261 甘き死よ、来たれ
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[私の時間は、災害が起こるより前で止まっている。 誰かが死んでも、誰かがいなくなっても、 悲しみも、苦しみも、嘆きも、なにもない。
荒廃した街に立っても、時折視界が振れて イルミネーションの美しいクリスマスの光景が視える。]
……、
[晴が眠ったあの直後に、霊安室で聞こえた声。
"ごめん"
"ありがとう"
" 藍 "
呼んでくれたのに、答えられなかった。 私の中で、晴はまだ、生きているような気がして 現実を認めることが、出来なかったのだ。]
(115) 2016/12/15(Thu) 00時頃
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[ちょうど誰かに声をかけてるところだったよう>>104で、あたしはちょっとの間それを見守りました。 向こうの相手はうずくまってて、顔が見えません。すなわち、誰だかわかりません。
なにかあったのかな、とも思いましたが、誰かもわからない相手に近寄ってくほど、あたしって優しくないんです。 それに今は、暇つぶしの相手>>109もすぐ傍にいますしね]
なににやけてんの。 えふくんのこと、すきなの?
[恋する乙女なのかしら。 首を傾げながら、あたしもゆっくりドライフルーツを食べ進めます。
そうやってぼんやり桜を見ていたら、離れた場所にいた人が、近づいてきたみたい>>111。 消防服を着るその姿に、キョを突かれてしまいました]
(116) 2016/12/15(Thu) 00時頃
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[私の片腕には黒猫のぬいぐるみのメリーが抱かれている。 因みにメリーは、猫の癖に胴長のぬいぐるみで くったりにゃんこ、なんて触れ込みで売られていたかな。 綿が少しはみ出しているから、治してあげたいな。
それから、昨日、春にもらった折り鶴は どうしようか迷った挙句、 膨らみを減らし薄くさせてもらった上で ポケットに入れて、お守りのように。
私は、もしも春が死んでも 悲しまないのかな? つらくも、ないのかな?*]
(117) 2016/12/15(Thu) 00時頃
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[泣いてた様子の彼女にその理由を聞く前に、もう一個>>110なんて呑気な声が聞こえてきたものだから]
ん?え… えー!? なに、もうたべちゃったの!?
はやい、はやいよ! 明日のぶんでもあったのに! もう一個なんてないよお…
[お酒のことまで文句言ってたかと思えば、酷いやつですよ、まったく。 空になった袋を逆さにしてみますけど、落ちたのは乾燥剤だけ。
今度は別の意味で悲しくって、恨みがましくはるちゃんのことを見てしまいます。 欲しかったら、えふくんのところにでも行ったらいいんですよ!]
(118) 2016/12/15(Thu) 00時頃
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[再びただ一人だけのシェルターに静けさが戻る。 エフの呼吸以外に音はない。
立ち上がって冷凍庫を開くが既に電気のないそれはただの頑丈な筐。 アイストレーには温くなった水があるだけだった。]
ここも終いだな。 割と快適だったのによ。
[一人愚痴を零す。 現代文明というものは電気の力なくしては何も動かせない。 だましだまし使ってきた発電機の燃料もここにきて空となった。 まるで住人たちの死を見届けるようなタイミングでだ。]
じゃあ残った俺はなんだってーの。 いい加減に死ねってことかよ。
[そんなのは偶然にすぎないことは男も重々承知している。 しかしタイミングの一致も穿った見方をすれば神がかりにも悪魔の仕業にもなる。 だけど偶然、この世界がこんな風になってしまったのも全てが偶然の産物なのだと男は思う。]
(119) 2016/12/15(Thu) 00時頃
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めるちゃん、あんましあまやかしちゃ駄目だよ。 このこはね、すーぐつけあがるからね。
[羊羹>>113はありがたくいただきながら、むくれてしまいました。 はるちゃんの分、よっぽど奪ってやろうかと思いましたけど、可哀想なのでやめておきましょうね。めるちゃんも見てますしね。
もらった羊羹を早速開けて、ぱくり。 一口サイズを、ちょっとずつかじるように食べていきます]
……おいしい。ありがとね、めるちゃん。
ふたりは桜、すきなの? ことしはきれいにさいてくれて、よかったね。
[羊羹のおかげで、不機嫌もおさまりました。甘いものはすごいですね。 だからついでに、居あわせたふたりに他愛もない質問をしてみたり]
(120) 2016/12/15(Thu) 00時頃
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―東シェルター―
・・・・・・。
[道中寡黙に息を切らしながらシェルターに向かう。 体力も落ちている最近では中々に辛い。 しかし放置してはおけず歌瀬を時折待っては歩きだし、シェルターまで運ぶ。]
そこにそいつのは置いてけ。 どうせここは使いたい放題だ。
[狭かった空間は一人減ることに広くなり今では広すぎるくらいか 、到着すれば入り口に荷物を置かせて自分は青年の服をさらに脱がし、身体を拭いて毛布に包んでやる。 その最中にツナギに刺繍された彼の名、気づけばそれを一緒にいるる彼女にも教えてやった。]
な・ゆ・た・・・と言うらしい。 通信機でもあればよかったんだがな・・・。
[持ってきたものを確認し、ボンベを手に持つと何かに使えないかと頭をひねる。しかしまだ何も思い浮かばずにまた置くと食料と水を取りに備蓄庫へと向かう。]
(121) 2016/12/15(Thu) 00時頃
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・・・水だ。飲め。それと飯だ・・・。
[持ってきたのは乾パンとオレンジの缶詰。 保存食のしそわかめご飯も少し残ってはいたがそれはまだ取っておいた。]
・・・。
[断る素振りを見せる歌瀬に怪訝な顔。 机に腰掛けてガリと乾パンを噛み水を飲む。]
・・・いいから食え。 お前は何のために生きてきた。
[食事を断る歌瀬に食べながら薦めた。*]
(122) 2016/12/15(Thu) 00時頃
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