162 絶望と後悔と懺悔と
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[手にはとりあえず行った証拠の鉄門のさびたかけら。 手の中に弄びながら、孤児院がそろそろ見えるだろうところまできて]
……?
[なんだろう。足が動かない。 いや、空恐ろしいものを感じて進んでくれない。 思わず周と付き合わせた拳>>355を逆の手で押さえた]
(358) 2014/02/07(Fri) 22時頃
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―回想・台所にて―
[リカルダと絢矢が二人並んでお皿を運ぶのを 後ろから見守るようについて行きつつ。 途中、こそりとお礼を言われると、>>338 いくらか瞬きをして、うっすらと笑んだ。]
お手伝い。ありがとう……
[上の子が下の子の面倒を見るのも、 忙しい養母さんに代わって出来る事は手伝うのも、 ここでは"ふつうのこと"だったけれど、 感謝を伝えることもまた"ふつうのこと"だった。]
(359) 2014/02/07(Fri) 22時頃
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―のち・食堂―
[真弓と涼平にシチューが渡されたのを見届けると、>>306 再び周囲の会話の狭間でぼんやりとし始めた。>>339 時折窓の外を見る……今はもう、昔と違って 待つ人を間違えたりはしない]
……うん。
[絢矢が真弓をつかまえて引き留める様子には、>>318 (割合珍しく)絢矢の方に同調して頷く。 今日のところは家にいてあげてほしいのだ。]
(360) 2014/02/07(Fri) 22時頃
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[いつもの賑やかさとは違う雰囲気。 下の子達の中に落ち着かない様子を見つければ、 そこへ行って言葉少なく宥めていたり、 零瑠の誕生祝い練習の成果を見せてと頼んだり。
だが、その間も、時折ぼんやりした瞳が外を見る。 懐に手を入れて、縮緬の小さな巾着を取り出した。 眺めていると気分が落ち着く、母の形見だ。]
(361) 2014/02/07(Fri) 22時頃
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― 孤児院 ―
[孤児院につけば、玄関で他の連中の安否をきいた。 それから、事態はあまりよろしくないことを、年長者には匂わせる。 さっき、走る前、周に言われた言葉を思い出す。>>355 今、それは意味がわかっていても、 選択肢に、孤児院の外に逃げる、が下せない。
だって、外に出たら、きっと、あのホリーが待ち構えているから]
(362) 2014/02/07(Fri) 22時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2014/02/07(Fri) 22時頃
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―玄関へ―
[やがて真弓と絢矢が来客に気付いたらしく、 少年は迎えに行く子達を見送っていた。 こちらを振り返る視線があれば、独特の空白の後、 霧のような笑みで頷いて、一緒に出迎えに行く。
直円が帰って来たのも、そこで気付いたのだが――]
(363) 2014/02/07(Fri) 22時頃
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――……吸血鬼が町に来てる。
[その言葉をきいたものは、きっと青ざめただろう。 もちろん、サミュエルだって青ざめている。 逃げることを考えねばならない。けれど、どうやって逃げる?
思考に眉を寄せたとき、やっと年長者よりも大きな影に気がついた]
――……安吾さん?
[目を見開いて、すぐにでも、その兄貴、安吾に声を張り上げた]
安吾さん!吸血鬼がそこまできてる!!
(364) 2014/02/07(Fri) 22時頃
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お帰、――――
[孤児院の外で心無い悪さを受ける時も、 泣きも怒りもせずじっとしている少年だが、 (それがまた薄気味悪いと言われる事もあった。 なにせ訳のわからぬ薄笑みを浮かべたりするから)
その時だけは、ぶる、と何かに一瞬震えた。]
サミュエル。>>344
(365) 2014/02/07(Fri) 22時頃
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―路地裏―
[言葉を言葉として認識出来ないで居た。 零瑠は見てしまったから。 首から紅を溢し、胡乱な瞳の黒を。クリストファーを。
心の何処かで、自分達とは無関係な存在である『吸血鬼』の金色を。トルドヴィンを。
葬儀の場とは違う、初めて直面する『死』に唇を戦慄かせ、これ以上を見ないようにと重く瞼を下ろす。]
(366) 2014/02/07(Fri) 22時頃
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[結局、そわそわしながらも彼女を見送る。 円の声をぼんやりと聞きながら>>275こくりと頷いた。 探しにいった方がいいのか、それっていたも大人しく帰りを待っていたほうがいいのか迷う。]
買い物にしちゃ長引いてるな。 ……真っ暗になっても戻ってこなさそうだったら探しに行くかねぇ。
[なんて呟いているうちにリッキィ達が戻ってくる。>>339 お礼の代わりに彼女の頭を撫でてから手をつけ始めた。 ん、美味しい。]
(367) 2014/02/07(Fri) 22時頃
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―孤児院― [しばらくぶりの安吾は初めて見る軍服姿だ。 守備隊になったことを、何度も本当?と確かめるように聞いていた。 白いコートのいかにも軍人めいた雰囲気のジャニスと共にある姿に、改めてそれが本当なんだ、と実感がわく。感嘆めいたため息が零れた。
とはいえ、二人と長く言葉を交わす暇があったかは知れない。 >>344 扉の乱暴に開け放たれる音と叫ぶような声。]
サミュエルくん……!
