143 宵を待つ村
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愛想……?
………ないな。 [即答し、胡桃色の双眸から視線を外さないままぎこちない仕草で額をこつんと合わせる]
お前は……俺が村に帰ってきた理由……なんだぜ。 だから、気にしなくていい。 迷惑だとも思ってない。
だから、ほら……何も心配しなくていい。 お前が望むだけ傍にいるし……望むことを、して……やるから。 [思考が――感情が――、既に縺れ、痺れていることに気付くことなく、笑いかけた]
(111) 2013/09/16(Mon) 04時半頃
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―回想・クシャミの家・朝―
……。 [ヒューに声をかけられ>>59目が覚めた。昨日妙な思考に取りつかれてあまり眠れなかったため目覚めはよくない。まだ眠たかったが、他人の家だし起きねばなるまい。]
……ふぁぃ。 [欠伸をしつつ部屋から出る。声をかけながらヒューとクシャミの姿を探していたが、二人とも姿は見えなかった。 おかしい、と首を捻りつつ台所へ向かえばそこには黒猫がおり、足元にじゃれ付かれた。]
お前、お腹が空いてんのか? [そう聞けば、一声鳴いて返事をされる。]
しょうがねぇなぁ……。 [黒猫の可愛さににやけつつ、台所からキャットフードを取り出し黒猫に与えてやった。]
……しかし、二人とも本当にどこ行ったんだ? [自分のお腹も、大きく鳴った。]
(112) 2013/09/16(Mon) 04時半頃
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[仕方がないので台所にあったパンを勝手に頂戴したが、昼を回りかけても二人は帰ってこない。]
(まさか、何かあったのか?)
[思い出すのは、昨日の村長の言葉。慌てて外に出ようとしたとき、足元に何かがじゃれついてきて転びそうになった。]
ぅおっ!
[バランスを何とか保ち、転ぶのを防ぐ。足元にじゃれてきたのは黒猫―あくび―だった。]
お前……!
[怒ろうとするが、じっと見つめられて何も言えなくなる。 そのまま何も言わずに家から出ようとすれば、また足元にまとわりついて邪魔をしようとする。]
……もしかしてお前、クシャミのことが心配なのか?
[あくびを持ち上げて目線を合わせ、問いかける。―にゃおん!と勢いよく鳴かれた。]
(113) 2013/09/16(Mon) 04時半頃
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なら、ちょっと待ってろ。
[クシャミとヒューに向けて、探しに行くこと、あくびを借りていくことを記したメモを居間のテーブルの上に残しておく。]
……よし、行くぞ。 [クシャミがたまにやっているようにあくびに背を向けてしゃがみこむと、あくびは背中に飛び移りそこから肩まで登ってきた。]
[あくびのバランスが安定したのを確認して姿勢を戻し、クシャミの家を出る。鍵のことがちら、と頭をよぎったが、今はそれを気にしている場合ではないと判断した。目指すは集会所である。]
(114) 2013/09/16(Mon) 05時頃
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―集会所前―
……?
[集会所の雰囲気がおかしい。おかしいのは分かるのだが、何がおかしいのか分からない。]
―にゃおん!
[そんな矛盾に戸惑って足を止めると、耳元であくびが早く行けと急かしてきた。その鳴き声を聞いて違和感の正体に気づく。人の気配はあるのだが、ほとんど声がしないのだ。]
(いや、これは)
[ふと耳を澄ますと、複数人のぼそぼそとした喋り声が聞こえてきた。小声で喋っているだけらしい。]
……何が起こったんだ?
[不吉な予感を感じながら、集会所内へ足を踏み入れた。]
(115) 2013/09/16(Mon) 05時頃
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―集会所―
[集会所に踏み入った瞬間、視線が集まる。 それは今までの人生でほとんど経験したことのない、敵意と猜疑の視線だった。]
……すみません。何があったんですか?
[その状況に混乱しつつ、近くにいた老人に話を聞けば]
――死んだんだよ、村長が。
[ただ冷たく、事実を告げられた。]
(116) 2013/09/16(Mon) 05時半頃
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―集会所→集会所前―
ふぅ……。
[村長の死体を見て危うく戻しそうになり、新鮮な空気を吸うために外に出た。 集会所の壁にもたれかかり、ずるずると地面に腰をつける。]
[大丈夫か、とあくびが肩から降りて両足をケヴィンの胸の上に置き、腹の上に立ちながらぺろぺろと顔を舐めてくれる。]
うん……大丈夫だ、大丈夫。
[全身が赤黒く染まった死体の、食い荒らされた臓物と肉体。 昨日まで生きていた村長。]
人狼か……嘘だろ。
[あくびの背中を撫でつつ、青い空を見上げた。 先ほどの光景を忘れたいとばかりに。]
(117) 2013/09/16(Mon) 05時半頃
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……よし、もう大丈夫だ。
[時間にして三十分ほどだったか、ようやく立ち上がる。]
[ヒューとクシャミの姿を探したが見えない。集会所にいた村人に聞いたところ、どうやらクシャミはヒューが迎えに来て一緒に帰ったらしい。クシャミの家から集会所までの道は何本かある。恐らくそこで行き違いになってしまったのだろう。]
……残念だったな。
[そう言いつつクシャミを撫でると、寂しそうな鳴き声が返ってきた。]
(118) 2013/09/16(Mon) 06時頃
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[後であくびは返しにいくとして、あの二人が一緒にいるなら無理に会いに行く必要もないだろう。昨日の彼らの様子を見る限り、互いに信頼し合っている様子だった。二人のどちらかが狼というのも考えづらい。それに――]
人狼を、見つけ出さなきゃいけない。
[――昨日の夜考えたことが正しければ、人狼の可能性が高いのはイアンと白髪の旅人だ。]
(119) 2013/09/16(Mon) 06時頃
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[幸い、イアンはオスカーと会話している姿をすぐに見つけることができた。オスカーにお茶を誘われているらしいその姿に、挨拶もそこそこに本題をぶつける。]
……オスカー、イアンさん。 あんたたちも死体は……見ましたよね。
[集会所にいるのだ、知っているだろうと話す途中で悟る。]
じゃあ、単刀直入に聞かせてもらいます。 ――イアンさん。あんたは昨日の夜、何をしていた?
[イアンに対し、強く、疑いを露わにした口調で問いかけた。**]
(120) 2013/09/16(Mon) 06時半頃
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