204 Rosey Snow-蟹薔薇村
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[そんな風に下がる眉が、ニコラを思い出させる。 手を掴んで、困ったと半面を向けた彼の。
もう、そんな表情はさせたくないのに。]
……トレイルにもそんな顔をさせて、僕はいけないお兄ちゃんだ、ね。
[目の端を指の腹で拭ってやる。涙が止まった事を確かめ。離した手はトレイルの手を取る。 交わす視線。]
……君がまだ、そうやって僕を見てくれるのが、嬉しいね。
(267) 2014/11/18(Tue) 11時頃
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[いけない兄 そうだろうか 彼が居るから、ニコラもトレイルも こうして生きている それは、感謝すべきことだ。
ただ、彼がゴミの中から拾ったモノは はたして、彼にとって価値があるものなのか 不器用で、生業ひとつ身につける以前に 生活力すら低い トレイルももう幼いだけの子供ではないから 自分がどれほど彼らに負担をかけているかは、気付いてる。
ゆっくりと首を振った。 彼らがトレイルにするように 頭を撫でてやろうと、冷えた手を伸ばす]
(268) 2014/11/18(Tue) 11時半頃
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[ことトレイルに関しては、慎重に希望と絶望を繰り返し持たせた。次のお医者様ならきっと、と。 あの夜。黒地を白と赤で飾りながらも、強く睨みあげてきた瞳。何を言おうとしているのか、想像して――心の内で嗤った。
捨てないで。離れていかないで。 懇願は言葉にせず。彼の指先に口付け、残した赤の痕で以て示した。]
(269) 2014/11/18(Tue) 11時半頃
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[躊躇いながらも尋ねた大人になればの話。 フランシスの答え>>251に安堵の吐息を薄いくちびるから漏らす。]
よかった。 ――…いつまでも子供扱いは、
[己よりも小さな体躯で雪道を先導したあの時に感じた事を思い出す。 身体が大きくなっても彼は保護者としての立場を貫き それは大人になっても変わらないのやもしれないと 頼ってもらえぬ寂しさを何処かに懐いて。 子供扱いは寂しいと思う。 子供扱いは大事にされると感じて嬉しいとも思う。 相反する思いがあればこそ悩ましげな音色は終わりまで綴られない。 腕に抱くフランシスの指先が頬を撫でれば ドナルドは擽ったげに身動ぎ目を細めて、 すり、とその指先に頬を寄せる。]
フランシス?
[感じる甘さは彼の喉の震え。案じる音でその名を呼んだ。]
(270) 2014/11/18(Tue) 11時半頃
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……声?
[己の声音に滲むものに自覚はなく フランシスに言われて>>252訝しげに眉を寄せるけれど 吐息混じりの声音と触れる温度、艶やかな目許の赤にそれは薄れて]
――…イヤじゃなけりゃいいけど。 なんか、そう言われるのは、落ち着かねェな。
[照れ臭さを滲ませ困ったように眉下げ笑う。 彼が混乱する理由は知れず思いも察するには至らない。 ラルフが好奇心のままにふらと姿を消すのはよくあること。 けれど不安を抱える現状では長く姿が見えねば心配になるも確か。]
ン、メシ食っても戻ってこなきゃ探しにいくか。 不安も、衝動も、……何かを引き換えにすることなく治まればいい。
[衝動を飼いならせる大人でもそれに悩まされる。 長く付き合わねばならぬ獣は保護者のうちにもあると思えば 宥めるようにその背を撫でて。]
(271) 2014/11/18(Tue) 11時半頃
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[熱籠る吐息ごと塞ぎ飲み込んでしまえれば。 過る邪な思いを遣り過ごそうとする間に 礼の言葉が紡がれフランシス>>253が身を離そうとする気配を感じる。]
…………ン。
[短く、応じる声を漏らし背にまわした腕を緩め 離れる温度を名残惜しく思いながら手を下す。]
ああ、そうだな。 ラルフも心配だし、 汗も流したい。
[尋ねにゆるく頷いて意思を伝えた。]
(272) 2014/11/18(Tue) 11時半頃
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[前置きにきょとと隻眼を瞬かせる。 迷いの感じる間に首を傾げながらフランシス>>264を見詰める。 重ならぬ視線と小さな声音が示すは伝えにくいことだろう。]
――…どうしようもなくなったら?
