25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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― 屋敷の外:門:葉桜の下 ―
邦夜殿も、セシルも身体は大丈夫か?
[そう語りかけながら、炎上する屋敷を見詰る。 肩にかけただけの着物が、生ぬるい風にはためく 青年は預けていた荷を手元に戻し、 そのうちの一つ、扇を一度鳴らして。] [旧友と鳥はどうなったであろうか?] [……大丈夫、約束をしたのだから。] [そう思いながら、もう一度扇を鳴らす。 ぼんやりと、主の棟があったあたりを見詰ながら]
(118) 2010/08/09(Mon) 22時半頃
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[狭間の声にふるり、と震える。 あやまちは幾度とあれど――]
――…主様、
[行かずば、主の命の危うい。 けれど手を重ねようと、それはきっと重なるだけ。 ――己が身があれるは、この邸内のみであるのに]
舞は、――舞は…… 主様が、月瀬殿とのお話に夢中になってただけではないですか…!
[それどころではないのに、 反論の言葉を返して、怒ったふりで哀し心を誤魔化して]
(@28) 2010/08/09(Mon) 23時頃
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俺は主だ。 言うことをお前はきけばよい。
別れ?何を言ってる。 行くぞ。
[そして、手が重なれば、そのまま椿の間の障子を蹴り倒し、一度中庭に出たが、行く道、真っ黒な黒煙が広がっている。]
ああ、セシルと話していたな。 そういうこともある。 今度はお眼の舞をちゃんと見よう。
[そして、出口方面の廊下にまた上がりこむ。途端、一度床が抜けたのであとずさった。]
ちゃんと来い。 はぐれたら、許さん。
一生覚えていてやる。
[それから、炎の薄いところに突っ込んでいく。]
(119) 2010/08/09(Mon) 23時頃
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―――…ばぁか。 ホントお前は辛気くせえな。
[琥珀は宙を見て、狭間へ声を届ける。 その刹那、満ちる煙が少しばかり風に巻かれ、明之進と刷衛の前に細い道が姿を現すか。]
…行けよ、明之進。 主と共に。
[宙を見た琥珀を伏せて。]
(@29) 2010/08/09(Mon) 23時頃
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……俺は大丈夫……疲れただけだから。
[炎の中、燃えぬ様服の中にしまい込んでいた黒の笛を取り出して。傷が無いのを確認すればほっとする]
……明と、虎鉄と、刷衛さんは……
[燃え上がる屋敷を振り返り]
(120) 2010/08/09(Mon) 23時頃
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始末屋 ズリエルは、現れた細い道と、何か少年の声にきょろきょろした
2010/08/09(Mon) 23時頃
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[蓮花の気配に、面を上げる]
――…本郷様、……ッ
[鉄色と交わった、刹那。 触れるはずもなかろう手を引かれた]
(@30) 2010/08/09(Mon) 23時頃
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― 屋敷の外:門:葉桜の下 ―
そっか、なら良かった……
[ぱちん、と、もう一度扇の音をさせて。 扇舞の時に触れはするが、 さして扇舞はやらなかったなと、 戻れたらこの扇で舞おうかと思った。 ……まさか、今、屋敷に 本人が現れているとも知らず]
……わからない……でも、誰なんだろう セシルの…あ、セシルって月瀬のことな? 荷物、誰が持ってきてくれたんだろう…
[その人物が3人うち誰かなら どうして、此処に姿がないのだろう…]
(121) 2010/08/09(Mon) 23時頃
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[―――歪めて、見上げる。引かれる手の先]
わ、私は……、 私は、大丈夫ですから……
迷わず逝けますから、だから。 もう、――主様、
[炎を過ぎる。 視界が滲むは、熱気のせいではない。 そんなものはとうに感じない、のだから]
はい、一生……、 覚えていて下さい。
[微笑ば、琥珀の声のする]
(@31) 2010/08/09(Mon) 23時頃
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>>@31
ああ、ごちゃごちゃもう。
[手の感触をつかめれば、今度は身体を引き寄せて、そのまま抱きしめる。
いや、そんな感じがしただけかもしれない。
そして、その細い道を駆ける。]
