224 Cнег дьявол〜凍ったケツ村〜
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時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
パルックが無残な姿で発見された。
噂は現実だった。血塗られた定めに従う魔物“人狼”は、確かにこの中にいるのだ。
非力な人間が人狼に対抗するため、村人たちは一つのルールを定めた。投票により怪しい者を処刑していこうと。罪のない者を処刑してしまう事もあるだろうが、それも村のためにはやむを得ないと……。
現在の生存者は、ヴェスパタイン、リー、シメオン、オスカー、ドロシー、ジリヤ、ヨアヒム、メルヤ、ケイト、アランの10名。
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─???・一人目─
────……。
[倒れ伏していた少女の瞼が、ゆっくりと持ち上がる。 両手で支えるように上体を持ち上げてみると、少し離れた床に叔父『だった』男が倒れていた。
その直ぐ前に、誰かの足。 辿るように視線を上げると、冴えた瞳で獲物を見下ろす獣と目が合う。その額に揺れる金の髪も。]
…………どうして………?
[濡れて震えた声が、言った。 菫色の瞳が、薄い涙の膜で揺れる。]
どうして、私なの。 ……どうして、あなたなのよ。 ねえ。こんなのって、ない。
名前を呼んでしまったら、全てが現実になってしまいそうで。揺らぐ視界を堪えて立ち上がる。酷い、目眩。]
(*0) 2015/05/27(Wed) 03時半頃
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[彼の凍った指先が、柔らかな「なにか」を掴んでいる。 口元へ運んで食んでみせたそれが、獲物から取り出した獣の餌なのか。]
……だめよ。 あなたひとりで、…
[これ以上、遠いところへ行かないで。 今までみたいに、突き放されてしまうのは、いやだ。 ふらつく足で彼に近付く。その拍子に、薄い膜はぽろりと頬を伝った。少し背伸びをして、鼻先が触れるほど顔を近付ける。
その口に咥えられた餌──魂、の、反対側を唇で食む。恐怖と、おぞましさと、それを上回る、どうしようもない愉悦。 なんて味だろう。こんなにも怖いのに、恐ろしくて堪らないのに、なんて、甘い。
左胸を焦がすような衝動。 噛みちぎって、飲み込んだ。彼はどうしたろう。少女は、朧げな足取りで肉切り包丁を拾い上げる。 どうやらここは、厨房へ続く廊下らしい。
悪い夢だ。 こんなのは、全部。 でも、出来ることはやらないといけない。だって、『始まってしまった』のだ。]
(*1) 2015/05/27(Wed) 03時半頃
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[ふらふらと厨房へ入り込めば、使われなかった凶器を元どおりにしまう。 そうして、代わりに引き出しから取り出した大きめの鋏を握り締めた。厨房と、叔父夫婦の居住スペース。そこにあるのは、把握している。
邪魔はさせない。 彼の、邪魔は、だれにも。]
ひとりで、平気だから。 部屋に戻って。ここに居ては駄目。 目が覚めたら、知らないふりをして、いつも通りにして。…なんてこと、ないわ。
[青ざめ、引き攣った泣き笑いの顔は、彼に見られてしまっただろうか。 構わず、食堂と厨房の間に設置された電話まで覚束ない足取りで近付くと────]
ばつん。
[その線に、躊躇いなく鋏を入れた。]**
(*2) 2015/05/27(Wed) 03時半頃
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─二日目─
[寝苦しさに、毛布の中で身を捩る。 次の瞬間、はっと菫色の瞳が見開かれた。表で、屋根から滑り落ちた雪の塊がドサドサと音を立てる。
まだ薄暗い中、ケイトはベッドから身を起こした。借りた寝巻きの中の素肌には、こんな気温なのにじっとりと汗が滲む。なんだか、酷く嫌な夢を見た気がする。]
──…え、と、…夕べは、どうしたんだっけ…
[お祭りの最中で、風と雪が酷くなって。 避難した叔父の宿屋で、宿泊客とランタン職人がひと騒動起こしたのだ。 それから、吹雪で窓が割れたのをアラン達と片付けて、結局外に出れそうもないから、叔父が各々に部屋を割り振って────]
…ああ、そうだ…私、目眩が酷くて、先に休んでたんだった…
[食堂には顔馴染みばかりが居た気がする。 一緒に避難したジリヤ。ドロテア。アランと、ヨアヒム。ヴェスパタインを抑えてたのはリーで、そばに女の子が居たような。 それから、オスカーと話してた…シメオン。]
(0) 2015/05/27(Wed) 04時頃
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叔母さんは、教会の方から出れなくて泊まるって言ってたし… 朝ごはん、手伝った方がいいかな。
[食堂が賑わうのは良いことだけれど、この状況は話が別だ。 絨毯に足を下ろしてみると、まだもんやりとはするものの、目眩は収まっている。ベッドサイドの眼鏡をかけて、カーディガンを羽織る。
ぎし。ぎし。 床の軋みが、妙に響く。外はまだ豪雪が続いているようだ。音がみんな雪に吸い込まれて、いやに静かな明け方だった。]
……? パルック叔父さん…?
