158 雪の夜に
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人
狼
墓
少
霊
全
ソフィアに1人が投票した。
ハナに5人が投票した。
ハナは村人の手により処刑された。
時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
ヒューが無残な姿で発見された。
現在の生存者は、ソフィア、パピヨン、セレスト、ヤニクの4名。
|
[傍で聞こえていた男の声が途切れる。>>4:125 ふと、ヒューの方を見たのと どさりと男の体が雪の中に倒れたのは同時だった。
辺りが、またどよめく。 倒れたヒューを診療所へと運ぶ為に人々が動いた。 ハナもまた、連れていかれる。
女はどこか、夢でも見ているかのように呆けて その一部始終をただただ見つめていた。
人狼の子供が連れていかれると人々はその場から捌けていく。 これで騒ぎは終わりか。 子供が一夜に2人も襲えるものか、 他に仲間がいるのではないか。 ざわざわ、ざわざわと新たな噂話を潜めきあいながら。]
(0) 2013/12/28(Sat) 01時頃
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『――捕まえたぞ!』
(1) 2013/12/28(Sat) 01時頃
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― 診療所近く ―
[誰かの声が上がった。 呼応して、おお、と周囲がどよめいた。]
『人狼め』 『観念しろ』 『化け物!』
[気を失った幼い人狼を槍玉に、異様な温度が伝染する。
中には、年端もいかない子供に気の毒そうな顔をする者も 少なからずあったのだろうが―― それは容易く埋もれてゆくもの。]
(2) 2013/12/28(Sat) 01時頃
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[診療所から医者を連れて来たのは、もしかしたら ヒューやセレストの危険を知ったソフィアだったかも知れない。 失血した怪我人が診療所へ運ばれるのを見送る。]
[跳ねる砂金の髪を乱雑に手で梳く。 目を閉じて、息を吸い、干る潮騒を聞いていた。]
(3) 2013/12/28(Sat) 01時半頃
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ヤニクは、よいせ、と軽い掛け声で立ち上がる。
2013/12/28(Sat) 01時半頃
[町長は、報告を済ました声で聞く]
ああ、痛めつけたのか。
それもよくない。
子どもを痛め付けるのはな。
やったやつはあとから罰しろ。
いいな、その子は人狼なんかではない。
[町長の笑みは、もちろん、その人狼であろう少女を、
上手に飼うためのものだ。
だから、子どもを虐待した自警団は、のちほど裏金とともに、町の外へ出るように言われるだろう]
7歳、そんな幼い子を人狼呼ばわりするようなやつがいるのは、はずかしいこととは思わないかい?
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……あんた。 おい、セレスト!
[呆然としている女の肩を揺する。 眉を寄せて、青鉄がその顔を窺った。]
しっかりしろ。 ……それとも、どっか痛むのか。
[それは、立てないのか、という問いのようなもの。]
(4) 2013/12/28(Sat) 01時半頃
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その子には暖かい毛布と、
甘いココアを。
悴んだ手には薬を塗ってお上げ、
髪は綺麗に梳いてやるといい。
寂しがっているのなら、絵本を。
腹を空かしているのならば、
彼女の望むものを。
[町長は窓の外から、船を遠目に見つめながら**]
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[男は、ヒューは人狼と、ハナと話そうとしていた。 少女を、人狼を庇おうとしていた。 ヒューは悪くない。 ならどうして、こうなってしまったのだろうか。]
―――…、
[呆けていたら、>>4 肩を揺すられた。 ぼんやりと瞬いてヤニクの顔を見上げる。 痛み、それには首を横に振った。 もしかしたら少女の抵抗による傷があったのかもしれないけれど、きっとそう深いものではない。
何が悪かったのか。 少女はどうしてあんな仕打ちを受けてしまった、 ヒューが運ばれるのが遅くなったのは誰のせいだ。 群衆に気付くように、大きな声をあげたのは]
……あたしのせいだ…。
[片手で顔を覆って呟いて。]
(5) 2013/12/28(Sat) 01時半頃
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[それから、ゆっくりと立ち上がる。 自分の姿を見下ろして]
…にいさんの上着まで汚しちまった。
[洗って、どうにかなるだろうか。 呟いてから視線は診療所へ向けられる。]
(6) 2013/12/28(Sat) 01時半頃
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― 牢屋 ―
[冷たい石と鉄に囲まれた部屋に乱暴に放り込まれ、少女は目を覚ましました。
女将さんや、雑貨屋のお爺さんと同じ部屋ではありません。
投獄という性質上、容疑者を同じ場所へ入れるわけにはいかないのでしょう。
もしくは、人狼容疑と人狼は一緒にできないとか。]
[少女はみずからのちいさな体を抱きしめて、震える眼であたりを見渡します。
ほそい腕に見合わぬ枷が手足に張り付き、少女の自由を奪っていました。
看守と思しき男が憎々しげに、少女の矮躯を見下ろします。
およそその目は、人間を、子どもを見る目ではありませんでした。
『いっちょう手足も奪っちまうか』
『そうすれば抵抗もされない』
『顎を外せ』
『腱を切ればいい』
『だるまにして吊ってしまえばいい』
聞こえてくるのはおそろしい言葉ばかり。
けれど少女は、小さく身を縮めることしか出来ません。]
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服は洗や良い。替えだって利く。
[得意だろ、という言外の視線。]
["誰かのせい"を否定する事はしなかった。 相応に人波の退いた辺りを見遣れば、 喪服の女の姿は、まだそこにあったろうか。]
(7) 2013/12/28(Sat) 02時頃
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[暴力と憎しみに突き動かされた男たちが、ハナを害そうとするそのとき、別の男がやってきました。
上位とみられるその男はしばしのやりとりのあと、看守の男たちと入れ替わって少女の近くへと就きました。]
[先とは打って変わった猫なで声でハナをうかがうその姿は、先の男たちよりもよほど、そらおそろしいものに見えていたのです。**]
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……そうさね。 悪いね、にいさん。 もうちょい借りとくよ…。
[ヤニクに、肯定の返事を返す。 ハナは診療所ではなく自警団に連れて行かれたのだろう。]
…あの子、どうなっちまうんだろう…。
[おざなりな処刑台がこの町にはある。 自警団は、小さな子供にどのような判断を下すのか。]
――…どうすりゃ、よかったんだろうね…。
(8) 2013/12/28(Sat) 02時頃
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さぁな。
けど、誰が何をどうやったって、多分こうなったし、 どうすりゃ良かったか解ったところで、次がある訳でもない。
結果も変わりゃしねぇ。
[二人が喰い殺され、二人が深手を負っている。 その全てが子供の手によるものではないとしても、 その罪状を、町の人間が軽く見る事はないだろう。]
(9) 2013/12/28(Sat) 02時頃
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[女はその光景から目を逸らし続けて。 ただ、診療所へと運ばれていく青年の傍らにより、 その手でやわと彼の頬を撫でていった。
――ごめんなさいね。
囁く声は低く掠れた]
(10) 2013/12/28(Sat) 02時頃
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……ま、とにかくだ。 んな顔してたら、あいつらが心配するぜ?
