270 食人村忌譚
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……ゆりは、裁定者としてここに呼ばれたわけではないと言っていた。 そうだ、あれも容疑者の一人。
私達は妄信しているが、それでいいのか。 あれも容疑者なら儀式を任せてしまってはいけないのでは。
何故、それを考えなかったのだろう。
[それは身に沁みついた因習のせいだろうか。]
未熟、故か。 あれは先代ではない、分かってはいたが。 先代の遺志を継ぐ者なのだから立派な巫女であると、そう願っていたのに。
嗚呼、とても残念だ*
(224) 2017/11/29(Wed) 00時頃
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―― 人煙のたなびく頃 ――
[筆に重みはない。 筆先が紙面を撫で墨跡をつける。
記録にも満たない端々を紙上に描くは それこそ“昔語”をあらたに生み出すにも似て、 不慣れに立ち止まれば墨溜まり、 不格好に毛虫ののたうつ。]
[少し前 >>183「弔いが追い付かなくなる」 会話の端にでたそれへ男は少しく動きを止め、 やおら立ち上がり、「仕事をしてくる」と言い置いて階上へ向かった。]
(225) 2017/11/29(Wed) 00時頃
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―― 回想 / 江津子と>>166>>167>>168 ――
……江津子さんは、お優しいですね。
[くしゃり、と歪んだ笑顔はきっと巫女らしくないもの]
私は、村人たちが望むように 巫女として振る舞わなければなりません。
私が自分を繕わず、ただあるがまま普通の小娘のように 心配や狼狽を顔に出せば きっと皆は不安に取り込まれてしまうでしょう。
それだけはあってはなりません。
[しばしの、沈黙。逡巡ののち]
(226) 2017/11/29(Wed) 00時頃
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[ いくつかある居室のうち、そこには、 この日持ち込んだ数多の紙束が置いてある。
「流るる輪廻のなか」。 弔いの途切れればそれは、 のたうつ輪廻の蛇が断たれるも等しい。 いくつも絡み、ねじれ、この村をかたちづくる咥え蛇。 うわばみのうろこに因果の照らされるかは知らねど、>>2:198、因果をたどるは、それを望むは男の業か。 見聞きて綴るの限りを知っていてなお、その声は筆を執らせ、常は墨に残さない些末を文字にさせる。
墨のにおいの中に、櫻子の炙るそれが混じるまで 男は、昨日を文字にして平面に染みいらせ]
(227) 2017/11/29(Wed) 00時頃
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でも、もしも、もしも。 姉さんやあなたのように、私を、巫女としての責務を 一緒に分かち合ってくださる方が いるというのなら――……
[巫女の仮面が、外れる。声が、震える]
大丈夫。 私はまだ、ここに巫女として立っていられます。
[上目遣いに、江津子に見つめ。 次の瞬間には、薄らとした巫女らしい笑みを 江津子に向けることだろう。 しかしその唇は、未だ微かに震えていて*]
(228) 2017/11/29(Wed) 00時頃
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―― 弔うなかに:宴間のまえ ――
[そうして櫻子の一部を受け取ったとき、 男は紙束と筆、生きる道楽から形を変えたものを携え階下の宴の間に戻らんとしたときだった。
かすか聞こえた声は、会話の中までしかと聞こえたわけではない。 いくらかの継ぎはぎの音として、巫女の名があがるのを、 それを口にする者の声を聴き]
―― ――
[村を、人を支える――それが役目とされていたものへ 疑念があがるをきき、]
……これもおかされた禁忌のつながる先かね
(229) 2017/11/29(Wed) 00時頃
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源蔵は、ひとりごちるは廊下を打つばかり
2017/11/29(Wed) 00時頃
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あぁ、 ………縁起でもねぇ あの時も言ったが
そういう台詞は年寄りに任せとけ
[汚れた雑巾を水に浸し、きつく絞り上げる。 ミナカタ、と呼ばわるに振り向けば、なんとも言えない表情がそこにあった。その顔に首を傾げて、また視線を戻せば、よく似た焦げ茶色が翻る。
――――忘れないでいようと思った。 言葉遊びのような約束を、彼女が覚えていたことを。>>219 思えば、気に入りの頬も舌も、ここしばらく食べていない。愛理も櫻子も、皆と同じく与えられるがままに食べただけ。 美味しいと思いはすれど、それは弔いに参加するだけのこと。真に弔いの気持ちがあったかは、わからない]
(230) 2017/11/29(Wed) 00時半頃
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― 宴間 ―
[周囲の話を聞きながら、あれやこれやと思考を巡らせる。 たしかに、櫻子が愛理を殺す理由があるかとなれば、なにもまったく浮かばない。 じゃあ他に誰がと言われても、しかし見当がつかない。 兄に話を聞いてみようかとも思ったが、教師である兄のもとには、生徒も多い。 ろくな知識もない己が、交わされる議論の邪魔をするのも憚られ、傍らで聞くに徹するばかりだったが。]
……え、進くんを?
