222 【完全RP】湖畔の村【誰歓】
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― 回想、ヒューと ―
[触れた指が嫌がられる事はなかったが。「息苦しい?」、その問いかけに対する返事は相打だけだった。
何か訳ありなのは一目見た時から分かっていた。身体に深い傷だけではなく、心にも何かしら傷を作っているのだという事は知れた。
顔を覗き込み、憂いを帯びた瞳を眺める。]
…ヒューさんさえ、宜しければ。
ずっと此処にいても良いんですよ。
[頬を撫でていた指先の動きが止み、優しく訊ねたんだったか。]
[ヒューはなんと答えただろう。ただし、帰る家は始めから用意されていなかった。
心身共に傷ついたこの男が…、信頼していた人間に裏切られたら、絶望するだろうか。あなたが怒ったり、笑ったり、悲しんだり、泣いたりするところ。もっと色んな感情を引き出したいんだ。
その瞳がひび割れる瞬間を見たい。]
[その夜、ヒューの故郷で起きた出来事を知る。
ヒューが知る由もないが、滅亡した村の外で遠吠えをあげた狼はチャールズだった。
生き延びた男が一人逃げていったことを聞いた。
後日、この騒動の途中で、男の名前がヒューである事を聞かされた。]
|
―― 広場へ続く道中 ―― [こちらに駆けてくるヤニクが見えた。 青年は急いでそばに駆け寄れば、ごそごそと革袋の中から小瓶を取り出して、ぎゅっと彼の手に握らせた。]
あぃう、おえ、うあぇ!
[喋りたいのに、説明したいのに。 うまく紡げない、己の口。 苛立ちに涙が溢れる。
それでも、伝えなくてはと、なんとか身振り手振りで表現する。 「これは毒だ。使ってくれ」と。]
(フランを、あんな縄にかけて殺してはダメだ)
[と。うまく伝わったかどうかわからないけれど、 ヤニクが頷いてくれたら、今度はその手を引いて広場へ走った。 きっとまだ踊り続けている、彼女のもとへ。]
(39) 2015/04/25(Sat) 00時頃
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――…。
[とんとんと…なだめるような優しいリズムで肩に触れる。口をついて出たのは、子守唄。
囁くように紡がれる。そっと、夢路へと導く。]
I killed Cock Robin.
[「それは私よ」と答える代わりに一輪の赤い薔薇を。*]
― 最期 ―
そう、貴方は男の子ですからね。
今の貴方、格好良いですよ。
行くならお行きなさい。…私の気が変わらぬ内にね。
[メアリーが教会を出て行くならば引き止めようとはしなかった。
何時もの穏やかな笑みで見送った。彼の正体を仲間に囁かなかった。]
[勢い良く、教会の扉が開かれた。
振り向いた先には、怒りに狂った男の姿があった。どうやら彼に宛てた贈り物に届いたようで、男の目は憎悪に燃えていた。故郷の村を滅ぼした敵だと知ったのだから当然だ。その男の眼が牧師を見据えた瞬間、射抜くような視線に微かに恐怖を抱き――だが、それと同時に牧師が感じたのは、悦び。
ぞくりと走るその悦びは、間違いなく、彼の、「仇を討ちたい」という復讐に駆られた、その眼ゆえだった。]
[ああ、でも――絶望するには、スパイスがほんの少し足りなかったみたいだ。雪辱を晴らしたいという思いの方が勝っているらしい。押し倒されて、体の上に跨がられる。
彼の居場所にはなれなかった。死んだ人間には敵わなかった。
心臓が引き絞られるような痛み、とうの昔に感情は麻痺しているから、首を締められている圧迫感なのだろう。
首を絞める男の目に牧師が映る、彼にも唇に浮かんでいる微かな笑みが見て取れただろうか。
牧師が笑っていたのは、悲観だとか諦めだとかではなくて。男に向けられるなら憎悪でも構わなかったから。男が何やら喚いている。悲鳴に似たそれに笑みが零れた。]
[なぜって?