(122) 2010/08/09(Mon) 23時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2010/08/09(Mon) 23時頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/09(Mon) 23時半頃
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辛気臭い……
[宙に琥珀を探してみれば、 揺らぐ存在の引き寄せられた。 収まるその幻は――望むからに他ならず]
―――……、でも、 でも、私は……
[――今、この時だけ、としがみつき、 その人を切なく見上げれど。
それでも、躯は薄れゆく。 燃え落ちてゆく、屋敷と運命を共にするように。]
(@32) 2010/08/09(Mon) 23時半頃
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小僧 カルヴィンは、記者 イアンに話の続きを促した。
2010/08/09(Mon) 23時半頃
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さて、俺はどうしようかね。
[明之進とは違い、未だ現世に姿を濃く残す虎鉄。 それは未練の強さか、行き先を失い縫い止められた迷い子か。 パチパチと散る火の粉に混じり、琥珀を伏せて独りごちた言葉に狭間より囁きが降る。 屋敷なくしては、保てぬ、と。]
…大事なのは其処に在るかどうかじゃなくて。 繋いだ手を離さず、ずっと見失わない事だ。
[言ってから、自嘲気味に微かに笑って。]
それに、どうせ屋敷と共に朽ちる身だってんなら。 死にてえ場所で死んだって、罰はあたりゃしねえだろ。
(@33) 2010/08/09(Mon) 23時半頃
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[ わかっている。 わかっていた。
だけど、それでも、連れていきたかった。]
もう離れるな。
[切なく見上げてくるその顔を見て、頭をぎゅっと撫でながら…また顔をあげ、炎の中を駆けていく。]
大丈夫だ。 お前は俺の傍にいれば大丈夫だ。
[それでも、きっと出口に近づくにつれ、その存在が薄く儚くなっていくのを感じながらも…。]
お前の好きな舞を毎日見せろ。 そして、一緒に飯を食うのだ。
(123) 2010/08/09(Mon) 23時半頃
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[その豪火が一層大きく鳴り響く。 家はどんどん壊れていく。
燃え落ちていく……。]
ドォン……。
(124) 2010/08/09(Mon) 23時半頃
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さすらい人 ヤニクは、始末屋 ズリエルに話の続きを促した。
2010/08/09(Mon) 23時半頃
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[外からみれば、もうその中には炎しか見えない。]
[彼らはどうなったのか、外からはわからないだろう。*]
(125) 2010/08/09(Mon) 23時半頃
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[苦笑交じりの声に、小さく返す。 狭間へ向けるその声は、主は耳にはもう届くかどうか]
――…ありがとうございます、 弁えております から。
[冬の言もその通り
いけるものはいける道、 しせるものはしせる道]
(@34) 2010/08/09(Mon) 23時半頃
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― 屋敷の外:門:葉桜の下 ―
――――…………っ
[見ていた。][ずっと見ていた。] [屋敷を舐める炎が何処までも育つのを。 明るい火の中、いくつか見えた建造物は 少しづつ、飲み込まれていく。
遠く、轟音が響く。 あれは、何の音か。 あれは、何の声か。
時折屋敷の者が、何人か現れ 駆け去っていっても、動けなかった。 幾度待てども、その中に名を知るほど 見知った姿はおらず 青年はただ、扇を握り締めた]
(126) 2010/08/09(Mon) 23時半頃
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[朱い虚空に降るのは、兄弟子の言葉。 お前はどうしたいと問われ、立ち尽くしたままの琥珀は一度瞬く。]
俺は…、…還りたい。 主の下へ。王璃さまの傍へ。
…でも、還り道がわからねえんだ。
言いつけを破ってしまったから。 あの方の手を離してしまったから。
俺は―――…、還れない。
[ゆる、と頭を振るとその場にゆっくりと屈み込んだ。]
(@35) 2010/08/10(Tue) 00時頃
