204 Rosey Snow-蟹薔薇村
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――…お別れのつもり、なんだろうな。
[フランシスに視線重ね頷き]
ラルフにもお別れしたとか言ってっから もう、外出ちまってるかもしれねぇ。 荷物もって、ラルフ連れて、おいかけよう。
[そのまま外に出て追いかけたいと思うも ラルフを置いていくのは忍びなく フランシスとともに階段を駆け上がる。]
(37) helmut 2014/11/26(Wed) 23時半頃
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――――…殺したのは俺も同じ。 憤りのままに復讐を誓った。
俺とお前は同じだよ。 フィリップ。
[呼び掛ける言葉を重ねる。]
(*19) helmut 2014/11/27(Thu) 00時頃
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[落下した先 折からの吹雪で 新雪 積もっていて柔らかい 木の根元 一度 雪に沈んで から 柔らかいそこから 身体をゆっくり起こす 柔らかいーーーーーけど 寒いから
急な落下に 胸の中のルーツは 驚きに硬直している 暖かい その温度を抱きしめて 立ち上がり 雪を払い 一度 三階の窓を見上げた]
(38) うに 2014/11/27(Thu) 00時頃
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――……どうして
[ドナルドにも伝えていないということは ――どうしてしまったのか、ノックスを、あやめたとか。 真実にはたどり着けないまま ドナルドに頷いて、――先に駆け出しても、後に続く形になりながら。]
(39) azuma 2014/11/27(Thu) 00時頃
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ーーーーーそれだけじゃないんだ だから 大きく違ってしまった
[どこまで届くだろうか? 窓を見上げて思う きっと もう少し 離れたら聞こえなくなる 思い]
(*20) うに 2014/11/27(Thu) 00時頃
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[置いていかない、という約束を果たせたことに、ディーンは安堵の息を吐く。 彼の姿が見えなくなることに感じていた不安は、もう無い。 身が削げ、骨の見える指は決してロマンチックとは言えない外観をしているが、ディーンにとっては何よりも大切な証だ。 それは一つの物語が終わり、新たな物語が始まることの証でもあった。
紙とペンが無くとも、物語を紡ぐことは出来る。 誰かの生きた道は、それ自体が物語となる。 音階と旋律の並びは、その二者の冒険の物語でもある。 一体の獣にも生があり、生は歴史の物語の一端となる。]
――…………。
[次は、人を幸せにする話を書こう。 彼がいい子になるならば、幸せの魔法を使う魔法使いになろう。 溢れるそれは、悲しい業を吐き出す為のものではない。 たとえば小さな音で鼻歌を歌うような、軽やかで、柔らかなものだ。]
(40) nico 2014/11/27(Thu) 00時頃
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[――ただ一つ。 ディーンには完結しない物語があった。
胸に刺さった小さな棘は、結局抜けずに残ったままだ。 微かに痛むそこに右手をあて、ディーンはゆっくりと目を閉じた。
そして、次に目を開いた時――]
(41) nico 2014/11/27(Thu) 00時頃
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― いつか、どこかの ―
――……夢?
[自分の寝室で目を覚ましたディーンは、そう呟いた。 何やら長く、大切で、大事な夢を見ていた気がする。 ディーンは、仄かに窓から差し込む朝の太陽の光に左手を翳す。
ディーンの左手の薬指には、生まれつき変わったものがあった。 ちょうど婚約指輪の嵌るような位置に、指輪よりもやや幅の広い、ぎざぎざした傷跡のような形をした痣がぐるりと指を囲むように一周。 痣なんておおきくなったら消えるわよ、と母親に言われていたが、ディーンの痣は今も尚、消えないまま残っている。
気持ちの落ち着かない時は、その痣を見る。 右手の指先でぎざぎざしたラインをなぞり、唇を寄せると何故か安心するのだ。]
(42) nico 2014/11/27(Thu) 00時頃
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――――…………。
[ベッドの中で、ディーンは痣のラインをなぞり、唇を寄せる。 今日は、有名な文学賞の受賞者発表の日だ。**]
(43) nico 2014/11/27(Thu) 00時頃
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[何が起こったのかわからなかった。 庇ったはずなのに、覆われた>>8。
怪我はないかと問われたが、その声に混ざる血の匂い。 震える指でバーナバスの顔に触れる。]
え、なんで……おっさん……。
[血の匂いに体が竦む。 それ以上に額に浮かぶ汗>>10に、傷は深いのかと見ることが出来ない。]
(44) okomekome 2014/11/27(Thu) 00時頃
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[そこにいるフィリップのことは、もう頭から抜けていた。 何故撃たれたのか、分からない。
ただ目の前のバーナバスのことだけが頭を占める。]
嫌だ、嫌だ嫌だ。
手当て。 手当てすれば、大丈夫だから。 大丈夫、だから。
[血を止めなければ。 美味そうな匂いがする。 違う。 このままだとバーナバスが死んでしまう。 それは嫌だ。
止血しなければと、抱き締めてくる腕>>16から抜け出ようともがく。]
(45) okomekome 2014/11/27(Thu) 00時頃
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[名を呼ばれた>>21。 もがくのをやめ、涙を浮かべたままバーナバスの顔を見つめる。 その顔が、涙で滲んでよく見えない。]
なんだよ、今は、話さすなって。 手当て、しないと。
[血と共に口付けを受ける>>22。 甘い気がした。]
(46) okomekome 2014/11/27(Thu) 00時頃
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やだ、嫌だ。 なぁ……俺の名前、もっと呼んでよ。 もっと、おれの。
……一人にしないで。 置いてかないで。
バーナバス、ってば……。
[合わさる額から、その体温を感じていられるのに。 瞼が落ちるのにあわせて、涙が溢れてきて。
バーナバスの体を抱き締めた。*]
(47) okomekome 2014/11/27(Thu) 00時頃
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――…俺らとは違うから、って。