それしか、愛し方を知らないからだよ。]
[ふっと、吐息を漏らす。肺から最期の空気が押し出された。
視界を埋める男を愛おしげに見つめる。
遠のく意識の中、手を伸ばした。許されるならばその頬を優しく撫ぜようとして。力無く、落ちた。]
(…… し、てます。)
[その囁きは届く事はない。*]
[人間が好きだった。
ずっと、ずっと、叶わない恋をしていた。**]
―回想―
……………。
[楽園を求めることは。
この残酷な現実を否定するための夢でもあり。
また、逃げることでもあるのかもしれない。]
……………ああ…、
[己のことを告げる牧師の笑顔。()
偽り続けることを肯定する笑顔なのか、
己の問いに、事実であると肯定する笑顔なのか。]
オレも……アンタが好きだったよ…。
[馬鹿馬鹿しい――――。
人との違いなんて本当。
それを受け入られない現実も。]
薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2015/04/25(Sat) 00時頃
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ー →広場 ー
お前、どうしたんだよ?
[こちらへ駆けてきたサイラスの、声にならない声。]
毒? ……ありがと。
[そう言って、毒を受け取れば、再び駆け出そうとするけれど。 手を引かれて。]
走りにくい。
[などと。]
(40) 2015/04/25(Sat) 00時頃
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[そう言って牧師に背を向ける。
誰かのために生きている姿が眩しかった。
今だって背中から強い光を浴びているようにすら感じる。]
……………、
[進むべき道に己の影が伸びていく。
この選択は正しいのかどうか分からない。
影が伸びる先を、信じて歩いていく。]
もう1度だけ考えてみてよ。
人を殺さず、生きる方法ってないかな。
オレも一緒に考えるからさ。
[振り向かずそう告げて、扉に手をかけた。]
[それと同時、扉が勢いよく開いて1歩後ずさる。
現れたその姿()に瞬いた。]
………アンタ…なにして…って、はぁ…!?
[自分には目もくれず、一直線に牧師に突っ込む男。
呆気にとられて何も言うこともできなかった。
まだ、己は誰にも彼が人狼であることを告げていない。
彼もまた自分と同じように何かのきっかけで牧師が人狼であることを知ることができたのだろうか。]
……………。
[やめろ、と言うことはできなかった。
けれど、その全てを見届ける必要がると入り口の辺り。
立ち止まってぼんやりその光景を眺める。]
[男の怒鳴り声が聞こえる。
彼もまた選択をしたのだろう。
辛い、辛い選択。
今までの選択も、
今、この瞬間の選択も
彼にとっては辛くて、辛くて、辛い――――。]
……………。
なぁ、神様……どうして皆笑えない世界なんですか…?
[心の泣き声が聞こえた気がした。]
[息絶えた牧師を足元に見た。]
…………大丈夫か?アンタ。
[女を演じる必要はない。
気にする様子もなく疲弊した様子の男に声をかけた。
この騒ぎで村の人々はここにやってくるだろう。]
……………。
オレもやることやらなきゃな。
[牧師だけかは分からない。
ここまできたら尚のこと進むしかないのだ。
花の声が聞こえた気がした。
開いたままの扉から風が吹き込む。
それに誘われるかのよう、教会を後にした。]
―回想終了―
―現在・花屋『パライソ』―
………ありがとな、親父。
ダイミに伝えてもらって。
[ヒューが処刑されたと聞いた。
その後に、父はダイミへと伝言をしてくれた。]
っか…なんで親父、オレの声聞こえてるわけ?
死んでるんですけど、こっち。
[それに対して笑っているだけの父。
自分に能力があったのだから、父にも確かにあるかもしれない。]
おふくろには………いや、いいや。
[父は、母や己をずっと見守ることでその役目を果たしていたのだろう。]
|
― 広場 ―
[それはある意味では、見慣れた光景。 村人達の輪の中で華麗に舞う、一人の踊り子。]
[違うのは、観客達の表情だ。]
[広場に着けば、かきわけなくても、村人達が左右に避ける。 その中を、歩いて行って。]
……呼んだ?
[そう、小さく、苦笑をした。]
(41) 2015/04/25(Sat) 00時半頃
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……………あーあ。
なんか、アホらしいな。
[全てを悟っているかのような態の父に。
そうとだけ言って。
風が花弁を運ぶ。
それを見て笑えば。
そっと、我が家から姿を消した。]
―湖畔・花畑―
………あれ?なんでここにいるわけ?
