251 【誰歓RP】鬼渡し
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[手の中の煙草が抜き取られる。 ぽかんとそれを目で追って。 再び戻ってきた煙草に、辰次の顔と煙草を交互に見る。]
――辰っちゃん!
[思わず目が潤む。]
だって煙草なんて吸った事ないんだもの。
[目の前の辰次は、煙草の火一つ付けられない櫻子を見かねて出てきてくれたのだ。 近くで見たその顔は櫻子が良く知る辰次のもので。]
(62) 2016/07/20(Wed) 22時半頃
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良かった辰っちゃん。 元に戻ったのね。
[あんな怖い笑みを浮かべていたのはきっと自分の気のせいだったのだ。]
辰っちゃんにあげようと思ったの。 煙草好きでしょう? 鬼渡しはもう終わりにして――みんなで、帰ろう?
[それは懇願。 しかし、それでも辰次に触れられないのは、どこかで知っていたからだろう。 辰次がオニであることを。]*
(63) 2016/07/20(Wed) 22時半頃
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ケイイチは、櫻子との距離は縮まっているかもしれない。
2016/07/20(Wed) 22時半頃
看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2016/07/20(Wed) 22時半頃
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[風が煙草の匂いを運んでくる。 正しく風下から目標に近づいているようだ。]
ニコチンは嫌いだ。 猛毒だぞ。
[口をへのじに曲げながら、物陰から様子を伺う。]
(64) 2016/07/20(Wed) 23時頃
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うん…帰る、方法
[ 口にすれば口にするだけ、理想が遠のく気がして。目にたまる水分を瞬きで無理やり散らす 晶くんは下を向いてるから、私の散らした水もきっとばれないはず
なんでこんなことになったのか
そんなぼやきに返す答えなんてあるはずなくて。「なんでだろうね」なんて、私も問いで返す ]
ねぇ、晶くん 帰ったらみんなで辰次さんの用意した よく冷えたスイカ食べよう それと、花火もしよう
あと、街の話を櫻子ちゃんにいっぱい聞かせてあげるの
[ 当たり前に来ると思っていた現実。なのに、今行ってみると、まるで夢物語のように聞こえて それでも下を向くことはしない。周りをしっかり見ておかないと、危ないから ]*
(65) 2016/07/20(Wed) 23時頃
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煙草、やめてくれよ。
[鬼の面の下で鋭い目つきを下げて櫻子を捉える。]
本当は別に吸いたくて吸ってるわけじゃねぇ。 こんなもんとっくのとうにやめたんだ。
[余計なことを言わないために、口に押し込んでただけなんだから。]
でもな、もう必要ねんだよ。こんなもん。 止まらねぇンだよ。 寂しい気持ちが。情けねぇと思われっかもしんねっけど…。
でも、もう我慢したくねんだ。 もう寂しいのも辛いのも。
(66) 2016/07/20(Wed) 23時頃
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[「元に戻った」そういう櫻子の何と愚かなことよ。 この少女は決して自分に触れない、否触れられないのだ。 信じたい、その痛いほどの気持ちが愛おしくて
滑稽でたまらない。]
(67) 2016/07/20(Wed) 23時頃
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[辰次の顔はすぐに鬼面に隠されてしまった。 けれど続いた台詞は、ひどく人間らしく、辰次らしくて、泣き笑いみたいな顔になった。]
そうよ。 皆体に悪いからやめなさいって言ってたのに、ようやくやめるのね。 亡くなられた七尾のおじい様も安心されるわ。
[死ぬ間際まで心配していた。 なのに、葬儀の間も辰次は忙しなく働いていて。]
情けなくない。 きっと辰っちゃん、ちょっと疲れたのよ。 ずっと忙しかったもの。
[泣いたのだろうか。 櫻子はその姿を見ていないけれど、誰かが辰次を泣かせてあげていたのだろうか。]
(68) 2016/07/20(Wed) 23時頃
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[にこり、静かに微笑む。]
だからさ……。
[ああ、駄目だ。抑えきれない。
端正に整えた弓なりが歪んで吊り上がる。] 抱きしめても…いっかね?
[もうすぐ願いが叶うと思うと頬が緩むのを抑えられない。]
(69) 2016/07/20(Wed) 23時頃
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[目を細めてみたけれど、ちょうど、間に拝殿があって、向こう側がよく見えない。 背を屈めてスルスルと拝殿まで行くと、膝をついて拝殿の床下に潜り込んだ。
そこは静かでひんやりとしている。]
いい環境だね。
[そのまま匍匐前進で這ってゆく。
上半身裸だが、地面に腹這いになることを少しも厭いはしない。 まさしくフィールド研究者たる所以。]
(70) 2016/07/20(Wed) 23時頃
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あー……うん。
[スイカに花火。夏まっさかり。>>65 本当に出来るか、いつもの明日が来るかはわからないけど、さすがに智花が自分を元気づけようとしてくれているのが伝わってきて、ようやく顔をあげた。]
かき氷も食べたいなあ。 アイスもいいんだけど、あっついときは氷だよな。 辰おじにはホースで水かけてやろう。
[から元気を撒いて。 ふと、オニの行方が気になった。]
実代子姉ちゃんたち、大丈夫かな? あっちも逃げきってるといいんだけど。 あと、いきなりこっちにもバーンと出てきたり……は、しないよな?