[フランシスに声>>39を掛ける。 三階の個室への道のりの間、探すはフィリップで。 フランシスと、同じ遠吠えもつ彼以外に意識向ける余裕なく。 外套羽織り、荷物を持ち、ラルフのいる別部屋の扉をあけた。 冷たい風が吹き込み、身震いする。]
窓、空いてる。 こっから出るとかどんだけ野生児なんだよ……。 フランシス、さすがにこっからラルフ連れておりるは無理そうだ。 玄関から出るしかねぇな。
[言いながらシーツに包んだラルフを担ぎ フランシスに合図して来た道を戻り玄関の方へ。]
(48) helmut 2014/11/27(Thu) 00時頃
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――違わない。 けど、同じじゃなくていい。 一緒に居る理由なんて必要ない。
フィリップ、一緒に旅をしよう。 お前とルーツがいない旅路は、きっと、寂しい。 だから、俺の為に、――…ひとりでいくな。
(*21) helmut 2014/11/27(Thu) 00時頃
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ーーー………ドナルドは優しいね でも ーーーーーー 大丈夫 すぐ忘れるから
どうか ラルフを連れて 帰ってください
(*22) うに 2014/11/27(Thu) 00時半頃
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忘れられるはず、ないだろ! 連れて帰る、帰る、けど
フィリップ、お前の力、貸して欲しい。 手伝ってくれ。
(*23) helmut 2014/11/27(Thu) 00時半頃
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……大丈夫だよ フランシスは大人で ドナルドもちゃんと身長あって 手伝えることなんてないもの
[すこしづつ 思考は遠くなる]
(*24) うに 2014/11/27(Thu) 00時半頃
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兎、狩って、食糧調達してくれンじゃなかったのかよ。 釣りも、付き合ってくれるンだろ?
ラルフの故郷も、見るんじゃなかったのかよ!
[遠ざかるを追うように掛ける言葉。 どうしてこれほど必死になるかは己にも知れず]
(*25) helmut 2014/11/27(Thu) 00時半頃
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玄関からでて まっすぐ 山を降りれば 人里につくから……
お願い 辛い だから 辛いから………… これ以上俺のことを思わないで 忘れて お願いだから
(*26) うに 2014/11/27(Thu) 00時半頃
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……ドナルド……――
[遠吠えは聞こえずとも、ドナルドの必死さは 表情に見て取れたであろう。
手を握る力、強くなる。]
(49) azuma 2014/11/27(Thu) 00時半頃
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フィリップ、お前さんも一緒に行こう。 ――…案内、してくれると助かる。 俺ら、あんま、山には慣れてねぇし。
……だから、忘れられるはず、ない、だろ。 お願いされても無理なもんは無理だ。
(*27) helmut 2014/11/27(Thu) 00時半頃
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Guten Abend, gute Nacht,
えっと ミット……
[玄関とは反対の 山へと登る道 一番近い人里……ではなく 狩場に適したを探って
フランシスが歌っていた 口ずさもうと けれど まだはじめしかわからず すぐに歌声は止まって
ルーツが不思議そうに上を見た 冷たい雪にまじって 暖かな雨が降ったから]
(50) うに 2014/11/27(Thu) 01時頃
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[人ひとり、一部欠けたとはいえずしりと重みを感じる。 フランシスの手に力が籠るに微か目を細め]
――…フランシス。 俺の我儘に、付き合って。
[まっすぐおりれば人里につくとフィリップから聞いたけれど 玄関から外に出ればフィリップとの距離が遠ざからぬよう 遠吠えが近くなる方向をさがし雪の中を歩む。]
(51) helmut 2014/11/27(Thu) 01時頃
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ここまで 登ってこれたなら 下山は大丈夫ーー
ーーー…………バーナバスを殺してしまった 簡単に人を殺してしまった だからーーーー聞き分けて……
(*28) うに 2014/11/27(Thu) 01時頃
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……ん。フィリップくんを、探すんだね。
[いま、我が儘を聞かぬ理由などない。 ラルフが大切に思っていたであろう少年を 追いかけて、雪道進む。
遠吠えは聞こえない。見えない絆を、羨ましく思う。 来たときとは順番が逆だな――などと、遠い日のように幻視しながら]
(52) azuma 2014/11/27(Thu) 01時頃
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あァ、やっぱ上の方か。
……バーナバス? それ、俺が唆したからだろ。 それならやっぱ俺も同罪、だから。
フィリップひとりに負わせらンねぇ。 聞き分けたくねぇよ。
(*29) helmut 2014/11/27(Thu) 01時頃
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[一度淡くなった声が 戻る時 また淡くなる時 狼狽える]
戻って!!
[遠吠えが距離を教えてると気がついて 血の気が引いた 聞き分けない思いを聞かないよう頭を振る]
(*30) うに 2014/11/27(Thu) 01時頃
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――…ああ。 バーナバスに手、出しちまったみてぇで。 俺があの時、気にしたから……
[それ以外思いつかず フランシスに向ける声には後悔が滲む。
遠吠えの絆はフランシスとの間にはないけれど 生身のその手とこれまでの絆が二人を繋ぐ。]
(53) helmut 2014/11/27(Thu) 01時頃
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[淡くなれば濃くなる方を探し フィリップを求め山のぼる道をゆく。]
戻らない。 フィリップ、お前をひとりにしたくない。
(*31) helmut 2014/11/27(Thu) 01時頃
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