[にっこと笑んで、首を傾げて見せる。]
あぁ、気が抜けたら腹減ったわ……
(11) 2013/12/28(Sat) 02時頃
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[ふつ、と、声が出なくなった。
喉を、熱い息がざらざら撫でていく。
それを最後に、息がきれ、上手く呼吸ができず、心臓が脈うつのへ違和感を覚えた。
「人狼め」「観念しろ」「化け物」
本来耳障りな筈のそういった大声が、遠くて聞こえ難い。]
……、……
[体の力が抜けた。
とうとう、体を起こしていることを諦め、雪のなかへ倒れ込んだ。
見えるか見えないか程度の随分悪くなった視界で、切り裂かれた手を見ていた。
これは、治るのだろうか?]
[ヒューが倒れ、セレストがそちらを振り向いた。
ヒューには、その表情は、よく見えなかった。
目を閉じる。]
[――なあ、それは…、
――あたしが聞いててもいい話かい?
――…話してくれるんならいいんだけどね。
――あんたらの知ってること…。]
[知りゃしねえよ。
どうすりゃいいのか、わからないで、一年経っただけなんだ。]
|
……そうだろうか。 …いや、そうなのかもね。
[ヤニクの言葉を一度否定し、それから、肯定する。 一度頭を冷やした方がいいのは女の方なのだろう。 ゆっくりと息をついて、ヤニクの方を見る。 >>11 微笑まれると、 少しぎょっとしたように目を丸くした。]
…にいさん、よく笑ってられるね…。
[流石に女もそこまで早くは切り替えられない。 少女が、友達が、連れて行かれた後だというのに。]
(12) 2013/12/28(Sat) 02時半頃
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[>>7 視線の先、 女は既にこの場から、立ち去ろうとしていた。 少女を押さえ込んでいた船の女を一度見やる。
不憫に感じながらも、 責めたくなるような思いもある、 矛盾は常に己の中にあり、 女を身動き取れなくされるものだ。
言葉は何も出てこない。]
(13) 2013/12/28(Sat) 02時半頃
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薄情者なんで。
[嘯いた。
唇は弧を描き、それとは温度の違う瞳を緩く細めている。 自警団の男達が去った方を流し見る、一瞬の零下。]
(14) 2013/12/28(Sat) 02時半頃
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[辺りには人が寄り、ヒューは診療所へと運ばれていく。
半分手放したような意識のなか、誰かに、頬を撫でられたのが、分かった。
いや、誰が頬をなでたのかも、何となく見当がついていた。]
――……
[――ごめんなさいね。
何故謝られているのだろうか。
それは、ヒューには分からなかった。
「どうして」と尋ねようとしたが、それは声には、ならなかった。]
|
[人間を襲い、死に至らしめた者を前にして、 怒り、憎む事が当然なのか。
あるいは、喰い殺され、喰い裂かれた者達を横にして、 人狼とは言え、小さな子供が可哀想だ―― と言うのが人間らしいのか。
良く解らなかった。]
(15) 2013/12/28(Sat) 02時半頃
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寡婦 パピヨンは、メモを貼った。
2013/12/28(Sat) 02時半頃
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――……、
[温度の異なる唇の笑みと青鉄の瞳。 それを見つめて――…女はゆっくりと瞬いた。]
あたしは…、 にいさんを薄情だなんて思いたくないけれどね。
…これの礼もあるし、
[汚れた、赤い外套を広げて]
さっきまでのにいさんを見て…、 薄情だとは、思えないさ。
[緩く、息をつく。]
(16) 2013/12/28(Sat) 02時半頃
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何か、話か?
[こちらを、恐らくセレストを見たのだろう女に、一言。>>13 この間、宿の前で見た者と同一人物だ。 風で帽子が飛び、慌てて去って行ったのを覚えている。]
(17) 2013/12/28(Sat) 02時半頃
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そりゃあ……
[買い被られたもんだな、とまでは声にしないが。 思わず、笑みが苦笑に崩れた。]
(18) 2013/12/28(Sat) 02時半頃
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[さむいなあ。
最初の3音を、乾いた唇がなぞろうとする。
遠のく意識のなかで、慣れた診療所のにおいを嗅いで
*ああ、まただ、と、自分自身に呆れていた。*]
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[ヤニクが、喪服姿の女性に話しかける。 自分が見られていたなんて女は気付かない。 少しの間、喪服の女性が話すのを待って、 苦笑いを零す男を見る。視線を雪へと落とす。 点々と赤い華が雪の上へと散っている。]
……ヤニクはこのまま宿に戻るかい?
[腹が空いたと言っていたから、そう訊いて]
(19) 2013/12/28(Sat) 02時半頃
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ヤニクは、セレストに、そうするかなぁ、と呟いた。
2013/12/28(Sat) 03時頃
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そうか。 …なら、宿のことはにいさんに頼んでいいかね。
あたしは…、 ちょいと自警団に行ってくるよ。
[診療所ではなく、 ハナの連れていかれた自警団のある方角を見て]
…今更、 あたしなんかが行ってどうすんだって話だけど。
(20) 2013/12/28(Sat) 03時頃
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まぁ、頼まれたって、大して何か出来る訳じゃねぇけど……
[火事場泥よけくらいか。ちょっと眉を寄せて見せる。 自警団に向かうと言うセレストを止めはしないが、 軽い忠告は寄越す。]
あんまり肩入れすると、後でしこりが残るぜ。
[港町に大きな船は上客と呼んで差支えないだろうが、 セレストは大勢の船乗りの内の一人でしかない。
町の人間に不愉快を与えて立場が悪くなれば、 (人狼の仲間に見なされないまでも) 仕事に障るのではないか、という想像をしていた。]
(21) 2013/12/28(Sat) 03時頃
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……そんな風に見えたかしら?
