308 【R18】忙しい人のためのゾンビ村【RP村】
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[何処からか。
在りし日の声が、風に乗って聞こえてきたかもしれない**]
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[健司が小さい頃には、 よく一緒にキャッチボールをしていた。 子ども会のソフトボールをやりだしたころには、 教えてほしいと乞われて、 素振りの練習に付き合ってたっけ。
父さんな、野球なんて本当は、 やったことなかったんだ。 だからこっそり図書館で本を借りて、 バッティングのフォームだとか、 投げ方だとかを一生懸命勉強していたけど、 お前は知ってたけど知らないふりして 教わってくれてたらしいな。
今になって、そんなことを思い出すのはどうしてだろう。]
(30) 2020/10/26(Mon) 23時半頃
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[俺へと目掛け思いっきり走ってくるソイツに対して、 体をひねり、バットを振るのと同じような要領で 鎌を斜めに振りおろした。
肉へと食いこむ嫌な感触が、 柄を通して手のひらへと響く。 ゾンビにも痛覚があるのだろうか、 ぐぁぁ、と鈍い呻くような声をあげた。]
くっ……ぬけねぇ!
[反動で雷門は後ろへとよろめいたが、 鎌は頭頂部に深くつきささったままだ。]
(31) 2020/10/26(Mon) 23時半頃
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……はは、は、 鎌じゃつぶすのは無理だな。
[何も面白いことなどないというのに、 恐怖からか、笑いのような声がもれた。
慌ててもう一つ、持っていた武器 ――本来は武器ではないが―― スコップを手に持ち、再び雷門目掛けて振り下ろした。 金属の先端が腹へと突き刺さる。 引き抜けば、体液があたりにまき散らされた。 今度はあっさり抜けたスコップをもう一度振りかぶり 怯むことなく横から殴りつけ、体が傾いたところへ、 勢いをつけて首元へスコップを突き刺した。
ゴスッという鈍い音と共に、雷門は動かなくなった。**]
(32) 2020/10/26(Mon) 23時半頃
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[車に乗り込んで。
助手席には頭を打ち抜かれて事切れたホリーを乗せて。 このまま、意識が無くなってしまえば。
自分は自分ではなくなり。 やがて人を襲うようになるのだろう。
で、あれば。 出来ることをするだけだった。]
ああ、そうだ。
(33) 2020/10/26(Mon) 23時半頃
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――回想――
「英雄になるための条件?
はは、なんだよ、それー」
[昼下がりの教室の中。
学ランを着崩した中学生一年生の進が、
クリームパンをほおばりながらけらけらと笑っている。
対する俺は大真面目だ。
焼きそばパンをもぐつきながら
大学ノート(黒歴史)に
下手くそな字を書き綴っている。]
いやさ。俺、気づいたんだよね
このままマンゼンと日々を生きていただけじゃ
ぜーーったいに英雄になんかなれやしないって。
紛争地帯に行くとか
あとは地球の危機的状況に
ガイアの力に目覚めるとかしないと
「ウル●ラマンの見過ぎだろ。古いぞ?
せめて仮●ライダーにしとけ?」
とーもーかーくーもー、俺は大真面目なんだってぇ!
「そんな風に気張らなくても、
秋は十分かっこいいだろ。
沙良が迷子になったらすぐ探しにいくしさ」
[あはは、と進は笑って、
残ったクリームパンを口に放り込む。
そうだな、と、俺より少し大人びた様子で首を傾げて
俺がくっだらない書き物をしていたノート(元数学用)に
さらさらりと、綺麗な字で何事かを書いた。]
ん? なんだ?
『弱い人は率先して助ける』
『怖い時でも笑っていられる』
『挫けても何度でも立ち上がる』
……なんか、地味くない?
「ただの人間が突然へんな力に目覚めるわけないだろ。
地道なところからコツコツとだよ」
[進は、くっだらねー考え事に付き合いながら
俺を見て、に、と目を細めた。]
――現在/ショッピングモール薬品売り場――
まっすぐ走って非常口から一階に逃げろぉおお!
「は、はい!」
[若い女の首に噛みつこうとしたゾンビの
その顔面にバットを叩き込みながら、
俺はめいいっぱい叫んでいた。
人間しかいなかったはずのショッピングモールには
いつのまにかわらわらと
死神のようにゾンビがたむろしている。
……どいつもこいつも楽し気にニタニタ笑ってんのは
生理現象なのかなんなのか、わかんねえな。
ゾンビって楽しいのかな。]
[……この数日で、何度死んだと思っただろう。
ある時は、もうそろそろガス欠というところで
やっとゾンビの居ないガソリンスタンドを見つけ。
ギリギリ1台分残ってたガソリンを給油してたら
休憩室の中に潜んでいた奴が突然駆けてきた。
腕は半分鎖落ちていて、服もどろどろ。
酷い腐臭を纏いながら近寄ってくるそいつへ
近くにあったバケツをなげつけたのに、
全く怯みもせず向かってくるゾンビに悲鳴を上げて
僕は半べそで、バイクの後ろを掴まれたまま発進した。
(後ろのフレームは手の形に少し凹んだままだ)]
[人が居なくなって荒れ果てた大型家具屋に入り込み
あまり汚れていないベッドを見つけたから。
疲れたし小休止……と思って横になり。
少しのつもりが目覚めた時には既に朝。
ゾンビに襲われなかったのはよかったが、
自分の不用心さに肝を冷やした。
その後安心しきって店を出た時に
バイクの近くにゾンビが居た時は終わったと思った。
家具屋にあった目覚まし時計を鳴らして
遠くに投げたらそっちにいったからよかったけど。
慣らした瞬間に、ゾンビがこっちを向いて
白く濁った目と目が合ったときには
ほんともう駄目だと思った。
あいつらの目が悪いことを、それで初めて知った。]
[真っ直ぐ走ってきたゾンビの拳が
思いっきり俺の肩口を打った。
つっかえるような悲鳴をあげて壁に叩きつけられる。]
「ああ゛あぁああ゛ぁぁあ゛あぁぁ゛ぁ゛!」
――うるっせぇ、近所迷惑で訴えんぞ!!