あぁそれは、僕は全然構わないけど。
[兄が、進を家に泊めるというなら、別に厭う理由はない。*]
(231) 2017/11/29(Wed) 00時半頃
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[耳と目は良い。 けれど、間が悪い。頭も悪い。 人を見極める目もない。
そんな私は、集会所を抜け出し、神社の自室に戻って ひとり、書をしたためる。 昨日>>290書いたものに加えて、もう一枚。
「下手人は進である」と記した紙を添えて、 再び机の下に隠した。
それは、万が一、私が躊躇いを捨てきれなかった時の為。 彼を道連れにすること叶わなかった時の為。]
(232) 2017/11/29(Wed) 00時半頃
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[神様、どうかお願いします。 今までは、叶えてくれたこともなかった神様へ祈る。
私はどうなってもいい。 ですから、どうか、ゆりが――巫女様を お守りください。
そうして、袂に短刀を忍ばせた私は、 ふらり、夜の闇に消える。彼の姿を求めて。*]
(233) 2017/11/29(Wed) 00時半頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2017/11/29(Wed) 00時半頃
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[水場にいたのは容だけではなく 丞さんの姿もまたあった。
話の途中で意味は分からないが、 振られた拍子に思わず、ああ、と頷いて>>219]
今、適当に頷いたけど何の話だ?
[豆鉄砲を食らったように2人を交互に見つめても 答えはやはりもらえないのだろう。 こんなところは母子そろって似ていると 感じたのだから末期だろう]
(234) 2017/11/29(Wed) 00時半頃
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――>>221>>222――
うっう…… ヒック…… ごめんなさぁ……い‥…
[声色が砕けた慰めの言葉にコクコクと頷きながら謝罪を繰り返し、擦ってくれるままに彼女に寄りかかって体勢は泣き崩れていく。 しかし心の中ではまた確信の疑惑がポツリ芽を出して、儀式の言葉がまた志乃の心を闇に包ませる。] うっうう…… ゆり姉ぇ‥…・
(儀式が……終われば……?)
[下手人探しのこの騒動が終わればではないのだろうか。 愛理を含めた騒動を括って「儀式」と言っているのだろうか。 些細な疑惑に苛まれて思い出すのは儀式を行った理由。]
(235) 2017/11/29(Wed) 00時半頃
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[孕んでもいいはずなのに子供が出来なかった嫉妬や食欲がやはり理由なのだろうか。 殺された愛理も女、女性を選ばれたのも殺されたのも偶然なのだろうか。 そっと泣きながら、視線を櫻子の顔へと向けると辛い気持ちになるのを抑えてゆりに呟いた。]
うん‥…私も "弔いたい" 一昨日から何も食べてないの…… 心臓は…‥まだ残ってる?
[そこにある頭を食べるとは言わない。彼女にそれはないかと確認するように志乃は静かに聞いた。隙を見て櫻子の脳髄にトリカブトを盛るために……*]
(236) 2017/11/29(Wed) 00時半頃
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(ゆりは、立派な巫女様で) (私の、自慢の妹だよ)
[頭の中で姉の言葉を反芻する。>>176 それを聞いたときは嬉しくて嬉しくて、 泣き崩れてしまいそうになってしまった。
私は、姉の自慢の妹であらねばならない。
大好きな大好きな私の姉さん。 姉から、巫女としての立場を奪った。 居場所を奪った。
――だからこれは、きっとその罰なのだ*]
(237) 2017/11/29(Wed) 00時半頃
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彼女自身も認めたのですね。 巫女様が容疑者だなんて 前代未聞の出来事ではありませんか?