[>>17 問われた言葉に首を傾けた。 質問に問いかけで返して、女は向かうのは自警団だ。 容疑者に会うことは、出来るのか。 ――それが可能でなければ、 札の束でも持って、出直してくればいいだろう。]
(22) 2013/12/28(Sat) 03時頃
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パピヨンは、雪の上、迷うこtなく、歩みを進めた*
2013/12/28(Sat) 03時頃
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いや、何となくな。 勘違いなら良いんだ。
[何をするでもなく見送って、踵を返す。 気付けばあちこち、打ち身だか擦り傷だかで痛んだ。]
(23) 2013/12/28(Sat) 03時頃
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[ハナをその場で私刑にせずに連れて行ったと言う事は、 恐らく下準備の上での何かをやるつもりなのだろう。
例えば、人狼なる者が公衆の面前で処刑されるなどして、 害悪は去ったと大々的に公表されれば、 町の封鎖も解かれるものと思われた。]
(24) 2013/12/28(Sat) 03時半頃
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[――なので、まずやるべき事は、 宿に置いてある荷物をまとめる所からだ。**]
(25) 2013/12/28(Sat) 03時半頃
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[泥棒よけ、その言葉に女は騒動の後 初めて瞳を細めて微かに笑ってみせ]
充分にお役立ちさね。
[向けられる忠告、そうだろうとは思う。 それがなくとも、女は自警団に捕えられて 素性を調べられてしまえば少々困ることになる。 ―――××××の、子供。]
…そうだね…でも、 あの子が処刑されちまうかもしれないのを、 黙って見ておくってのもね…、
[人を殺した子供だ、それもわかっている。]
(26) 2013/12/28(Sat) 03時半頃
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…何をすべきなのかもわかんないよ。 わかんない、わかんないから…、 それを考える為に、動くしかないのさ…。
[それももう遅い事なのかもしれない。 ヤニクへと力ない苦笑を浮かべて]
…ヤニク、 やっぱりあたしにはあんたが薄情には見えないね。 色男に騙されちまってるだけかもしれないけどさ。
それじゃ、行ってくるよ。 宿に戻る前ににいさんも診療所に寄った方がいい。
[傷だらけだ、とそう言って。 小さく手を振る。女は自警団へと向かった。**]
(27) 2013/12/28(Sat) 03時半頃
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― 回想:坂道 ―
は…っ、はいっ!
[ヤニクに鋭く言われ >>3:93 、ソフィアは坂を走り出した。 普段、上り慣れている坂ではあれど積もる雪に足が取られ、何度か滑りそうになりながら坂を上ってゆく。]
……っ、
[急がないと、と心で強く思う。 セレストらしき声 >>3:86 が、怪我人の存在を伝えていた。 息が切れ、肩で息をする。 思い切り空気を吸えば、喉が痛かった。]
(28) 2013/12/28(Sat) 18時半頃
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― 回想:診療所 ―
すみません! あ、あのっ、怪我してる人がいるみたいなんですっ! 早く、早く来てくださいっ!
[診療所へと駆けこめば泣きそうな声で叫ぶ。 ここで手当てを受けているホレーショーの事が気にかかり、どこにいるのだろうとせわしなく大きな瞳は動くが、医師と看護師から返答があれば目を強く瞑り、首を振った。]
(29) 2013/12/28(Sat) 18時半頃
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こっちです! 早く!早く来てください!
[そうして診療所を飛び出すと、また坂を下っていく。 その先で、彼女は大きな叫び声を聞いた。]
(30) 2013/12/28(Sat) 18時半頃
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『――捕まえたぞ!』
(31) 2013/12/28(Sat) 18時半頃
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え…
[その足は、ゆっくりと止まった。 荒い呼吸をしながら揺れる視界の中で、自警団に連れていかれるハナ。 そしてその幼子に向けられる人々の声。]
え、 え…、そんな、
[けほけほと咳き込む。 ヒューはその間に、診療所へと運ばれようとしていた。 雪が赤く染まっている。]
(32) 2013/12/28(Sat) 18時半頃
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[ハナが人狼だった。 あの人を襲ったのも、ハナだったのだろうか。 あんな、小さな―――… ]
そんな、
[頭がうまく回らず、しばらくの間ただ立ち尽くしていた。**]
(33) 2013/12/28(Sat) 18時半頃
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店番 ソフィアは、メモを貼った。
2013/12/28(Sat) 19時頃
店番 ソフィアは、メモを貼った。
2013/12/28(Sat) 19時頃
|
―自警団― [女はヤニクと別れた後自警団へと訪れていた。 捕まったダーラとティモシーは調べの結果、 人狼ではないだろうと結論付けられたようだ。 それに人狼は、捕えられた。
けれども…、そう言葉を区切って女に話をしていた 新米の自警団員は難しい顔になる。
噛み痕が、合わないのだという。 ハナが襲ったのであろう少女の母親の傷と、 はじめに襲われた、サイモンという男の傷が。]
……それってどういうことだ。 …人狼が…まだ他にいるって言いたいのか。
[そう決まったわけではない。 けれども。可能性が消えたわけでもない。 話をしすぎたと新米団員は女を追い返そうとする。]
(34) 2013/12/28(Sat) 19時半頃
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なあ!ハナは… あの子は、どうなっちまうんだ。
[女の問いに、団員はもう答えようとしなかった。]
(35) 2013/12/28(Sat) 19時半頃
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…処刑されちまうのか? それはなんとか、避けられないだろうか。
だって、 あの子はまだ小さいんだ…。 それに、母親だって亡くしちまった。 これ以上の仕打ちを与えなくたって…いいじゃないか。 もう捕まえたんだから…誰も襲えやしないんだろう?
[女の言葉に、団員の顔が険しくなる。 人が死んだんだ!怪我人も出ている!団員が声をあげた。]
人を死なせちまった過ちってのは、 死をもって償わないと赦されないものなのか!?
[女も声を上げると、気付いた他の団員達が数人寄ってくる。]
(36) 2013/12/28(Sat) 19時半頃
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[あの子供を押さえていたのはお前だろう。 他の自警団員が女に言い放つ。 ハナが捕えられたのは、女が逃がさなかったからだと。]
…それは…、
[女は、言いごもる。 だって、違う。あの時はただ、 ハナにこれ以上誰も傷つけて欲しくなかった、 いや、それも違う。あの時はただ、 目の前にいたあの友人を殺されたくなかった。 だからヒューの言葉にも、ヤニクの言葉にも耳を貸さず 自分の大事なものだけを考えて、少女を押さえつけた。
少女を、自警団に差出したのは誰か。 取り押さえられる。これ以上少女を庇うようならば、 人狼の仲間と見做して捕えると警告されて、
女は自警団から追い出された。]
(37) 2013/12/28(Sat) 19時半頃
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セレストは、自警団に追い出される前か、後か、黒い喪服の女性の姿を見た。*
2013/12/28(Sat) 19時半頃
|
―自警団詰め所― [――女は面会に訪れていた。 人狼、と思われる少女が捕まったことでか、 老人や女将の容疑がはれたのか、 思ったよりはスムーズに許可が出た]
――……、
[名を伝え、通された部屋で待っていた。 伝えたい言葉は、きっと大したことではない]
(38) 2013/12/28(Sat) 22時半頃
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寡婦 パピヨンは、メモを貼った。
2013/12/28(Sat) 22時半頃
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[黒服の女性とは何か話はあっただろうか。 来た道を戻り赤い華が点々と残る雪の上を歩いて宿へと向かう。
『人殺しの子供』
そんな言葉が聞こえてきて、足を止めた。 誰かと誰かの会話、恐らくハナのことだ。 ゆっくりと息を吐いてからまた歩き出す。
―――…人殺しの子供。
思いだすのは墓石にもならない記憶の石だ。 名も知らない母親の、唯一の記憶。 セレストの母親は、人殺しだった。]
(39) 2013/12/28(Sat) 23時頃
|
人狼が捕まった?
