223 豊葦原の花祭
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時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
パルックが無残な姿で発見された。
噂は現実だった。血塗られた定めに従う魔物“人狼”は、確かにこの中にいるのだ。
非力な人間が人狼に対抗するため、村人たちは一つのルールを定めた。投票により怪しい者を処刑していこうと。罪のない者を処刑してしまう事もあるだろうが、それも村のためにはやむを得ないと……。
現在の生存者は、小鈴、おもん、ゾーイ、メアリー、ポーラ、アヤワスカ、亀吉、アーサー、夕顔、華月斎、沼太郎、ミツボシの12名。
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─淡墨桜─
[ゆるゆると登った半月は、もう直ぐてっぺんになる。 その時、その巨木の近くには誰か居ただろうか。鳥居の反対側、木の根元に佇む男の傍には、少なくとも人の気配は無い。]
世の中に たえて桜の──…
[錆のある声が低く詩って、手のひらが硬い樹皮を撫ぜる。 額を寄せて、押し付けた。沁み入るみたいに注ぐ月光に、うん、矢張り頃合いだ。独りごちた声が、温んだ空気に混じって溶けた。
うすずみさま=B幹の反対側だろうか、樹医の少女の急く声。耳に届けば、男はふ、と苦笑する。]
(0) 2015/04/20(Mon) 01時頃
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はいはい、只今。
[呟いて、枝の隙間から空を見上げる。 手を伸ばして、十分過ぎるほどに膨らんだ蕾に触れた。指の軌跡を辿って、ふわりと光の蝶が枝に留まる。
その瞬間──桜にしては濃い桃色の蕾が、淡い燐光を帯びて綻んだ。 ]
さて、皆の衆。 一差し、舞に付き合ってくれ。
[くるり、男と蝶が舞う。 一輪開いた真っ白なひとひらから、呼応するみたいに淡い光が広まっていく。 下弓張りの半月が、ちょうど真上に登り切る。その頃には、燐光は巨木全体を覆って────]*
(1) 2015/04/20(Mon) 01時頃
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真上に登った半月に照らされた淡墨桜の巨木は、淡い燐光を帯び、やがて一斉に花開いた。
濃い桃色の蕾だった筈のその花は、月明かりのように白い。
村の者たちならば、それが淡墨桜の名前の所以であると知っていたかもしれない。
長い夢現の一夜の折り返し。
広場に集まった者達の歓声が、月まで届けと言わんばかりに夜空へ響いていた。
(#0) 2015/04/20(Mon) 01時頃
手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2015/04/20(Mon) 02時頃
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[それから、おもん様の屋台で幾許か過ごし。 けれど長く過ごす気になれず、一足先にお暇したでしょう。 足元の覚束ない男がひとり、喧騒に紛れ流され。
祭は変わらず活気付いていて、楽しさと期待で満ちていて。 久々にこの空気を吸えたのは、悪くなかったでしょう。
これで、心から楽しむことが、出来たなら]
……何を、今更。
[自嘲めいた呟きを一つ。 其れを聞かれていたか否か、そんな瀬戸際、私にかかる声。
――嗚呼。見つかって、しまった]
(2) 2015/04/20(Mon) 02時頃
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[村の畑に種を蒔く頃、行われる豊作祈願。 その祭事で諸連絡など雑務を執り行ってくれた老人。 まさか足を悪くした私がこのような場にいるとは思いもしなかったのでしょう、皺の多く刻まれた目許が、あんなにも驚きに染まって]
『―それにしても、本当に嘆かわしい事です。 何故よりにもよって亀吉様が、 あのような事故に合わねばいけなかったのか…』
[おいたわしや、と。 心から悼む声に、先に咲いた桜ですら凍るような、 胸の奥がすぅっと冷えていく心地がしました]
『亀吉様の舞は、どの代の当主様よりも――』
[おいたわしや、おいたわしや。 色んな方の悲しむ声が、嘆く声が反響して。 分かっています。彼等は、心の底から残念がっていると。
だから私は、 私は。]
(3) 2015/04/20(Mon) 02時頃
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――有難う御座います。 けれど私は、大丈夫ですから。
[だからもう、悲しまないでくださいと。 そう告げる私はきちんと、何時も通りに、
笑えている筈だ]
(4) 2015/04/20(Mon) 02時頃
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[老人と別れ。 ひとり、祭りの喧騒に背を向けます。 足を引き摺って、不器用に杖に体重を預けて。 無様極まりない姿は笑いを、 あるいは知る者にとっては同情を生むでしょうか。
こういう時、今日お逢いしたあの方のように、 駆ける事が出来ないのがもどかしい。 軽々と跳ねて去ることが出来ないのがもどかしい。
足の悪さで薄れた交流には、筆を取り。 自ら赴く事の出来ない景色は、綴られる文に求めて。 どうにか自分を誤魔化して、慰めて。 そうして、きましたのに]
(5) 2015/04/20(Mon) 02時頃
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[ ぽた。 ぽた。
急いて無理やり足を速めたせいか、手の甲で拭えば、そこには濡れた感触がありました。 汗を搔く程動くなんて、何時振りでしょうか。
そんな些細な事も直ぐに頭の隅に追いやられ、 気付けば随分歩いた気がして。 吹く風が肌から温度を奪って、我に返ります]
……あぁ、 うすずみざくらがもう、 じきに、
[見上げた先、半月はほぼ頭上まで昇っていて。 開花の際に立ち会ったのも、数年前が最後だ。 今夜の主役の華姿を一目見ようと、 広場には多くの方が集まりますから。
背丈の足りない幼少の頃はよく、 人の群れの先頭へと掻き分けて出ていきましたっけ]
(6) 2015/04/20(Mon) 02時半頃
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『今年も綺麗に咲くから、さ』
[不意に、あの方の声>>1:88が聞こえた気がして]
『どこかで会ったら、呼んでください』
[不意に、あの方の声>>1:21が響いた気がして]
――…、 [行かなくては。 その声が息と共に音になることすら無く。 普段より余程歩いたお陰でじんじんと痛む足裏を、確りと、踏みしめて。
目指す先は、淡墨桜。 足は相変わらず痛くて、心の臓は鷲掴まれたように冷えて。
それでも、今夜求める『どこか』が、 其処にあるような気がしましたから**]
(7) 2015/04/20(Mon) 02時半頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2015/04/20(Mon) 02時半頃
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[ 無音。 祭り囃子の振動が足裏に響いている事は解る。 水が跳ねるのも見えた。
けれど何も聞こえない。
ただ月が隠した容貌の半分を明らかにした瞬間、眼前の光景に目を奪われていた。]
(8) 2015/04/20(Mon) 02時半頃
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[光と呼ぶには優しい明かりが、一つ。 そこから二つへ、三つ、四……… 下から見れば、まるで月に手を伸ばしているように。 上から見れば、それは丸い光の円が暗がりを許さないように。
さざ波が押し寄せるのと同じ速さで灯った明かりが天まで届く。]
(9) 2015/04/20(Mon) 02時半頃
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[ああ、美しい。
それはどれ程の強さの光だろうか。 淡墨桜、模した提灯の桃色の、屋台から伸びる暖かな灯火。 それらが折り重なれば夢の景色にも思えてしまう。
その景色の一部にならんとばかりに重い腰を持ち上げて、進む一歩一歩は牛歩であっても。 うつつを抜かしている場合ではない。 刻一刻と時間は過ぎるのだから。 人を探し歩かねば。 ではければ、]
(10) 2015/04/20(Mon) 02時半頃
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[ 桜が本当に満開になる姿はほんの刹那であると云う。 その刹那に人々が心躍るのも昔からまごう事なき事実。
見る者からすれば散る姿は悲しくも儚く美しいもので、崩れ行くからこそ映える瞬間もあろう。 散る者からすれば、"また今度"があるかという不安すらあるというのに。
それでも咲くのは、誰が為。 はたまた自分の為か。 預かり知れぬ所ではあるが、咲き、散る者には敬意を払いたい。 薄くモヤがかかった喧騒のさなかを掻き分け始めた。]**
(11) 2015/04/20(Mon) 02時半頃
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釣り師 沼太郎は、メモを貼った。
2015/04/20(Mon) 02時半頃
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[ 砂の上。 草木の垣根。 蕾の合間。
探してみたけれど、見つからなかった。
何かがざわめいている。浮き足立っている。 みんながみんな定められた場所に集まるようにして向かっている。
それを、何処か遠くの出来事のように受け止めた。 ああ、そう言えばさっきの子に名前を聞くのを忘れたな、なんて。後悔も。
深く長い陰に隠れるようにして、蹲る。
自然、垂れ下がった襟足が土に触れる。
こんなに、長かったっけ。 ]**
―――………。
(12) 2015/04/20(Mon) 04時頃
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双子 夕顔は、メモを貼った。
2015/04/20(Mon) 09時頃
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―うすずみさまの根元で―
[少女は巾着を持たせた女性を、まるで自分の作品でも眺めるような按配で眺める。 満足そうな笑みは、やや見た目の年に似合わない。 それはまるで、娘に晴着を着せて喜ぶ母親のような。]
楽しんで、おいで。
[ふぅわり笑って見せた表情はひどく穏やかで、お祭りに興奮しっぱなしの女性と比べ、どちらが年長か分からないありさまだった。 尤も、重ねた生の長さで言うならば、仮にこの女性が見た目通りの年齢ならば、少女のほうが実はずっと長いのだが。]
わたしは…もう、お祭り見てきたから。
[ひらひらと袖を振り、祭りへ向かう女性を見送った。]
(13) 2015/04/20(Mon) 09時半頃
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[嫌いじゃない、ならば、何故]
…うん 伝えにきたの
[無論それだけではなくって、知らないひととお話をしてみたかったとか、そんなものがくるくる渦巻いた結果ではあるが、上手く言葉に乗せられる気がせず、簡単に返す]
わたし、わたしは 狐 狐の妖 お狐様
[こんこん] [肩を揺らして、両の手も、こんこんと] [己の中に住み着いた、なんだかよく分からない名前のお狐様。そう、これはただの魔のものだから、嘘じゃない、嘘じゃない]
(14) 2015/04/20(Mon) 11時頃
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[一陣の風] [白い何かが、舞う] [小さくなる] [消える]
[狼狽えたように見える表情で、娘は狐に手を伸ばす。触れた指先から、微かに震えが伝わる] [こん]
[熱が移るような、眼差が交錯するような、凪のような数秒間、大事な約束という言葉を反芻し終えて、暗がりのその先が見通せないものかと、面の奥で目を細める]
みつかるよ お狐様の予言は、当たるんだ
[手紙、手紙か、きっとそれは、己が面のように離したくないものなのだろう。娘の顔が物語っている。 とても大切なもの、を求めかけてゆく彼女の背を、追うべきか追わざるべきか考える前に足は動いていた──はずだった]
(15) 2015/04/20(Mon) 11時頃
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………… っ!
[こんこん] [こん]
[こんっ] [ひゅう] [こんこん] [こんこんっ] [ひゅう、ひゅう]
[こん、ごん] [げほっ ごほ]
[一歩前に出た足がよろめいて、胸を掻き毟り、背を丸め、たたらを踏む] [狐の合唱に綿鳴きも混じったかと思いきや、次第に鳴き声は濁って、喘鳴とすわぶきの形を取っていた]
いか、なきゃ
[夢よ、夢よ ずぅと続いておくれ それでも醒めてしまうのならば、その前にどうか、あの桜を] [今度こそ踏み出した足は、軽快とは程遠く、奇しくも亀の歩みのよう。けれど、その爪先は確りと、桜の明かりの方向へ]
(16) 2015/04/20(Mon) 11時頃
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[月が高く上り、喧噪の色が変わる。 そろそろ、なんだろうか。 赤い手毬を抱え、人のいない方、いない方へと歩いてゆく。 …小さなきっかけが、頭の中をひどくかき乱すものだから。]
…あ。
[ふと目をやった袖から、夕顔の花の柄が消えようとしていた。 きっともうすぐ、“夕顔”も終わる。 浮かんでは消えてゆくいつかの記憶を追いかけて、受け流して。 けれどそのどの記憶も、“名前”は教えてくれない。 その時の私の名も、共にいたはずの誰かの名も。
ざぁ、と流れる風が、すべてすべて奪い去ってしまえば良い。 忘却は救い。 だって、愛しい存在の最期ばかりが積み重ねられた記憶は、こんなにも…つらい。 きっと彼の記憶も、もうすぐ白く塗りつぶされて、その名もこの名も消えて逝き… そしてまた狭間の時がやってくるまで、表情一つ、思い出せなくなるのだ。]
(17) 2015/04/20(Mon) 11時半頃
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――… てんてんてん うすずみさまの おまつりで てんてんてまり もらいました てんてんてまりは どこでつく さくらの おはなの したでつく したでつく…
[てまりを手の中で転がし、ぽんっと投げあげ口ずさむ。 広場の端へと向かったところで、どこからともなく歓声が上がった。 わぁっと、老若男女、一斉に気配が中央の巨木へと向かう。 振り返れば、先まで桃色のつぼみを鈴なりにつけていたうすずみさまが、真っ白に覆われていた。]
うすずみ…さくら…
[その名の意味を理解して、少女はぽつりと呟く。]
(18) 2015/04/20(Mon) 12時頃
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[背後の桜を振り返る。 そちらは優しい桃色で、こちらは普通の桜なのだと思う。 もう一度、うすずみさまを遠く見やる。
その姿は夜陰に静かに清廉に佇む。 どこかぴりっとした空気を感じるのは、神様がいるからだろうか。]
…なんか、哀しい色。
[思わず呟いた声は、風に流れて消える。 そう、感じてしまったのは、少女にとっての白という色は、“別れ”の色であるからかもしれなかった。]
(19) 2015/04/20(Mon) 12時頃
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双子 夕顔は、メモを貼った。
2015/04/20(Mon) 12時半頃
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[かつん。 がつり。 かつん。
杖の音が相も変わらず、不恰好に響きます。 徐々に人の気配を、多く感じ始めました。 左胸の奥が、冷たい掌に鷲掴まれたまま、 どくどくと煩く早鐘を鳴らします。]
――…?