[階段を降りて続く廊下へ踏み出すと、灯りが漏れているのは寝室ではなく厨房の方だ。 厚い雪雲のせいで未だ暗い中、ぼんやりと間接照明の光。
ぎし。
床がまた軋んで。その先にあるものに、ケイトは首を傾げる。 ちょうど、厨房へ入る手前の廊下のあたり。 はじめは、それがなんなのか分からなかった。寝起きの脳が回転して、状況を把握する、と、同時に菫色の瞳が、限界まで見開かれた。]
(1) 2015/05/27(Wed) 04時頃
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ッ、ひ、……い、やぁぁああああぁあああっ!!!!
[薄暗い宿屋に悲鳴が響き渡る。 床の上から、濁った二つの目がケイトを見上げていた。
無惨な姿で、うつ伏せに転がって死んだ男は────]
(2) 2015/05/27(Wed) 04時頃
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[紛れも無く、ケツが凍っていた。]**
(3) 2015/05/27(Wed) 04時頃
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読書家 ケイトは、メモを貼った。
2015/05/27(Wed) 04時頃
逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/05/27(Wed) 08時半頃
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─???・一人目─
[ 甘い。
だが、何処かもの悲しい酸味を感じる。
きっと、姪を想う叔父の心が反映されているのだろう。
普段は人の成りをして騙す雪男が、その皮を破った時。 そして命を失ってしまうその瞬間が影響するのか、風味はその人間それぞれであった。
だが、今日のは当たりだ。 掴んだそれらは赤い果実のように仄かに熟れている。 そこから滴る蜜を掬いながら唇で食んだ。
ぐちゃり。柔らかい。ぼと。 ]
(*3) 2015/05/27(Wed) 10時半頃
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[ ぼた。 ぼた。 ぼたぼたぼたぼた。
──────どうして、あなたなのよ。
僕。僕。ぼ、く。
俺は、 何をしている? ]
(*4) 2015/05/27(Wed) 10時半頃
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…………ッ!?
[手の内側にある何か。 正体に気づく前に咄嗟に取り下げようとした。
自分より幾分も小さな身体から引き剥がすように。 でも、相手の方が早かった。]
(*5) 2015/05/27(Wed) 10時半頃
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────、
[ ケイト。
名前を呼ぼうとした。 でも、咀嚼するように動く身体は言うことを利かない。
自由気儘、歯を突き刺しては噛みちぎる。飲み込む。吐きそうになる。足裏が冷える。少しずつ、「思い出していく」。
自分が何をしたのか。
自分の正体が、 何なのか。]
(*6) 2015/05/27(Wed) 10時半頃
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[ 鼻頭に熱が溜まる。
ツンっとした刺激が肌を刺した。 涙腺が緩みそうになる。 だが、離れた先に垣間見た頬が一線残していたことに目敏く気付いた。
だから、離れて行ってしまって、ここが何処か気付いて、凶器を閉まって、道具を取り出しても、一言も口を挟むことは出来なかった。]
………嘘、だ。
[ こんなのってない。
先程彼女が呟いた言葉を繰り返す。 情けなくも震えた声と彷徨う視線の先、見つけた血の気の失せた顔。
ケイトが、雪男で。 俺も、────『そう、僕は───雪男だ。』]
(*7) 2015/05/27(Wed) 10時半頃
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違う。………違う。
[ 最早なにが違うのか。
無様に足掻けば足掻く程、意識とは裏腹に口角はさも愉快だとばかりに上がっていく。
『 知っている。自分が本当は何か。そのために何をせねばならないか。 』
でも、こんなのが『始まり』だなんて。 信じたくはないと、逃げる視線。
そんな中繰り返されるのは、何時間か前に耳にした声。]
「 護りたい人はいないの。 」
(*8) 2015/05/27(Wed) 10時半頃
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………犯人役は、狡猾に人を、周囲を、騙すんだ。 状況を味方につけて、出し抜く。
[結末については考えない。 無理やり捻り出した声は掠れていただろうが、]