[その報せは看守からぽろりと漏れた。
どうやら、痛め付けられた老人を気の毒に思う者だったらしい]
そうか、何人も人狼がいてもこまるというわけだな?
[町長の考えはまだ知らず]
[ただ老人は脚をやられていた。
なので、その場からは動けない。
人狼として処刑されるように企まれていたのだ。
顔も腫れ、見るも無残な様相を湛えていた。
もちろん、
その状態で、あまり無事なわけはない]
|
[誰を、どうして殺したのかは知らない、 父親は何も話さなかった。 ただその石の扱いと冷たい父の横顔を見て、 恐らく母は人を殺した結果処刑されたのだということと、 父は母をもう愛していないということはわかった。
父親の事を冷たい、とは思わなかった。 その時少女だった女にとっては、見たこともない母親よりも 生きている父親の方がずっと大事だったから。
けれど、 母親のことを知ってから、ふと、たまに考える。 母は本当に死ななければならない程の罪を犯したのか。 何か別の、償い方はなかったのか。]
(40) 2013/12/28(Sat) 23時頃
|
[しかも、その人狼が少女、
ハナだと知ると、目は見開かれ、ゆっくりと首を振る。
そんな子どもが、
皆の前で処刑されるなど、
なんということか]
――・・・・・・その子は確実に人狼なのかね?
わしは、その者が人狼なのか、否か、知ることができる。
本当は、ただの人間なのじゃないかね?
[そんなことを掠れた声で訴えた。
そう、ジェリーの弟のように、
処刑はさせたくないと思ったのだ]
一度、その子に会うことはできないかのう。
[さて、それは叶うか否か。
ともかく、そう呟いたあと、老人は咳き込むと、手のひらには、赤いものが散った。
ああ、寒い牢の中、もう年老いた体は、感覚も鈍らせてはいるが、
たしかに、それは崩れていきはじめている]
[そして、しばらくすれば、町長の使いたる者が現れる。
どうやら、老人は人狼ではない、という判断になったようだ。
急に紳士たる態度にもう、虚ろな目を向けながら、
ただ、帰っていいと開放された扉の先、でも、歩けはしない。]
すまんが、孫に手紙を書きたいんじゃがの。
[そのくらいは許されたか。
這ってでも出て行く前に、
簡素な紙に、鉛筆。
書き記す文字は、雑貨屋は、ソフィアに譲るということ。
それと、やはり死ぬ前には伝えておこうと思っている内容。]
[ 本当は、孫ではなく、
自分の兄の娘がソフィアの母親なのだと。
ベッドサイドのオルゴールの裏板を剥がすと、彼女の前の住所がある。兄はもう死んだと聞いたが真実はわからない。
雑貨屋で、この町に暮らすか、
それとも、船で赤ん坊の頃ここにきたお前が、
また、船に乗るか。
それはソフィア次第だと…]
[少女はつめたい部屋の隅で地虫のように小さくなっていました。
新たにやって来た看守たちは暖かい毛布と甘い飲み物でもって、顔に笑顔を貼り付けて近づいてきます。
ちいさな手のひらに膏を塗りたくり、不躾に髪を撫で付け、あわれな少女の歯の根は留まることがありません。]
[かれらは常に複数でやってきて、少女の身を案じるようなやさしい言葉を投げかけました。
警戒しているのでしょう。少女の枷が外れることもありません。
ほかに欲しいものがあるか、と問うた男に、少女はゆうきを振り絞って応えます。]
……おかみさん
おかみさん、どうなったの?
[そして、ソフィアへの手紙をしたためたあと、
今度は、もう一通。
便箋に若い女性を描き始め…]
『パピヨンさんへ
きっとあなたのお母さんのことを
自分はとても愛しておりました。
いつの日かまた会えるのを楽しみにしておりました。
お母さんは、お幸せにいられたでしょうか。
そうであればいいのですが。』
[そうしたためてまた封をする]
|
― 朝凪亭 ―
ふえっ……ぐしゅっ!
[寒さに身を震わせながら扉を閉める。 宿は初日に見た賑わいを失って閑散としていた。 一先ず暖炉に火を入れて、雪で濡れた服を着替える。]
[人狼が捕まった、という噂は既に広まっているようだが、 これで一安心というもの、まだ油断できないというもの、 反応は様々なようだった。 ただ、その子供を気の毒に言う者は、表にはあらわれない。]
(41) 2013/12/28(Sat) 23時半頃
|
[その時、面会を告げる者が現れただろうか。
しかし、そのあとには、老人は、気分を悪くしており、
動かぬ片足を抱えたまま、ぼんやりと眠りについている。]
[男は少女に安心させるような笑みを浮かべて、相棒に視線を向けます。その視線は鋭利で、冷たさを感じさせるものでした。
『ダーラさんもね、別の場所にちゃんといるよ』
やさしい声色で返ってくる言葉に、少女はすがりつくしかありません。]
お、おかみさんは関係ないんだ!
おかみさんは人狼なんかじゃないんだ、だから!
だから、おかみさんは――
[眼前の男は、好好とした顔で少女の訴えに頷きます。
『うえのひとに伝えてくるよ。安心して待っているようにね……』
そうして、彼はハナの頭を撫で付けて去って行きました。
少女は背中に、ぞくぞくと冷たいものが流れるのを止めることが出来ませんでした。]
|
[途中、坂道で立ちつくしたソフィアを見つけると 温かくしてから診療所へ向かうようにと告げた。]
…奥の方だよ。
[ホレーショーの運ばれた病室のことだ。 それと、ティモシーのことも伝えた。 自警団にいることと、彼の人狼の疑いは晴れたこと。 それから、 他に何か話しただろうか。
ソフィアとも別れて宿に戻る。 閑散とした酒場に暖炉が灯っていた。]
(42) 2013/12/28(Sat) 23時半頃
|
[町長はダーラとはどのような話をしていただろう。
老人のように痛めつけたのかそれとも、ほかのなにかしらの話をしていたのか。
ともかく、無事であることは間違いなく、
そして、人狼の容疑も彼女からは晴れているだろう。
ハナの元にはそういったことが伝わるだろう]
|
……ん、
[人の気配に、テーブルに突っ伏していた顔を上げた。 手元には下手な字で書かれた便箋が置いてある。]
あー……お帰り?