[さくら、さくら、うすずみさくら。 其ればかり頭にあった私の視界に過ぎった、茶色>>12。 若い桜の枝のような、けれど夜が深まり始めた今は 雨に濡れしとりと深みを増したようにお見えします。
蹲る姿に、何か具合でも悪いのかと。 迷う間もなく方向転換、杖を鳴らしながらも ゆっくりと、歩み寄ります]
(20) 2015/04/20(Mon) 13時頃
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―もし、お嬢さん。 気分でも、優れませんか?
[味のない音に、途中で気付かれましたでしょうか。 顔が上がれば、その場で。 上がらずとも、ほんの少しの距離を置いて。 努めて穏やかに、害を感じさせぬよう、 声を掛けてみましょう。
奇抜とまではいかずとも少し見慣れぬ衣服、 恐らくは外神様でしょうと予測をつけて]
(21) 2015/04/20(Mon) 13時頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2015/04/20(Mon) 13時頃
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[やってしまったと肩を落とす後ろから、ごみ箱を漁る音が聞こえた>>1:94]
……なにしてるにゃァ?
[とんと経緯は読めないが、何やらごそごそとごみ箱を漁っている処を見れば何か間違えて捨ててしまったんだろうか。 手伝おうか、と腰を浮かせかけたところで、さらに声>>1:121]
―――亀吉かにゃァ!久方ぶりだにィ。
[一瞬目を開き、そして目を細める。 亀吉はよく祭りの時には干物を取りに来ていたものだ。数年前から姿を見なくなり代わりのものが来ていたけれど。]
(22) 2015/04/20(Mon) 13時頃
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干物は取り置いてあるよォ。いつものうるめとほっけ、あと鮭に今年はイワシもアジもいれてあるからにィ。
[猫の噂は千里を走る。亀吉が来なくなった理由も、うっすらと知っている。 ただ、おもんはそれを突っつかない。風流でないからだ。]
よければ座って酒も飲んでいくといいにゃァ!今年は色々作ってきたんだよォ。
[亀吉は応じただろうか。 ついでにゴミ箱に半ば頭を突っ込んでいる女性もつんつんとつつき、事情を聞こうとした。]**
(23) 2015/04/20(Mon) 13時頃
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旅籠 おもんは、メモを貼った。
2015/04/20(Mon) 13時頃
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[ ねぇ、お狐様。
予言は、いつ当たるの?
両手に、お顔に御座す、その姿。
お面に覆われた奥の底。 どんな顔をしているかなんてぼくには分からない。
彼女がよろめいてしまったことも、 偶然であっても、苦しそうな声も、薄情にもぼくは見捨ててしまったのだから。 ]
(24) 2015/04/20(Mon) 13時半頃
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[ 目覚めてすぐは心地よかった。
掠れていたけれど、確かに声は出たし。 足は地についた。 指先だって不器用に動かせて 飛び込んでくる世界が全て鮮明に映ったというのに。
太陽が天辺を下り、お月様が顔を覗かせてからは、心臓は棘が立ったようにささくれ立っている。
見つからなかった。
もう、夜は訪れている。 紙切れ一枚の約束。 お爺さんは覚えていないかもしれないのに。
それでも“思い出したくない”なんてことはないんだと。 奇跡を見て見たかったのに。 ]
(25) 2015/04/20(Mon) 13時半頃
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[ しゃがみ込んだ先。
折れた細い枝が足元にあった。
きっと元は強い幹から伸びていたんだろうに、もうそこから蕾を芽吹かせることなく、終えてしまった一本。
残る花弁は瑞々しく美しいものなのに、ね。]
(26) 2015/04/20(Mon) 13時半頃
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『久方ぶりだニィ』
[再会を喜んでくださる挨拶に>>22 ふと頭の片隅で、私に向けて同じ言葉を向けた>>1:55 名も知らぬあの方の事をふつりと、思い出しました。
けれど種類豊富に紹介される品々>>23に意識が向けば、 すぐに淡く薄れ溶けてしまいます]
嗚呼…これはこれは。 此方のほっけは真に箸と白米が進みまして。 おもん様の品は魚の身自体の旨味がなんとも、 食欲をそそるものです。
[久し振りだと覚えていらしたのに、理由を聞かないのは 既に話が耳に届いているからでしょうか。 今は彼女の、その優しさに甘えさせて頂きましょう。 お礼にと、ほっけを一つ、それと新作のアジを一つ。 包んで頂きたくお願いします]
(27) 2015/04/20(Mon) 13時半頃
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[ かつん。 がつり。 かつん。
大きさも異なれば、響く音も別のもの。 少しずつ鼓膜を叩く物音>>20に とうとう顔を上げることが出来ない。
だって、似ているんだ。 かかとに当たった硬い音>>1:24に
見つかってしまったと、腕を抱く力を強めた、ら。
“この人”は、ぼくに声をかけたんだ。 ]
(28) 2015/04/20(Mon) 13時半頃
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………君は、だれ?
[ 闇夜に眩く映る色素の薄い髪。
風がそよぐ度にきらきらと輝く絹>>21に、一瞬世界が静まる。
しゃがみ込んだままではあるけれど、上向いた表情がその人と向き合うことがあれば、水の中に溺れていたかのように瞳が揺れていることが分かるだろうか。
そのまま、少し言葉を悩むように唇を震わせて、声かけに応えるためにすぐに首を振る。 ]
(29) 2015/04/20(Mon) 13時半頃
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手紙が、見つからなくて。 お願いごと、…書いてもらったのに…っ、
……ねぇ、手伝って…!
[ 名も知らない人。
もう少し落ち着いていたのなら、彼の脚に注意がいったのかもしれなかったけど。 いっぱい、いっぱいなぼくにとっては、立ち上がればすぐにこの人を見つめる。
指差した先は紙が舞っていった先。 奇しくも淡墨桜の方角ではあるがぼくは気付くことなく、藁にも縋るような思いで、この人の返事を待つ。]
(30) 2015/04/20(Mon) 13時半頃
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お酒、ですか。 …では折角の祭りです、頂きましょう。
[干物の代金を手渡してから、少し逡巡。 別段下戸というわけでもありませんが、つい躊躇って。 それでも折角ならばと、茣蓙の隅に席を頂き 楽しむ事に致しました。
応じれば出して戴けるのは甘酒か、麦酒か。 どちらにせよ有難く頂戴致しましょう。
傍らの外神様はどうされたでしょう。 よければ隣でもどうぞと、 主様の了承を経てからお勧めしてみましょうか]
(31) 2015/04/20(Mon) 14時頃
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―現在―
[顔が上げられ、其処に御座いました同じ色の瞳>>29は。 冷たい雨に晒されているどころか、暗い川の底、 今にも呑み込まれてしまいそうな程頼りなく。
切なる願い>>30に耳を傾けては、成る程。 不安という海に溺れかけていたのでしょう]
…まずは、落ち着いてください。 そう大きくはない村です、探せば見つかるでしょう。
[女性に前触れ無く触れるのは些か失礼かとは思いつつ。 立ち上がられてから、その小さな肩にやんわり手を添えて。 水中から水面へ導くよう、深い呼吸を促しましょう。
例え其れが出店の金魚のごとくであろうとも。 酸素もなく圧に身を軋ませるのは、さぞお辛いでしょう]
(32) 2015/04/20(Mon) 14時半頃
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[指で示される先は、奇しくも目的の場所で。 一度目で追ってから、一つ、頷きを返します]
えぇ、勿論。私に出来る事ならば。 ですがこの通り、歩みは亀の如く鈍間な身。 それでも良いと仰るならば、 見落とすことなくお供しましょう。
[杖を半歩分、ずり、と足を引き摺れば伝わったでしょうか。 早くと焦る彼女にとっては、もどかしいかもしれません。 それでもよいでしょうかと、伺うよう視線で尋ね]
この先、もう少しもすれば、淡墨桜が御座います。 今頃開花を待つ多くの方がいらっしゃるでしょう、 もしかすると見掛けたお方も見つかるかもしれません。
[手紙も、願い事も、何か知らぬまま。 彼女が同意を示してくださるなら、再び足を進めましょう]
(33) 2015/04/20(Mon) 14時半頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2015/04/20(Mon) 14時半頃
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[ 肩に加わる微かな温かさ>>32
咄嗟に目を見張らせつつも、宥めるような言葉に一度、浅くも息を吸い込んでは吐く。 それでも脈打つ心臓は軋んだ音を奏でていたけれど、少しだけ、なりを潜めて、徐々に一定の速度に変わりつつあった。
動揺は隠せなかったけど、頷き>>33が見えれば分かりやすく目元が綻んで、でも彼の脚とそのお供を見れば、遅れて視線を上にあげる。]
…鶴も亀も、舞を踊るんでしょ? それに兎にも勝ったんだ。 …手伝ってくれるなら、助かるよ。
紙には桜を一緒に見れますように、って、そう書いてある。 筆で記されてる。 桜を見つける前に、見つかるといいんだけど。
[ 見かけた人がいることを願うようにつま先で土を踏みしめる。 水なんて吸っていないのに、何処か足取りが重たくなってしまうのは、こころの持ちようか。
分からぬまま、彼が歩き出すなら調子合わせつつ周囲に視線を移しただろう。]
(34) 2015/04/20(Mon) 15時頃
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手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2015/04/20(Mon) 15時頃
双子 夕顔は、メモを貼った。
2015/04/20(Mon) 15時半頃
手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2015/04/20(Mon) 15時半頃
双子 夕顔は、メモを貼った。
2015/04/20(Mon) 15時半頃
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[幾許か落ち着いたように見え>>34、 安堵したのも束の間。
舞。 その一言に、年甲斐も無く息が詰まってしまいます]
…桜を。 大切な、約束なのですね。
[いけないと、直ぐに平静を取り戻して。 厳密に言えば、彼女の探し物へと意識を集中させて]
ならば確かに、先に見ては興が削がれましょうか。 鶴とは違い、案外夜目は効くほうなんです。
[すこしばかりおどけたように、実体は繕うように。 けれど探し物を見つけて差し上げたいのは本心ですから。
かつん。 がつり。 かつん。 約束の木までの道を、視線を配らせながら歩きます]
(35) 2015/04/20(Mon) 16時頃
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[ 間。
思わず視線を彼の方に向けた。 でも約束のことを口にされれば>>35 言葉を飲み込み頷く。]
海だって自由に泳げるんだ。 それに、…鶴みたいに覗いたら消えてしまわないから、ずっといいよ。
[ 戯れとばかりに軽い調子で返したつもりだった。 でも、思ったよりも水気を含んだ空気になりそうだから、誤魔化すように肩を揺らして、]
…ありがとう。亀さん。
[ 亀の如く鈍間なんて喩えていた彼だけど、ぼくはそう思わないから彼に向き合って。
杖の音を辿るようにして、周囲を見渡した。 ]
(36) 2015/04/20(Mon) 16時頃
|
|
[そうして歩き出した途中。
他の参加者とすれ違うことはあったか。 会ったのなら風に吹かれ飛んでいった紙を知らないか尋ねるのだけど。
一つ間が空いたのなら、そうだ。一つ聞いてみよう。とばかりに唇を動かす。]
ねぇ、淡墨桜は奇跡を起こせるって、本当…かな。 もし願いが叶うなら君は、何を願うの?
