84 戀文村
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ー翌日:酒場→ナタリアの家ー
[寝起きの夢は、在りし日の親友。
陽気で快活で情に厚く、愛する者を護りたいと。 そのためならば、自らを汚すことも厭わない。 真っ直ぐなところがあり。 それ故に……理不尽さには折れない不器用な。 なのに、自らの汚れを一番憎んでいた。 最期まで、何かと全力で戦って散った。 そんな強さと脆さが眩しかった。
自分は彼のようになれるのか。 彼との約束を果たすことがその証のような気がしていた。 しかし、どこかでそれが揺らいでいる。
何故ならば……自分は彼ではないのだから。]
(72) 2012/03/28(Wed) 18時頃
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[ナタリアの家に行こうと思ったのは。 多くの悲しみを知る老女に。 この迷いを聞いて欲しかったからかも知れない。]
(73) 2012/03/28(Wed) 18時頃
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[道中、広場で会ったエリアスと簡単な言葉を交わし。 別れを告げたのだが……永遠の別れのような重苦しさが。
その理由を知ったのは。 ナタリアの家であっただろうか。 それとも、途中で会った知人からだろうか。
ひとり、老女の家に向かう。**]
(74) 2012/03/28(Wed) 18時半頃
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ブローリンは、ヤニクを見かけて、手を上げた。気づいてもらえただろうか。
2012/03/28(Wed) 19時頃
病人 エリアスは、メモを貼った。
2012/03/28(Wed) 19時半頃
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[ヤニクには、いつ旅立つのかは聞かなかった。 見送りに行くことはできないから。 彼が後どれほど村に居るつもりかは知らないけれど、旅立つまでに赤紙が彼の元に届かないよう祈った]
(75) 2012/03/28(Wed) 19時半頃
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[広場に居れば、ホレーショーとも会う。 さすがに分隊長ともなれば赤紙のことなどとっくに知っているようで]
うん……たしかに、届いたよ。 ――ホレーショーはさ、前に村で死にたいかって聞いたけど…… 僕が行かなかったら、姉さんや母さんの立場が辛くなるだろうし。 ――行くしか、ないよ。
[仕方がないことだというように肩をすくめ]
約束、守れないかもしれないから……ごめんね。
[さすがに、母や姉に、頼めない。 他の人たちとは違って、ホレーショーには、叶うことのない望みは口にしなかった。 それに答えるように髪をぐしゃぐしゃにされて]
わっ……、もう、だから、僕の頭はおもちゃじゃないって。
[空気を変えるように、いつもどおりに言葉を紡ぎ。 ホレーショーから伝えられることがあるのならそれを聞いてから、彼と別れた]
(76) 2012/03/28(Wed) 19時半頃
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[旅人と話が出来たかどうか]
[エリアスは挨拶を終えた頃だろうか。 広場の一角に腰掛けて、見張りに立っている同僚を眺めていた折、 >>64、顔色の悪さよりも、疲れが見える顔を見つけた。 気づかれるまで手を上げて、寄って来た彼に、隣をしめす]
[思い出したように、パンの袋を鳴らして、ひとつ、取り出す。 適当に割って、小さいほうを差し出した]
(77) 2012/03/28(Wed) 19時半頃
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病人 エリアスは、メモを貼った。
2012/03/28(Wed) 19時半頃
ブローリンは、エリアスに差し出したパン。首を傾けて、促した。
2012/03/28(Wed) 19時半頃
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[大体の人との挨拶は終えた。 郵便屋とはまだだけれど、家に帰る前にでも会えたら「手紙を書くからよろしく」とだけ伝えるつもりで。
広場の一角に居るブローリン>>77をみつけて、足を向けた]
ありがとう。
[示されるままに腰をおろして小さく息を吐き。 袋の音に視線を向ければ、差し出されるパン。 促すような仕草に、口元に笑みを浮かべて受け取った]
前にももらったのに、結局返せてないね。
[たまに、こうやってパンだったり、焼き菓子だったりのやり取りがある。 大体交互にやりとりしていたけれど、前回もブローリンからだったことを思い返した]
(78) 2012/03/28(Wed) 20時頃
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[気にしなくて良いと、首を振る。 このいつもどおりの、普遍すぎる空気こそ、痛々しいものかもしれなかったが。 ありがたいものではあった。もしも、エリアスと親しいものが通りかかれば、 手招きして、輪に加えようとするつもりで]
[ペンと紙を取り出しがてら、何度か折られた紙を差し出した。 今、この位置からも見える景色。中央だけは、楕円にあいているけれど 手帳に、穴の理由を書く]
"君が描きたい物を描きいれたい"
(79) 2012/03/28(Wed) 20時頃
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[首を振る仕草に、もう一度ありがとうと微笑んだ。
普段どおりののんびりとしたやりとりに、ほっと息を吐き。 受け取ったパンをひざの上において、差し出された紙を広げた。 視界に広がった景色に瞳を瞠目き]
広場の景色……? これは―― え? 僕の描きたいもの?