(43) 2013/12/28(Sat) 23時半頃
|
[ただ、もしかすると、
ダーラになにかしらがハナを脅すことに使われるかもしれない。
ともかく、町長は人狼少女としてのハナ、を
なにかしらのために飼いたがっていることは確かだ。
もちろん、それは少女にとって幸せなことではないかもしれない。
そのハナの運命がどうなるかは、
それからのハナと、そして、ハナを人狼と知る者たちの物語である*]
|
にいさんか。 …寝てたのかい?風邪引いちまうよ。
手紙かい?
[暖炉の傍にいたのはヤニクだ。 テーブルの上には便箋のようなものだ。 訊いてから、借りっぱなしの外套を脱いだ。 暖炉でかわかすのではなく水に浸けに行く。 それから濡れた手を擦りながら暖炉の傍に戻ってきた。 手の先を暖炉にあてて温める。]
…自警団に行ってきた。 ダーラのねえさんはそろそろ釈放されそうだ。
(44) 2013/12/28(Sat) 23時半頃
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[重たく扉が閉まる音がして、ハナは暗がりで毛布を手繰り寄せます。
じくじくと、したたかに打ち付けた部分が痛みます。
子どもの身体は、大人が考えるよりもよほど脆いのです。
女将さんに会うように頼むことは――出来ませんでした。
ハナにはおそろしかったのです。
女将さんに憎しみの目で見られることも、糾弾されることも――耐えられそうにありませんでした。
ハナにはわからぬことですが、もしも町長に思惑があるのなら――少女がダーラのことを口にしたことを、好機としてしか捉えないでしょう。
彼女の身柄がどうあれ、おさないばけものをコントロールするには十分な材料です。
自らの運命をどうにかするには、少女はか弱きに過ぎました。]
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[――老人は眠っている、と。 少しばかり不自然な待ち時間の後、 それだけ伝えられて、女は立ち上がった]
なら、様子を見てから帰ります。
[命令するに慣れた者の、 有無を言わせぬ口ぶりで]
案内なさい。
[それを渋られた理由は単純で、 痛めつけられた老人の姿を外の人間に見せるのは、 外聞が悪いとでもいうことだったのだろう]
(45) 2013/12/29(Sun) 00時頃
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[寝ぼけ眼のような顔で便箋を畳むと、封筒に詰める。 軽く伸びをして、その間にセレストも戻って来た。]
そっか。……つっても、戻って来て店を立て直すまでが、 また大変なんだろうけどな。
[宿の女将が拘束された後にも被害が出ていた、と言う所も 釈放の見込みに影響を与えているのだろう。]
(46) 2013/12/29(Sun) 00時頃
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ま、ねえさんなら上手いこと持ち直すさ。 時間はかかるだろうけれどね。
…それ、誰に出すんだい?
[訊いてから、指先を丸める。 冷えきった指はなかなか温もりを取り戻さない。 幼い日の、父の手を思い出した。]
……自警団に行ったらさ。 なんか…傷が違うらしいんだ。 ハナの母親と、もう1人襲われた男と。
人狼、まだいるんじゃないかってさ。 そんな話、してたよ。
(47) 2013/12/29(Sun) 00時頃
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ちょっと知り合いにな。
[厨房の方を見遣る。さっき湯を沸かして茶を飲んでいたのだが、 寝ている間に湯は冷めてしまっただろうか。]
気になる?
[悪戯っぽく笑みを見せて、その続きを聞いた。]
あぁ、つまり最初に喰われた男とお袋さんで、 違う奴がやったんじゃないかって事ね。
……?
[しかし、それでは最初の男に対する女将の嫌疑は 完全には晴れないのではないだろうか? あるいは、噂に流れた人狼を見分ける者とやらが 何かしたのだろうか。]
ってことは、町の閉鎖が解けるのはまだ先か?
(48) 2013/12/29(Sun) 00時頃
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行商で故郷はないって聞いた気がしたからさ。 手紙、出す相手がいるんだって。
[悪戯っぽい笑みには、緩く首を傾ぐ。]
…なんだい? 勿体ぶるような相手なのかい?
[ヤニクの言葉に、そう、と短く返事をする。]
ねえさん達がまだ出てきてないのは、 その確認が済んでないからみたいだね。
[人狼が、まだ町に潜んでいるという確証がない。]
封鎖が解けるのもその後だろうさ。
[ゆっくりと、息を吐く。暖炉があってもやはり冬は寒い。 ふと、ヤニクの青鉄の瞳を見た。思い出すのは――――]
(49) 2013/12/29(Sun) 00時半頃
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……なあ。 にいさん、人狼なんじゃないのかい?
(50) 2013/12/29(Sun) 00時半頃
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― 診療所 ―
[ホレーショーの運ばれた部屋の前にソフィアは暫く立っていたが、看護師が気を利かせて椅子を出してくれるとそれに座り項垂れたままに時を過ごした。
ホレーショーにも、後で運ばれたヒューにも面会する事は出来なかった。 2人は同じ部屋に運ばれていただろうか。 何か話し声でも聞こえないだろうかと座ったまま壁に耳をつけるけれど、ソフィアには耳に壁の冷たい感触が伝わるだけで声は聞こえなかった。]
(51) 2013/12/29(Sun) 00時半頃
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[灯りの少ない冷えた空間だ、 老人を痛めつけることに何の意味があるのか、 ましてや彼は人狼ですらないのに]
……医者を呼びなさい。 あなた方もわかっているのでしょう。
この人は人狼ではない、 ここで死んでしまうようなことがあったら、 あなた方はただの人殺しよ。
[自警団などというのは所詮は、 町民が自衛の為と寄り集まった組織だ。 正当化されない暴力を震える人間など、 もともとそう多くはないのだ。]
(52) 2013/12/29(Sun) 00時半頃
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まあな。
[青鉄に意味ありげな艶をのせる。 実際勿体つける程かと言われるとそれは否なのだが。 手櫛で髪を弄ると、突っ立っている女を見上げた。>>49]
ぶふっ。
[続いた言葉に咽る。]
……また突拍子もない事を。
んな訳ねぇだろ、どうかしたのか?