[ラルフには深刻になる前に相談することをすすめたけれど 自身のことは己で何とか出来ると思い相談を後回しにする。 その結果が片目を失うことだったが在り方はなかなか変わらない。 それでも、言うよ、とフランシスを安心させようと綴りかけて]
…………、
[欲の代替えに彼が提示するそれに息をのむ。]
そんな事フランシスにして貰ったら ……もっと欲しくなる、だろ。
[同じように俯いて漏らすは悩ましい吐息。**]
(273) 2014/11/18(Tue) 11時半頃
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トレイルは、ノックスの心の内読めず、仕草に瞬く。
2014/11/18(Tue) 11時半頃
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[もう一方の手が、ノックスのビスケット色に触れる。 地肌に触れた冷たい手。手の内で、少しずつ暖かくなっていく手。]
ん、ありがとう。 いいお兄ちゃんで、いなければ ね。
[驚かせたことに気付かない、振りをして。 トレイルを抱えあげようと体勢を変えた。]
(274) 2014/11/18(Tue) 12時頃
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[少し困ったことになったと、髪に触れながら思う ニコラは まだ、ノックスを忘れてはいないだろうか
トレイルはニコラほど器用ではないから。 弱った様子のノックスに どうしていいか、わからない。
ありがとう お礼の言葉は、彼らに出会ってから覚えた音の羅列 でも、良い兄でいる必要はないんだ そう告げたいけれど、音は出ない。 抱えあげられそうになって、はっと思い出す。
駄目だ。 居間には行きたくない。 理由は二つ。 トレイルは、傍に転がるほとんど中身のなくなったインク瓶と、真っ黒な紙を指さし、ノックスを見て、それから視線をそれらへ向けた]
(275) 2014/11/18(Tue) 12時頃
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[ノックスにとって、トレイルがどれ程の価値を持っているのか。日頃のキスや触れ合いで、伝わっているものだと思っていた。]
あぁ、もうそれは あの人にとって要らないものだと 思うよ。
[指差したものに視線を落とす。残りの少ないインク。何を書いたのか、もう読めない真っ黒い紙。]
大丈夫。一緒に謝ろう? そうしたら許してくれるさ。
……温泉のところで良いかな。一番手っ取り早い。
(276) 2014/11/18(Tue) 12時半頃
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― 温泉 ―
[ぱしゃり、水のはねる音がする。 湯口からは、常に温泉が流れ出ている。
のぼせたわけじゃないのなら、それ以上尋ねることはなく]
……
[静かに、湯につかっているけれど、 その静けさは苦痛ではなく、くつろいで、いる]
(277) 2014/11/18(Tue) 12時半頃
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[ノックスもニコラも、よく触れ合っていたから いつのまにかそれが習慣。 彼の意図知らず ニコラもよくじゃれるから 意味合いは同じ
今も 彼にとってのトレイルが 酔狂で拾ったゴミ以上の価値を持っているのか、わからない。
いらないもの。 インク瓶と自分がダブった気がして そこから視線をそらせない
音を言葉と認識しないまま、頷いた]
(278) 2014/11/18(Tue) 12時半頃
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……トレイル。違う。ちがう。 あれは君じゃない……。
それに、僕はあんな風に君を……捨てない。
[インク瓶から視線を引き剥がすように、トレイルを抱えて貯蔵庫を出た。冷たい場所から、温かい場所へ。]
(279) 2014/11/18(Tue) 13時頃
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―ミルキーホワイト/温泉―
[開けた扉から白の湯気と匂いが漏れ出していた。 話し声は しない。
水の跳ねる音が聴こえ。]
おーい。
[ノックスはトレイルを抱いたまま、足を踏み入れた。]
(280) 2014/11/18(Tue) 13時頃
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― 温泉 ―
[扉のほうから声がするのに、ゆるりと瞬く。
フィリップと一度視線を合わせてから、そちらを向き]
ノックスさんに、トレイル……?
[トレイルを抱いてやってきた姿に、ぽつり、と呟く。
そわり、身じろげば、ぱしゃん、とまた水音がして]
――温泉、はいりにきた?
