本邸の屋上の方に。
それと、あまり……根をおつめになりませぬよう。
[頭を抱えたようなその、仕草に。 普段はいくら背伸びしても、届かないから。
階段の段差、一段後ろから そっと肩に手をまわし、小さく抱いて離した。 それはやはり、冷たいのだろうけれど]
(@46) 2010/08/08(Sun) 01時頃
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落胤 明之進は、もしかしたら、2段3段くらいは、後ろだったかもしれない。
2010/08/08(Sun) 01時頃
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[ふわり、棚引く煙を追う。 月瀬から、わずかに香った気がする煙管の煙]
眼差しは一度、何処を彷徨った。 聞こえる こえ が増えているような、気がする。
現世の躯持ったまま、 心だけが“こちら”に引き寄せられている。
そんな存在があることを知らず、 現世よりもはっきりと、狭間よりも小さく響く やけに明るいような こえ]
(@47) 2010/08/08(Sun) 01時半頃
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落胤 明之進は、ついでに、主様にこめかみの一つもぐりぐりしといたかもしれない。
2010/08/08(Sun) 01時半頃
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[返された言葉にむくれるふりをして一言]
心が篭ってません。
[ふりをして、告げたけれど、 月瀬の件も気になるが、胸の騒ぐは――明るいような声。 あれに似た声を壇上より聞いた。 主が勤めを同じくする者ではなかったか]
あの、そういえばお仕事……、 イアン殿とは、 姿を共になさっているところ見られませんけれど。
――あの方は、ご無事でしょうか。
[本邸へと急ぐその間、ぽつり零した]
(@48) 2010/08/08(Sun) 01時半頃
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落胤 明之進は、小鳥のかけていくさまに、瞬く。
2010/08/08(Sun) 01時半頃
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[泣き濡れるような小鳥には]
“セシル”殿は生きるといいました。
[昨夜、交わした言葉。 だから、彼が何をしたいのか――少なくとも、 刃物は命を絶つ為のものではないだろう、と
そう感じていて―― ゆえに思案するは、あの明るい声]
(@49) 2010/08/08(Sun) 02時頃
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[桜の傍らに、ざわめく気配。 冬の色は彼の内]
――
[櫻は 要らぬかどうか答えは無く。 ただ、現世で告げた言葉 彼に届いていなかったのかと、愁い混じる。
そして
駒鳥と、センターの人間がやってくれば 彼の傍にあった気配はなりを潜め息を殺した]
(@50) 2010/08/08(Sun) 02時頃
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― 雛菊の間 ―
う…、…っく……
[押し殺しても、押し殺しても。 嗚咽が、部屋にこだまする。
物が乱雑に置かれた部屋。 心の殻が砕けた今。 自室だと思っていた部屋は、ただの物置だったと現は伝える。
その物置の古びた机の前、崩れ落ちたままの虎鉄は己の身を抱いて涙を流し続ける。]
(@51) 2010/08/08(Sun) 02時頃
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俺は…俺は…
[かち、かち、とピースが嵌っていく。 冷たい身体も。 主を想う胸の痛みも。 ゆっくりと、答えが導き出される。]
…そう…、……王璃さまに…
[伏せた瞼の裏に映るは、散る椿の花弁。 それは事切れる前に見た、赤い、花。]
(@52) 2010/08/08(Sun) 02時頃
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『虎、すまない。 私はお前とはもう…居られない。』
[鮮明に思い出す、あの時の主の言葉を。]
『理由も話さないまま突き放す私を、赦して欲しいとは言わない。 だが、お前がどうか新しい花主の下で。 幸せな日々を送れるよう、祈る事だけはどうか…赦してくれ。』
[いつかの、満月に近い夜。 旅先の小さな街の宿で告げられた言葉。 泣いて、縋って、けれど王璃は虎鉄を置いてその街を発った。 それから数日後、共に伺うはずだった屋敷へと、虎鉄は単身向かう。 彷徨い、辿り着いたのは寒い満月の夜。 苦難の末に乗り込んで、探した末に見つけた求めた姿は。]
(@53) 2010/08/08(Sun) 02時頃
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[小鳥がそれを呼ばぬを知らず。 彼の姿が見える前では、 セシル――その呼び名は裡にしまわれて]
ええ、月瀬殿はそのように。 ――それとも、彼は嘘をつかれる方ですか?