死にたくは、ない。 何とか、生き残る方法を、考えよう。
もしかしたら、…みんなも分かってくれるかもしれないから。
だから、“いつも通り”に。
(*9) 2015/05/27(Wed) 10時半頃
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[一息に告げる。
彼女をここに一人残すことは躊躇われたが、今の状況を第三者が見たらどう思うだろう。
彼女の言葉通り離れるが吉だ。 自分は彼女程ここの構造について詳しくはないから。
だから、すっかりトゲを忘れた声色で告げるのだ。]
(*10) 2015/05/27(Wed) 10時半頃
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ふたりで、可能性をつくろう。
[ それが、到底不可能なことだと、何処か遠くで知っていても。
舌に残る甘美な味わいに酔い痴れていることを自覚しても、踵を返した足元は願う。]*
(*11) 2015/05/27(Wed) 10時半頃
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[明け方……もなにも、この時期は日付が変わろうと太陽は昇らない。 水平線の方が少しだけ白む程度だ。 いつの間にかソファーに寝かされていた昨夜の騒ぎの元凶は、ズレた毛布のうすら寒さに目を開ける。
暗い天井をぼんやり見上げて、ここどこだっけとか思っているうちに……響くのは女の子の悲鳴。]
…どうした!? [毛布被ったまま、つんのめりながら声の方へ。]
(4) 2015/05/27(Wed) 13時頃
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[厨房の前には、怯えるケイトと……ケツの凍り付いた中年男。 長い付き合いになる、この宿の主人だ。]
…あんま見るもんじゃない、嬢ちゃん。 お巡り…ああ、この天気じゃ人呼んでくるのも無理、だな。
[死体の瞼を閉ざしてやり、毛布をかける。 其処までは心が凍ったように、ひどく冷静で……
だが、尻が凍る。あり得ない。 さっきまで寝ていた建物内だ。其処まで寒くない。]
雪鬼《スニェク・ディアボル》……、 ほんとう、に。
[そんなのあり得ない、迷信だ。 けれど、目の前の死体は言い伝えそのもの。
背筋を冷たいものが滑り降りるのを、感じた。 **]
(5) 2015/05/27(Wed) 13時頃
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― 回想/ドロテアの店 ―
[そろりとワンピースの袖に腕を通す。 その場でくるりと回ってみせれば、丁寧に裾まで刺繍があしらわれたスカートが、振り返ったわたしの動きに合わせてふわりと踊った。]
素敵…です。わたしには、勿体ないぐらい…。 ありがとうございます、ドロテアさん!
[うっとりと目を細める。ドロテアに微笑んだ。 上質な布なのだろう。柔らかくしなやかな肌触りが心地良かった。]
(6) 2015/05/27(Wed) 14時半頃
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(―…もしも、わたしにお母さんが居たらこんな感じだったのかな。)
[ちょっとだけ、お節介だと感じることもあるけれど。村の子供達を優しく見守るドロテアはみんなのお母さんみたいな存在だった。ワンピースのように、ドロテアの好意に甘えてしまう事も度々あって、ドロテアがひとりになってからは大変そうな時はお手伝いをしようとして。手伝いをしながらそんな考えが考えを過ぎることがあった。 お下がりのお洋服を着せて貰って。浮き足立った足取りで、祭りへと出掛けていった。*]
(7) 2015/05/27(Wed) 14時半頃
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[その夜は、眠りが浅かった。寒さと、それと、言いようのない不安。 悪夢。
自分は道を歩いていた。その先がない事を知っている。それでも、足は勝手に動く。 やがて、道は凍り、思いもよらない所へ自分を連れて行く。]
………っは
[何度目かの覚醒。今は何時頃だろう。外は相変わらずの吹雪。 否、眠る前よりも強くなったように見える。]
…なンか、聞こえたような。
[それが悲鳴だった事はまだ気付かない。眠い目を擦って、ふらふらと階下へ降りて行く。何かの気配を感じたのかも知れない。 …明かりのついた方へ引き寄せられたのは必定だったろう。]
(8) 2015/05/27(Wed) 14時半頃
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[そこには、既に見知った顔がいた。ケイト。ヴェスパタイン。 他にも居合わせたものがいたかも知れない。 …そして、見たのは]
……パルック?