[四人で入っても、問題はない広さはあるけれど。 それなら変わろうかと、首をかしげた]
(281) 2014/11/18(Tue) 13時頃
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……
[ノックスの声。 落ち着いていたものが、ざわりと騒ぐ]
(*59) 2014/11/18(Tue) 13時頃
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[冷え切った身体を美味く動かす事が出来ない トレイルは、抱えられるに任せて 冷たい貯蔵庫から、温泉へ
湯のある場所は ふと思い出した、そう遠くない過去に 落ち着かない様子で辺りをみわたし
見つけた二人の音 眉を顰めかけたのを誤魔化すよう 一度ゆっくりと瞬く。
温泉に入りに来たのか 問いかけに、抱かれたままノックスを見あげる。 どうするつもりだったのか]
(282) 2014/11/18(Tue) 13時頃
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[トレイルも一緒にいたことに、フィリップに案じる視線を向ける。
彼が衝動に負けたことを覚えている]
――離れたほうがいい、かな……
(*60) 2014/11/18(Tue) 13時頃
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[自分とは違う体つき 湯気の間に、見える
永遠に手に入らない身体 浮かび上がる劣等感
何度目になるのか、絶望を殺し 穏やかに、無感情に 務めるのは]
(283) 2014/11/18(Tue) 13時半頃
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[捨てるつもりなどないから、捨てないと言葉にした。 けれど。本当に捨ててしまったら? 行かないでと、助けを求めてくれるだろうか。
ずっとずっと、ひた隠しにしてきた衝動をぶつけたら。また、罵しりの目で、見てくるのだろうか。]
……な
[腕の重みにふと思う。 様子を見ているだけかと思ったから、トレイルを連れてきたのに。
湯の濁りは幸いか、不幸か。]
(284) 2014/11/18(Tue) 13時半頃
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……あぁ、トレイルが凍えそうだったから。
[温泉に入れさせるつもりで居た、けれど。]
いや、まだ入ったばかりだろう? もっと温まって行くと良い。
(285) 2014/11/18(Tue) 13時半頃
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ー 温泉 ー [山で狩猟生活 傷も多い ラルフの身体 線は自分より細いか]
…………んー…… 二人が……それで納得してる なら
[二人 納得ずくならば 他者が口挟むこと ……ではない と思えば 不安は思わない ……血の香り それが与える影響 そこに 懸念こそあるが ただ そのことに 周囲はどう思うか
ただ 不安そうな ラルフ 近づいた時 胸元の手 伸ばして頭をそっとなでた
玄関で話した ディーンを思い出す もう いけると思ったのかな? ニコラは犬 そうか 犬に食べられたかったんだ と 意識が 別ごとに 向かぬように]
(286) 2014/11/18(Tue) 13時半頃
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[保護者をいい人 言われると また別の嬉しさ]
…………フランシス 説得 協力してくれないかな
[その嬉しさが優って 少し 鼓動が落ち着いて かえる笑みに 自然 表情も心も崩れる]
(*61) 2014/11/18(Tue) 13時半頃
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…………大丈夫
[大丈夫でなければ いけない] [案じてくれるに 笑顔を向けて ゆっくりと ラルフの頭を撫でる
近い距離 むしろ鼓動はなお騒がしかったけど]
(287) 2014/11/18(Tue) 13時半頃
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[案じるのは心から だからこちらも こくり と案じるに返した
近づく もっと近づいて欲しい その 欲求に誘われるまま 先ほど不安げだった その頭を撫でるため と 自分に言い訳をして]
(*62) 2014/11/18(Tue) 13時半頃
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―2F― ……つい、子供扱いが出ることは あるかもしれないけど 一人前になったら、…しないよ
[>>270ドナルドとラルフが一人前になったら、 ちゃんとお祝いをして、プレゼントも渡そう、と そんなことを考えていた保護者だ。 相反する思いを全て汲めているとは謂えないが 理解はしようとそう、思っている。
指先に寄せられる頬に、 手のひら全体を、添わせた。
名前を呼ぶ声はバリトン。 心地よい。]
(288) 2014/11/18(Tue) 13時半頃
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いやじゃ、ないけど。 ……――自覚、しなさい。頼むから……
[>>271不覚にも、ぞくりとしたものを感じてしまったのもあり、 小言のような口調になった。無自覚のままでいられるのも 心配だという思考で、拗ねた様な表情になる。 宥めるように背をなでられれば 心地よさと戸惑いの狭間のような表情。
かつてこんな風に守ろうとしてくれた 大人がいたことを、思い出す。]
(289) 2014/11/18(Tue) 13時半頃
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― 温泉 ―
[トレイルの思いはわからないけれど。 ノックスの腕の中にいる相手から視線をそらす。
ゆるりと首を振って]
それなりに、温まったし。
トレイルが冷えてるなら、そっちを優先したほうが……
[フィリップに伺うよな視線を向けてから。
ノックス>>285へと返す。 冷えているというのなら、なおさら、独占するつもりはないというように]
(290) 2014/11/18(Tue) 13時半頃
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[ゆっくりつかっていた 嫌悪で こちらもざわり 別の感情 ざわめく
片手を湯の中滑らせた
ラルフは近い その手にそっと伸ばして ゆるく指先を握る]
ーーーうん 時期見計らって
[でた方が と頷きかえす]
(*63) 2014/11/18(Tue) 13時半頃
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ラルフには、自分はまだ大丈夫だって、 謂われたんだけど……ね
[苦笑して、眼を伏せた。>>273 フランシスの提案したやり方は他者を支配しているという感覚を得られやすいのだと聞いた。自分で自分を慰めるよりは――きっと、欲を逸らしやすい筈だが、――それ以前の、問題か。]
……、え、ぁ? ……それ は、どう いう……
[予想していなかった答えに顔を上げ、 緑色が見開かれた後瞬き、彷徨う。 もっと、とは――その先も?
――長老がかつて謂った「保護者としての距離」が酷く危うくなっている、気がする。]
(291) 2014/11/18(Tue) 13時半頃
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