73 ─深夜、薔薇の木の下で。
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何、言って…… って、オスカー、待っ……
[くらり。また頭痛がしてソファに沈む。 ノックスの言葉に、恨めしげな視線を向けて]
…お邪魔って、何…。 ヘンな想像、しないでくれる。
[全くもって説得力がないけれど。 それでも懸命に彼を睨む。
でも、それでもまた木を緩めたら…手を伸ばしてしまいそうで。 そのキレイな髪色に惹かれて]
(160) 2011/12/23(Fri) 23時頃
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[棘は指先と掌を赤く染める。 そんなことに構う気配を見せる姿はない。 ただ、ひとつふたつと季節外れの花をつけた その紅薔薇に問う]
…ね、どんなきもち?
[狂った花を咲かせ 惑わせるような香りをまとい 花は何を望んだのだろう]
(161) 2011/12/23(Fri) 23時頃
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あんまりこの子、からかっちゃだめだよ? 血圧あがっちゃうから。
[くすくす。お邪魔虫はいなくなったけど]
君はまだ、耐えられる方? それとも、この子に触るのは、好きじゃない?
(*47) 2011/12/23(Fri) 23時頃
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わわっ!? オスカー!? ど、どうしたのさ!
[何かから逃げるようにすごい速度で追い越していった後輩を、 ちょっと戸惑うも心配になって追いかけた。]
(162) 2011/12/23(Fri) 23時頃
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[香に、少し身体が慣れてきただろうか。 スン、と鼻を鳴らした。]
乾燥には弱いから、敏感なのかもしれない。 私も、ヴェスも。
[何故だろう、構ってしまうのは。 良く解らないし、深く考えた事も無かったけれど。 見上げてくる瞳を見て、しかし同年のベネットには同じような情は湧かない、と思う。]
ノックスと、オスカー? さあ、私は見ていないな。
廊下でも見て居ないし、私は先に食堂を出た、から。
(163) 2011/12/23(Fri) 23時頃
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サイラスは、保健室の入り口で、心配そうに中を覗き込んだ。
2011/12/23(Fri) 23時頃
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って、オスカー?
[逃げなくてもいいのにと、声をかける間もなくかけて行く姿。 困ったように頭を掻いて、けれどオスカーを追いかけるでなく、その場にとどまったのは、腐っても病人を置いていけなかったからか。]
えー……変な想像ってなにさー。 じゃあ、そういう関係じゃないのに、 ちゅぅしようとしてたわけ?
[しかし、その割にはしっかり揶揄って。 じゃあ、俺ともできちゃったりするのかなーと、 冗談めかした顔で、紅が走る相手の顔に顔を寄せた。]
(164) 2011/12/23(Fri) 23時頃
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― 医務室 ―
………!?
[どのタイミングだったか、 突然医務室の戸が開き、 たぶん中等部と思われる姿が駆け込んでくる。 フィリップは驚いたのと、 人が増えたのとで一歩後ずさる。
が、背後は戸棚で。 軽い音を立てながら戸棚にぶつかった。]
(165) 2011/12/23(Fri) 23時頃
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[中等部と思われる少年が しどろもどろ、説明するのを聞きながら。 ……視線をもう一人に向ける。 いったらどうだい?と、言うように。 同時に、フィリップ自身は関わりたくないというように。
戸口から、もう一人、人影があり 下がりきれない状況に内心舌打ちをした。 鮮やかな姿は、戸棚が真後ろにあり、 尾羽が狭いと不服そうだった]
(166) 2011/12/23(Fri) 23時頃
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[どうやら俺は逃げる機会を失ったらしい。声を掛けられてしまった。あれはセレスト(先輩)が言ってた、確かベネット(先輩)、か。近づく前に枝から落ちた雪を払って先輩方の方へ嫌々近づいた]
君も外から来たのか? 俺は外が晴れたからちょっと散歩してみようと思ったのさ。
[どうにも言い訳がましくなってしまう]
……そっちは何かあった、ありましたか? 何か外、おかしい気がするのですが。 道がわからないというか。外の様子が見えないんです。
[外に出ようとしたことを隠しながら表現するのは難しい。面倒になってきた。そのまま窓の外を向いて口ごもる。にしてもミルウォーキの様子がおかしいじゃないか。いい気味だ。笑っちまう]
ミルウォーキ先輩。どうしたんですか? クリスマスですし、酒でも飲みましたか。 俺には薔薇のいいにおいしか感じられませんよ。
[鼻をひくつかせてみても、大した問題は感じられない]
(167) 2011/12/23(Fri) 23時頃
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[揶揄っちゃ駄目と言われても、止まらないのがこの男。 しっかり揶揄って、顔を寄せるのは、耐えてる訳でなく、その逆。
エリアスはノックスのことを嫌っているが、 その逆はそうではなくて。 それでも、キスをしたいかと言われれば、 否というのは通常時では即答なのだけれど。