[答える声はあっただろうか。 ゆったりと足取りなれど視線は泳がせて。
少しずつ花弁の香りが強くなっている。 蕾がもう芽吹いたのかもしれない。 はやる気持ちを押し込めるため唇を引き結んでは、 また作業に戻る。]**
(37) 2015/04/20(Mon) 16時頃
|
|
[うすずみさまは、月明かりを受けて仄白く幻想的に浮かび上がる。 その姿をぼんやりと眺めていると、ざぁ、と強めの風が吹く。]
っ…
[着物の裾が翻り、反射的に抑えようとして、抱えていた手毬を転がしてしまった。]
待って…
[ころころと逃げるように転がる赤を追いかけ、少女は駆ける。 と、視線の先でその手毬が誰かのつま先にぶつかり、転がるのをやめた。 きれいな手がそれを拾い上げる。 顔をあげてみると、それはとてもきれいな男の人だった。 きれい、なんて陳腐な言葉では、足りないような。]
あ…
[ありがとう。 差し出されたその手毬を受け取りながら、そういおうと思ったのだけれど。 まるで何かに魅入られたように、言葉も体も思うようにならない。]
(38) 2015/04/20(Mon) 16時半頃
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[まるで硬直してしまった少女に、彼の人はどのような反応をしただろうか。 少女は数度唇を舐め、それからようやくか細い声を絞り出す。]
あの、あなたは…
[神さまですか。そう、問おうと思った。 けれど結局肝心なところが音にならない。 少女は両の手を胸の前できゅうと握りしめる。
少女の重ねた生の中で、人間とはよく会い話もした。 時にはあやかしとも出会うこともあったように思う。 けれど、神さまは、会ったことがない…だから、確信は、もてないのだけれど。
その男の人は、少女の知るどんな人とも違う存在だった。 何しろ“願い”が見えないのだ。 これは由々しき事態だった。]
(39) 2015/04/20(Mon) 16時半頃
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[どきどきと心臓が大きく脈を打つ。 人ならぬこの身に、心臓があるのかは知らないけれど。
くらりとした酩酊感に似た眩暈を覚える。 これは、毒だ。 そう思うのに、逃げることも離れることもできないのは…何故?]
あなたは…この地の人ですか?
[何とかして、お話がしたいと思ってしまうのは…何故? 少女は必死に言葉を探した。 揺れる眼差しがうすずみさまを捉え、あまり頭を通さないままに口走る。]
うすずみさま、白いんですね…
[自分でも何を言っているのかよくわからなかった。]
(40) 2015/04/20(Mon) 16時半頃
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双子 夕顔は、メモを貼った。
2015/04/20(Mon) 17時頃
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消えてしまうのは、怖いですか。
[戯れの言葉に、少しだけ、踏み込んで。 それでも続いた礼と、“亀さん”の名に、小さく笑みを。 名を呼ぶ声が、響きが、存外可愛らしく思えてしまうから。 答えたくないと仰せなら、首を引っ込めましょう。
合間、隙間に尋ねられる問い>>37に、瞬きを一つ。 一年に一度、半月が天辺に昇った刻に花開く桜。 うすずみさまと呼ばれる神様に仕える者もいた筈、 そういった噂話は確かに耳に届いています]
…そう、ですね。 少なくとも、私の周りで願いを叶えてもらったという方は いらっしゃいませんが。
[それでも、敢えてと言うのであれば。 少しの間、前を、遠くを、何処かを眺め。 唇を、微かに開きます]
(41) 2015/04/20(Mon) 17時頃
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――貴女にお聞かせ出来るほど綺麗でも、 大した願いでも御座いませんよ。
[口許に人差し指を立てて、秘め事と。 その間にも足はずり、ずり、と。地と擦れ音を立てます]
貴女ならば、何を願いますか。
[他愛ない、ありふれた世間話のように。 答えぬ己の卑怯さを自覚しながらも、 大人とはずるい生き物なんですよと。 年下らしき彼女に、笑ってみせましょう。
半月は、もうあと、すこうし。 約束は果たされないものだなどと、言いたくありません。
例え一方的な其れだとしても**]
(42) 2015/04/20(Mon) 17時頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2015/04/20(Mon) 17時頃
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えっえっ
[どうにか氷屋までたどり着き、ポケットを探っている間に、さっさと注文して支払いまで済ませてしまった男>>1:119に呆気に取られる。]
ちょ、ちょっと…
[そのまま去ってゆく男を追いかけようとしたら、『嬢ちゃん、いらないのかい?』と店主に引きとめられてしまった。 もう一度振り返ると、すでに男の姿はなかったので、仕方なく注文を進めことにする。]
(43) 2015/04/20(Mon) 22時頃
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…いちご
[『あいよ』と氷屋が手際よく氷を削ってゆく。 取っ手を回すごとに少しずつ白い氷が積もるのを見ていると、自分たちの季節を思い出して、心が落ち着いた。 と同時に、とてつもなく情けない気分になる。]
はあ… そろそろ行こうかなあ。
[目的は果たせたわけだし、とため息をつく。 兄弟たちはすでに次の場所へ冬を運びに南の方へ行った。 自分がここにいるのは、一目でいいから桜を見てみたいと駄々をこねたからである。 雪ん子のくせに桜が見たいなんて、と、ずいぶんと笑われたが、さまざまなヒトやあやかしが混在する『豊葦原國』ならひょっとして、と情報をくれたのも兄弟だった。]
(44) 2015/04/20(Mon) 22時頃
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ねえおじさん、あの大きな桜、いつ咲くの?
[白い山に赤いシロップをかけるのを見ながら、氷屋の店主に訊ねる。 ここに来てすぐ、確かに満開の桜は見た。 目的は果たせたと言えば果たせたのだが、あの薄墨桜を見ずに去ってしまうのは、やはりもったいない気がした。]
『月もずいぶん昇ったし、そろそろ咲いてるころじゃねーかな? へい、お待ち!』
[そうか、ならもう一度あの木のところへ行ってみよう。 そして目にしっかりと焼きつけてこの国を去ろう、と頷きながら、氷を受け取った。]**
(45) 2015/04/20(Mon) 22時頃
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―おもんの屋台―
[ズボォ!と芯棒探しから顔を上げると、ミツボシは杖を突いた男性と屋台の店番の女性から注目されているところだった。]
え?は?芯棒が・・・
[怪訝な顔をされれば、それ以上は話さず喉の奥に押し込む。どうやら自分が強烈な思い違いをしているようだと察したからだ。]
えーっと・・・あ、アタシ、お金が・・・
[何か飲むか、と二人から進められれば、困った顔をしてイジイジと人差し指を合わせる。 なんとかご好意に預かることができれば、一口二口と甘酒や麦酒に口をつけ始めることだろう。]
[―――彼女がとんでもない下戸と発覚するのは、その数分後のことである。]
(46) 2015/04/20(Mon) 22時頃
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小娘 ゾーイは、メモを貼った。
2015/04/20(Mon) 22時頃
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[じっとりと肌に汗が滲む。足を動かしくるりと回る度、手にした扇子が風を巻いて、遠心力に振られた髪が頬へ張り付いた。 玉を結んで落ちた汗が、地面へと吸い込まれる。男は動きを止めると、手の甲でぐいと額を拭った。
荒い息を整えながら宵闇の空を見上げる。暗い色の瞳に映り込んだ半月は、まるきりおもんにやった飾り櫛のようだ。
と、視界の端にころころと転がり込む赤い何か。>>38 爪先にぶつかって止まったそれを、屈んでひょいと拾い上げる。赤い手毬。これは。]
あんたのかい?お嬢ちゃん。
[転がってきた方を見れば、紅い着物の幼子の姿。>>39 手毬を受け取りながらも、ぽかんと惚けたみたいにこちらを見上げて、小さな唇だけがはくりはくりと何度か動く。
小首を傾げてみると、懸命に押し出された声が言った。『あなたはこの地の人ですか』。聞き覚えのある音色に、おや、と思う。今朝の。]
(47) 2015/04/20(Mon) 23時頃
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ああ、そうさ。 お嬢ちゃんは外神だろ?今朝、小鈴と一緒に居た。
[問えば幼子は小さく頷いた気がする。うすずみさま、白いんですね。ぼんやりした表情のまま、疎通が危うい問いが返る。
それには答えず、すたすたとその紅の目の前まで歩み寄った。 しゃがみ込んで、同じ高さの視線。にんまり笑えば、その表情は動いてくれるだろうか。ついでとばかりに切り揃えられたおかっぱを、ぐりぐりと撫でてみる。]
そんなに怖がんなくても大丈夫。 俺もお嬢ちゃんも、多分大して変わらない。 ほんのすこぅし、呼ばれる名前が違うだけさ。
[曖昧な物言いは、果たして幼子に通じたかどうか。 それはもしかしたら、神、とか、あやかし、だとか。そういう事を言っているのかもしれない。]
(48) 2015/04/20(Mon) 23時頃
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手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2015/04/20(Mon) 23時頃
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―>>46・それから―
[しばらくして。]
んっほほほほにょほぉ〜〜〜!
[ミツボシは意味不明な奇声を上げながら屋台の台をバンバンと叩き、すっかりいい気分な様子。 おそらく周囲がドン引きしているであろう状況でも、我関せずとばかりに頭をグリングリン回しながらにへらにへらと笑い顔を浮かべていた。]
ぉひゃれ、おりぃひゃんろっはいっひゃうろー?
[店の女性と歓談が終わったのだろう、席を立つ男性に向かって「お兄さんどこか行っちゃうの」、とでも言いたいのだろうが呂律が回っていない。]
うぅ、あらひもさぅらみりいぅー!
[「アタシも桜見に行く」、と思しき発言を残し、少女は千鳥足で屋台を後にする。 心配する店主の視点を背中に受けても、そのおぼつかない足は止まらない。]
(49) 2015/04/20(Mon) 23時頃
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[楽しい。楽しい楽しい。 理性を開放し、多幸感に酔いしれ。 一夜の内に咲いては消える花のように。 いずれは全て無に帰してしまう泡沫の夢だとしても。
たとえ、宇宙の塵と化す前に見る最期の猶予だとしても。]
―――アタシは、幸せだ―――!
[モニター越しに何人もの人間を殺めたこの手が、白く燐光を放つあの桜に手を伸ばしてもよいものか。 機体の誘爆に仲間が飲まれるのを見逃してきたこの目が、幽玄な半月と巨木の景色を映しても許されるのか。
こんな幸せな時を過ごして、次の瞬間過去からのしっぺ返しが来るのではないか。]
…ねえ、カミサマ。 どうして私をここに連れてきたの。
[舌など回らなくとも、独白は続く。 それは、宙の向こう、巨木に花開く白い満開の桜を見つめたまま。]
(50) 2015/04/20(Mon) 23時半頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2015/04/20(Mon) 23時半頃
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[小鈴、の名前が出れば、推測はほぼ確信へと変わる。 あぁそうだ、きっと、この人は。]
ぁう…
[やや乱暴な手つきで頭を撫でられれば、なすがままに頭が揺れ、小さく声を漏らす。 反射的に挙げた手が、頭を撫でる手に触れて、そこからぴりりとした何かが走ったような気がした。 乱された髪を整えるのもそこそこに、目線を合わせてくれたその人を正面から見つめ、幾分はっきりした声を出す。]
怖くない、怖くない、です。 あなたはとっても綺麗で優しい人だもの。 …でも、やっぱり別ものです。 慕う人の数が違うもの。
[ぷうと膨らませた頬は、まるきり子供の仕草だった。]
(51) 2015/04/20(Mon) 23時半頃
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[答えなどない。少女に特別な声を聞く力などない。 不純物(アルコール)を叩き込まれた脳が、思考を乱す。]
…幸せすぎて、怖いよ…!
[考えないようにしていた事実。 蒼く凍る宇宙(そら)の果てで、孤独に一人朽ちるのが。 いつの間にやら桜と祭りの下で、華やかな幻想の中に居る。 薄汚れた『機巧忍軍』に相応しき最期は取り上げられて。 愛機を犠牲に、己は祭囃子の中で酩酊している。]
ぅうっ・・・!っえぅっ・・・!
[何故だか分からない。嗚咽が止まらない。 それでも足は前へ。あの天を突くほどの大きな桜の木の下へ。]
ぅキシシっ・・・!ひっく・・・シシ・・・!