[不思議に中央だけが描かれていない絵に首をかしげれば、手帳に文字が綴られて。 その言葉にきょとんとブローリンをみつめた]
……何がいいかなあ…… ――…… んー……難しい、ね。
[暫し考えるように眉をよせ]
(80) 2012/03/28(Wed) 20時頃
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――……春の、花がいいかな……
[そうして考えた末に出たのは、そんな望みだった。 きっと見ることは出来ないだろう、広場の花壇に咲く花や、木からひらひらと落ちる花びらを想像するように、瞳を細めた]
(81) 2012/03/28(Wed) 20時頃
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ブローリンは、エリアスに少し首を傾げて、頷いた。
2012/03/28(Wed) 20時半頃
エリアスは、ブローリンが、頷いてくれたことに嬉しげに笑みを返す。
2012/03/28(Wed) 20時半頃
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[きっと、エリアスはそれを見る事はないだろう。 だからこその願いだと思う。鉛筆を取り出して、描き出す前に、 ペンで伝える]
"少し時間が欲しい 今日は誰と どんな話をした 出来れば教えて欲しい"
[描いている間、その話題を得ようと。 もしも話すのが辛いのならば、無理強いはすまいが]
(82) 2012/03/28(Wed) 20時半頃
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[時間がほしいと綴られる言葉にはもちろんと頷き。 続く願いには、少し首をかしげながら]
いいよ。 たいしたことはなかったけれど――
[そして、今日会った人のことを伝えて行く。 ナタリアの家に行ったことや、カフェでソフィアに驚かれて心配されたことや、雑貨屋で子供のように頭を撫でられたこと。 ダーラとの料理の約束とか、村人たちとの他愛のない会話。 姉が泣いたことは言えない]
――ヨーランダさんが雪の中で眠りについてたのは哀しいけれど。 みんなと一緒に、春を見たかったな。
[ブローリンがペンを動かす間。 のんびりと思い返すように口を動かし。 穏やかな、けれど悲しみの滲む笑みを浮かべていた]
(83) 2012/03/28(Wed) 21時頃
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[エリアス話へ頷くのと平行して、絵を仕上げていく。くそれは奇妙な絵だったろう。 村の風景の中央が窓のようにくりぬかれ、花畑が描かれている。 ブローリンの故郷にも咲く、クロッカスの花を描いたが、彼は名を知っているわけではない。 そして、村に咲いていた、今年も変わらず花をつけるだろう、木蓮を描いた。 この村の情景ではない。平穏な、どこかの早春の日を、思うままに描いただけだ。 それは、彼の心の窓とも言えたろうか]
……
[スケッチブックの上、紙を置いてペンを走らせる]
"それらが、今日君がこの村に残していくものだ 彼らが彼女らが、今日君から少しずつもらっていくものだ 自分は君から十分に受け取った。 今日が最後である事が本当に惜しい。 だから、自分からはこれを君に託したい。"
[絵と、>>47少しひしゃげた薬莢を飾りにしたものを差し出した]
(84) 2012/03/28(Wed) 21時頃
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ブローリンは、エリアスに問う。 "Are you scared?"