――……身に穿たれた棘は、 確実に欲望という名の根を張っていた。 それは、抗えないほど。]
(*48) 2011/12/23(Fri) 23時頃
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そりゃあ医務室なんだから薬棚に決まってるサ。
[言葉遊びのようなことを言って、ひょいっとベッドを下り、フィリップの手の中を覗き込もうかと、したときだったろうか。]
オスカー? どうしたの。
[駆け込んできた後輩に怪訝そうな顔をする。同室者の窮状を知ればその顔はどんどん険しくなっただろう。]
(168) 2011/12/23(Fri) 23時頃
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見てないか。わかった。
部屋に戻ってるかもしれないから、見てくる。 でも、さすがにもう食堂にはいないか。
じゃ、俺はこれで。
[玄関の方も気にはなったが。 ひらりと手を振ると、窓を閉めて自室へと向う]
(169) 2011/12/23(Fri) 23時頃
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……っ、ちが……
[否定しようと肯定しようと、からかわれるだけ。 だって、本当に無意識だったから でも、近づいてくるものに、なぜか抑えないといけないものが、抑えられなくて。
無言でその頬に手を添えると、 何も言わずに唇に唇を寄せた。 箍が外れたように、そこに躊躇もなにもない
彼が拒まない限りは、それは重なるのみで]
(170) 2011/12/23(Fri) 23時頃
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[自室へ向う前。 近づいてきたロバートへとたずねられると、薔薇の事を告げる。外がおかしいといわれると少しだけ考え込んだ]
…中庭は、少なくとも変じゃなかった。薔薇が咲いてる以外は。 でも、道がわからないって…夜だからとか? どちらにしても、今校外に出るのは望ましくない。 朝になったら調べてみようか。
[彼も薔薇には鈍感らしい。じゃあ、と自室へ向い、やはり二人が戻ってないのがわかるのはその後]
(171) 2011/12/23(Fri) 23時頃
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― 医務室 ― [人が増えたことには眉を寄せながらも 同学年の姿が近づき、 隠していたものを覗き込もうとする気配が 中等部と思われる少年の言で (オスカーと呼ばれているようだ) それたことには内心安堵した。
じゃあ、何で聞いたのさ、と 返すぐらいしかどうすればいいか 思いつかなかったフィリップには。]
(172) 2011/12/23(Fri) 23時頃
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[似合っているとは言い難いコートのロバートが歩いてくる。 嫌なら近づかなければ良いのに、態々向かってくるところがまた、この後輩の良いところだ。 普段ならそう思えただろう。]
そうか。ロバートにはこれは良い匂いか。 それなら良い。
酒では、私はこんな風にはならないよ。
[先ほどまで見せていた顔は作れなかった。 弱った表情、とまでは行かないが。]
(173) 2011/12/23(Fri) 23時頃
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そうだね、迎えにいってくるよ。 オスカー、ありがとう。
[フィリップの視線にはため息をつき、追及は中断された。視線を外された極彩色はどんな反応をしたのやら。
もとより人の名前を覚えるのは得意なほうで、寮生の名前と顔はほぼ一致している。後輩に礼を言い、ぱたぱたと医務室を走り出た。]
(174) 2011/12/23(Fri) 23時頃
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…エリアスさん、体弱いから…… 手伝う?運ぶにしても、人手はあったほうがいいよね?
[オスカーが言うのを聞いて、セレストに声をかけた。 自分が大げさに包帯を巻いた怪我人だというのを、すっかり失念していたけれど。]
(175) 2011/12/23(Fri) 23時頃
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―――〜〜……っ!?
[冗談のつもりで近づけた顔。 熱を孕んだ相手の手は熱かったか、 それとも逆に冷たかったろうか。 それに意識を向ける間もなく、頬に添えられた手に導かれ 唇と唇が合わさる。
日頃、あれだけスキンシップ過多の少年であるけれど、 口と口を寄せる接吻けは初めてのこと。 驚きに口を開けば、意図せず触れる感触は相手の唇か、 それとも舌と舌が絡むのか……それは相手次第で。]
(176) 2011/12/23(Fri) 23時頃
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[合わさる唇と唇。 そこからじわりと毒が染みいるように、広がる熱の感覚。
初めての筈なのに
嗚呼、この感覚を知っていると思った。]
(*49) 2011/12/23(Fri) 23時頃
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― 医務室 ― [ため息をつかれた。 そんな相手から視線を逸らしたまま、 駆け去る音を聞く。
鮮やかな姿は視線が外れ 戸口が開いた……のが原因かどうか よりいっそう落ち着きなく、肩でそわそわしている。
……しばらくすれば、更なる人を伴って 戻ってくることはわかっているから、 用事を済ませて早々退散しなければ、と 思いつつも戸口の人物が声を発したので、 なんのけなしにそちらを見た。]
……怪我してるのに?
