162 絶望と後悔と懺悔と
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[急激な血の喪失に、指先が震えた。 耐えようと、ぎゅうと目を閉じる。耐えきれずに開く。 滲む視界にちいさな菫を見た。]
……、……
[ここで、死ねない。 この罪を明け渡して終わってはいけない。
それに、託された祈りは――借り物ではあるけれど、 己にだって、月を見て思う事はあったのだ。]
(95) 2014/02/22(Sat) 02時頃
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[左腕を落された時すら、 身を焼き焦がす熱の毒等感じた事は無かった。
これが死だと言うなら。
素直に人間達の執念を褒めるべきだろう]
執念、か。
[手の中にリカルドの首はあっただろうか。 身を焦がし、人にして人を棄てた戦士を見遣ると もう1人、人を棄てて身を焦がす戦士を思い出す]
ジャニス。
[間違う筈の無い気配>>94を感じ取れば、 狂った様な声を潜めて冴え冴えとした笑みで名を呼んだ]
(96) 2014/02/22(Sat) 02時頃
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[己の手で貫いた明之進の肩を 肩で押し上げるようにして支え、 立ち上がった時にはもう、 小柄なリカルダの躰は始祖へと駆け出していた。
肺のある位置から血を流し、 明之進の手にある涅槃の刃に貫かれ それでも哂う金の鬼へ──]
行、け────リッキィ!!
[リカルダの背を押すように、絢矢は叫んだ。]
(97) 2014/02/22(Sat) 02時頃
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[その終に、血に染む愉悦ではなく、泥に倦む退屈でもなく
安寧のあるように。]
(*21) 2014/02/22(Sat) 02時頃
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[彼のトレードマークともいえる緑色は見当たらない。 ざんばらと束で切られていく人参色に、良く映えていたのに。>>91]
人参は、甘く煮詰めて花の形にしよう。 それとも細かく刻んで混ぜてしまう?
……風呂は薪を焚いたものが一番だ、ね。 湯が軟らかくて……。
(98) 2014/02/22(Sat) 02時頃
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眠ると本当に天使みたいで、ね。 眠る君たちを、見てると疲れなんて、吹っ飛ぶんだ……
[彼の目が閉じる。瞼の裏に何が映るかだなんて。孤児院での事しか思い至らない。]
………渡す? なに?
[唇が動いているのに、声が――聞こえない。]
(99) 2014/02/22(Sat) 02時頃
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………もう、行けよ。 行けったら!
[紅の眸で睨み付けると、女鬼は罵倒を残して他へと向かった。残っている守護隊を、殺す為に。]
きゃろ?
[前髪をかき揚げてやるには手が足りない。 額を合わせて覗き込む。
笑みを浮かべたその顔を間近で見て。]
(100) 2014/02/22(Sat) 02時頃
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なぁ、零瑠。
[傍に、と言っていた零瑠へ掛ける聲は酷く穏やかで、 傍らにいない事を咎めるものでは無く。 ただ改めて知ったと、零瑠に告げる]
人間とは、面白いな。
退屈しない。
[退屈しないと口にした時は笑ったが、 零瑠は何処で聞く事となっただろうか]
(*22) 2014/02/22(Sat) 02時頃
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零瑠が言っていたか…。 人、と鬼が 共にと……。
[人だけでは左腕しか落せなかった。 鬼だけでは支配から逃れられなかった。
人と鬼が手を取ったからこそ]
人間は面白い。
(101) 2014/02/22(Sat) 02時頃
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死にかけとは喜ばしいな、始祖よ。 楽しかったか?
[>>96名を呼ばれて返すのは表情のない顔、 沸点を超えるといろいろと外には出なくなるらしい]
もっと、面白くしよう。
[人間である理由は随分前に無くしていたから、 自分でも驚く程柔らかい声が出た]
(102) 2014/02/22(Sat) 02時頃
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[唇が声なく紡ぐに、泣きそうな笑みを見せて。>>91
彼を抱き締めたままその場に座り込む。
首に爪を当てて頸動脈を掻き切ると共に]
……祝ってくれて、ありがとう。
[牙を突き立て、 『家族』の終の血を――**]
(103) 2014/02/22(Sat) 02時頃
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………ははっ、
[僕は駆け抜ける。背中を押すみたいな声に導かれて。>>97 始祖吸血鬼にさらなる棘を打ち込もうと。
――狙いは外した。でも斬ったって手応えはちゃんとある。 始祖吸血鬼も笑ってる。僕には相変わらずその理由がわからない。
このまま同じ狙いを繰り返していればその心臓に届くかな、いつかと言わず、すぐに、]
……っぐ、
[僕は伸びてきた手を右の手で、あわよくば斬り払いのけようとする。 けれど逆に右腕を掴まれた。――へし折られる!?>>93]
(104) 2014/02/22(Sat) 02時頃
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――これ、なんだと思う?