(53) 2013/12/29(Sun) 00時半頃
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[牢屋は暗い冷えた空間だ。
その中で痛めつけられた脚はきっと折れているのだろう。
発した熱はまだ生きている証拠だ。
だが、老人は、やや生きる気力をなくしていた。
人狼騒ぎもそうだが、
なにが原因か自分でもわからない。
でもたしかに、老人は、手紙を書き終えて、もう、自分の使命はなくなったような気がしている]
|
[そう、たとえば、 あの少女を人狼だと声高く騒ぎ立てるのは、 子供に暴力を奮ったことへの罪悪感を、 正当化するための行為なのだろう。
けれど人狼など、しょせん御伽噺の類。 遠い昔に存在したことを耳にしてはいても、 あれが本当に人狼なのか、断言できるものなどいない。
案内の団員は困惑を浮かべながらも部屋を出た、 ごく普通の人間であれば、診療所へと向かうだろう。
そして女は横たわる老人に、 羽織っていた上等なセーブルをかけた]
(54) 2013/12/29(Sun) 00時半頃
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[目深な帽子は被っていない。 眠りを妨げぬように静かな所作で、 静かな瞳で――女は老人を見つめていた]
(55) 2013/12/29(Sun) 00時半頃
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…おやおや、 深くは詮索しない方がいいかね。 まあ、手紙を出せる相手がいるってのはいいもんだ。
[艶の乗った瞳に冷えた指先を仰ぐ素振りを見せて。 咽る、様子。ヤニクの姿に女は苦笑を見せた。]
突拍子もないかね。 まあ、そうか。 いいや…容疑者だからね。疑ってみたのさ。
[ちっとも温まらない指を組んで]
にいさんが人狼なら訊きたかったことが訊ける、 …とも思ったのさ。
――悪かったね、忘れてくれ。
(56) 2013/12/29(Sun) 00時半頃
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勿体ぶった言い方されると、俺の方が気になっちゃうね。
[手を組むと、そこに顎を乗せた。 斜向かいの椅子を視線で示す。]
もしそうなら訊きたい事って何?
(57) 2013/12/29(Sun) 01時頃
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[やがて、うっすら目を開けたとき、
意識はやや朦朧としている。
ただ、みた先に誰かがいるのを感じて、起き上がなければと思い、
身を揺らした]
――……ああ、
ジェリーかい?
[それは、寝ぼけているような声だ。
ふつうに夢だと思っている。
若い頃のままのジェリーの顔が見えたような気がしたから]
|
……忘れてくれって、言ったのに。
[椅子を、目で指される。 女は眉を下げると、示された通りに 斜め向かいの椅子を引いてそこに座った。 視線は、ヤニクへとは向かない。暗い床へと落ちる。]
(58) 2013/12/29(Sun) 01時頃
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|
…あたし達は…、 どうやっても、人狼のあんたの気持ちを わかってやることはできないのか…。
あたし達人間と…人狼は、 互いに傷つけあわず…、 共に暮らすことはできないのか。
[言葉は、ヤニクに向けられたものではない。 言葉の先には、小さな少女の姿があるのだろう。 呟いた後、床を見つめたまま長い長い溜息をついた。]
(59) 2013/12/29(Sun) 01時頃
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[起き上がろうとするのを、 制するように傍らに、手を伸ばす。
老いて皺の刻みこまれたその手を、 女の両手はそっと包み込んだ]
ここに、……いるわ。
[目蓋を閉じれば、声がわずかに震えた]
(60) 2013/12/29(Sun) 01時頃
|
|
……――。
[背もたれに体重を預けて腕を組む。微笑んだ。]
よくよくお人好しだな、あんたも。
人狼って人間喰わないと生きてけないって話だろ。 あんたと嬢ちゃんなら、そりゃ解り合って共に暮らすって、 出来るようになるかも知れないけどさ。
じゃあ、嬢ちゃんの腹が減ったらどうするって事だよ。
(61) 2013/12/29(Sun) 01時頃
|
|
逆に言えば、"それ"さえなくなれば、可能性はあるかもよ。 嬢ちゃんが人間喰わなくて良いってんなら。
もっとも――
[笑みが途切れて、声は静かに低くなった。]
嬢ちゃんじゃない他の人狼がどうかは知らんがな。
[カラン、と暖炉の薪が燃え落ち、中で火の粉が舞う。 見上げた天井に炎の光が揺れた。]
(62) 2013/12/29(Sun) 01時頃
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|
――…家畜の肉じゃ、だめなのか? 満腹に食べさせても、 人間を食わないと生きていけないんだろうか。
[可能性はあるとヤニクは言う。 ハナに、人間を食べることをやめさせればいい。 自分が人狼だという自覚のなかった子供。]
もう、人間を食うのはやめて。 ――…やめて、一緒に暮らそう。
……もしもにいさんが人狼だったら、 …そう言われたら、どう思う?
(63) 2013/12/29(Sun) 01時半頃
|
そうかい。
ここにいるのかい。
じゃ、ここはどこなんだろうかね。
あの時、
君にいう言葉を間違えた。
いや、足りなかったよ。
そして、君には申し訳ないことをした。
[目がかすむし、体はひどく痛んだ。
起き上がれずに、そのまままたジェリーと話しているような気分になる]
君の弟も船に乗せるべきだった。
申し訳なかった。
[例え人狼とわかっていても]
|
人間の場合は色んな食いもんが選べるから解りにくいけど、 獣にはそれぞれ適した餌がある。
まるで駄目、ではないだろうけど、多少の不利はあると思う。 例えば、体が弱りやすくなるとか。
[セレストを見遣る。]
……熊や普通の狼だって、人間の肉の味を覚えれば、 好んで人間を襲う事がある。
もし俺が人狼だったら――
[少し身を乗り出せば、俯く女の顔を近く覗きこめる。]
それはもう、試した後だと思わない?
(64) 2013/12/29(Sun) 01時半頃
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[老人は熱でもあるのだろう。 朦朧とした様子で、その手は酷く冷えていた。 包み込んだ手を温めるように擦る]
……あなたのせいじゃないわ。
[投げた言葉は、確かに楔になっていた]
私も、あなたに、 謝りたかったの、……ごめんなさい。
……あなたのせいじゃないのに。
[苦味と痛みを堪えるように吐き出された言葉、 眉根の寄せられたまま、青の双眸は滲む]
(65) 2013/12/29(Sun) 01時半頃
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|
[人狼は人間ではなく獣だと、ヤニクは言う。 その言葉に違和感を感じるように眉を寄せる。 だって、ハナは言葉だって通じるし見た目だって。 あの爪と牙がなければ人の子供だったから。]
……体が弱くなっても。 死ぬよりは…マシじゃないか。
…死んだら、全部終わっちまう。
[ただの名もない石になる。 女の母親がそうなったように。
少女は、あの少女はどうだったのだろう。 あの自覚のない人狼はどうして人を襲ったのか。]
(66) 2013/12/29(Sun) 01時半頃
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[身を乗り出す気配がして、はっと顔をあげた。 女の瞳に、暖炉の灯に照らされた青鉄が映る。]
……試して…、駄目…だったのか……?