[痛みをこらえながらゾンビの頭蓋を叩き割る。
とうとう愛用のバットが
使い物にならないくらい折れ曲がった。
それを好機ととらえたもう一匹が
俺めがけて爪を振るおうとしてくる。
――直後、その頭が綺麗に天井まで飛んでいった。
ネコ元帥が鉈でゾンビの頭を跳ね飛ばしていた。]
[雨が降った時や夜に冷え込んだ時なんかは、
防水素材の厚手の上着を着てて本当によかった。
それでも夜は寒かったけれど、
無いよりはマシ、というやつだ。]
「クシャミ、そっちの避難状況どうだァ?!」
ああ元帥。順調だよ。おかげさまでなあ……っと!
[元帥から投げ渡された得物に瞬いてから
そんな状況でもないのにげらげらと笑い出した。
ちょっと昔のホラーゲームで
医者のキャラクターが武器にしてたものと同じものが
俺の手の中にある。]
[―――そして、忘れもしない。
ある日の夜、無人の公園でのことだ。
人一人が入るのに丁度良さそうな土管を見つけた。
今日はここに入って夜を凌ごうと
そう思って覗きこんだ時。]
ひ、ゃ……っ!!
[僕は驚いて、その場に尻もちをついてしまう。
"先客"が僕の方をじーーっと見ていて、
そのまま土管から這い出して、腕を伸ばしてくる。
僕はもう、駄目だと思った。
走馬灯のように今までのことが頭を駆け巡り。
(……兄貴。ごめん。)]
[ぎゅ、と目を瞑ったんだ。]
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さあ。
逝くか……なあ、ホリー。 それと、世話になったな。 みんな。
[場所はどこにするか。 末広町のあたりが一番ゾンビの数が多いだろうと辺りをつけて。
ある程度引き付けるように銃撃をしたりしながら。 交差点へと向かい。]
(34) 2020/10/26(Mon) 23時半頃
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ねえ、ネイルハンマーなんだけど!
白衣もってきて!
てか射程短すぎでしょ! 信じらんねえ
これでゾンビと戦えって?!
「それしかなかったんだよばーか!
お前今すぐ全国のファンに謝るか
ジャガー燃やされてこい」
都内住みの大学生だぞ!
車持ってるわけねーだろバーカバーカ!
[ぎゃあぎゃあ喚きながら
襲い来るゾンビたちに得物を振り下ろす。
気づけば、俺の体にも元帥の体にも
ゾンビの歯型が赤々とついている。
あんなに体液に気を付けてきたってのにな。
あっけないもんだ。]
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[ゾンビが集まってきたあたりで。 手に持っていた手榴弾のピンを引き抜いて。
そのまま、後部座席に積んである大量の手榴弾のあたりへと放り投げる。]
(35) 2020/10/26(Mon) 23時半頃
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――――――――――――カッ―――――――――――――
(36) 2020/10/26(Mon) 23時半頃
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[火柱が上がり。
その場にいたゾンビたちを巻き込んで炎上していく。 それが、四浦の最後だった**]
(37) 2020/10/26(Mon) 23時半頃
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― 高速を北へ向かって ―
[風を切る音に交じって、聞こえるものがある。
高速の脇にある林から聞こえてくる呻き声は
もう泣くこともなく聞き流せるようになった。
たまに通り過ぎる車を見れば、
彼らの行く先に平和がありますようにと祈った。
……でも。それよりも。今耳を澄ませるべきは。]
「えーちゃん、次止まるの、どこー?」
[背後から聞こえるのは、幼い少年の声。]
[僕の代わりにリュックを背負って。
僕の背中にしがみつき、必死に声を張り上げる。]
[残りのおにぎりはこの子にあげてしまった。
無人になって荒れ果てたコンビニから
持ち出してきた飲食物ももう残り少ない。
この子は、僕と同じように思えた。
逃げる間に両親とも兄弟ともはぐれて、
一人で公園の土管で震えていたそうだった。
食料やバイクの燃費のことを考えれば、
助けるべきではないのだろうけれど。]
パーキングエリアがもうすぐだって!
ゾンビ、居ないといいな!!
[僕は、後ろの声に負けないぐらい
普段あまり出さないような大声を返した。]
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