妄信せぬように 彼女はただの女である、と 翁はもしかしたら、そう仰いたかったのでは。
[>>224石動の言葉に畳みかける。 思考を持つ人間であれば、己の言葉に耳を貸してくれるだろう 考える事を放棄した家畜ならば、仕方ない 処分してしまおう]
―――心中をお察しする事は出来ませんが 先生をお慰めすることは出来ますよ。 錠さんと一緒に。
(238) 2017/11/29(Wed) 00時半頃
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―宴間―
有難うございます、錠さんも。 ……お手伝い出来る事、僕にあったら言ってくださいね。
一泊の恩、しっかり返させて貰います。
[ほっとした。 これで自分に刃は向けられまいと。 嬉しそうな貌で、錠>>231にお礼を告げて]
今宵も江津子さんとリツさんは見回りに出るそうですから、皆さんの安全は保障出来るでしょう。
僕はお二方の傍らで護衛につきましょう。 安心してお休みください。
[当然、彼らの身に何があろうはずもない。 今宵ススムは、動かないのだから*]
(239) 2017/11/29(Wed) 00時半頃
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なんてことねぇ、 約束の話だ
[忘れてしまっても良かった約束。 容の背中を見送ってからようやく、それを「今」口にした意味を考える。
雑巾から絞った水が流れていく。 濁ったそれも、櫻子の欠片だ。 上からさらに水を流せば、黒い筋は消えていく。 明日もまた、同じように誰かの欠片を流すのだろうか]
(240) 2017/11/29(Wed) 00時半頃
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[だが落ち着かない俺だからこそ 何か違和感を感じてしまう。 一気に少女から大人の女性に成長したような。 背伸びしたままのような後ろ姿>>220
去りそうになる背中に揺れる同じ髪。 確かめたくて思わずその腕に手を伸ばす。
捕まえられたら、そのまま引き寄せて。 一度抱きしめられるなら、抱きしめようと]
(241) 2017/11/29(Wed) 00時半頃
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―囲炉裏端―
[白湯を啜りながら、ゆりとの会話>>226>>228を思い出す 歪んだ笑顔、迷い、震えていた唇こと 可能であれば、抱きしめてあげたかったが 周囲の視線もあったかもしれない 恐れ多くも巫女に対して、そんなことはできないけれど 深々と礼を去ることしかできなかったけれど]
誰かが傍にいてあげたなら――――
[櫻子に伝えた言葉を思い出す>>1:191 あの表情を見せられる誰かが、近くにいたならば 儀式のありようも、変わっていたのかもしれない]
(242) 2017/11/29(Wed) 00時半頃
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汝、隣人を愛せよ――――
[懐かしい一節を思い出し、口ずさむ 変わっていたかもしれないではなく、 変わっていくのはこれからだ
白湯を飲み干し、邪魔したことを詫びたなら、 江津子はその場を立ち去ろうとしたことだろう*]
(243) 2017/11/29(Wed) 00時半頃
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[ふと「逆縁」という言葉が浮かんだ。 親子の関係が希薄なこの村で、若い者もよく死ぬこの村で、そんな言葉をどこで聞いたのだったか。
―――何度も、何度も雑巾を絞った。 冷たい水は、刃研ぎにも使うから慣れ親しんだはずなのに、力を込めすぎたのか、この冬初めて、あかぎれが血をにじませた*]
(244) 2017/11/29(Wed) 00時半頃
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真剣師 鬼丞は、メモを貼った。
2017/11/29(Wed) 00時半頃
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容……悪い。 なんか、俺変かもな。
[だが抱きしめても、呼び止めても、何を言うべきか判らない。 ただ彷徨う手の行き場を求めて自分の髪を 掻くだけで、見送ってしまうのだろう*]
(245) 2017/11/29(Wed) 00時半頃
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―― 集会所:廊下 ――
[今宵「儀式」が行われることは、男の知る限りではなかった。 「儀式」――それに関する話が>>155>>136姉妹の間で、 そして見届け人に告げられたのみであれば、なおのこと。
廊下に背を預け、冷めていく肉の塊をみて 続く会話のあらんを聞くとはなしに耳にして]
――…… なに、 どうせ また生まれるだろうに
[食えば命は巡る。命は食らわれ、蛇の腹のなか。 脈々と波打つ輪廻の輪に溶ける。 だから、「儀式」を、殺されるを厭う村人は多くはない。
吐き捨てた言葉に色はなく、ぽつねんと、 疑念の落ちるようにおち]
(246) 2017/11/29(Wed) 00時半頃
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……ええ、心の臓ね。 まだ残っているわよ。
[志乃の言葉に頷く。 肉の削ぎ落されたあばら骨の向こうに、 櫻子の心臓が見えた。 包丁でざくりと腱を断ち切り、心臓を取り出す]
お野菜でこんなに飾られて。 櫻子、とても可愛いでしょう?