(67) 2013/12/29(Sun) 01時半頃
|
いいや、自分のせいだよ。
君の弟を人狼だとわかってしまったのは自分だ。
そして、君を追い詰めてしまった。
ああ、あの時、
本当は、自分も船に乗りたかったんだ。
[幻影だから、その想いを]
自分はわかっていなかった。
君がいなくなってから、
君が何よりだって
やっと気がついた。
でももう遅かった。
|
[ハナが自警団に連れていかれるに至るまでのやり取りを、ソフィアは見ていない。 祖父は自警団に捕らえられている事を、セレストから聞いた。 きっと酷い目にあわされたに違いない、と祖父の言葉を思い出す。 目から涙が滲み指で拭った。
連れていかれたハナはどうなってしまうのだろう。 普段から馴染みがあり、よくその姿を見かけていただけに胸が痛んだ。 何故あの子が人狼なのだろう、そう思っても仕方のない事はソフィアにもわかっている。 けれど、そう思わずにはいられなかった。]
(68) 2013/12/29(Sun) 02時頃
|
|
……そうだな、多分死にたくなかったんじゃないか。
[旅人は、ハナの死んだ母親の祈り文句を知っている。 恐怖によって容易くコントロール出来なくなる暴力を、 傍に置いて生活する事の危険性を考えた。
言葉で、切迫した本能を凌駕出来るとは思っていない。 弱った体が均衡を取り戻そうとして人を襲う事もある。]
あんたがそこまで肩入れする理由が、良く解んないや。
[間近の双眸に暖炉の炎、橙色の光がちらりと揺れた。]
まだ小さい子供だから?
(69) 2013/12/29(Sun) 02時頃
|
だから、君の帰りを今までまっていたんだ。
[そう、不器用な青年が、本当に誰かと一緒になることはなかったのは、
その想いに誠実であり、
その誠実が不誠実になることを許さなかったがため。
ジェリーの弟を殺し、ジェリーをこの町から追い出してしまった。
きっと、そのあと、
本当は、死にたかった。
だけれども、信仰でも死ねず、ただ、仕事だけをして、
笑みとは別に己を削っていく中、
本当の笑みを次にくれたのはソフィアだったのだ]
[そして、朦朧とする中、
とにかく胸から手紙を二通出すと、その手に押し付けるように。
どうやら、とにかく渡さねばと思ったのだろう。
そして、押し付けると、また首はゆらりと揺れて、瞼は落ちる。**]
|
[そっと壁に身を預けた。 その向こうで彼はどうしているだろう。 痛がっているだろうか、苦しんでいるだろうか。 彼に万が一の事があった時、ハナをゆるす事は自分にはできるだろうか。]
…お願い、死なないで。
[きっと彼には聞こえない声だろう。 それでも彼に届いて欲しいと、祈るように言った。]
(70) 2013/12/29(Sun) 02時頃
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|
――…、
[ヤニクの言葉に女は黙りこくった。 あの牙を見ても、爪を見ても、 女から見てハナは人の姿をした子供だった。 人の姿をした獣とは見られなかった。 人なのだから理性で制御できる筈だ、と、 その考えが頭から抜けきらない。]
(71) 2013/12/29(Sun) 02時頃
|
|
[女がハナに肩入れする理由はなんだろう。 まだ小さい子供だから。そうだ。]
…違う。
[思ったことと違う言葉が口を突いて出た。 青鉄の瞳を見ていられなくなって、視線が落ちる。]
あの子が…、
…あの子が、 人殺し…だったから。
[ああ、と、小さく呻くような声が零れた。 両手で、顔を覆う。 どうしてこんなにも少女を助けたいと思ったのか。 違う、少女を助けたいわけではなかったのだ。]
…あたしは…、…最低だ。
(72) 2013/12/29(Sun) 02時頃
|
|
[ヒューの怪我の具合はどうなのだろう。 彼もまた、生死の間を彷徨う程には重症なのだろうか。 港で会話した時、懐い笑みを見せてくれた姿が脳裏にうつる。 また、彼は船を見送らねばならなくなるのだろうか。 しかも、去年よりその身体は悪い状態になっている可能性すらあり、それは…、 ]
……
[彼の笑んだ顔が頭から離れず、額に手をあてた。]
(73) 2013/12/29(Sun) 02時頃
|
|
[絞り出されたような問いに、言葉では答えない。>>67]
……あんたは、良いかも知れないね。 嬢ちゃんも良いかも知れない。
――けど、あんた以外の人間は駄目だろうな。
[人狼に喰い殺されたという人間。 あるいは襲われた船乗りの男。その縁者。 何よりハナを捕らえ、人喰いの化け物を殺せと叫ぶ大多数。]
そして、嬢ちゃん以外の人狼も、駄目かもな。
[ただ、不思議と艶を帯びた青鉄は、薄く笑みを刷いて、 深淵を覗く覚悟を問うようにしている。]
(74) 2013/12/29(Sun) 02時頃
|
|
[幼い子供を哀れに思うのだとしたら、 では、ハナが幼くなくなれば哀れではないのか。 幼い人狼は良くて、大人の人狼になったら糾弾するのか。
そんな事を思っていれば、答えは違って、 人殺しだったから、肩入れするのだと言う。>>72
最低だ、と自己を卑下する、理由が解らずに首を傾げた。]
……ああ、
(75) 2013/12/29(Sun) 02時頃
|
|
嬢ちゃんに、何を重ねてる?