[周囲をいまさら見回した。]
(71) 2016/07/20(Wed) 23時頃
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[私の視線がさくちゃんの目にどう映っていたのか。すぐに分かった。 目が合った、彼女の瞳は何処か泣き出しそうな色をしていて。 彼女の口からこぼれてきたのは、悲痛な声。]
なっ……!
[それは、極限状態が引き出した彼女の本音だったのだろうか。張り詰めていた彼女の糸を、私が切ってしまったのだろうか? 彼女が引いた言葉の矢が、私に突き刺さる。]
……知ったような口、聞かないでよ……。
[堪えていたものが、ついに吹き出してしまった。 都会に夢を見ていた自分。田舎が嫌で、この村で一番死んでいくのが嫌で、都会に逃げた自分。都会に飲み込まれて、惨めに逃げ帰ってきた自分。 自分で自分のことが嫌いで仕方ないのに、そんな私のことを、さくちゃんは慕ってくれて、きらきらした真っ直ぐな瞳で突き刺してくる。今だって。 刺された傷はじくじくと広がって、痛みを増す。 こんなことで言い争いをしている場合じゃないって、分かっているはずなのに。]
(72) 2016/07/20(Wed) 23時頃
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[人目につかないよう、あまり端までは出ない。 低い位置に制限された視界に、立ち会う者の膝から下がかろうじて見えた。]
近い、 近いぞ。 二人の間合いが。
[エドワード・ホールあるいは西出和彦のパーソナルスペース論理を思い出しながら、重ねた手の上に顎を乗せた。]
(73) 2016/07/20(Wed) 23時頃
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我慢しなくていいよ。 ちょっとだけ、そう、ちょっとだけ休憩しよう?
[煙草を吸うために少しだけずらされた鬼面の下から、静かな微笑みが見えた。>>69]
辰っちゃん――?
[辰次の滅多にない弱音。 それが辰次の本心であれば、抱き締めてあげるべきなのだ。]
――…うん。
[頷く。 恩返しをすると言った。 これだけ辰次が苦しんでいるのに、それなのにどうして手の震えが止まらないのだろう。 辰次の方になかなか伸ばせぬ手を、理性で抑えつけて答えようとするも。
慶一の存在にはまだ気付かない。>>73]*
(74) 2016/07/20(Wed) 23時頃
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ケイイチは、櫻子の足を眺めながら、休眠中のカタツムリのように静かにしている。
2016/07/20(Wed) 23時頃
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[辰っちゃんを呼んでくる、と彼女は言った。それはあまりにも無謀な言葉。 彼女の瞳は覚悟を決めてしまった者の色をしていて。良い方向に向かうとは到底思えないそれに、仕向けてしまった理由の一つは間違いなく自分だ。
止めなきゃ、と思った。 もしさくちゃんと今の辰次おじちゃんが出会ったとして、それは私たちの知る彼ではないのだ。そんなことは彼女だって分かっているはずなのに。 離れていくさくちゃんの影。止めようとして伸ばした手は、しかし彼女の体を捉えることなく地に落ちる。]
(なんて声をかければいいんだろう)
[彼女を追い詰めてしまった、この私が。 伸ばしたその手で顔を覆った。]
(75) 2016/07/20(Wed) 23時半頃
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――少し前の拝殿――
[櫻子が投げた言葉に返ってきた実代子の言葉。>>72 でもそれは櫻子の言葉でもある。]
なら話して! 言ってよ…みょんちゃんの気持ちを聞かせて…。
[辰次は実代子が落ち込んでいると言っていた。>>0:71 小娘でしかない櫻子は、言ってくれないとわからないのだ。]
辰っちゃんも心配してた。 ね、早く優しい辰っちゃんに戻って貰わないと…。
[どうやって戻せばいいのかわからない。 明日香の時と同じく、鬼面を前にしたら怯えてしまうだろう。 それでも、辰次を必要としている人がここにもいるのだから。
そして、櫻子は社務所の方へと走り出す。 辰次に会うために。]*
(76) 2016/07/20(Wed) 23時半頃
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そうだなぁ…。 親父にもよう言われたっけね。
[亡くなった、と言う言葉には面の下で目を伏せて。>>68
更に言葉を重ねて>>74 この年端もいかぬ少女が今自分のことを慰めようよしている。それが有難くて、滑稽で。]
そうだなあ…疲れたかもなぁ。 気持ちだけ馬鹿に張り詰めて。
[捕らえた。 心も。
そしてこれから身体も。]
(77) 2016/07/20(Wed) 23時半頃
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[まだ火のついた煙草を櫻子に持たせるのはしっかりと抱きしめられるように。
寝間着にする薄い着物越しに少女の温かい身体に腕を回して上体を密着させる。風呂上がりの良い匂いが髪から香る。しっとりと濡れた髪は半乾き故か汗故か。
胸に、腕にすっぽり収まる少女の身体は小さくこわばり、心の臓は自分よりもずっと早く駆け巡る。 トクトクとなる鼓動に耳を寄せるように首元に顔をうずめ
そして囁く。]
捕まえた。
(78) 2016/07/20(Wed) 23時半頃
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[行く先、行く先。大人が懐中電灯を持って歩いていた。
どうやら誰かがいなくなったらしい。皆で探しているようだ。
そして、それは自分でないことは痛いほどよくわかった。
どうして、知らない顔しかないのだろう。
こんなに狭い村なのだ。知らない顔などないはずなのに。
自分に奇異の目を向ける顔は、どれもこれも知らない顔。
誰かどこかに知り合いは。
家を探していた少女は、徐々に見知った顔を探し始める。]
どこにいるっけさ……!