[笑い泣きか、泣き笑いか、分からないものを顔に貼り付けて。何かに救いを求めて、ひた走る。**]
(52) 2015/04/20(Mon) 23時半頃
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[ “消えてしまうのは、怖いですか”
頭の中、反芻する言葉>>41を受け止めながら、左胸が呼応するように脈打つ。 彼の唇にはゆぅるりとした月が弧を描いている。 だから、怯えまずに、今度は、逃げてしまう前に。]
…消えちゃったら、もう会えないかもしれない。 忘れられたく、ないよ。 ……なんてね。
[ 唇が、勝手に動いては、主張する。 だから誤魔化しに一言付け足しては、今更に茶化した笑みを向ける。
ああ、そうだ。 笑顔は、便利だった。 そう教えてくれたのは誰か、覚えていないのだけど。 ]
(53) 2015/04/20(Mon) 23時半頃
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[ 願いを叶えてくれるかもしれない>>1:42
嘘か本当かは分からないけれど、耳にした話について尋ねてみた>>37 さすれば答えは、彼の周りには願いを実らせた人の話はまだ流れていないようで。
少しの沈黙が訪れれば、つられたように彼の顔を、唇を、立てられた人差し指を。 砂を引き摺る音の中、じっと見つめる。
でも、口元に添えられた指先に、 逃げられたような心地になってしまって。 自分だけ、教えるなんて。 そんな想いがこころの中を渦巻いた。]
………大切な人が、いたはずだから。 約束をしたんだ。…確か。 だから、会いに行きたい。
[ でも問われたなら、ぼくには覆う程大きな仮面も手もないから、言葉として形に残す。
たとえ、願いが叶わなくたって。 ]
(54) 2015/04/20(Mon) 23時半頃
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亀さんとぼくの内緒だよ。
[ この時だけは分かち合えるから。 ]
(55) 2015/04/20(Mon) 23時半頃
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[ そして更に足を動かした先。
気付けば履いていた革靴は泥に塗れていたし、髪も汗が張り付いて、とても見れたものじゃなくなっていた。
でも、土を踏み締めた時 先に見える木の枝に引っかかった白い鳥が、ゆらゆらと頼りなさそうに翼を泳がせている。
それが、淡い黒を乗せた模様を刻みつけていた>>1:59ことを知れば、小走りで進んでいく。 ]
あった…けど、
[ ぼくの身長では届きそうにない。
思わず彼を見て、周りを見た。 ]
(56) 2015/04/20(Mon) 23時半頃
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かみさまは、意地悪だね。
[思わず零した一言。 やっと見つけたのに、届かない場所にある紙切れ一枚に。 眉を寄せて、睨むようにして空を見上げる。]
どうして、ぼくじゃないといけないんだろう。 …かみさまなら、みんな平等に愛してくれればいいのに。
狡いよ。
[ 子供の戯言だ。
それでも吐き捨てずにはいられなくて。 ぎゅっと両手のひらを握りしめては、彼に向き直る。
鼻頭が少し傷んだけれど、ここまで来てくれて手伝ってくれたのだから、お礼を、言わなくちゃ。 ]
(57) 2015/04/20(Mon) 23時半頃
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[その時々で、たった一人しか幸せにできない私。 それも、必ず幸せにできるわけでは無い。 そんな私が並ぼうなんて、比べるのもきっとおこがましい。 そう思うのだけれど。]
…あの。 お願い、聞いてもらえますか。
[唐突な問いに、彼の人はどんな顔をしただろう。 ばっさりと切り捨てられなければ、お願いを口にすること許されただろうか。
またいつか、ここに来てもいいですか。 私のこと、覚えていてもらえますか。 貴方と出会ったこと、覚えていてもいいですか。
願いはたくさんあったけれど、なぜだか最終的に私が口にするのは…
ぎゅってして、いいですか、になった。*]
(58) 2015/04/20(Mon) 23時半頃
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[ なのに、うまく言葉が出なくて。
でも、伝えなきゃ、いけないから。]
亀さんの、お陰で見つかったよ。
[ 心配させちゃダメだと、無理やり唇に、頬に、力を込めて、笑わなきゃ。 ]
………ありがとう。
[ だって、きっと。
手伝うと申し出てくれて、ここまで着いて来てくれたのは、本心なのかもしれないから。
子どもの我儘を、理不尽な悲しみを、見つからないように、押し込めて。 ]
(59) 2015/04/20(Mon) 23時半頃
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お願いごとに、綺麗も、大きさもきっと、ないよ。
絶対に叶うとは限らないかもしれないけど、でも …一緒に探せるかもしれない。
だからいつか、聞かせてね。
[ 笑みを向ける。 ]
ぼくは、もう少しここにいる、から。
[ 指の爪は白んできてる。
お面を被るのはそろそろ限界。 だから、少し疲れたなんて言い訳をすれば、木の根元に腰を下ろす。
彼はどうするだろう。 選択肢は彼に任せる心算で、逃げるように足元を見つめる。]
(60) 2015/04/20(Mon) 23時半頃
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双子 夕顔は、メモを貼った。
2015/04/20(Mon) 23時半頃
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慕う人の数?
[幼子の物言い>>51に、きょとりと瞳を瞬いて。その内で光る半月みたいに、男の眦が弓を引く。]
っははは…! お嬢ちゃん、そうじゃない。 確かに信仰は力だ、だけど数なんてそんなに重要じゃあ、ないさ。
[呵呵と笑って、子供じみた仕草で膨れた頬を柔く揉んでみる。 何かとても難しい表情で黙り込む彼女は、なにを、誰を想っていたのだろう。]
……かみさま≠ヘ、其処彼処に在る=B それを知るのがたった一人でも。
[秘め事のように囁いその瞳が、ほんの少しだけ揺らいだ。堀の中で見せたのと同じ、遠くの約束を思い出すような色。>>1:86
目の前の幼子が口を開く。少しの逡巡の後、お願いがあります、続いた言葉にまた小首を傾げて見せて。]
(61) 2015/04/21(Tue) 00時半頃
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『ぎゅってして、いいですか』
[続いた内容に、今度はこちらが呆気に取られる番。 すぐさま浮かんだにんまり顔は、何故かは分からないが、常よりも目尻が下がった気がした。]
お安い御用だ。 そんなの、お願いのうちにもはいらねぇって。
[久し振り、お嬢ちゃん。 言って両の腕を広げた。幼子が飛び込んでくるなら、ささやかなその重みをしっかりと受け止められるように、と。]
(62) 2015/04/21(Tue) 00時半頃
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手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2015/04/21(Tue) 00時半頃
小鈴は、メアリーに話の続きを促した。
2015/04/21(Tue) 01時頃
町娘 小鈴は、メモを貼った。
2015/04/21(Tue) 01時頃
メアリーは、亀吉に話の続きを促した。
2015/04/21(Tue) 01時頃
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[会えない。忘れられたくない。>>53 “会いたい。忘れたくない。” 想いは祈りのようにも、懇願のようにも聞こえました。
逃れたというのに、答えてくれた事には少し驚いて。 不確かな約束に、此方が懐かしさを覚えて。 そして。
願いを聞いてしまった私と、彼女の間に 秘密が、生まれてしまいました]
……内緒、ですか。
[私の告げた、ひとりきりの内緒。 彼女の告げた、ふたりきりの内緒。
ひとりとひとり、一方通行、それなのに。 隣に並ぶ間、灯るあたたかさが不思議で仕方なくて]
(63) 2015/04/21(Tue) 01時頃
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[やがて。 見上げた先、彼女が探しものを見つけたようです。>>56
続く吐露を、隣で静かに聞き入り。 継ぎ接ぎに紡がれる表情と礼を、受け止めます。 腰を下ろすまで、一連を見届けて。 再び顔を上げると、確かに私の腕でも届かないでしょう。 ゆらゆらと、頼りなく薄い白が揺らぎます。
持ち主を持たず、容易く風に飛ばされそうな其れが 足元に座る彼女と、重なりました。
名前を、呼ぼうとして。 そういえば未だ名前を知らなかったと思い至り。 彼女が贈ってくれた、実は本名そのままの渾名への お礼を返さねばいけませんね、と]
(64) 2015/04/21(Tue) 01時頃
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若枝のお嬢さん。 貴女はもっと、我儘でいいのですよ。
[手に握ったままの杖の先を、着物で拭ってから。 ちょい、 ちょい、と。 軽くつつけば枝から落ちた白い鳥が、ひらひらと。 揺れて、揺れて。大きく揺れて。 やがては彼女の許へ辿りついた事でしょう]
私には、彼の桜のように どんな願いでも叶えられる力など御座いません。 貴女の求める約束も、私にはとても。
[ですが、ね。 杖を握り直して、まだ腰掛けたままの彼女へと、 顔を合わせるように、視線を向けて]
(65) 2015/04/21(Tue) 01時頃
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私に願うおねがいごとならば。 例え限度が存在しようとも。 心に留めず言葉にすれば、届けてくだされば、 叶えられるかもしれませんよ。
[貴女が私に助けを求めた、最初のように。 片道を繋いだだけで、二人の秘密にしてしまったように。 ひとりきりの内緒にするより、ふたりきりの内緒にと。 そのほうが、寂しくないでしょう?]
亀は万年生きようと、 泳ぎ方も、好む食も。 きっと、誰かと見た景色も、交わした言葉も、 忘れたりしませんよ。
[貴女が器用に、不器用に隠す貴女へ。 ずるい大人は、声を掛けるのです。]
(66) 2015/04/21(Tue) 01時頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2015/04/21(Tue) 01時頃
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―満開になるすこし前のこと―
[体を動かす度に、小さな母のような少女が付けてくれた鈴が鳴る。 なんて、キレイな音なんだろう。はじめて聞く音なのに、心地が良くて人のざわめきの中でもこの音をつい、自分の耳は拾ってしまう。]
なんて、感傷に浸ってもお腹はすくのでーす!
[もうすっかり暗い。あちらこちらからウスズミサマ、月、一気にサク、あと少し、満開、などの何かを心待ちにする声が聞こえてきていた。そしてどうやら自分の背側にどんどん人は集まってるようだ。 たぶん、このおまつりがウスズミサマなんだと思う。 ふと、空を見上げる。]
そっか。ここの人たちにとっては、月は見上げるものなんだ……。
(67) 2015/04/21(Tue) 01時半頃
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そっか、月も宇宙も見上げるものなんだ…。地球のここからじゃ、ホームは遠いね。
[聞こえてきた「月」という単語に反応して、足を止めぽつりとつぶやく。 並んだ建物は、実は一時的な商売をするためのところらしく、立ち止まればそこで商売をしてる人に何やらおいしそうな匂いのものを半ばむりやり手渡された。キレイな音の鳴る小袋から通貨を出そうとしても、「ベッピンサンのコトカミサマにゃ特別だ」だそうだ。 この服はベッピンサンなのかコトカミサマなのか分からないけど、恩情に素直に礼を述べて大きな木の方へ戻ってみる。 どんどんウスズミサマの単語が増えていく。ウスズミサマとは、どうやらヒトじゃなくてこの木のことを指しているらしい。]
(68) 2015/04/21(Tue) 01時半頃
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[ 不恰好に蹲っていた。
それは初めて彼と出会った時のように。 ただ違うのは、深みを帯びた空の下では自分の影さえもよく見えなくて。
まるで、世界にひとり取り残された気分になった。
一緒に歩いていた頃は、初め騒がしかった心臓も言葉を交える度に穏やかになりつつあったのに。
理不尽な文句を撒き散らす子どもを受け入れてくれる優しさ>>64にずるずると付け入る自分に、自己嫌悪していた。
彼が木々を見上げていたことを知らないぼくは、声>>65がかかってもつま先を眺めていて。
でも、その先に一羽が止まれば、はたっと容易く呼吸が止まってしまう。
惚けたように、向けられた視線を真っ直ぐ見つめ返したんだ。 ]
(69) 2015/04/21(Tue) 02時頃
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………ずるい。
[ 不思議と耳に流れては染み透る声>>66 少し遅れて頭が意味を咀嚼し始める。
咄嗟に零した言葉は、不貞腐れたもの。 でも、口元には、綻ぶ前の弧確かに乗せて。 ]
ぼくだって、…忘れないよ。 ……ちゃんと、恩返しだってしてあげる。
[ 滲む瞳の中、落し物を手のひらで抱きながら見上げて。 でも、あまりにも遠い気がしてしまったから、空いた片手を付いて、そっと腰を持ち上げる。
そうすれば、差はあれど縮まる背丈と、距離で]
でもこれじゃ、ぼくばっかり内緒を君に伝えてしまいそうじゃないか。
[ 拗ねたような口振りで愚痴を零しつつも、その唇で我儘を強請ってみたんだ。 ]
(70) 2015/04/21(Tue) 02時頃
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[大きな大きな木。背を向けない限りずっと目につくくらい大きな木。 何も咲いてないけど枝にピンク色のものがたくさんある。 きっとこれが咲いたらピンクでキレイになるだろうな。あたりの人の話では月とこの木の咲くタイミングが関係してくるらしい。 まだすこし時間はあるみたいだから、いただいたいいにおいの食べ物を食べて、咲くところを見ようと思う。]
よっこらせ〜っと。 なんだこのおいしそうなにおいは!