[自身の唇を指で少しだけ持ち上げる、 舌で触れば確実に違いのわかる感触は伸びた犬歯。 普段は大声など出さないから気づかれる事もなかった]
お前の血を飲みすぎたようでな、 もうここまで来てしまった。
[戦場で無茶をするたびに摂取していた聖銀水、 じわじわと蝕む始祖の血は体中を巡り 人間であることをやめさせるには十分で]
(105) 2014/02/22(Sat) 02時半頃
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……あ、や
[肩下から圧が掛かり、半身を押し上げられる。>>97 右手を酷く痛めている筈だから、捨て置いても良いんだと、 視線を向ければ、手首から先が見えない]
――――げほっ。
[腹の奥に気持ち悪さを覚えて、小さな咳。 口中に込み上げた血を、隠すために呑んだ。
背を押す叫びに、遠くを見るように――
瞬迅と駆けるリカルダの手には『菖蒲』、絆を結んだ者の銘。]
(106) 2014/02/22(Sat) 02時半頃
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[>>93リカルダへと預けた刃は始祖の心臓には届かず しかし腹を裂いて、その唇から新たな紅を零させる。
行動が遅れたのは──、 その場に新たに増えた声>>94に、 一瞬意識を奪われたから。]
リッキィ──!
[始祖の手が翻りリカルダの首に伸びるのを見て 絢矢は蹌踉めくようにまろびでる。
一直線に──。
今度こそ、始祖にトドメを。 決意と共に、膝に力を溜めた絢矢の前に、 その動きを遮るようなジャニスの背があった。]
(107) 2014/02/22(Sat) 02時半頃
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―聴こえぬ初音の―
……これは。
[キャロライナの身体をその場に横たえて身を探る。 緑のスカーフがあればと思っての事だが、ポケットの内には小瓶。手の内に収めて口許を拭った。]
……遠回りになってしまった。
っ、早く…
[骨が見えていたままの足に筋肉が纏う。 主の元へ。これなら疾く行けるだろうと。]
……?
(108) 2014/02/22(Sat) 02時半頃
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あぁ、すみません、今―――…
はい? 何でしょ、う。
[名を呼ぶ聲の、方を見遣り、応える。]
(*23) 2014/02/22(Sat) 02時半頃
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愉しいだろう? お前も?
[ジャニスの問い掛け>>102にも笑みは変わらず。 時折吐き出す血が増えてはいくが。
リカルダの首に手は伸びた]
やはり人を止めたか?
[徐々にリカルダの首掛けた手に力を込めながら、 ジャニスの牙>>105に目を細める。
その面白いというものが、満たさなければ、 間に合わなければリカルダの首を折ると瞳が語る]
(109) 2014/02/22(Sat) 02時半頃
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何を、おっしゃいます…
まだまだ、面白いものは幾らでも。
あなたの退屈を潰すものは、幾らでも。
……あります、から。
(*24) 2014/02/22(Sat) 02時半頃
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[邪魔にならぬようにと右腕を抑え、 両脚に力を入れる。
鬱金の主と、風が運ぶ強い血の香に 焦燥を隠せない。
何を踏もうとも、何を蹴飛ばそうとも。 速く、疾く。
共に在ると言ったのだから。誓ったのだから。]
(110) 2014/02/22(Sat) 02時半頃
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[やがて始祖吸血鬼は僕の首に手をかける。 今はじわじわって力をかけ続けてるけど、その気になったら。 僕が今度こそ残りの腕を落とす気で左の黒い刃を振るうより先に、僕の首をへし折るくらいの力はまだ残ってそう]
―――― く、
[早く、はやく。 絢矢でも明にーさんでもその白いコートの人でもいいから、こいつを]
(111) 2014/02/22(Sat) 02時半頃
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トルドヴィン、さまっ
[貴い名を呼ぶのを躊躇わなかった。 主の周囲に居る者の数は4であっても。
傍にと、駆けるのを止めはしない。]
(112) 2014/02/22(Sat) 02時半頃
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楽しくはないぞ、むしろ奪われてばかりだ。 選択肢も未来も望みもなにもかも。
[>>109逆に問われても緩く否定の首を振る。 語ってもわからないだろうけれど]
あとひと押しというところだ。 こうなったらもう、戻れないらしいしな。
[聖銀水を摂取しすぎて堕ちた隊員を何名か殺した事があるし、 いずれは自分も堕ちるだろうという予感はあった。 少女に見える吸血鬼の首を絞める様子に しかし知っている顔だとしても、 先の零留のこともあって制止はしない。 意識は人間のものと変わりがないのだとしても、 共存なんて夢は見れないのだから]
お前を喰ったら、世界が変わるんだろうか?
