204 Rosey Snow-蟹薔薇村
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……フィリップ
―――……きっと、助けてくれる、から。
[そう願う。
なにもできない無力さが、痛い]
(*108) 2014/11/19(Wed) 00時半頃
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―2F居間―
……――だめ、だったら、 ほんとに、謂うんだよ……?
[>>418 くぐもるドナルドの声に、 フランシスはそう、謂って。 薬を取りに行かなければならない、でもラルフを一人には出来ない。ドナルドを残すのには血に酔う不安がありすぎる。]
…確か、此処に…
[傷口を乾かさないようにすると傷跡が残りにくい。 先人たちの知恵だ。炊事場の方、油紙で傷を覆って、 切り傷などに塗る軟膏を緩衝とすれば、いいはず]
(428) 2014/11/19(Wed) 00時半頃
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……ドナルド……
[困ったような声>>422に、情けなく眉を下げる]
俺が悪かったから、しかたない……
[出て行くその背に、小さく呟く]
フランシス、ごめんね……
[傷薬を探す保護者>>428に、小さく謝る。 結局、心配をかけてばかりで。
手当てが終わらない限り、おとなしくその場にいる]
(429) 2014/11/19(Wed) 00時半頃
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……確かに、噛み千切られているようなことは なかった、けど
[傷を覆う布を擦りながら、最後にきつく縛る。 ドナルドとラルフの会話を聞けば――ホレーショーが向かったこともあり、あたりはつく。]
(でも、ラルフは謂わなかった。 庇おうとしている) (傷も、躊躇っているみたいな痕跡がある) (――ころしたく、なかった、からだ)
[思えば思うほどやるせない。 一体何が切欠になってしまったのか。]
……気をつけて、ドナルド お願いだから、……むりは、しないでくれ
[外に行かせるのも不安だが、血のにおいが充満する此処に留めおくのも、酷だが]
(430) 2014/11/19(Wed) 00時半頃
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[口の中 甘い香り 蕩けるような 薄い肉付きの その ちぎった 若々しい 味わい]
あ あああ やぁ…………!!
[それは 人の味 知っている味 衝動に負けるままに
軋む 心が音を立てて軋む
海の底 足りない 窒息するままに 悲鳴が上がる]
(*109) 2014/11/19(Wed) 00時半頃
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[口を開けた皮膚に舌が這う。 癒すのではなく、抉るように。 濡れた音が響いて、目を閉じれば 溢れた雫が頬を滑り降り喉元の窪みに溜まった]
ぃ、…っん
[冷たかった歯が、もはやあたたかく感じられた。 懐かしい感覚―――此処に、留めようとする行為。
外に逃げようとした命を、此処に、置いていけば]
ごめ ……ん
[譫言のように謝罪を口にした。 フィリップのこれは、本能だろうか。衝動だろうか。 それならしょうがない。 否定することなんて、誰にもできやしない]
(431) 2014/11/19(Wed) 00時半頃
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[傷のあとを擦り、そこで漸く息を吐く。 あのときのように、取り乱さなかっただけ成長しているであろうか。]
ほんとうだよ、 気をつけろって、謂ったじゃ ないか……
……っ、
[首を横に振り、項垂れる。]
(432) 2014/11/19(Wed) 00時半頃
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―――っ
[伝わるものに、息をのむ。 ああ、痛い。
壊れる。
こわれて、しまう]
……フィリップ。
(*110) 2014/11/19(Wed) 00時半頃
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――っ、……
[傷口にまかれる布の上からさすられ、痛みにうめく。 うなだれるフランシス>>432に、琥珀が揺らめく]
……しかた、なかったんだ…… トレイルの、血をみて……
箍が――
[外れてしまったんだと。 ぽつりと、呟く。
あのとき。 ノックスに気をとられていなければ。 そうなっていたのは――]
(433) 2014/11/19(Wed) 00時半頃
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[全人の血が甘露になる訳ではない。 感じる味は正直だ。
喉の鳴る音、両肩に指が触れる感覚。]
………は、 ぅ ん……
[離した唇の、息が上がるのは熱のせいだけではない。]
食べられるって、痛いんだ、よ。 ねぇ、トレイル。箱の話は……
(434) 2014/11/19(Wed) 00時半頃
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―昔々の話/家族が増えたときのこと―
[>>260ソレをノックスが持って帰ってきたとき。 僕は、口をオーの字に開けてじっとしていた。 怪我でもしているのか、弱り切ったソレをノックスは手当していて。 しばらく、まんまるな目で見慣れない光景を見つめていた。
石の気持ちから解放された後、手を伸ばして]
めっ!