[あわただしく膝つく彼の前へ、 >>362 しゃがみこんで手を伸ばした、 絢矢に先ほど、引き止められた手だ。 けれどやっぱり探しに行けばよかった、そう思う。 きっとまたあの子達が何がしたのだ、ときつく口唇をかんだ。 ――ただならぬ様子の理由は、全く予想の外だった*]
(368) 2014/02/07(Fri) 22時半頃
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[安吾とジャニスに説明する真弓の口調は不安そうで 少女は少なからずその影響を受けて表情を曇らせた。
後をついて来てくれた明之進の存在は 霧のように気配は幽かなれど、 霧に含まれる水分が肌を撫ぜるように、 少女の不安を少し和らげていた。]
─→ 玄関 ─
(369) 2014/02/07(Fri) 22時半頃
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[何度目かの呼び掛けに零瑠が]
――あま、ね
[と応えたのは、血の色が見えなくなってから。 無意識の内に脱いだのだろう、素足で半ば引き摺られていた。
学生帽子のつばを持ち上げ、すぐ側にある周の横顔をちらりと見てすぐに視線を外す。]
……ごめ ん
(370) 2014/02/07(Fri) 22時半頃
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―→玄関― [さて、と涼平が立ち上がった頃には皿は空になっていた。 歌の練習やプレゼントを作ったりしている年少組を視界の端に映しながら皿を洗いに台所へと。 戻ってきた所でそのまま足を止めずに廊下へと出れば、来客にはあまり興味を示さず玄関へ。 ……段々と近づけば、サミュエルの声が聞こえる。>>364 眉間に皺を寄せながら足早に音の方へと駆けつければ]
サミュエル!吸血鬼って……
[どういう事だよ、と発するはずの音は声にならずに。]
(371) 2014/02/07(Fri) 22時半頃
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……!!
サミュ、お兄ちゃん……?
[駆け込んで来たサミュエルのあまりの勢いに 少女はただ驚いて眼を丸くするだけだった。
誰かがサミュエルに、他の子供の無事を告げる間も 菫の瞳を揺らしてそれを眺めているだけ。
であるのに、その言葉>>364を聞いた瞬間、 少女は踵を返して、 玄関とは反対の方向へと駆け出していた。]
─→ ベッドのある部屋 ─
(372) 2014/02/07(Fri) 22時半頃
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はてさて、僕は誰にも会っていませんよ。
[顎に手を当てたまま、思案するように歩く。 これは彼の癖のようなものだ。]
かといって 、僕たちに何ができるか……わかりませんな。 何の陰謀があるかもわからん、心配だけども。
[陰謀、というのは単に彼の口癖である。 さて、それからどれくらいたった頃だろう、 サミュエルが孤児院に戻ってきたのは。]
(373) 2014/02/07(Fri) 22時半頃
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>>368 [安吾を呼びながら、 見上げれば、手が差し伸ばされていた]
――……マユミ…… 周や、零留は、かえっでないだが?
[手を掴んでから、自身の手は汗と埃まみれなことに気がついたが、 きっとそんなこと、マユミは微塵も気にしないだろう]。 それはわかっているけれど]
(374) 2014/02/07(Fri) 22時半頃
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双生児 ホリーは、メモを貼った。
2014/02/07(Fri) 22時半頃
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[>>370幾度目かの呼びかけに応え、覚醒した零瑠に 足を止めぬまま視線だけを向ける]
気にすんな。
それより俺もこんな形だが、少しの間だ。 ……我慢してくれ。 [喧嘩で土と血に汚れた自分に連れられるのは きっと、零瑠には辛いだろう。けれど、今は耐えてもらうより無い]
(375) 2014/02/07(Fri) 22時半頃
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ホリー、あれが鳥達の巣か?