2012/03/28(Wed) 21時頃
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[村の風景が描き出された紙のうえ。 次々と花開くように花々が現れる。
それは村の景色でもあるし、どこででも見られるだろう春の日の一部。 描き出すペンの動きは迷いなく見える]
――そうかな、何か残せたのなら、いいな。 ブローリンこそ沢山くれたよ。 絵と……それは、たしか、前にお守りみたいなものだってきいたような……
[名残を惜しんでくれるだけで十分だというように首を振るけれど。 差し出された絵と、紐を通した薬莢が差し出され。 問いかけられる言葉に、僅かに苦笑した]
……そうだね。 そう思わないといえば嘘になるから…… 君を守ってきた物を借りていくよ。
[素直には頷けないし、もらうとは言えないけれど。 差し出してくれる気持ちが嬉しいから、大切に受け取った]
(85) 2012/03/28(Wed) 21時頃
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[エリアスの手のひらの上に、薬莢を落とす。 喉を撃ち抜かれた自分が、ずっと握っていたものらしい。 手に跡がくっきりと残るほど握り締めていた、自分自身の薬莢。 喋れたお前が死んだ記念に取っておけという戦友の言うとおり、 死ぬ日まで持っておくつもりだった。 その気持ちだけは伏せて、曰くを説明した。 追って書き足す]
"戦地は怖い所だ。自分もいつだって怖かった。 それでも、何かにすがって、何かを信じて戦ってきた。 君は逃げてもいい。それでも往くと言うのなら、 国の為だ等と考えなくてもいい。 君の大切なものの事だけ考えているといい"
[エリアスの肩に手を置く]
(86) 2012/03/28(Wed) 21時頃
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クラリッサは、エリアスと、話がしたいな……と、やっと顔を上げる。
2012/03/28(Wed) 21時半頃
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[渡された薬莢を大切に手のひらの中に握りこむ。 薬莢にまつわる曰くを綴るペン先を見つめ]
――そうなんだ…… これをもっていてブローリンが生き残れたのなら、ご利益あるかもね。
[小さく笑い。 続く言葉にこくりと頷き。 肩に置かれる手の重みに、ブローリンを見上げ]
……うん、ありがとう。 逃げることはしないけれど……大切なもののために、がんばるよ。
[薄水色の瞳が笑みを浮かべる。 心配してくれる気持ちがありがたくて、とてもたいせつなものだと、微笑んだ]
(87) 2012/03/28(Wed) 21時半頃
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病人 エリアスは、メモを貼った。
2012/03/28(Wed) 21時半頃
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[どれほど泣いていただろうか。 泣きはらした、けれどもう涙は見えない顔を上げる。]
ナタリアさん、キッチン借りてもいい?