[透明な食べ物が入ってる使い捨てのパックを開けると、食欲をそそるにおいが、ふわ〜っと広がる。茶色いパスタみたいな麺状のものの上にタマゴがのっている。ヨダレが一気に溢れ、ハシを手に取りズゾゾと吸う。]
なにこれ、え、なにこれおいしいなにこれ。
(71) 2015/04/21(Tue) 02時頃
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……ぼくのこと、忘れないでいてね。
[ そのまま、杖を持っていない方の彼の手を見つけられたのなら、小指同士をそっと絡める素振りだけをして、すぐに離そうと。
また並び合うことが出来たのなら、視線を淡墨桜の方へと向けて。]
亀さんも桜、見に行こうよ。 淡墨桜のかみさまは、願い事を叶えてくれない“ケチ”かもしれないけど… 一番綺麗だって、聞いたから。
みんなで、見たいよ。
[ そっと彼の腕の裾を掴めば、やんわりと促した。 ]
(72) 2015/04/21(Tue) 02時頃
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―満開―
[いただいたもののあまりの美味しさに、さっきこれをくれた店主の元へ可能な限り早歩きをして買いに行く。通貨なら持ってるもっと食べたい。食べさせろ!!! 周りのヒトの声で「もうすぐ月が」とか「咲く」とか聞こえてたから焦っているのだけど、服と履いてる物と、人の多さにぜんぜん進まない。 焦って反対を向いてる間に歓声とどよめきが聞こえた。 どうやら咲いた瞬間に見ていなかったらしい。つくづくマヌケだ…でもそんなすぐには散らないだろうから買ったらすぐに戻って、木の花を見ながらあの茶色い麺を食べると心に誓った。]**
(73) 2015/04/21(Tue) 02時頃
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それならば、楽しみにしています。
[不貞腐れ、拗ねたような幼い物言い>>70は 先の無理やり象っていた笑みより可愛らしくて。 ついつい喉の奥を鳴らしてしまいますが、 口にすればもっと膨れてしまうのでしょう。 ですから、彼女の意思へ素直に喜びを伝えます。
言葉として、音として紡がれる願いには、頷きを。 片手、泳ぐ小指には、目許を和らげて。 するりと滑らせ、糸を、結びましょう。 ふたりぼっちにしか見えぬ糸を。
ただ、続く“ケチ”という言葉には 流石に私も、笑ってしまいましたでしょうか]
ケチ、ですか。 そんな風に仰るのは、貴女が初めてかもしれませんね。
(74) 2015/04/21(Tue) 02時半頃
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[袖を引く控えめな力に、 みんなで見たいという言葉に、 すこうしだけ、 間を置いて。
今度は頷くことはせず。 それでもゆっくり、歩き始めます]
…貴女ばかりで不満だと言うのなら、 私も一つ、内緒を伝えましょうか。
[かつり。 がつん。 かつり。 相も変わらず不恰好な音が、響き始めます]
私は、淡墨桜へと向かっていました。 それは、行かなくてはと思ったから。 私の探す『どこか』が、其処にあると思ったからで。
[かつり。 がつん。 かつり。 杖のあと、足を土に泥に引き摺る音も微かに聞こえます]
(75) 2015/04/21(Tue) 02時半頃
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…本当は、少し。怖かったんです。 淡墨桜の許へ、ひとりで行く事が。
[足を、――を喪ってから、赴く事のなかった村の象徴。
小さくて、大麦とレタスが他より少し良いばかりの村。 乱れ咲く春も、快活な夏も、実りの秋も、美味の冬も。 きっと別段、全ての者を魅了するほどでもない。
それでも、一つだけ。 住む者も訪れる者も楽しませる、村の誰もが愛する桜。 生まれ育った村に活気と潤いを、元気を、楽しさを、 連れては咲かせ、また一年と繰り返す桜を。
良いものだ良いものだと来訪者に話すばかりで。 最後にこの眼で見たのは、何年前だっただろう]
(76) 2015/04/21(Tue) 02時半頃
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[だから、と。 隣にいる彼女へ、振り向いて]
有難う、御座います。
[其れだけを告げて、微笑んで。 後は向き直り、足を進めます。 半月はもう、もうすぐ、昇りきってしまうから*]
(77) 2015/04/21(Tue) 02時半頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2015/04/21(Tue) 02時半頃
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―淡墨桜―
[ようやく、ようやく辿り着いたその場所は やはり多くの者で賑わっていて。 それよりも。月光をその身に浴びる桃色も、神秘さも。 数年前から、何一つ変わってはいなくて。
どくり、 と。
忘れかけていた、掌に鷲掴まれたような冷たさを。 覚えたままだった心臓が、痛いほどに跳ねました]
……此処からでは、人混みで見えにくいでしょう。 もう少し前へ行かれるといい。
[傍らの、若枝の方に、そう告げて。 みんなで見たいと仰っていたのは覚えているのに。 自分もと促されたら、今度こそ首を横に振るでしょう]
あまり、見知った者の目に留まりたくないのです。
(78) 2015/04/21(Tue) 03時半頃
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[代わりにと、もう一つ内緒をお渡しして。 どうにか彼女を送り出せたでしょう。
並ぶ頭が桜の全貌を隔て、それでも少しだけ離れた場所へ。 半分から上なら十分見える場所へ移り、振り向いた時。
半月が、丁度天辺まで昇りました>>#0]
―――っ、
[一斉に開く、柔らかな月光を纏ったかのような桜。 桃から白へ移り変わり染め上がるその瞬間も、 湧き上がる歓声も、何も。変わってなど、いなくて。
心臓を捕えていた手の力がするりと解けるような、 冷たく覆っていた氷が花開くように溶けていくような、 感情が、 熱が、 想いが、 込み上がって、 きて、]
(79) 2015/04/21(Tue) 03時半頃
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[ ぽた。 ぽた。
水滴の落ちる感覚は、今度は汗などではなくて。
滲む視界、からんと杖が落ちた音も気にせずに。 近くの木、桜の樹へと、崩れ落ちるように寄りかかります]
――っ、ふ、 ぅ、
[幾ら離れた場所とはいえ、大勢の方がいらっしゃるのに。 急速に溶かされた氷が、湧き上がった熱が、 とても抑えられるものとは思えなくて。 内から瞬く間に溢れる其れが怖くて、怖くて、怖くて。 ただひたすらに声を押し殺して、蹲ります。
掻き乱される。暴かれる。攫われる。 まやかしで慰めていた本心が、祈りが、願いが。]
(80) 2015/04/21(Tue) 03時半頃
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[村の為に踊っていた舞だった。 村の為に生きていた生だった。
小さくて、大麦とレタスが他より少し良いばかりの村。 乱れ咲く春も、快活な夏も、実りの秋も、美味の冬も。 きっと別段、全ての者を魅了するほどでもない。
それでも。 この村を、愛していた。愛している。今も。
なのに、私は。 もう村の為、神に祈りを捧げる事も出来やしない。
あの日私は、死んだのだ。 この脚と共に、村の為にと舞っていた私は、死んだのだ。
ならば、私は。 私は。]
(81) 2015/04/21(Tue) 03時半頃
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――何故、未だに、生きている…ッ!
(82) 2015/04/21(Tue) 03時半頃
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[酷く頼りない、か細い声だった。 奥底から絞り出したような、這うような呪詛だった。
分かっている。分かっているのだ。 私の命があってよかったと喜んでくださる声も。 安易な終末を望むのが只の逃避でしかないことも。 また「どこか」が、「いつか」に希望を見出せることも。 約束を守る為に生きるという選択肢があることも。
全部、全部、分かっているのに。 心の奥底に宿る、若枝の方に言えなかった願い>>42は。 決して消えてくれる事はないと。 それがどれだけ、ずるくて酷い願いだとしても]
――ぅ、 っ、
[そうして、暫くはその場にひとり。 蹲る姿がぽつんと、祝いと感嘆の声が飛び交う賑やかさの影に、鳴りを潜めていたでしょう**]
(83) 2015/04/21(Tue) 03時半頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2015/04/21(Tue) 03時半頃
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芯棒?>>46
[こてり、と首をかしげる。]
芯棒になんかあったのかにィ?
[目線を目の前の奇妙な服装の彼女に向ければ、なんだかそれ自体も勘違いのようで。 ―――まあいいや、とおもんは切り替える。]
―――お嬢さんも何か飲んでいきなよォ。
[お題について口ごもる彼女を見てピンときた。外神様だ。]
あァ、お代なら…んじゃお嬢さんの持ってるもので何か一つおくれよォ。
[そう言って甘酒を器に注ぐ。無理なら無理で、外神様だしただでふるまうつもりで。]
(84) 2015/04/21(Tue) 07時頃
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-その少しあと-
……まさか、甘酒で酔うニンゲンがいるとはにゃァ……
[小さくため息をつくおもんの目の前の彼女は奇声を上げながら頭をグリングリンと上機嫌に回している。]
お嬢さん、とりあえずお水あるから飲みにゃァ…ちょ、ちょっとォ!
[そう声をかけようとした瞬間、亀吉につられふらつく足で立ち上がる。>>49 どうやら桜を見に行こうとしているらしいが、えらく蛇行している。]
―――大丈夫かにゃァ、あの外神様。
[心配げに見やるおもんの気持ちをよそに、彼女は人ごみに紛れて行った。]
(85) 2015/04/21(Tue) 07時半頃
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[ふっと雑踏から目をそらし、顔を上げれば。]
今年も咲いたにゃァ―――
[白い花びらがここからでもはっきり揺れているのがわかる。 今年も、この時期だ。]
……祭りは後片付けが勝負なんだよにゃァ。
[屋台商売をしているけれど、自分の本当の生業は]
―――あァ、いらっしゃい。
[屋台に来る人にまた愛想を振りまく。それは外神様か、村のものか。]
(86) 2015/04/21(Tue) 07時半頃
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[猫には9つの命がある。
おもんが喋れるようになったのは3つ目の命の時だった。 周りの猫仲間には、遅いほうだと馬鹿にされた。
尻尾が2本になったのは5つ目の命の時だった。 人に化けられるようになったのは7つ目の命の時。
9つの命が終わって、ようやっと死ねる、とそう思った。 もういろんなニンゲンと別れるのが嫌だった。
でも、死ねなかった。]
(87) 2015/04/21(Tue) 07時半頃
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[気が付けば、地獄の獄卒が説明していた。
火車。 死んだニンゲンが現世で迷っていたら三途の川まで送り届ける仕事。 ニンゲンには忌み嫌われる仕事。
ニンゲンが好きだった。 ニンゲンの周りのなにくれも好きだった。 ニンゲンと一緒に日向で寝ころぶのが好きだった。
この村のこの祭りは、自分の役割など関係なく、ただの猫又として扱ってくれる。 桜は自分を変わらず花びらで包む。 だから、おもんはこの祭りが好きだ。]
(88) 2015/04/21(Tue) 07時半頃
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―――今年もきれいだにゃァ。
[酒を注ぎながら振り仰ぐと、さわさわと桜が揺れた気がした。]
……あい、マタタビ酒の水割りだにィ。 こっちは麦酒だよォ!
[客に笑顔で酒を渡しながら、今年も来てよかったと思っていた。]**
(89) 2015/04/21(Tue) 07時半頃
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旅籠 おもんは、メモを貼った。
2015/04/21(Tue) 07時半頃
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[焦って焦って、せかせかせかと小幅であの店主の元へ向かう時、
『……あい、マタタビ酒の水割りだにィ。 こっちは麦酒だよォ!』>>89
思わず振り向かずにはいられないような、興味の惹かれる声とコトバ。声の方向に体を向ければ、なにやらコップのようなものが見えた。そしておそらく自分が今着てるものと同じ種類のものを着てるんだろうが、同じとは到底思えないほど、キレイで艶やかな着方。このヒトが声を発していて、この店の店主らしい。 一気に食べたせいか、そういえば喉も渇いてるんだった。でも買い物がちゃんとできるか不安だ。とりあえず通貨がよく分からない。それでも。]
あ、のココで買い物するの初めてなんですけど、なにか飲み物売ってらっしゃる声が聞こえたので。私にも何かください…!トリイの中に置いてあった通貨、を少しいただいたんですけど、どれか分からなくて…。おねえさんの服とか小物の合わせ方すごくキレイ!!セクシーってゆうか。
[少し緊張して話しかけたものの、話し出したら緊張がほぐれていった。]**
(90) 2015/04/21(Tue) 08時半頃
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っ…!
[久し振り。>>62 そう言って、手を広げてくれたその人に、唇罠泣かせ少女は抱きついた。 まるで迷子が母親を見つけたような按配に。 ふぇ、と情けない泣き声が漏れる。 頬を滑る涙が顔をうずめた肩口に染み込んだ。]
ごめ…なさい…
[貴方のこと、覚えていなくて。]
ありがとう…
[私のこと、覚えていてくれて。 狭間の時を超える度、記憶の殆どを白く塗りつぶされてしまう少女には、その人と過去に出会った事があるのかどうかはわからない。 わからないけれど…酷くほっとした。]
(91) 2015/04/21(Tue) 09時半頃
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[貴女は私の願いを叶えてくれたけれど、貴女の願いは誰が叶えてくれるの?
