254 東京村U
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元気そうで良かった。 事故のこと聞いたんだ…それで、おうちを訪ねようかと思っていたんだけども。
[ここで会えて良かったと、笑顔で告げ。 少し言葉交わしたのちに名を問われれば、あっと小さな声を上げて笑い、己の迂闊さを謝った。]
ああ、そうか。そうだったね、ごめん。 俺の名前は───…
(152) dia 2016/10/09(Sun) 23時頃
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[彼女が覚えているのなら、あの不思議な迷宮の話を再び語ろう。そして小さなハナコの思い出を語らおう。
そうしてひそやかに、そしてささやかに。 不可思議な体験は静かに共有されていくのだ。 人の口の端に上らなくとも…確かに、そこにあったはずのものとして。]
(153) dia 2016/10/09(Sun) 23時頃
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(154) dia 2016/10/09(Sun) 23時頃
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[あれから、東蓮寺琉衣が奇妙な迷路に踏み込んだということはない。時にはあれはやはり、夢ではなかったかとも思う。
それでも、折に触れてふと思ってしまうのだ。 あれは一体どこであったのか、と。 街行く時に道の端に見つける見覚えのない小さな路、その先は見知らぬ街に通じていたりはしないだろうか…、と。
人の心が作り上げる幻想迷宮、果たしてあれはそれだけのものだったのだろうか?鈴里にだけ通じた通話、あれは真に夢の出来事であったのだろうか。
確かめる術は最早なく、それでも日常は淡々として流れゆくのだ。まるで何ごともなかったという顔をして。]
(155) dia 2016/10/09(Sun) 23時頃
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……はあ…っ
[今日も人でごった返す新宿駅で満員の電車から開放され、東蓮寺琉衣はひとつ大きく息を吐いた。
新宿ダンジョン。 そう呼称されることもある巨大な駅は、今日も世界で最も多いといわれるほどの人間たちを飲み込み、また送り出していく。 小路は人知れず生まれ、また消えていく。 店はめまぐるしく入れ替わり、街は人に違う顔を見せ続ける。 街並みは今日もまた少しずつ、確実に変貌を遂げていくだろう。
新宿の街は今日も人々を呑み続ける。 変わり続ける眠らない街…それはまるで、変化を続ける巨大な生きた*迷路のように*]
(156) dia 2016/10/09(Sun) 23時頃
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