[包帯の下がどうなっているのかはわからないが 包帯=怪我人認識なため 思わず突っ込んだ]
(177) 2011/12/23(Fri) 23時頃
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―自室―
あー、マジ、頭いてぇ……
[自室に戻れば、ぼふり、とベッドに倒れこむ。 ベッドは冷たい、まま。]
(178) 2011/12/23(Fri) 23時頃
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……ノックスはともかくオスカーもって、どういうことだよ。
[ここは寒さとの戦いである。 そのうち勝手に戻ってくるだろう、といつもなら思うのだが。 今日はどうやらおかしなことが起こっていて。
まさかそれでエリアスにノックスが襲われているとは思いもせず]
……探しに行くか。
[仕方なく探しに出ることにした]
(179) 2011/12/23(Fri) 23時半頃
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──廊下──
……薔薇?
[消毒薬に麻痺した鼻腔に、むせ返るような匂いが触れる。困惑に思わず足を止めた。 普段ならばいい香りと思えただろうそれは、けれど今夜は何処か悪いものの気配を孕み。季節的な異常さもあいまって、背筋が震えるような何かを呼ぶ。]
……ねェ。巻き込まないで。
[この香りに、"連れていかれる"ような気がしたのは、暗い廊下が見せた錯覚だろうか、それとも。 連れて行ってくれるなら、自分だけでいい。そんなことを、思った。]
(180) 2011/12/23(Fri) 23時半頃
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つーか、さっきから、何してん、スかぁ……
[廊下を歩いている時にも聞こえる、秘密の密会の様子が聞こえて。
ベッドの上で独り、呟く。]
(*50) 2011/12/23(Fri) 23時半頃
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[あわせてしまえば歯止めが利かなくて。 角度を変えて、何度も何度も口付けた。 彼の頭を抱え込むようにして、 唾液の音すら聞こえてくるのは、 多分より深くまで求めるから。
なれない筈のそんな行動。 空気を求めて一度唇を話せば、 そのままノックスの首元に顔をうずめる]
……。笑うな。よ。 変なんだ。絶対、おかしい……
[媚薬をのんだかのような感覚で。 脳髄の奥にうずく物にはもう抑えられないくらいにひどい]
……ごめ、ん。
[それだけが、精一杯の一言。 彼の衣服を掴む手は、震えていた]
(181) 2011/12/23(Fri) 23時半頃
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[薔薇に唇を近づける。 囁くように問いかけたところで もとから返事などありはしない。 薔薇が言葉を持ち合わせていないのなら それはなおのこと]
──。
[寒さで痛みが麻痺している手は やがて咲くだろう蕾を一輪手折る。 その振動で雪は薔薇からこぼれ落ち 咲いた薔薇は雪を染める赤の上に花弁を散らす。
冷えた空気のなかで濃密な香りは はっきりと揺らいだ]
(182) 2011/12/23(Fri) 23時半頃
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……とりの、せんぱい……
[医務室に入ってまず目を奪われるは 鮮やかな紅。 ああ、とても綺麗だ、と。 初めて見た時と変わらぬ感想が浮かぶ。
そして拙い説明を始めるわけだが、 幸い内容はきちんと伝わったようだ。 いつも一緒にいるらしい(確か同じ部屋のはず) 先輩が迎えに行くと聞けば、 ほっと胸を撫で下ろす。 自分では手当ても運搬も出来ないのだから]
(183) 2011/12/23(Fri) 23時半頃
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夜だから、でしょうか。 俺はこんな小さな場所で道を間違ったりしません。
[馬鹿にされた気がして、過剰に反応してしまった]
ともかく先輩も気をつけてみてください。 [何か急いでいるんだろうか。あっという間に行ってしまった。またミルウォーキと残されてしまったわけだ。しかし、このミルウォーキといったら傑作だろ。ベロベロになってら。おもしろい]
ああ、良いにおいだよ。 王家の象徴は当家の象徴でもあるわけですから。 誰かがトワレの瓶を壊したとかか? 確かににおいは強いけど。
[鼻の下に人差し指の第二関節あたりを持って行って、もう一度かおりに集中してみる。うーん]
……体調がお悪いのでは? 吐いてもいいですよ。掃除はご自分でだけどね。
[コートの袖で前髪をぬぐった]
(184) 2011/12/23(Fri) 23時半頃
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…ゴチソーサマ。 君、なかなか下手だね。
[からかい半分に。 エリアスだってうまいわけないのだけども。 それでも薔薇は、少しその精気を吸い取ったよう]
(*51) 2011/12/23(Fri) 23時半頃
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