[ソレの綺麗な髪の毛を、思いっきり引っ張った。 思いっきりしかめっ面をして、ベッドから落とそうとする。
ノックスに止められて、理由を聞かれてもまだその頃は言葉がうまく出なくって。 ただ唸ってイヤイヤをしていただけだったのを覚えている]
やだ、やーだーぁーっ。
[あのとき僕は、ノックスを独り占めにしたかった]
(435) 2014/11/19(Wed) 00時半頃
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[音が、 唇が離れ はっと 息を呑んだ
唇を噛み、視線を落とす。 トレイルの嫌いなたまごの話 覚えている、と頷く]
(436) 2014/11/19(Wed) 00時半頃
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[弱った彼のベッドに顎を乗せて、上目でじっと見つめる。 歌を歌えば怒ってくる、ノックスに大事にされる、喋らないソレ。 これはいったいなんなんだろう。って。 そう思いながら、じっと、じっと。
目が合う。 口が動くけど、声は出ない。 いま僕がこの子を噛んでも、この子は助けを求められない。
いまこの場では、彼の方が、弱い。 そう、電撃のように思った]
トレイル。
[手を伸ばす]
(437) 2014/11/19(Wed) 00時半頃
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この前ごめんね。
[頭を撫でる。
そうか、これは僕より弱いから。 僕の弟なんだ。
大事にしなきゃ。 目は笑わないまんま、口だけが嗤った*]
(438) 2014/11/19(Wed) 00時半頃
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[ぐちゅりと音を立てて 歯がにくに沈み 噛みしめるままに 引きちぎる 脂は少ないが 若く 瑞々しい 肉 柔らかいそれは いとも容易く 肉片に変わり
胸元 獣が広げる 傷で 残っていた衣類だった布片も 彼の防寒着も 紅く染め上げ 床にまで たまり始める]
………………
[声に 一度獣が頭を上げた すぐに 傷口がある胸 ではなく 血で染まる 腹を 身体の中央 舌で辿って …………その奥にあるを 望む意思を 甘噛みして シメオンに知らしめる]
(439) 2014/11/19(Wed) 00時半頃
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――……ん、っふ ぁ、あ……は、
[>>423触れられた箇所から新たな熱が生まれ、ディーンは息を詰め、喘ぐ。爪先がもがくように床を掻いた。 目元に落ちる柔らかな感触にゆっくりと息を吐いて。]
ずっと、一緒――……
[そう、彼に食べられて、ずっと彼の中にいられる。 皮膚などという邪魔な境目もなくなる。 他の全てに目を瞑り、ディーンはひたすらに目の前の幸福だけを見つめる。 重なる唇から伝わる甘い甘い味は、思考さえ蕩けさせていく。]
(440) 2014/11/19(Wed) 00時半頃
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ニコラ……ずっと 一緒にいて
[彼を見る為の目が無くなってしまうのは惜しいが、これからは彼の目が自分の目になるのだから構いはしない。 眼球に触れられる反射で、閉じてしまおうとする瞼が煩わしい。 ニコラの指が瞳の表面から涙を押し出して、こめかみを伝って落ちていく。
薄曇りの灰色の双眸を食べたいとは思わなかった。 ただ、ずっと見ていて欲しい。 肉が食いつくされて骨すらも朽ちる、その瞬間まで。
瞳から涙を溢れさせながら、ディーンは笑った。]
(441) 2014/11/19(Wed) 00時半頃
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[ラルフの声>>429にもフランシスの言葉>>430にも 安心させようと微かな笑みを浮かべて頷いて。
一度部屋に戻ろうか、とそうも考えたけれど 澱んだ心のままでは戻れない。
二階の廊下を歩み、下に繋がる階段を 一段、二段と下りたところで足が止まる。
行き場のない怒りがきつく拳を握らせた。 短い爪が食い込むほど握りしめたそれを 階段の壁に打ち込めば鈍い音がする。]
(442) 2014/11/19(Wed) 01時頃
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―2F居間― …… フィリップくん、……かい?
[ラルフが部屋に居ることを教えてくれた、鳥の飼い主。 あの時の微笑みを見るに――ラルフを気に掛けてくれているのだろうか、とフランシスは思う。ホレーショーは、彼を止めてくれただろうか――]
トレ、イル ……?