[尋ねれば、老女は察してくれたのだろう。 とっておき(菫の砂糖漬け)を出してくれる。
いつも(戦前)と同じように、午後のお菓子を作ろう。 出来上がったなら、昔と同じように幼馴染に差し入れよう。 もう、その片割れ(セレスト)は、此処には居ないけれど。
やがて、甘い香りが漂う。仮初の平和の香り。 ラッピングが出来上がった頃に、 ヤニクが来るのならば来たのだろう。 会話交わすことがあれば、良かったらお茶請けにどうぞ、と クッキーを勧めてから、ナタリアの家を後にする。]
(88) 2012/03/28(Wed) 21時半頃
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"君が戦地へ向かう時、自分はそのお守りとして着いていこう その間は、自分がこの村のお守りになろう"
[自分もいつ呼ばれるかわからないが…、 目の前の彼よりも、時間があるのだから。 たとえ強がりだとしても、たとえ体が弱くとも、 まっすぐな目をしたこの青年。 独りで往かせるのは、本当に、本当に歯がゆいことだった。
いつもなら、もし誰か寄ってくれば席を立つだろうが。 今日は少し身を引いて、眺めるだけで]
(89) 2012/03/28(Wed) 21時半頃
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[女は思うより、外は時が進んでいた。 エリアスの姿を探して、女は駆ける。 行く先を尋ねる間に、ヨーランダの訃報を知っても、 今は泣かない、泣けない……。
やがて、広場で無口な軍人と傍にある幼馴染を 見つけることが叶う。 大きく息を吸って、顔(笑み)を作る。
特別な会話は、いらない。 唯、幼い日(平和な日)をなどって、離れよう。]
エリアスちゃん、こんなところで、何をしてるの? あのね、クッキー作ったから、お裾分け。
[幼い日の記憶にはない、人の姿はあれど、 それすらも記憶の一部に塗り替えるように、 ひょこりと顔を出して、差し出す包み。]
(90) 2012/03/28(Wed) 22時頃
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ブローリンは、クラリッサとエリアスを、少し座りなおしながら見やり、微笑ましげに、痛々しげに目を細めた。
2012/03/28(Wed) 22時頃
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――……ありがとう。 君が、一緒に居てくれるのなら、心強いよ。 ほんとに……ありがとう。
[気持ちを伝える言葉に、ほんの少し涙が滲む。 軍人である彼とて、いつまでもここに居られるわけはないだろう。 それでも、そういってくれることが嬉しくて。 ただただ、感謝の言葉しか出てこなかった。
涙が滲んだことが気恥ずかしくて、そっと目元を拭い]
(91) 2012/03/28(Wed) 22時頃
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[クラリッサがやってくるころには、涙は見えない。 甘い香りを携えてやってきたクラリッサの、普段どおりの態度に、変らぬ笑みを返す]
やあ、クラリッサ。 ブローリンにね、絵を描いてもらってたんだ。 クラリッサのクッキーは美味しいから、嬉しいよ。 ありがとう、後でいただくね。
[差し出された包みを受け取り中をのぞけば、ナタリアが良く作る砂糖漬けが練りこまれたクッキーが目に入る。 それで、きっと彼女は知ってしまっているのだろうと察したけれど。 常のような態度をとってくれる彼女に、もう一度ありがとう、と微笑んだ]
(92) 2012/03/28(Wed) 22時頃
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女主人 ダーラは、メモを貼った。
2012/03/28(Wed) 22時頃
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[その言葉に、見えた涙の色に、目を少し伏せる。 ゆっくり息を吸って、それよりもゆっくり、息をつく。 肩から手を離して、何か書こうと思った折、>>90の声が聞こえて、 少しだけ、エリアスから距離をとった。 彼女が話があるのは、自分ではなく彼だろうから]
(93) 2012/03/28(Wed) 22時頃
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ブローリンは、ネックウォーマーの上から、首をなでる。
2012/03/28(Wed) 22時頃
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わぁ……、素敵な春の絵ね。
[エリアスの答えに、少し離れた場所にいたブローリンのスケッチブックの絵を覗いて感嘆の声を出す。 きっと文字が書かれた紙は、隠されていただろう。 見えていたとて、女は見ないふりをするけれど。]
うん、また、感想聞かせてね。 ブローリンさんには、なくてごめんなさい。 今度作ったときには、2人分包んでくるから。
[そして、『また』感想を聞かせてと。 そして、ブローリンを軍人さんとは呼ばず、 名で呼ぶことで、彼も村人の1人のようにして ……偽りの平和の日常を作る。 そうすることが、何よりの非日常であるけれど。 偽りこそが、真実であるようにと、願うように。]