[志乃の真意を、私が見抜くことはない]
(247) 2017/11/29(Wed) 01時頃
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この村に生まれたからには、 誰しもがこんな最期を迎えたいものね。 ……幸せな子だわ。
[皿に取り出した櫻子の心臓を、志乃に差し出した]
さあ、共に弔いましょう。*
(248) 2017/11/29(Wed) 01時頃
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は、はぁ。 『約束』ですか。
[意味深な会話の正体は丞さんからもたらされたが>>240 それは益々混乱を招くことになる。
2人だけの約束に何故俺が巻き込まれるのか。 そして約束の意味は何なのか。
だが何も変わらぬ、日常の様子の様に 雑巾を絞る丞さんにそれ以上問うのは憚られ。 まさに狐か狸に化かされたような男が1人、 水場に残されることになるのだろうか]
(249) 2017/11/29(Wed) 01時頃
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翁も何を考えているのか。 巫女を疑えなどというのは我々にとっては天地がひっくり返る程の思考の転換が必要だというのに。
だがまあ、容疑者の一人である事は認識出来た。 妄信してしまわぬよう、よくよく彼女を見なくては。
[言いながらもじくじくと痛む胸がある。 先代の巫女はこの子は立派な巫女になるとそう言った。 だからゆりは立派な巫女でなければならず。 未熟であってはならない。 立派な巫女として務めを果たし、村を導き、優しく抱擁し。 全ては村の為に生きて行く存在でなければならない。]
(250) 2017/11/29(Wed) 01時頃
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[だが、そうである必要は本当にあるのだろうか。 あれは先代ではない。 先代が生んだ憎い娘であり、先代とは別の生き物だ。
ならば彼女が巫女でなくともいいのではないか。 ならば彼女を下手人として殺してもいいのではないか。
村を壊して弟と外に出て、私は私の好きなように死ぬ。 その為ならば。]
慰め? 君が誰かを慰めるというのはあまり想像がつかないな。
[僅かばかりの情がちりちりと焦げ付いているけど。 それには見ない振りをして話を切り上げた**]
(251) 2017/11/29(Wed) 01時頃
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[村の因習を疑う知恵は娘にはなく、盲信するそれさえなく、娘はただ、生けるように生けるばかりであった]
[知能の乏しい人間の、
幸福の可否を問うは難しく、
そも、足りていたとて、難しいのだ]
[娘は何も知らず、何も裁かず、]
[ただ、その最期には、
しあわせだ、
と、
思っていた]
[それは、他者が何を思おうと、変わらない、神の裁定が下るでもない、ただ一つの、原始的で、絶対なる、
結論、*だった*]
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うん、僕はいっこうに構わないよ。 それに一泊の恩っていうのなら、君にはもう散々世話になってるし。
[>>239なにも気にすることはないと、軽く笑って手をひらめかす。 ただ、若干の引っ掛かりは、ぬぐえない。
容がなぜ、進を「儀式」の対象としたのか。 しかしそれなら、ゆりが櫻子をそうした理由だって、わからない。 動けぬ身では、気付けることも限られる。
……進が、同じ屋根の下にくるのであれば、自分にも、何か気付けることがあるだろうか。 そんなささやかな期待も、ある。*]
(252) 2017/11/29(Wed) 01時頃
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