そう私に尋ねたのは、“お母さん”だった。 その時私は何と答えたっけ。
ーー大丈夫だよ。私の願いは、貴女の願い。
その答えに返された、複雑な表情の意味が、その時は分からなかった。 けれど、きっと、本当は…ーー]
(92) 2015/04/21(Tue) 09時半頃
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私、夕顔って言います。 でも、もうすぐ“夕顔”じゃなくなるの。
[そっと抱擁を解き、少女が呟く。 少女の纏う着物から、夕顔の花が消えかけていた。 今や掠れた筆の跡のようになったそれを、少女は寂しげに見やる。 よく見れば、着物の裾の方から紅色が抜け、白くなり始めているのも分かるかもしれなかった。]
また、狭間の時に、ここに来ます。 その時は、姿も名前も違うと思うけれど。
[少女は笑みを見せる。 それは幼い顔立ちに似合わない、妙に達観した大人びたものだったが。]
また、貴方に会いに、来ますから。
[また、久し振りって、言ってくださいね。 そう言って小さく首を傾げた時には、ほんの少し影が薄れたようだった。**]
(93) 2015/04/21(Tue) 10時頃
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双子 夕顔は、メモを貼った。
2015/04/21(Tue) 10時頃
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─薄墨桜─
[蛍を抱いた袋花のように、花弁に柔く光を纏い、半月を吊るした繊細な夜空にしっとりと調和する様に、思わずため息に声が乗る。 時折風に攫われ、千代紙の破片にも見える真白のひとひらが、足元に落ちる。 鮮烈な美しさに、束の間、呼吸さえを忘れてうっとりと見つめた]
…さくらはひとを 狂はせる
[疫病んだ狐の頬の色は、 人の心に収めるに壮絶過ぎる其の美しき灯りにどこか似る] [面の下、潤みし双眸に、どうか全てを刻みたい、どうか総てを吸い尽くされたい、切な願いを色濃く浮かべ、儚き輝きの前、喧騒の端に沈黙を重ねた]
(94) 2015/04/21(Tue) 10時頃
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[ 笑みの裏側>>74までは察することは出来なかったから、次を彷彿させる言葉に素直に喜ぶことにして。
約束を結ぶ度に巻き付ければ、唇は満足そうに緩んだだろう。 ]
じゃあ、ぼくが一番だ。
[ なんて、何処か誇らしげに胸を張りながら。 ]
(95) 2015/04/21(Tue) 11時頃
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[ ぼくのお願いごとに彼がどう思ったのかどうかは分からない。 でも着いて来てくれる音に肯定だと捉えた。
足を引き摺る音>>75 杖の音。
少しずつ、人通りに出ているのか増える声。聲。こえ。
かつん。
彼の語る ないしょ ]
(96) 2015/04/21(Tue) 11時頃
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[ 行かなくては。
私の探す『どこか』が淡墨桜の元へあるかもしれないから。
でも、一人で向かうのが怖かった。
どうしてきみは行かなくちゃいけないの。 きみの探す『どこか』は、どこ?
尋ねたいことはたくさんあった。
でも、君は振り向く>>77 ぼくの方を見て、ただ。 唇の端を上げて礼を口にしたんだ。]
ぼくは、“君”の隣にいるよ。
[だから、前を向いて歩く彼にそっと、その言葉を押し付ける。
たとえ、気休めでしかなくとも。]*
(97) 2015/04/21(Tue) 11時頃
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―淡墨桜―
[ 人の姿。笑み。賑わい。
先程まで二人で歩いていたからか まるで一気に現実へと引き戻されたような感覚に陥る。
無意識に一歩だけ、彼の方へ歩み寄りながら、月光を浴び、透けるような美しい枝葉に双眸を向ける。
でも此処からじゃ朧気にしか見えない。 だから彼の提案>>78に頷いて、当然のように一緒に、と声をかけたのに。
左右に揺れる月色に輝く髪色。 もうひとつ、彼が口にした内緒>>79に ]
(98) 2015/04/21(Tue) 11時頃
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[ 半月が、夜空を上がっていく。 ]
(99) 2015/04/21(Tue) 11時頃
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[ ハッと意識が浮上する。
気を失えていた訳ではない。 だが、確実に耳元で落ちた言葉は花弁のように儚く霞む程ちいさなものだったけれど。
確かに、掬い上げて。
彼にも同じ言葉をかけようと思った。 でも、聞こえるんだ。
誰の声だろう。 ――知っているはずでしょう。 知らないよ。 ――知らないふりをしているだけ。そうでしょう?
―――どうせ、あなたはいなくなってしまうのに。 無責任なこと、…言わないでよ!
ああ、わたしの声が聞こえる。]
(100) 2015/04/21(Tue) 11時半頃
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…まだ、恩返しは済んでいないから。 だから、……届けてよ。
叶えられないかもしれないけど、ふたりでなら持てるかもしれない。
[ワンピースの裾の中に手早く突っ込めば、袋に入った星型の砂糖菓子を取り出して、]
あなたの為のお願いごとを。
[ 聞かせて。
そう付け足す前に 後ろから、横から、溢れた人並みに押されるようにして引き下がる。
自然と離れていく距離。 時折振り返りながらも、徐々にその姿は見えなくなって。 *]**
(101) 2015/04/21(Tue) 11時半頃
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―― 回想 ―― [ポーラは、まさしく私に教えを乞うかのように、矢継ぎ早に質問を繰り出してくる。 私は使ったことはないが、ツウカとやらもあったはずだ、 屋台はあちらに居並ぶ小さな建物のことだ、と それらに一つ一つ丁寧に答えてやる。>>0:89 ついてきてくれないかという頼みごとを特に断る理由もない。 歩きだしたポーラの前を、悠々と歩く。]
ああ。 おさがりはいただいてしまっても何も問題ない。 既に私も何度かいただいている。
[そうして、鳥居の近くまでくれば、あとは自分で探すという。>>0:92 先ほどは教えてくれと言っていなかったか。]
(102) 2015/04/21(Tue) 12時半頃
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[少し思案して、はたと気づく。 ポーラは服を着替えたいと言っていた。 私も猫とはいえ、雄である。 彼女の乙女心を察して、ふむと頷きをひとつ。]
そうか。 では、私も祭りへと向かおう。 何か困ったことがあれば、誰なりと聞くといい。 此処の生き物は皆親切な者ばかりだからな。
[ちゃっかり名前の後に先生とつけられ、妙な気恥ずかしさがある。 またね、と手を振るポーラに向け、 前足の変わりに尻尾をゆらゆらりと、二度ほど振った。**]
(103) 2015/04/21(Tue) 12時半頃
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アーサーは、亀吉の足元を、道中するりと横切った。
2015/04/21(Tue) 12時半頃
双子 夕顔は、メモを貼った。
2015/04/21(Tue) 15時頃
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ー回想・おもん様の屋台ー
[代金を支払い頂いた麦酒を、ちびりちびり。 微かに喉を焼く酒気に、小さく息を吐いて。
今年の麦も良いものが育ちましたね。 そんな他愛ない話でも続けようにも、 お隣で酔いの回っている外神様に言えもせず。
さて、どうしましょう。 お水なら自分が用意するより、おもん様の方がお早いか。 どのみち長く居座る気にはなれず、 ゆっくりと腰を上げます]
ご馳走様でした。 また来年も、お待ちしておりますね。
[ここ数年、足を運ばなかったのは自分だと言うのに。 のうのうと棚に上げ、また次の機会をと]
(104) 2015/04/21(Tue) 15時頃
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[そうすれば続くように立ち上がった外神様は、 大変頼りない千鳥足でふらふらと。 制止も聴かず、何処かへ消えてしまって]
……ご無事だと、よいのですが。
[思わず安否を心配する言葉を一つ。 それでも私も、其処を後にしたのです*]
(105) 2015/04/21(Tue) 15時頃
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[腕の中で肩口に顔を押し付けて泣く幼子>>91の背を、あやすように撫でる。 『ごめんなさい』、『ありがとう』。嗚咽混じりの謝罪と感謝の、合間にあった言葉はなんだったろう。
それはきっと、積み上げられた小さな約束のひとつだ。 満開の桜木の下で、咲いては散っていく花を見上げて、誰もがいとも容易く口にする、他愛も無い、約束。
抱擁を解いた娘が、名を告げる。>>93その涙で濡れた頬を覗き込む男の表情は、ひどく、ひどく、やさしいものだった。
もうすぐ名前を失うと、そう言った彼女の紅色の着物に織り込まれた筈の夕顔は、ふうわり掠れて消えかけている。よくよく見ればその紅も、裾の方から淡く滲んで薄れていた。
また会いに来ると、久し振りといって欲しいと、涙混じりの笑みで強請られる。 男も笑って小指を差し出した。そうしてまた、小さな約束を積み上げる。何度でも。何度でも。]
(106) 2015/04/21(Tue) 15時頃
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[こん、こん] [けほ ごほ]
[祝祭よ、尽くること勿れ。花の盛りよ、過ぐること勿れ。 お前のつひは、夢のつひ、何故だかそんなことがよぎって、露を孕むにはまだ早い、若芽と土の感触を足裏に、よろめきながら後退る]
みつかったかな あのこ
[約束を闇夜に盗まれてしまった娘、幽かに触れた指先。 道中、今度こそ右と左を見て歩いたけれど、紙片の一つも落ちてはいなかった。 きっとあの後すぐ追いかければあるいは、然し足を向けた先は娘の背ではなく、桜木の大海。 悔いてはおらずとも、案じることは許されるだろうと]
(107) 2015/04/21(Tue) 15時半頃
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指切りしよう。 次も、その次も、綺麗に咲くからさ。 また、…会いに来て。
[小さな指を絡められる。 奇しくもそれは、少し前に何処かであったような光景>>95で。 揺れた袖から舞った蝶が、繋がった指を辿って夕顔に纏い付く。透明な青や薄桃や薄紫色の燐光は、しかし今度は消えずに色が抜けて白くなった彼女の袖や裾に焼き付いた。 淡く光る糸を縫い込んだような、艶やかな蝶の柄。]
目印。
[ひひ、と悪戯に笑って、幼子の髪をもう一度撫でた。 ホラ、行きな。軽く背中を押す。手毬を抱えた少女はすんなり歩き出してくれただろうか。]
祭りはまだ終わって無えだろ? 美味いもん食って、誰かと話して、楽しい気分でじゃあ、またね≠セ。 その後のことは、その時考えりゃいいさ。
(108) 2015/04/21(Tue) 15時半頃
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[以前なら、人間と意志の疎通などできるはずもなかった。 しかし今ならば、彼らと言葉を交わすことができる。 この村の桜が何れ程見事なものであったか、 あの男を見つけたなら、ひとつ語って聞かせてやろう。 ならば一等見晴らしのよいところへ。]
………うむ。
[それが浅慮であったことに気づいたのは、 広場の外れ、少し高めの木の枝に登ってからであった。]
……存外、高いな。
[さて、どうしたものであろう。**]
(109) 2015/04/21(Tue) 15時半頃
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[裾を揺らして遠ざかる小さな背中。 見送った表情が少し寂しげなのは、登った月がやがて落ち始めるから。
目を伏せ、耳を澄ます。 広場に集まった者たちが、無意識に積み上げていく。
来年も。 来年も。 いつかまた。 また。]
────ああ。約束、だ。
[気付かぬうちに積み重ねられた、再会の。]**
(110) 2015/04/21(Tue) 15時半頃
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手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2015/04/21(Tue) 15時半頃
町娘 小鈴は、メモを貼った。
2015/04/21(Tue) 15時半頃
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ー若枝の方と別れる前ー
[先より一歩分近付いた距離。>>98 だからこそ彼女の変化が伝わって。
間、逡巡を経て手渡されるのは、今宵の空から零れ落ちたような。 星に願いを。ふと、初夏の祭りを思い出して。 あれは願いを星ではなく、笹に吊るした短冊に託すのですが。
遠い遠い宙の向こう、川に隔てられ離れ離れになった二人。 彼等のように一年に一度だとしても、 彼等とは違う季節だとしても。 願うならば、きっと]
(111) 2015/04/21(Tue) 15時半頃
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また、会えますよ。
[人の波に流され攫われていく彼女に向けて。 願いも言えぬ、彼女の願いに肯定も示せない 狡い大人だと知りながら。
それでも笑みを、微笑みを浮かべ、 見えなくなるその間際まで、見送りました。
残ったのは、小さなちいさなお星様、ひとつ*]
(112) 2015/04/21(Tue) 15時半頃
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亀吉は、道中足元で何かが、通り過ぎていったような、
2015/04/21(Tue) 16時頃
座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2015/04/21(Tue) 16時頃
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[矢継ぎ早に言葉が聞こえ>>90、振り返る。 せくしい、の意味はよくわからないが、前後の言葉からするにどうやら自分が褒められているようで、隠したはずの尻尾がまた上機嫌に出てきそうになる。]
お嬢さんうまいこと言うにゃァ。 飲み物、色々あるよォ、マタタビ酒に麦酒、あとこっちは果実酒。 ああ、お酒が苦手なら甘酒も柚子茶もあるよォ。
[甘酒でさっき酔っぱらった外神様もいたが、ふつうは大丈夫だろう。 相手がのぞきこめばそれを丁寧に説明する。 恐らくはこの人も外神様だろう。]
お金はどれも一緒だにゃァ。とりあえず飲みたいものを飲むといいにィ。
[そう言って他の客から注文されたうるめを炙りはじめた。]**
(113) 2015/04/21(Tue) 16時頃
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旅籠 おもんは、メモを貼った。
2015/04/21(Tue) 16時頃
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[ゆびきり。>>108 それは、少女もよく知る約束のしるし。 きらりと舞った蝶が、指先から袖に移るのを、幻でも見るように眺める。 小指を差し出した右手の袖に、とまった蝶はそのまま布地に縫い込まれる。 袖をきゅっと握りしめると、大事なもののように胸に抱く。 撫でられた頭の感触も、優しいまなざしも、声に含まれたぬくもりも。 この蝶とともに、私の中に残ってくれますように。 誰とも知れぬ相手に、少女は願う。
とん、と背中を押されるままに、歩き出す。]
…そう、そうですね。 楽しい気分で、またね。
[そっと口の中で繰り返し、少女はいったん振り向く。]
またね…――。
[唇だけで紡いだ彼の人の名前は、間違っていなかっただろうか。]
(114) 2015/04/21(Tue) 16時半頃
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[手毬を抱え、少女は小走りに駆けだす。 入り乱れる記憶に沈んでいた心が少し浮き立つようだった。 少女の半ば以上白くなった着物に、色とりどりの蝶がきらきらと揺れる。
お月様が下りたならば、お祭りは終わってしまう。 あと少し、もう少し。]
ふふ、あはは
[せっかくならば、今を楽しんでしまえばいい。 どうせ、狭間の時を超えて誰かの元へたどり着いたら、またしばらく自由などないのだから。 それを不便に感じたことは勿論ないけれど。 少女は桃色の花弁を巻き上げ、手毬で戯れ遊ぶ。*]
(115) 2015/04/21(Tue) 16時半頃
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双子 夕顔は、メモを貼った。
2015/04/21(Tue) 16時半頃
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[白と紅の緩やかな階調に、飛来する植物の如き蝶が舞い踊る。 視界の端を掠めた色彩をもっと見たいと首を捻れば、零れ花の雪の下、花衣、白い其の中で、たいそう映える着物を纏った童女が、踊るように鞠をついていた>>115]
[こんこん]
[一歩一歩、歩みは側へ。気付くか、気付くまいか。 石段の上では間抜けな音を立てていた革靴も今は土の上、ああ、然しこちらを向く、顔を上げる]
こんばんは [こん、こん] あなたも、お花見? [こんっ]
[右手の狐で白い巨木を指しながら] [言葉の合間に肩が揺れる、狐が鳴く。 先刻から真綿が肺腑を締め付ける感覚がどうにも強い、されど宴も酣、気にしていては興が醒めるというもの]
(116) 2015/04/21(Tue) 17時半頃
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->>52・屋台通り→???-
うぇえ、えぇえーーっ…!ぇえっぐ…!