(94) 2012/03/28(Wed) 22時頃
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お邪魔しちゃってごめんなさい。 じゃあ、またね。
[柔らかく微笑んで、ひらりとスカートの裾を翻す。 それが、クラリッサにできる精一杯の見送りの言葉だった。]
(95) 2012/03/28(Wed) 22時頃
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クラリッサは、パタパタとせわしなく*広場を後に*
2012/03/28(Wed) 22時頃
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―本屋― [落ちた栞を拾い上げ、本には変わりに罵倒を認めた紙を挟み 青年はいつもどおり身支度を済ませると店を開ける。 勿論、一歩も外に出ない青年には 来客でもない限り外の情報は伝わらない。
セレストが何時旅立ったのか 墓場傍に何が埋まっているのか 次に赤紙が誰に来たのか 全ては時の止まった本屋の外での出来事で]
……早く、戦争が終わればいい そうすれば、きっと帰って来るから そうしたら
[読みかけの本は、栞を並べていた机の上に。 歪な細工のついた栞は、青年の手の中に。 何時もの椅子に腰掛けて、思案にふける]
(96) 2012/03/28(Wed) 22時半頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2012/03/28(Wed) 22時半頃
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[クラリッサ>>94の感嘆の声に、だよね、と頷きを返す。 ごく当たり前の日常が続くかのような、当たり前のやり取りに瞳を細めて笑み]
うん、ちゃんと、伝えるよ。 また、どこかのお手伝い? あんまり、がんばりすぎないようにね。
[感想を聞かせて欲しいというのにはゆっくりと頷いた。 ほんとうなら、幼馴染の嘆きも受け止めるべきなのだろうけれど、日常を演出してくれる気持ちに甘えて。 いつものように立ち去る彼女を見送った。 どこかで泣くだろう彼女を、誰かが慰めてくれることを願い。 まだ微かに温かいクッキーの袋と、ひしゃげた薬莢を大切に持っている]
(97) 2012/03/28(Wed) 22時半頃
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[彼女に直接呼ばれたことは無いように思う。 その違和感が、彼女が意図している事を感づかせもして、 彼女の謝罪に小さく首をふるだけで、ただ見送る。 やはり、席を立って置けばよかったと思う。 自分は、所詮部外者なのだから。
それでもやはり、今日だけは、エリアスが、最後に家族と過ごすまでは、 ともに居ようと思ったのだ]
"健気で…優しくて。良い人だ"
[彼女の背を見る顔に、その言葉は乗るだろうか]
(98) 2012/03/28(Wed) 22時半頃
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ー路地ー
[セレストが戦場に赴くと男が知ったのは昨日の配達中のことだった。 そして、彼女がもう村にはいないと知ったのは 今日の午前の配達のころだった。
今度は赤い紙がエリアスに届いたと知ったのも 今日の午前の配達中だった。 郵便物を届け、同時に集荷を済ませながら その二つの事件について聞かれることもしばしば。
それでも男は、大したことは言わなかった]
(99) 2012/03/28(Wed) 22時半頃
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どっちもさ、しょうがないよね。 必死になるしかないんだよねえ。
[民間人を呼ばなくてはならないほど策に喘ぐ軍人も。 死にたくなくても、後ろ指の恐怖から逃れられぬ民間人も。
男はどうなのかといえば どちらなのかを明かさないまま、今日も配達と集荷を繰り返す。 そのうち、自分は旅立つ若者たちに関わる手紙を 村に残る家族たちに届けることになるだろうと それぐらいの覚悟はしているようだったが]
(100) 2012/03/28(Wed) 22時半頃
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―少し前― ・・・そうなんですね。知ってたんだ。 わかります・・・もしどことも知れぬ場所で命を散らすより、ここで眠る事を選べるとしたら、それは当の本人たち以外にはありえないと、私はそう思っています。
[ブローリンのしぐさに一礼して、手早く立ち去った。きっとエリアスが来たら自分はまた泣いてしまうかもしれないし、彼の行くという決意をとどめてしまいそうだったから。そのままでいられる自信がなかった]
・・・・手紙、書くのかな。書くんだろうね。 そう、書いてあげるといい。きっとね・・・
[村の広場から、どこかへ。何かをしなければならない。エリアスには今夜に母と過ごすまでは自由にさせるつもりだったが、それから次に去ってしまうかもしれない誰かのために、何かをせねばならないと、そんな気がしていた]
(101) 2012/03/28(Wed) 22時半頃
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