[自分が死んだ場所には花が咲き誇っている。
そこに導かれるようにして戻ってきた自分を待つかのように。
金髪の少女の姿が見えた。]
………ホントに……死んだ、わけ…か…。
あーあ…なにやってんだろ、オレ…。
[少女の正体は分からずだが。
彼女も守るべきものの1つだったことに違いはない。]
[そして、笑ってこう告げる。]
レティー、何?デートの帰り?
[いつか告げたのと同じ誘い文句。
違うのは短くなった髪と。
お互いが死んでいること―――――。]
|
[目の前にヤニクの姿を見つめると、口もが笑いの形を作る。
来た。フランシスカが愛した男。 ヤニクと口にするだけで、心が踊った。 それは私のではなく、フランシスカの感情だろうけど、もっとも興味のあった恋愛感情をこんなに近くで見られるなんて]
ヤニク、私ね、人狼なの。 私に勝ち目はもう無い。でも、だからって、関係の無い連中に無駄殺されるなんて耐えられない。
[もっと人間を見せてくれ。感情を、愛ゆえの苦悩を。
ヤニクの足元に短剣を投げつける。上手いこと地面に突き刺さった]
貴方になら大人しく殺されてあげる。愛した男の腕で死ねるなら、そんな素敵な幕引きは無いでしょ?
(42) 2015/04/25(Sat) 00時半頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2015/04/25(Sat) 01時頃
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(そんな…!)
[彼女の答えは、やはり自分が予想したものと間違ってなかった。ただ問題は、その方法というものが。]
(ヤニク…どうするんだよ…)
[じっと、見守る。 殺してくれと、彼女の望みを叶えるのだろうか。]
(43) 2015/04/25(Sat) 01時頃
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[地面に刺さった短剣の横>>42、素通りして。]
バカ。俺が、お前を殺すわけないだろ。
[そのまま彼女の腕を、引いて、抱き締めて。 耳元で、ぽそり。]
みんなの前で姿見せるなんて、バカだろ。
こうなったらもう、多分、逃げられない。 だから、一緒に死んでやるよ。
[ポケットから取り出すのは、サイラスに渡された薬瓶。]
(44) 2015/04/25(Sat) 01時頃
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村人に処刑されるのが、嫌なら。 [薬瓶を口に含んで、彼女に口付けようと。]
[その薬を嚥下したのは、きっと彼女の方。 俺は致死量に足りないまま、人狼に味方した人間 として、処刑されるのだろうと思う。]
[そうして、ひとこと。]
――……ただいま。シスカ。
[俺の旅は、ここで、おしまい。]
(45) 2015/04/25(Sat) 01時頃
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[ヤニクは短剣を手に取らなかった。 でも、そのまま、ゆっくり。なんてことない風に フランシスカのもとまで歩いていく。
ぐいっとひかれた細い腕。 あっという間に逞しい男の胸の中に収まる女の身体。 そっと寄り添うヤニクの顔は、フランシスカに何事かを囁いて。
それから。]
あぃうッ!!
[自分の招いた結果を、今ほど呪ったことはない。]
(46) 2015/04/25(Sat) 01時頃
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[後は二人で、何て言って、人狼の彼女は主導権を渡してくる。これだけやっといて、本当にふざけた奴だ]
優しいのね。
[本当にヤニクは優しい。そんな資格、私には無いに]
でも、いいの?ここにいるのは馬鹿な女の皮を被った狼よ。 本物は既に私のお腹の中。
[私に付き合って死ぬことはないよ。ヤニク]
そんなのと一緒に死ぬなんて、ちょっとお間抜けじゃない?
[だからこれはアドリブ。上手に笑おう。怪しまれないように。でも、どんなに頑張っても、涙が堪えられない]
(47) 2015/04/25(Sat) 01時頃
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あぁぁ……あぁああ…!!
[出来そこないの玩具のように、言葉にならない声を上げる。
なんで。なんで。
青年は頽れるように膝をつき、涙を流した。]
(48) 2015/04/25(Sat) 01時頃
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[だけど、彼の口づけを拒むことは出来ない]
本当に、馬鹿な人。
(49) 2015/04/25(Sat) 01時頃
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