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[無骨な手が髪を撫でる、 その感触に眉根を寄せて目を細める。 ――滲むのは、炎のせいではなく]
……はい、 はい、主様。
[己の存在は薄れてゆくのに、 声と温もりだけは、薄れない]
―――…毎日、 余所見をしないのであれば。
セシルと話してて、 きちんと見てくださらなかったら、また 怒ります。
[描いて聞かされた 夢物語にふ――と微笑って]
(@36) 2010/08/10(Tue) 00時頃
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……ああ、主様。 約束、わたしのせいで守れなかったこと、
ごめんなさい、とセシルに伝えて……
[現世に繋ぎとめられる、存在の薄れてゆく。 裏庭の椿もまた、燃えたのだろう。
ただ、目蓋を閉じるようにして、じっと。 縋るように慈しむ護るように、
透き通る腕を背に回して、 いま少しだけ――]
(@37) 2010/08/10(Tue) 00時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/10(Tue) 00時頃
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― 屋敷の外:門:葉桜の下 ― [そうして、いつまで見ていただろうか? どのくらい、見ていただろうか?
けれど、生者の目で見えるものは少なくて。 とてもとても、少なくて。
狂い咲く火の花からの風に 何が浚われたのかも判らぬまま ずっと、立ち尽くしていた*]
(127) 2010/08/10(Tue) 00時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/10(Tue) 00時頃
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[そして、明を抱きしめたまま、 男は屋敷の外に駆け抜けた
ような気がしたが、 寸前で崩壊に巻き込まれる。]
チィ………
(128) 2010/08/10(Tue) 00時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2010/08/10(Tue) 00時頃
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[主が傍らに座りあれど、 繋ぎとめるべき宵の夢が崩壊すれば、 その身はもう常世のもの――]
主様――…ッ
[声も姿も、もう届きはしない だろう]
(@38) 2010/08/10(Tue) 00時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/10(Tue) 00時頃
若者 テッドは、メモを貼った。
2010/08/10(Tue) 00時頃
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[何かいろいろ崩れる音が聴こえる。
ああ、明はどうなったのだろう。 ああ、セシルも怪我などしていないだろうか。 ああ、イアンは、正気に戻ってくれるだろうか。
さまざまなことがぐるぐると回る。 そして、ぐるぐる回ると同時に身体中が熱くて仕方がない。]
(俺は、死ぬ気はな い)
[必死に何かを動かそうとする。 そして、動かそうとしながらも…… 男の意識はさすがに薄れていった……………。**]
(129) 2010/08/10(Tue) 00時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2010/08/10(Tue) 00時半頃
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いけるものはいける道 しせるものはしせる道
同じ道をいくのであれば、 ……生ける者は死なねばならない。
[道行き滅ぼす天の火が、 たとえ今この手にあろうとも、願うことは一つ]
……主様、どうか 私を、あなたの道妨げる者にしないで下さい。
[――生きてください、と冷たいその手を頬へと寄せた*]
(@39) 2010/08/10(Tue) 00時半頃
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[屈み込んだ迷い子の前に差し出されるのは、狭間に咲く双花の優しい手。]
もう、赦して下さるだろうか…。
[ぽつ、と呟いて見上げた顔は不安に満ちた顔。 けれど、双花の顔をじっと見詰めればもう一度俯いて。]
…でも、華月と鵠が一緒なら。 見つかる気がする。
……有難う。
[照れくさそうに礼を言って見上げた顔には、少しばかり幼い笑顔があった。 そして、そっと優しい手を取る。
手と手が触れたとき。 ふと、思い出したのは。
主の綺麗な―――優しい鉄色の、瞳。**]
(@40) 2010/08/10(Tue) 00時半頃
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