[しゃっくりが止まらないほどに感情の昂りが治まらず、どこかへ向けて走っていた。 雲のようのな白さを纏った巨木に近づこうと足を進めていたものの、気がつけばまた自分がどこに居るのかも分からなくなっていた。]
ひっく、えぅ…!ヒック…
[まるで蜃気楼のように薄墨桜には近づけず。 歩みは鈍くなり。 途方にくれるようにやがてその動きを止めた。]
ひっ…!っ…!
[満天の星空と、宙に浮かぶ半月。 巨木以外の桜も爛々と花を開かせ、道行く人を楽しませている。]
(117) 2015/04/21(Tue) 20時頃
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『………うむ。』>>109
[と、どこからか、朗々とした声が響いてきた。 物理的に音が反響する感じではないが、不思議な声だった。]
ヒュッ…?っ…! な、なになに、今のなっ…に…?
[酔いも冷めたのか、口は正常に回る。 但し横隔膜のけいれんが、時たま言葉を遮るのだった。]
『……存外、高いな。』
[上を見上げれば、高さを確かめるように見下ろす猫の姿。**]
(118) 2015/04/21(Tue) 20時頃
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[登ることができたのだから、その逆ができないはずもない。 さて、私は何処に後ろ足をかけたのだったか。 少しの距離ならば、飛び降りれぬこともないのだが。 下を見下ろせば、此方を見上げる双眸とかち合った。>>118]
……ごほん。 何か用であろうか。 見ての通り少々立て込んでいるのだが。
[すました顔で少女に問うた。]
……此のままでも、話ぐらいなら聞けなくもない。
[すん、と鼻を鳴らせば、花の香に混じり酒の臭い。 泣きはらしたのか濡れに濡れている顔をした少女を黙って見ているほど薄情でもない。]
(119) 2015/04/21(Tue) 20時半頃
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[鞠を空高く放り投げてはそれを受け止め、くるくると舞うように遊ぶ。 手毬を一つつく度に、はらはらと“彼”の記憶が抜け落ちて、着物からは色が消えてゆく。 それでも袖で裾で舞い遊ぶ蝶だけは、消えないから。]
こんばんは。
[狐のお嬢さん、声をかけられれば笑顔を見せる。 それはどこか晴れ晴れとした笑み。]
ええ、お花見、お花見。 あなたも、お花見?
[歌うように言葉を返す。 手毬は少女の腕の中にすっぽりと収まった。 そして、こんこんと踊る狐の手を見て、同じ形を片手で作って見せた。 こん、と首を傾げて返しつつ。**]
(120) 2015/04/21(Tue) 21時頃
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双子 夕顔は、メモを貼った。
2015/04/21(Tue) 21時頃
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……ネコ?
[声の主が猫である、と判断することができたのは、数拍後。]
え、ネコ?
[―――驚いて、しゃっくりが止まった。]
(121) 2015/04/21(Tue) 21時頃
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[それも一瞬のこと、猫から『話を聞く』と言われ、驚き顔がむすっとしたふくれっ面へと変わる。]
話って、何の話よぉ… というか、この体勢首がイタい…
[ズズズ、と鼻をすすり、見上げる形の猫へ抗議を飛ばす。 だが、溢れる言葉は収まりどころを知らず、]
……ねえ、猫さん… アタシは、シアワセになっていいのかなぁ…。 顔も名前も知らない人にいっぱい酷いことしてきたのに、 そんなアタシが幸せになんて、なっていいのかなぁ…
[出会ったばかりの他人、否、他猫に何を言っているのか。 見上げるのは猫か、清き桜の巨木か、全てを見届ける半月か。]
誰か助けてよ…!
[猫の手も借りたいとばかりに、悲痛な声を上げた。]
(122) 2015/04/21(Tue) 21時頃
|
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[言葉を伝えられる猫はどう返しただろうか。 だが、結局のところミツボシの願いも望みも、本人にしか分からないものであるし本人しか解決の落とし所は見つからない。
それに、少女は上を見上げることに疲れた。]
……ねえ、ひょっとして…
[猫をずっと見ていて疑問に思ったことを口にする。]
……降りられないの?
[はたして、猫の返答や如何に。**]
(123) 2015/04/21(Tue) 21時頃
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[余程驚いたのか、とても大事なことだったのか、 私が猫であると認識するまでに少女は二度の発声を要した。>>121 そうして、すぐに薬缶のような膨れっ面に変わる。]
首の痛みは私には治せぬ。 すまぬが、降りるまでにはかなりの時間を要するぞ。
[飛び降りるのが恐ろしいなどということはないのだが。 如何せん未だ経験のない高さ故に気乗りはしない。 そんな私の言葉を聞いているのかいないのか、少女は独りでに語り出した。]
(124) 2015/04/21(Tue) 21時半頃
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[シャク、シャク、シャク…
紅く染まった氷の粒を、小さな匙ですくっては口に運ぶ。 3杯目のいちご氷と、余分にもらった氷の塊を携えて、目指すはあの薄墨桜。 冷気を取り戻した雪ん子の足取りは、水を得た魚のように軽やかだ。]
(125) 2015/04/21(Tue) 21時半頃
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[シャク、シャク…ぴたり
せわしなく動かしていた腕と足が同時に止まる。]
雪…?
[否、それは花だった。 周りの桜のように鮮やかではないが、気品溢れる真っ白な花。
木に積もった雪を、雪の花と呼ぶヒトもいたが、なるほど、その意味をようやく理解した気がする。]
きれい…
[それしか言葉が出なかった。]
(126) 2015/04/21(Tue) 21時半頃
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小娘 ゾーイは、メモを貼った。
2015/04/21(Tue) 21時半頃
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―淡墨桜―
[ 人混みに流されるまま、いろんな人の声を聞いた。
おとな。こども。おとこ。おんな。 老いも若いも、疎らな音は、 三日月の形>>112をした声を掻き消して、やがて一瞬の無言。
月が昇る>>#1 ]
………ぁ。
[ 同時に芽吹く花弁。
薄紅の奥に隠れていたのは、月明かりに生える白。
“ 桜の咲く前の晩 ” それはもう、終わってしまった。 ]
(127) 2015/04/21(Tue) 21時半頃
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………なんだ。 “嘘つき”は…。
[ 握りしめてすっかり萎んだ紙に目線を映しながら、呟く。
でも、こうやって手元に戻ってきたものを見下ろせば思い出す。 狐面で顔を隠した女の子のこと。]
…見つかったよ。
[ 手紙は。
でも、約束は、まだ、 ]*
(128) 2015/04/21(Tue) 21時半頃
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[紅は音も立てず、意志を持った清流のように、或いは昇華する樟脳のように、刻々とその領域を狭めている。 不思議なものだ、浮かべられた笑みは童女というにはあまりにも艶やかな、愛いというより美しい]
うん、わたしも さいごにどうしても見ておきたくて
こんな綺麗なのを見たのは、初めて
[こんこん] [同じ形を取られた指に、指の先付けご挨拶。 こうしている間も紅がするすると飛んでゆくものだから、不躾かしらんなんて思いつつ、どうしてもそちらばかりを見てしまって]
火鉢の白炭と、昇り陽の薄紅、冬の朝みたいな色 それなのに蝶々が踊ってるのだから、ふしぎ
[暗に賞賛を込めつつ、手鞠の丸みで膨らむ袖を、狐面の細目がじいとうかがう]
(129) 2015/04/21(Tue) 21時半頃
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はて、人間は小難しいことを考える。 お前の幸せ云々を他人が決めるものでもないだろう。
[ましてや、他猫である私にどうこう言えるものでもない。]
幸せも、不幸せも。 お前の道は、お前が決めるといい。 お前が幸せになることを、 止める権利が一体誰にあるというのだ。
[今まで何をして来たのかはわからぬが、 極悪非道な行いをしてきたのなら、 それ相応の報いを何時かはうけるだろうが。 誰にでも、等しく幸せになる権利はあるはずだ。]
(130) 2015/04/21(Tue) 21時半頃
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[ ぼんやりと淡く光を帯びる花弁を見つめる。
風にあおられ、ふるりと揺れる白い四枚の翅の如く花に。]
でも、“まだ桜は散ってない”よね…?
[ 視線をついっと逸らす。 そのまま、人を掻き分けるように腕を伸ばし、足を踏み締めて。
まるで人のように、望むように、探す。]
(131) 2015/04/21(Tue) 21時半頃
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手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2015/04/21(Tue) 22時頃
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[宙を見上げ嘆く声をあげる少女に、淡々と返す。 少女は何か言ったろうか、 暫しの間をおいてから、漸く此方の様子に気付いたらしく降りられないのかと問うてきた。>>123]
…………………いや、 登れたのだから、降りられるはずだ。
[恐らく。 雄として、此処で泣きはらした少女に助けを求めるのは憚られた。]
(132) 2015/04/21(Tue) 22時頃
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― >>130 ―
……そ、かぁ。
[諦めか、納得か。 その声色には複雑な思いが巡っているのだろう。]
猫さんは……素敵なことを言うね。 その…アリガト。
[後半は小さく。 猫の聴力ならば聞きとるのも容易かろうが、ミツボシの照れ隠しは、花祭りの喧騒に消ゆ。]
(133) 2015/04/21(Tue) 22時頃
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>>132
[降りられないのかと猫に問えば、返ってくるのは強がりのような言葉。]
……どうやって?
[素朴な疑問。 ミツボシが背伸びしても足らないような高さに、ちょこりと乗った猫は遠景からでも危なげに見える。]
…キシシ、おねーさんが受け止めてあげよーかー?