[無惨に臀部を凍らされた、宿の主人の姿]
っおい、まじかよ……まじで… ……………洒落んなんねーっての。
[ポケットに入ったくしゃくしゃの冊子を握りしめる。 昨日、自分が吐いた大言が思い起こされる。雪鬼なんか、溶かしてしまえばいい。]
……。
[足が竦むのを感じていた。それでも…潜んでいるのだ。鬼は、近くに**]
(9) 2015/05/27(Wed) 15時頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2015/05/27(Wed) 15時頃
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[ばたばたと慌ただしい足音が響いて、一階の奥からどうした、と声が掛かる。毛布を被ったままのヴェスパタインだ。>>4
力の入らない足で後ずさって、駆け寄ってきた男にしがみ付いた。 身体中酷い震えで、歯の根が合わない。舌だけがカラカラに乾いて、はく、と何度も声にならない息だけを吐く。]
…お…叔父さんが…っ、叔父さんが……!
[やっとそれだけを言うと、あまり見るもんじゃないと身体で視界を遮られる。>>5 言われるまま視線を外し、ヴェスパタインが被っていた毛布で叔父の身体を覆うのを視界の端だけで見るに留める。 遺体を確認したらしい男が呟いた御伽噺の悪鬼の名前を、少女の耳は聞き漏らさなかった。]
雪鬼《スニェク・ディアボル》……、そんな、そんなの、まさか
[悪い子のところには、雪鬼が来るよ。 それは、この村で育った者なら誰しもが知っている御伽噺だ。 年頃の子供を戒める為の、都合のいい昔話。そう思っていた、のに。現に、そこに転がっている叔父の尻は、確かに、そう、確かに凍っていたのだ。
こちらを見上げるどろりと濁った双眸を思い出し、吐き気がこみ上げる。けれど、]
(10) 2015/05/27(Wed) 15時半頃
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『 あの、雪の妖精みたいな、幼馴染? 』
(*12) 2015/05/27(Wed) 15時半頃
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……せん、せい…ヴェスパタイン、せんせい…、ほかの、みんなは…? みんな…
[一瞬過ぎった、恐ろしい考え。 これが雪鬼の手によるものにしても、人の手によるものにしても、被害者は一人だけなんだろうか。まさか、他にも────]
…………! ジリヤ……っ!
[悲鳴を聞きつけた者が、そこに集まっていただろうか。>>9けれど、馴染んだ友人の姿が見当たらない。 弾かれたように走り出す。階段を駆け上がり、二階の奥の客室へ。 途中、誰かとすれ違っただろうか。声を掛けられたとしても、止まることはしなかった。
ジリヤに割り振られた部屋の扉に飛び付く。当然のようにノブは回らない。 知っていた筈なのに、オートロックなんてものが今この瞬間は煩わしくて堪らない。]
(11) 2015/05/27(Wed) 15時半頃
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ジリヤ!起きてる?!ねえ、開けて! お願いよ、ここを開けて、ジリヤ…!
[目の前の扉を力任せに叩く。拳が傷むのも構わず何度も繰り返すけれど、音は分厚いオークの扉の浅いところで響いて、うまく中まで通らない。
どうか。どうか。 祈るような気持ちで友人の名前を呼んだ。誰かに止められるか、内側から開かれるまで、ケイトは扉に縋り付いていた。]**
(12) 2015/05/27(Wed) 15時半頃
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読書家 ケイトは、メモを貼った。
2015/05/27(Wed) 15時半頃
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― 回想/樹の下で ―
[逃げる様に飛び出してしまったあの子を追いかけて、わたしも会場の外へと。走って、走って、ランタンが吊るされた一本の樹の下で彼女を見つけた。>>1:156]
ケイト!こんな、ところに居たの。
[そして、改めて彼女を近くで見て、 (かれが言えなかった、)心に浮かんだことを素直に告げる。]
…綺麗、ね。とても、似合ってるわ。
(13) 2015/05/27(Wed) 16時頃
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