[悲嘆にくれるように、顔を覆った女に問うた。]
(76) 2013/12/29(Sun) 02時半頃
|
|
[問いかけに、女は覆う手の隙間から旅人を見上げる。]
―――…、
[答えてはいけない。 素性を町の誰かに知られてしまえば、 船に乗っていられなくなるかもしれない。]
…名前も知らない…人殺しの女だ。
[罪を赦されずに、全てを奪われ処刑された石の姿。]
……あたしの…母親さ。
(77) 2013/12/29(Sun) 02時半頃
|
|
[そして、老人の告白に女は絶句する。 そして、ああ、と零れた吐息はどうしようもなく、 ただやるせないような感情のせいだった]
……あなた、だったの。
[弟の正体を暴いたのは、 再び湧き上がりそうになった問い、 けれどもうそれは無意味だ。
本能的に気づいていた。 あるいは信じていたといえるのかもしれない。 ――彼にはそんなつもりはなかったのだ、と]
(78) 2013/12/29(Sun) 02時半頃
|
|
[滲んだ双眸から、頬を伝い落ちていく。 その生ぬるい水が何か、思い出すのに時間がかかった。
語られる言葉はなんて残酷なのだろう。 もう取り戻せないほどの時が既に流れている、 その苦い後悔を再び味わわせるものだ。
けれど――、 溢れるこの涙は後悔でも絶望でもなかった。 痛みを伴うけれど、もっと温かで柔らかで]
……ティム、ごめんなさい。
[自分はずっとこの町をことを、忘れてしまいたかったのだ。 悲しみや辛い記憶と共に、優しい思い出までも葬ることになるとしても。
けれどそれは出来なかった。 女は結局、切り捨てるにもしがみつくにも、 どっちつかずだったのだ。 無為にただ、時だけが流れて]
(79) 2013/12/29(Sun) 02時半頃
|
|
ありがとう、
……ね、あなたが待っていてくれたこと、 嬉しかったわ。本当よ。
[握る手に、何かを押し付けられて、 眠りに老人の目蓋が閉じるのを、女は見つめていた。 零れるものはとまらぬまま、蒼の瞳は柔らかな形を描く*]
(80) 2013/12/29(Sun) 02時半頃
|
寡婦 パピヨンは、メモを貼った。
2013/12/29(Sun) 02時半頃
|
[何故、人狼は人を襲うのだろう。 人間を憎むような理由があるからなのだろうか。 それとも単純に生きて行くため、人が動物を殺して肉を食べる様に、人間を食べないと生きていけないのだろうか。 それとも他に理由があるのだろうか。 人狼が、生きていくために必然的に人間を襲わねばならないとするならば。 その事を責める権利はあるのだろうか。 それがもし、自分と全く関係のないところで起こった出来事であれば…、仕方が無い事だと、そう思えるのかもしれない。
自分と関係が無いのであれば。]
(81) 2013/12/29(Sun) 02時半頃
|
|
……成程。
[息をつく。 行きずりの旅人くらいにしか話せない話題だろう。>>77 外に漏れる心配がない、という意味ではうってつけだ。]
けど、あんたが今度の何を守ろうが、 それとこれとは同じにはならねぇだろ。
それでも良いって、思ってる?
(82) 2013/12/29(Sun) 02時半頃
|
|
…そりゃそうさ。 でも―――…
[きっと女は、証明をしたかったのだ。 死んだ母親が生きて赦される未来もあったのだと。 少女を助けることで、自分に納得させようとした。
旅人の言葉は謎掛けのようだ。 段々女の頭の中は混乱していく。
"もしも"の話だった筈なのに、 目の前の男が、本物の人狼に見える。]
―――…なんだい? 何かを明かしちまいたいって顔してるよ、
(83) 2013/12/29(Sun) 03時頃
|
|
…もう、今更隠すことでも…ないんじゃないかい? なあ、ヤニク…。
[覆っていた手を外して。 暖炉の灯で艶の乗った旅人の瞳を見つめた。]
(84) 2013/12/29(Sun) 03時頃
|
|
[人間も、人間を殺す。 そう思うと、向けられるものが牙であったとしても、刃であったとしても、結局相手に対して持つ感情は、然程変わらないのかもしれない。
ゆるす事は難しい。 けれど、人を襲わねばならない理由がある、という点においては、そういった感情を向けられながらも生きなければならない事を憐れだと思ってしまう気もした。]
(85) 2013/12/29(Sun) 03時頃
|
|
[人狼は何処までが人間で、何処までが人ではないものなのだろう。 人間を襲っても、そこに罪悪感等は覚えないのだろうか。 勿論、それぞれの性格にもよるところではあるのだろうが…… ]
……
[誰が悪いのだろう。 そんな事をぼんやりと考えるが、結局答えを得る事はできないまま。 ただ、壁の向こうの2人の無事を祈った。**]
(86) 2013/12/29(Sun) 03時頃
|
店番 ソフィアは、メモを貼った。
2013/12/29(Sun) 03時頃
|
知って、意味がある事だとも思えないけどな。
――人間の悪い癖だぜ?
[なお悪いと解っていて、知りたがり、言いたがる。 同じ形をしているから、あるいは、していなくとも、 理解が出来るかのように思い込む。]
[肯定はホレーショーの襲撃への関与をも認める行為だ。
手を伸ばすと、女の細い首に指が触れた。 その爪は、いつの間にか鋭いが、まだ痛みはないだろう。]
(87) 2013/12/29(Sun) 03時頃
|
|
……――俺は、
正体を知った人間を生かしておいた事はないよ。
(88) 2013/12/29(Sun) 03時頃
|
|
[謎掛けのようだった旅人の言葉が解かれていく。 ああ、やっぱり。 謎が解けて靄の晴れていく頭の中でそう思う。 悲鳴は零れない。 首に手を伸ばされても、不思議とこわくはなかった。 ただ、動くことができなかっただけかもしれない。
目の前の男は同じ姿のように見えるのに、 人間ではない―――…人狼だった。]
(89) 2013/12/29(Sun) 03時半頃
|
|
―――…そうか。
[これが―――…辿りついた、答え。 そのまま爪で裂かれるのだろうか、 女は、ヤニクを見上げて、眉を下げて笑った。**]
……なあ、
(90) 2013/12/29(Sun) 03時半頃
|
|
……これを最後に、もう船乗りは襲わないでくれ。
(91) 2013/12/29(Sun) 03時半頃
|
[ヒューの瞼が、ひくひくと動いた。]
……?
[薄目をあけた。一瞬の混乱。
周囲で人間が、慌しく働いているのが分かった。
――船のなか。
嵐だろうか。
起きなければ――
それが、慣れた暮らしを思い出しただけの短い夢に過ぎないと、ただの錯覚であると、あっけなく知る。
ここは、水面に浮かんで揺れることはない、陸に建てられた診療所の一室。
働いているのは、医者達だった。]
[うつろに視線を彷徨わせ、ホレーショーと同室に入れられているのだと気が付いた。
彼は無事だろうか。怪我の具合はどうだろう。
無事でいて貰わなくては――
それらを確かめる事も叶わず、視界は医者達の腕で遮られた。
何かを、噛まされた。
体が押さえつけられている。
括られているのかもしれない。]
ふ、
[息が漏れる。困惑する。
大声はあげられなかった。
*上げられたのは、苦しげなうめき声だけ。*]
|
[へなりと眉の下がる笑みに、結んだままの唇を弧にする。 音なく息で笑う。 暖炉の薪がぱちりと爆ぜ、それを映し込む青鉄の瞳が 濡れてあかあかと染まるのを、セレストは見ただろう。]
[飢えた獣は獲物に温情をもたらさない、 あるとすればそれは、速やかに抵抗を排して肉を喰らう技術、]
[間近の顔に口を寄せた。]
(92) 2013/12/29(Sun) 04時頃
|
|
. さてね。
[なけなしの懇願すら―― 応える義理のないことだ。**]
(93) 2013/12/29(Sun) 04時頃
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