(113) 2014/02/22(Sat) 02時半頃
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[じわじわとリカルダの首を締め上げてはいるが>>111 アヤや柊が、勿論リカルダが動けば次の瞬間、 骨はへし折るつもりだった]
愉しく無い? それは 残念 だ それ は お前が 人間だからだろう?
[顔色1つ変えぬジャニスに、こちらも笑みを変える事は無い。 ただ流れる血の量に、眠ってしまわない様に 意識を保つ意味でも無意識にリカルダの首へと 力は込めていただろうが]
戻る気があったのか? 私を斃した後、 何処へ戻る気だった?
私を喰って、戻る場所の無い世界を棄てて 新しい世界へと 来るか?
(114) 2014/02/22(Sat) 03時頃
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[切りかかったリカルダの首が捕えられる。>>114 まるで脅しのように掛かる手に、ここから跳んでも 今の傷では間に合わないと思えば、下手には動けない。
助ける機はないかと、 始祖と、三日月斧を携えるジャニスとが交わす声を、 焦がされるような心情で聞いていた。]
(115) 2014/02/22(Sat) 03時頃
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[やがて、名を呼び駆け出る姿が現れたなら>>112]
零瑠、君……
[眉根を寄せて目を細める。 血に縛られた吸血鬼において、恐らく始祖の命は未だ有効。 守護隊を全滅させろ、という――ここには絢矢もいる。 名を宛て、宛てられた二人だから、 お互いの血を流し合う事は避けたいと思っていたのに。
そう、守護隊の。 円を背負っていたキャロライナは、どこへ行った――?]
(116) 2014/02/22(Sat) 03時頃
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人間をやめたらコレが愉しいのか。
[誘われるようにふらり、足を進める。 しかし]
無論、人として戻るつもりだったさ。 始祖に心配されるとは驚きだな。
[>>114ああ、こいつは本当に人を誘うのが巧い。 今すぐ飛びついて甘受してしまいたくなる、 もう少し幼かったら、そうしてしまっていたかもしれない]
そうして第二のお前のようになると? 御免だね。
――だから断ち切るつもりだ。 輪廻の輪にも入らないようにな。
[三日月の付け根まで斧を深く握り直す]
(117) 2014/02/22(Sat) 03時頃
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[――あなたの居ない世界なんて、在りやしない。]
(*25) 2014/02/22(Sat) 03時半頃
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[孤児院に来たばかりの頃は違和感しかなかった。 『Trail』の懐剣を握り締め、 濡れた窓の外を見上げる。
こんな空を、知らない。
こんな色を、知らない。
こんな涙を、知らない。
こんな雨を、知らない。]
(*26) 2014/02/22(Sat) 03時半頃
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止めなければ判らぬだろうな。
[やはり人間と鬼は相容れぬのだ。 一歩前に出たジャニス>>117に視線でそうだろう?と問い掛け誘う]
戻れるつもりだったとは驚きだな。
人にも鬼にも成らず、輪廻の輪からも断ち切るとは。 ではお前は何に成るのだろうな。
[三日月の斧を握り直す様子に、やはり傷が癒えるのは 早いと笑う。 断ち切られるのは、ジャニスか、それとも自身か。 血が流れ過ぎた。 もうジャニスを翻弄する動きは出来ない。
足掻くでも無く、詫びるでも懇願でも無く。 ただ、一度しか経験出来ないそれを愉しもうと目を離さない]
(118) 2014/02/22(Sat) 03時半頃
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