[高慢な歌声、今は声のない少年。 複雑そうな表情で、――眼を伏せた。]
……血が、切欠、か…… ――箍、ゆるく、なってる のかな…… 同族同士の血が、干渉しあっているのかも……
[――普通よりも箍が外れやすい者が、此処に居るのだ。 先祖がえりのように。]
(443) 2014/11/19(Wed) 01時頃
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ぁあ’’ や あぁああ ぅくっ
[吐き出してしまいたい なのに 美味しいと感じる味覚]
ひぁっ あ…………やだっ 助けて………………や ぁ
[悍ましい 浅ましい 狂ってる ぎしぎしと 締め上がって行く 一分の 欠片も 残さぬよう 心を締め上げる]
あーー…………あっ
[痛みに 微か ただ握り締めるも ほつれて行くのを 止める手立てがなく]
(*111) 2014/11/19(Wed) 01時頃
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……、
[ぐ、と唇を噛む。 ラルフを傷つけたこと、フランシスは――とても、許せず。]
(444) 2014/11/19(Wed) 01時頃
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[のぼせていた頭が冷たく、重くなっていく。 眠りに落ちる時と似た感覚。 落ちる。
落ちていく、意識。 濡れた衣服の欠片が張り付いて気持ちが悪い。
早く寝たい、早く――]
ぅあっ ……ん、 フィリ …ップ?
[どうせなら一息に頭から食べて欲しかった。 切り裂いて、割り開いて、無残な自分を見て笑いたかった。
何故抵抗しないのだっけ――諦めてしまったからだ、全部]
(445) 2014/11/19(Wed) 01時頃
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……
[フランシス>>443が告げた名前に、何も答えなかった。 それが答えになるとは、わかってはいたけれど。
頷くことはできなくて]
――……衝動を、感じやすく、なってる。 俺だって……いつ、そうなるか、わかんない……
[ぽつり、とフランシスに呟く。
肩の噛み傷に手をやる。 瞳を閉じて、うずくまるように、膝に額をつけた]
(446) 2014/11/19(Wed) 01時頃
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[だから否定しない。 手も伸ばさない。 自分を出さない。 ただ、笑う。
もしかしたら、この山小屋にいるどの大人よりも 我慢強かったかもしれない。 それくらいの――息をするのと同じくらい、耐えていた、日々だった。
だから拒まない。 人の道に外れることとは知っていても、止めはしない。
もし、フィリップが後悔するようなことになっても―― だから、ごめん、と。 全てを委ねる我侭を、謝ったのだ]
(447) 2014/11/19(Wed) 01時頃
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うん……。いい子だね。
[頷き返し、栗色とビスケット色を触れ合わせた。]
僕がトレイルを食べたら……僕だけが、残される。 それで 良いの? それでも、良い?
僕を置いて、僕を棄てて――…。
もっともっと、痛くなるのに。
それでも、君は――
[食べてと、言うの?]
(448) 2014/11/19(Wed) 01時頃
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[痛くて、苦しくて。 辛い、それが伝わってくる。
でも、どこかで。
血を、味わってみたいと思う]
……フィリップ。 ――
[ただ呼びかけることしかできない。
きっと、いま、いけば。 血の匂いに酔ってしまうだけになる]
(*112) 2014/11/19(Wed) 01時頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2014/11/19(Wed) 01時頃
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[慈しむたびに獣が目覚めて、血の渇きを突きつけてくる。 逃げるようにしても、それは目を逸らすことを許してはくれない。
牙を突き立てたい欲を、庇護欲に変えて抱きしめる。]
こんな苦しい思いは、お前は知らなくていい。
[間違った食欲を紛らわせる別の手段も知っているけれど。 それをプリシラ相手に言うつもりにはなれずに。ただ、苦く笑った。]
(449) 2014/11/19(Wed) 01時頃
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[牙の生え揃っていない子どもは、まだ本能の怖さを知らない。 抱き締める腕に力が入る>>424。 それが心地好くて、顔を摺り寄せる。 前はそんな甘えるような行動は出来なかった。
それが今は素直に出来ている。]
……一緒にいてくれないのか?
[そんな我侭も言ったりもする。 けれど、受け取ったナイフをじっと見つめて頷いた。]
(450) 2014/11/19(Wed) 01時頃
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うん。 ディーンは、僕の唯一だよ。 ずっといっしょ。
[きっと。彼は。 望めば独占できたのに。 こうするしかないって。 思っちゃって。
指が、涙に触れて。 零れる透明な滴を見つめながら、深い。 深い彼の夜海を、その奥を見つめながら、指を瞼と球の間に潜り込ませた。
可哀想なディーン。 可哀想な、可哀想な――
可哀想なのは、ディーンと、誰?]
(451) 2014/11/19(Wed) 01時頃
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[彼の名を呼ばれ 獣は愛しげに 臍のあたりから 上へ ゆっくりと舐め上げて
頭をかじることはしない それでは 意識がない ただの屍……他の動物と変わらない
ゆっくりと 反応を味わうかのように 中を ……内蔵を傷つけぬように ゆっくりと 牙は 口は 腹へと歯を立てて……食い破っていく]
(452) 2014/11/19(Wed) 01時頃
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