[交互に見やるその眼差しを、 桜花へ誘うようにむける]
(@54) 2010/08/08(Sun) 02時頃
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『…虎、どうして……。』
[あかいろを纏う、王璃。 手にするは、なまなましい肉の塊。
それからは何を話したかは覚えていない。 ただ、頭が真っ白で、もしかしたら会話等無かったのかもしれない。 唯一覚えているのは、主の酷く哀しそうな顔。 虎鉄は伸びてくる手に抗う事も出来ず。
その夜、ひとつの花が無残に散った。]
(@55) 2010/08/08(Sun) 02時頃
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俺は…後、何度この心を砕けば…。 貴方は赦して下さいますか…。
[一度目は、あの満月の夜に。 二度目は、自害する主の姿を目にして。 そして三度目は、閉じ込めた記憶を取り戻して。]
どうして、未だ現世に等…貴方はもう、居ないのに 何故―――ッ
[未だ留まる魂の意味がわからず、蹲ったまま床を拳で叩いた。 流れ続ける雫は、雨のように。 しとしとと、哀しさを纏って、床へと落ちた。]
(@56) 2010/08/08(Sun) 02時頃
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[桜花の散るを見れば、 黄泉花はつかつかと歩み寄った]
――あなた、大げさなのです。 昨日も言ったじゃないですか。
あなたの言葉、聞いてた私とて ……少しだけ誤解もします。 決して案じているわけではありませんけれど。
[むくれた顔を見せる、 花の一枝でも手にあったなら、それでぺしりと手が出たであろう]
(@57) 2010/08/08(Sun) 02時半頃
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――…彼の人の為に、 染めたのでしょうに。
[それがぽつり、と零れたは自身の言葉か。 あるいは桜が裡にあるそれが、黄泉花の口を借りたものか。 狭間を聴く者にしか、わからない]
(@58) 2010/08/08(Sun) 02時半頃
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[いて、との叫びに驚いた顔して、 慌ててその手を引っ込めた]
してません。 死ぬとも思ってません。 でももしかしたらとも思うじゃないですか。
折角……
[生きているのに、その言葉は続かず。 桜花の小さな望みを聴けば]
……花のまぎれに 君とまるべく
[呟くは、春の嵐のうた。 少しだけ眼差しを和らげれば、 小鳥に場所を空けるように退いて]
(@59) 2010/08/08(Sun) 02時半頃
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[不意に揺らいだ。 己の一部が、かき消える感覚]
あ……
[つとめて、その揺らぎを 表に出さぬように堪えるのだけれど]
(@60) 2010/08/08(Sun) 02時半頃
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[――その時、消えたのは白鞘巻であったか。 己が身を抱いて、それを預けた者のことを思う。
月瀬が言葉は聞こえていた。 孕んだのだ、と示す言葉。 そして己を買うなどと、 出来ぬであろうことを知っていて言う主、
――そう出来ぬ、現実が 近い]
夜光……?
[呟くそれは、一度主を振り返る、 仰ぎ見やれば駆け出した]
(@61) 2010/08/08(Sun) 03時頃
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[誰も居ないはずの部屋に届く。 それは夢と現の狭間の声。]
―――…これが、声……か…。
[先刻、廊下で明之進が言っていた事を漸く理解した。 そして「同じ」という言葉の意味も。]
確かに…、冷てえな…。
[触れた手の冷たさを思い出して、ぽつと呟いた。 空っぽになった琥珀は、ゆらり、揺れて。 とん、と靴が床を蹴れば、虎鉄はふわと微かな風を残して部屋から姿を消した。]
(@62) 2010/08/08(Sun) 03時頃
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[背にかかる桜花の声にも振り向いて、 哀しげに首を振るそれが一度物陰に消えれば―― その存在はもう見失われてしまう]
――……夜光、どこ?
[まだこえは聞こえない、けれど]
夜光……
[消えた白鞘巻、目を落とす、 左手だけがやけに希薄に透き通る。 欠けた我が身を辿っていけば、そこに行き着くのだろう]
(@63) 2010/08/08(Sun) 03時頃
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[やがて見た友の変わり果てた姿に、 まざまざと甦るのは、己が身にも起こった出来事。
かたり震える躯 紅い月の過ぎる。
名を呼ぶことも出来ず立ち尽くし、
書状がいまだそこにあるをみれば、 主を呼びに部屋へと戻る。 使用人には己の声は届かない。
――主にそれを告げる黄泉花は、 己の死に様を知りえた為か、その存在は酷く希薄**]
(@64) 2010/08/08(Sun) 03時半頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 03時半頃
落胤 明之進は、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 03時半頃
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