260 3日村
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[伸ばされた腕>>193に、蝶──否、蛾の群れが食らいつく。 吸血をする蝙蝠のように、獲物を待ち受けていた喰虫花のように。 猫の腕から生気をじわじわと吸い取りながら、そしてその腕に纏った炎に焼かれながら、それでも尚その腕は目前へと伸びる。
そして闇が辺りを舞い散る中、その手は、炎を失いながらも──届いた。]
……あ、
[眼前に広がる、風で巻き上がった少年の髪が揺れ、少女は目を見開く。思い出すのは、いつかの、どこかの世界線での、あの会話。>>141 足元でぐしゃりと鳴る、枯れた雛罌粟。 わかっている、わかっているのだ。バルメロスが既に死んでいることなど。ただ、ただひたすらに、約束≪ギアス≫が少女を縛りつけていることなど。]
…ねこちゃん、あなた、うそつきだったのね。
[柔く、緩く微笑むと、少女の周りから蝶が霧散した。 そして広がるのは世界樹の枝。約束≪ギアス≫から逃れられぬ運命を共にした世界樹。]
(199) 2016/12/05(Mon) 01時半頃
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だからこそ──ごめんなさい。
[いつかの昔に受けた少年からの友情と、少女自身から少年へと捧げた祝福を裏切るような真似をして。
ひらり、ひらり、蝶の残骸が蒼い羽となって降り注ぐ。 神々しい光が、辺りへ広がってゆく。 そうして世界樹が伸ばした枝(うで)が、大きな翼を模った時──少女の背後、"青い鳥"≪bluebird≫が顕現していた。]
(200) 2016/12/05(Mon) 01時半頃
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─── 謳え、"青い鳥"≪bluebird≫。世界を救いなさい。
(201) 2016/12/05(Mon) 01時半頃
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核≪コア≫──O・cupo・pusの心臓──を壊すのは、このわたしよ。
[針金のように鋭く睨みつける、今度こそ敵意を込めた──全ての救済≪delete≫を望んだ瞳が、猫を、或いは遥か遠く…"英雄"の魂を引き継いだものを見据えた。]
(202) 2016/12/05(Mon) 01時半頃
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だってこうするしかないのよ。 わたしを救って、あの人も生きて、またみんなで一緒に過ごすなんて約束≪ギアス≫はもう破られた。 理想は所詮、理想だったの。
誓い≪ギアス≫を破ったならば、それの対価は払わなければいけない。──たとえ、払う者がわたしではなかったとしても。
[どこか苦しげな…堪えるように、しかし穏やかな表情をした猫>>206を見据えたまま、ゆるゆると首を振る。 何度も何度も振られるそれは、まるで振り子のように。癇癪を起こした子どもが、駄々をこねるように。]
だから、あの人がいない世界の、わたしの救いは世界の破滅≪ALL DELETE≫なの! 全てを無に帰せば、全ての者が救われる!そうでしょう!?
(214) 2016/12/05(Mon) 10時頃
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わたしがひとり、世界樹に残されるなんて、おかしいもの。
[放たれた炎刃>>207がその鳥≪bluebird≫に辿り着く前に掻き消える。羽ばたきが、本来の彼の属性であろう風を乗せて炎をかき消していく。 そして彼女の嘆きと共に、世界樹≪bluebird≫は啼いた──。
裁きの夜≪JUDGMENT NIGHT≫こそが全ての救いだと叫ぶ女神は滑稽だろうか。救いの本分を履き違えた≪フォールダウン≫した女神など、救いを語るに足らないだろうか。 けれど、──これが少女の本心であった。
これが寂しさなのか、愛なのか。 最早少女にはわからない。 ただ刻々と増幅し、溢れ出す感情に身を任せ、有り余った力のままに叫び続け──そうしていつしか力尽きるまで。 彼の英雄に亡ぼされることを待ちながら、二つの希望を抱えて。]**
(215) 2016/12/05(Mon) 10時頃
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あゝ、たすけて、たすけてほしいの。
[嘆き。けれどそれは戦闘力(現状況)の話ではなく。 しくしくと泣き続ける少女の心が叫ぶ声。]
お願い、ふたりとも。 はやく現在の"英雄"トレイル=モンブラン=オルディス=ラフェリオンを連れてきて。 ───そして英雄の剣≪Lightning sunshine Excalibur≫を、ここに。
(*34) 2016/12/05(Mon) 11時頃
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