[会う人会う人、誰も知らないことが、少女の不安を掻き立てる。
どこにいるの?]
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[捕まった。
まだ躊躇していた手ごと。 震えた手は、しかし裏腹に煙草だけはしっかりと掴んでいた。 辰次はもういらないと言っていたけれど、
オニは、火を、怖がると思っていたから。]
(79) 2016/07/20(Wed) 23時半頃
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嫌だ!
[顔を恐怖に歪め、叫びながら駆ける。
やっと帰ってこれたと思ったのに、よく知ってるようで全然知らない場所なんて。
あんな寂しい場所より、よっぽど怖い。
なんて酷い、悪夢のような夢の続き。]
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[そんな櫻子の僅かな知識など何の役にも立たなかったのだ。 抱き留められ、胸が早鐘の様に鳴る。 それは情ではなく、恐怖から。
ほら、耳元で囁きが聞こえた。>>78
ああ、オニが移ってしまう。]
(80) 2016/07/20(Wed) 23時半頃
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[気持ちを話してほしい、とさくちゃんは言った。 私の心の中で、色んなものがぐるぐると渦巻いている。 話してもいいのだろうか?惨めな自分のことを。 本当は分かっている。何をさらけ出したって、さくちゃんは私のことを笑ったりなんかしない。つまらない意地を張っているのは私の方だ。 なのに。]
……私は、さくちゃんが思ってるような、立派な人間なんかじゃないよ。
[彼女の瞳は見れないまま、そう呟いて。 自分の前から走り去る足音をただ聞いていた。]
(81) 2016/07/21(Thu) 00時頃
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喧嘩屋 辰次は、メモを貼った。
2016/07/21(Thu) 00時頃
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隠れてるほうが安全だろうだけど…
[落ち着かなくてそわそわする。 残りの三人が気になるのもあるし、オニが突然現れたりしないかという怖さ。神出鬼没なんて言葉もあるくらいだし。
隠れていることもまた、精神的な戦いなのだと実感中。]
(82) 2016/07/21(Thu) 00時頃
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看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2016/07/21(Thu) 00時頃
―隠神社―
[一通り村を周り、戻ってきたのは以前と変わらない隠神社。
鳥居の傍に行けば、柱に頭を打ち付けた。]
目ェ覚めれ!
[ここは現実じゃない。夢だと思っているから。
痛みを与えれば目が覚めるのではないかと思って。
何度も何度も打ち付ける。]
覚めれ! 覚めれェ……!
[叫ぶ声は段々涙声に変わり、やがて打ち付ける元気もなくなって。
とうとう鳥居の足元にへたり込んで泣き始めた。]
帰りてぇよ! 皆のとこ帰りてぇよお……!
[どうしてこうなってしまったのか。
自分を待つだろう、皆の所へ帰りたかっただけなのに。
泣けば、もしかしたら誰か知ってる人が声を駆けてくれるんじゃないかと僅かばかり期待して。
でもわんわんと泣いても、誰も手を伸ばしてくれず。声も掛けられず。
ここは現実で別の場所なのだ、と認知せざるを得なかった。*]
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辰っちゃん――…。
[恐怖から名を呼んだのに。
次の刹那、辰次の腕の感触が消えた。 視界も失われる。
まるで、辰次が消え失せたように。 まるで、何かに覆われたように。]
(83) 2016/07/21(Thu) 00時頃
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もう、寂しくないよ――…。
(84) 2016/07/21(Thu) 00時頃
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[鬼面に覆われた櫻子の顔は外からは見えまい。 それでもその声は、どこか、弾んでいた。]*
(85) 2016/07/21(Thu) 00時頃
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[きつく抱きしめたその腕は緩むことはなく、その態勢のまま 男の身体は粒子となっていく。 空気に溶けるように消えていった頃にはその抱きしめられている感触も消えるだろう。]
櫻子、勘弁。
[そう言う辰次の顔にもう鬼の面はなかった**]
(86) 2016/07/21(Thu) 00時頃
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