[薄闇から這い出る様にあちこちに配下の気配を感じ取る。 円を囲む吸血鬼達の中心の、お世辞にも立派とは言えない 建物を目を細めて見つめた]
雛鳥達はどれだけいるのだろうな。 挨拶位はしなくてはいけない。
そうだ、私と鬼ごっこをしていた4羽の鳥は覚えているか? 彼らは殺してはいけない。 一応そう言う約束だからな。
[遊びとは言え約束は確かに守る。 リーが勝ったのだから、4羽は殺さない]
あの雛鳥達は生かしてやろう。 生きたまま絶望を与えてやろうではないか。
[自分達だけが生き残る苦痛を与えてやろう]
(376) 2014/02/07(Fri) 22時半頃
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[少女が毎夜眠る寝台の、薄っぺたい枕の横に 古い寄木細工の木箱が置いてある。
息を切らせてベッドまで駆けて来た少女は それをぎゅっと胸に抱いて、ベッドの横に蹲った。]
……ぁ、ぁ……だ……ゃだ……
[カタカタと震える躰を木箱ごと抱きしめて 少女は譫言のように呟きを繰り返す。]
(377) 2014/02/07(Fri) 22時半頃
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[路地裏を離れてから一度立ち止まり、零瑠を休ませながら周囲を見渡す]
……こっちを追ってきてはいない、か? [きっと手負いの獲物など、あの化け物には面白味に欠けるのだろう。だが、それは仲間の誰かが今、この瞬間も追われていることを意味する]
(378) 2014/02/07(Fri) 22時半頃
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ええ、そのようですわお父様。
[周囲の吸血鬼達の合間にも緊張が走るが。 彼女はいつものように微笑んで。]
ええ、4羽の雛鳥……覚えています。 なるほど、素敵な趣向ですね。
[そう言うと、孤児院を見てから。 トルドヴィンに問いかけた。]
正面からお邪魔します? その方が、雛鳥を間違えないでしょうし。
(379) 2014/02/07(Fri) 22時半頃
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クソ、 俺があの馬鹿どもと、喧嘩なんかしたせいで。
[心配して探しに来てくれたサミュエルと理依があの化け物に目を付けられ、更には零瑠まで巻き込んでしまった。 その元凶たる自分は、喧嘩の怪我のせいで皆の足手まといになっている]
ほんっとに、どうしようもねえ!
[何も出来ない焦燥と自分への怒りに、胸の奥が焼かれるようだ]
(380) 2014/02/07(Fri) 22時半頃
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[白いコートの大人ふたり、玄関に集まる子供たち、 真弓がサミュエルに手を差し伸べるのを、 順に見て、呼吸の間隙。]
――ううん
[己の衿元を握って首を振る。 周や零瑠、理依は帰って来ていない。]
(381) 2014/02/07(Fri) 22時半頃
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―孤児院・玄関―
よーう!久しぶり! 安吾兄ちゃんが帰って来たぞー!
[任務中ではあるけれど。 こんな物々しい格好をしているのだから、せめて言葉くらいは普段通りに。
他の隊員達は渋い顔をするかもしれないが、大目に見てくれと軽くウィンクを一つ。 まぁ直接の任務とは関係ないから良かろう。と、それを見て皆肩を竦めるのだった。 安吾というのはこういう奴だから仕方があるまい。]
(382) 2014/02/07(Fri) 22時半頃
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[そして、告げた言葉の視界の先、 その言葉に、絢矢が走って行くのが見えた。 脅かしてしまったと、思ったのは一瞬、 だって、それは事実なのだから]
――……く
[ホリーの余裕ぶった顔が脳裏によぎる。 あれは、完全に、見下ろすものの笑みだった]
(383) 2014/02/07(Fri) 22時半頃
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-→玄関-
サミュエルくん! いったいぜんたいどうしたと言うのですか!?
[直円もそちらの方へやってきた。顎に手を当てている。 しきりに眼鏡を弄ったりもしている。]
君は「吸血鬼がそこまできている」と言ったのですか? それとも、「吸血鬼がここに向かってきている」と言ったのですか? これはひどく大きな違いです。まさか…ここにむかうわけないですよね。 そうだ、ここに向かうなんて、どんな陰謀か……。
[ひどく狼狽した様子だ。]
(384) 2014/02/07(Fri) 22時半頃
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そうみてないの…、――そう
[ちょっと残念そうに直円を見上げた、が陰謀という言葉に反応して目がきらりと光る]
いんぼう? ってそれ、直円が読んでる小説に出てくるみたいな? CIAとか、UFOとか? 秘密教団とか??
[ねぇ、ねぇと直円が顎に手を当て思案気に歩く後をついて回る。真似をして小さな子たちも周りではしゃいだ]
(385) 2014/02/07(Fri) 22時半頃
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お、真弓―。 またちょっと大人っぽくなったんじゃないか?
暫く見ないうちにみんなどんどん大きくなるよなー。 絢矢とかこの前はもっとチビだった気がしたけどなぁ。
[玄関をくぐると、何のことはない、奥から子ども達が出てくるのが見えて。 出迎えてくれた子ども達>>368に声をかけ、奥へ隊員らを通すように歩き出したのも束の間、
――慌ただしく扉を開けて飛び込んできたのはサミュエル。>>364]
(386) 2014/02/07(Fri) 22時半頃
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[孤児院に守護部隊の隊員達が来訪し、 隊長まで迫っているとは知らぬまま]
戻って来る雛鳥達が迷子にならない様に、目印が必要だな。 何人かに挨拶した後に火でも点けてやろう。 判りやすくていい。
[思い付いた事を口にするが、それは命令に等しい。 戻る巣も失った雛鳥達はどんな悲しみの声で鳴くのか]
そうだな。この私が正面以外から入る等有り得んな。
[ホリーの提案>>379に当然だと言い切ると地を蹴った]
(387) 2014/02/07(Fri) 22時半頃
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