[泣き笑いのような少女の笑顔の下には、ぶつかったらちょっと硬そうな薄い胸板と、プレートに覆われた宇宙服スーツ。
貧しいとか言うな。]
(134) 2015/04/21(Tue) 22時頃
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[特別なことを言った訳ではない。 どちらかというと突き放したような物言いであるて。 にも拘らず、小さく告げられた礼に>>133 私も小さく頷いて返す。]
飛び降りるしかないかと思案していたところだ。
[どうやって降りるのかと問うてきた頃には、 少女の顔には笑いが戻っていた。>>134]
申し出は有り難いが……。 しかし、他にいい方法も思い浮かばぬ。 ……ふむ、ならば少し手伝ってはもらえぬか。
[固そうな珍妙な衣服も、そこが例え貧しくとも、 遥か下の地面にぶつかるよりは幾分かましであろう。 そもそも貧しい、ふくよかなどという概念は生憎猫にはない。]
(135) 2015/04/21(Tue) 22時半頃
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[こん、こん。 狐の指先をまるで交わす口づけのように合わせてご挨拶。]
ふふ、ありがとう、狐さん。
[向けられる賞賛には、素直にお礼をひとつ。 その視線の先を感じれば、抱えた手毬を差し出して。]
私、言霊という精霊。 誰かの存在を願う人の言葉に応じて姿を見せるの。 その人が、名前と役割をくれたなら、一生を見守る。
[着物は殆ど真っ白になり、紅は残り襟元を残すのみ。 それでも袂に裾に、蝶がきらきら舞い踊る。]
もうすぐ私、まっさらよ。 私に名前をくれた人、もういないんだもの。 でもこの蝶々は、私のものよ。 約束の印、くれた人がいるのだもの。
(136) 2015/04/21(Tue) 23時頃
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[少女は歌うように言って、くるりと回る。 少女が再び狐のお嬢さんに向き合った時、襟元に残されていた紅はすっかり消えていた。 少女の唇が何かの言葉を紡ぐ。 同時に、その姿が僅かにぶれた。
少女は誰かの娘であり、母であり、隣人であり、恋人であり、そして友人であった。 今狐のお嬢さんの前に立つのは誰だろう?]
ねぇ、あなたはだぁれ?
[尋ね頬笑んだのは、誰だったろうか。*]
(137) 2015/04/21(Tue) 23時頃
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ー屋台の並ぶ道ー
[「んっほほほほにょほぉ〜〜〜!」
賑やかな景色雑踏の中から奇特な声>>49が何処からか聞こえた頃と、同刻。 桜の薫香に包まれた道の端にて、座り込んだままうつらうつらと夢を見ていた。 もう桜の盛りがいつ終わるか分からないという時に呑気なものだ、と–––––思えれば良いのだが。
すぅと身体の影が薄くなる。 折れ曲がった背を透かして池で跳ねる魚が見える程に。
夢を見ていた。 桜の木の上から、人と人が肩を寄せる夢を。]
(138) 2015/04/21(Tue) 23時頃
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[生まれて初めて目覚めた時に見たものは、おさげの女学生が饅頭を二つお供えしている所であった。 「恋愛成就」。そんな言葉も添えて。 女学生がただほ桜に願いを込めたその時に、桜はひとの姿を持った。 まだぴかぴかの手を振り、振り。]
おぅい。
[などと呼んでみたりもした。 聞こえる筈はないのに。
数日後には女学生が男を連れてきて、桜の下に住む池の魚のように真っ赤な顔で口をパクパクさせていたものだから。
楽しくなってしまって。
枝を揺らして桜の花びらを落としたのだ。 なぜだか、向き合った二人は互いの髪を払いながらタコの顔で笑っている。 次の日からお供えが増えた。 人もまた増えた。 真っ赤な顔が来るたびに、桜は枝を揺らしていた。]
(139) 2015/04/21(Tue) 23時頃
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[何十年が過ぎた頃にはとっくに寿命を迎えていたのに、桜は未だ枯れる事なく咲き誇る。 木の根元には祠が建ち、桜は自身が人の願いを浴びて生きている事を知った。]
おぅい、また今年も来てくれたのかね。
[若い男の姿を象った桜は、聞こえもしない声で眼下ではしゃぐ子供に呼びかける。 時折、何かを感じて振り返る人の子が嬉しくて。]
おぅい、おぅい。
[ また来いよぉ。 何度も、何度も。
しかし人は減って行く。 ひとり、ふたり。 桜の近くに灰色の煙を吐き出す鉄が通るようになった頃には、遂に誰も来なくなった。 声も、もう出なくなってしまった。
"いよいよ、今年で最後かなぁ"
(140) 2015/04/21(Tue) 23時頃
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[ただの通りがかりの人が放った言葉が何を意味するのか、気が付かない程愚かにはなれず。 ああ寂しいものだ、と。
ただ、それだけ。]
(141) 2015/04/21(Tue) 23時頃
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[桜色に照らされた足元。 目が覚めた。
ふと上を見れば、人で賑わう巨木の中心で咲きに咲き誇る白光の桜。 月は、もう天を越えてしまいそうで。]
(これはいけない。)
[別れた女児が何処かで紙を探していたこと>>131など梅雨知らず、 されど立ち上がった老木は一本道を急ぎ出す。 ふと自身の身体が透けている事に気が付いた。 もはや意識をしなければ人の身になることもままならないのか。
否、これは好都合。 ふっと消える身体。
その代わりに数枚の薄桃色の花弁がそよそよと薄桃色の方角へと舞い、運ばれる。*]
(142) 2015/04/21(Tue) 23時頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2015/04/21(Tue) 23時頃
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手伝う…? あ、うん、受け止めるよ!
[手伝って欲しいと頼まれ。>>135 両手を広げて、ばっちこーいの構えを取る。 まあ、体格は貧相ではあるが一応動体視力はいい方だとミツボシは自負している。 取りこぼすことはないだろう。
多分、きっと。……おそらくは。]
(143) 2015/04/21(Tue) 23時頃
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釣り師 沼太郎は、メモを貼った。
2015/04/21(Tue) 23時頃
釣り師 沼太郎は、メモを貼った。
2015/04/21(Tue) 23時頃
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―淡墨桜・枝の上―
[下から数えて四番目。 ひときわ太い枝に腰かけて、男は片膝に乗せた包みを漁る。今朝は固い蕾だった枝々も、今ではここが花霞だ。]
炒飯に箸って。鬼かよ。
[気が利かねえんだよなぁ。軽口叩いて手の内でくるりと箸が回転する。再びその手に収まった時、箸は木製の匙に変わっていた。]
こんな手品もあと数刻か。 まったく、さみしいねぇ。────ン、うま。
[もしゃもしゃと包みの中身を咀嚼する。遠くの木の上で、猫が地面のほうを見詰めているのが見えた。>>119随分高い枝だ。 大丈夫かなぁ。うっそりとした呟きは、地にも月にも届かない。
神様、なんて御大層な呼び名は、未だに尻がむず痒くなる。 沢山の人や、けものや、あやかしなんかが、きらきらした瞳でこちらを見上げてくるのは、とても、とても好きなのだけれど。
大勢が立ち入ると根が傷むから、と幹の周囲に張られた縄は、まるで向こうとこちらを隔てるようで。 下の喧騒を見詰める男の表情は、どうにも不満げであった。]
(144) 2015/04/21(Tue) 23時頃
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[差し出された手鞠の質感は、懐かしい記憶を呼び起こす。薄れ遠のいた、たわいない幼子の遊びの記憶。けれど、もう決して帰ることの無い日々]
ことだま… 精霊?
[先刻は、二尾を生やした甘酒売りのおねえさん。その前と、その後の二人は、ひとだったのだろうか。会ったその時は、考えることすらしなかった] [まっさらと言葉通りに、次第に陽は燃え、七竃の七度目の後のような上質な白い灰を後に残すばかり。 名前、言霊、ことのはに宿るもの?名前を失った言霊はどうなるのだろう。 蝶が明滅して、灰燼が、揺らめく]
わたし、は あや あやという名前
……、ねえ!
(145) 2015/04/21(Tue) 23時半頃
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[少女の両腕が広げられたのを見れば のそりと細い木の枝に立ち上がる。 また一段と地面との距離が遠くなるが、そうもいってはいられない。 無意識に震えのくる手足から尻尾まで神経をピンと張り詰めて。]
では、参る!
[己への叱咤も込め、叫び、 淡雪のような花弁が舞う宙へ――――跳躍した。]
(146) 2015/04/21(Tue) 23時半頃
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[上擦った声に、綿がひゅうと鳴く] [頬が、紅潮するのがわかる]
わたしと、お友達になって
[誰かの存在を願うとか、難しいことはわからないけれど、風に揺られて消えてしまう前に、幸せな夢が覚める前に。 狭い世界から逃げ出して、うまれて初めて口にした言葉は、望みに望んだ叶わぬ夢は、普段の調子とはうって変わって情けなく震えていた]
(147) 2015/04/21(Tue) 23時半頃
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[まるで全てが重力に逆らうように、 何もかもがスローモーションに見えた。
猫は跳んだ。桜は舞った。 風は止んだ。少女は構えた。
手を伸ばす。桜吹雪に霞みそうな白い腹を見逃さぬように。 目を凝らす。その小さい四肢を掴み損ねぬように。]
――――っ…!
[衝撃は軽く。 腕の中に―――小さな重み。]
(148) 2015/04/21(Tue) 23時半頃
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[狐のお嬢さんは、あや、と名乗る。 私には、名乗る名前はもう無い。 次に私を求めた人に貰うまで…]
…!
[その“願い”は口にされた。 その言の葉が、揺らぎかけた少女の存在を引き留める。 本来ならば、誰かの口にした願いに呼ばれて目覚める自分だけれど、眠る前に呼ばわれ、願いを聞いた。 少女だった存在が、ゆるり笑みを描く。]
いいよ。 あやちゃんの友達という役目、いただくよ。
[それは、ひどくあっさりとした答え。]
(149) 2015/04/22(Wed) 00時頃
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小娘 ゾーイは、メモを貼った。
2015/04/22(Wed) 00時頃
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[それがどのような世界なのか、彼女の住まう場所がどのようなところなのか、それは私には関係が無い。 どこへなりとも、着いて行く。]
いいよ。 あやちゃんの、望む者になってあげる。 だから…
[私に、名前を頂戴。
そう耳元で囁く私、どんな姿になるのだろう。 名前と役割が揃えば、私は彼女の望む姿の望む者になる。 それはまるきり新しい姿かもしれないし、先ほど消えた少女の面影を残すかもしれない。 けれど何れにせよ、服の袖と裾に刻まれた蝶だけはそのまま変わることが無いだろう。]
(150) 2015/04/22(Wed) 00時頃
|
|
怯えないで、あやちゃん。 …願いを口にすることを、怖がらないで。
[私はあやちゃんの頬を両手でそっと包み込む。 額を合わせれば温度を感じるだろうか。]
貴女が口にしてくれれば、私は大体の事は叶えてあげられる。 でも、言葉にしてくれない願いは、わかっていても叶えられないの。
[だから、言って、と。 震える声ごと包み込むように、優しく強請った。]
(151) 2015/04/22(Wed) 00時頃
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アタシはミツボシ。 猫さん、貴方のお名前は? .
(152) 2015/04/22(Wed) 00時頃
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ー淡墨桜ー
[辿り着いた広場には、ひと、ひと、ひと。 そのさなかを三枚の花弁がゆらゆらと舞い落ちる。
皆の頭の上から"わかった"景色には今晩見かけた者も多いよう。
桜の樹の上で手毬をついていた稚児は、淡墨桜の色が移ったかのような白の着物を身に纏って>>136>>137。 その近くにいるひとかあやかしか分からぬ者>>126は、コンコンと手遊びでもしているのだろうか。
離れた場所で、桜の木に縋るように蹲るひとの姿>>80もわかってしまった。]
(何処に。)
[おとな。こども。おとこ。おんな。 目立つのはただただ光を纏った淡墨桜。
と、白い光と重なる地面に周囲を見回す栗毛>>131。 桜の花弁はひらひら舞い降りる。 人の姿になれずとも、約束を"叶える"ために。]
(153) 2015/04/22(Wed) 00時頃
|
|
[年に一度、半月が昇る夜にだけ咲く桜の木。 皆に愛される白い光。 人の願いから生まれた桜が、全くおかしな話ではあるが。
どうか、その力を今一度貸してはくれないだろうか。
花弁が白い光を掠めようとした、その時に、 誰か>>141が、桜の枝の隙間で眼下を見下ろしている姿が"見えて"。]
(154) 2015/04/22(Wed) 00時頃
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|
–––––––お ぅ い。
(155) 2015/04/22(Wed) 00時頃
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|
[よく通る、低い声。 地面を伝うその響きは、果たして聞こえただろうか。]
(156) 2015/04/22(Wed) 00時頃
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|
[眼下の女児に、この声は。]
(157) 2015/04/22(Wed) 00時頃
|
|
[飛ぶ、というよりも滑空であったがその最中、 遠く巨木が夜に延び、満開の花を咲かせている。 その木の枝に、男が一人、 同じように居座っているのが見えた。>>146 はて、あの男も自力では降りれぬのであろうか。 などと考えるぐらいには間があったように感じ。]
――ぬぉ、
[気づけば空に伸ばされた白い腕が間近に迫り>>148 次の瞬間にはどさりという音、目から小さく火花が出た。 しかと抱えられた腕の中で、小さく身震いをする。]
(158) 2015/04/22(Wed) 00時頃
|
|
[ふるりと揺すり、火花がおさまれば 一転少女を見上げる立場になる。 名乗られればいつぞやと同じく恭しく頭を垂れた。]
名乗り遅れた、我が名はアーサー。 ふむ、ミツボシか。 よく受け止めてくれた。 大義であった。
[誉める、という経験がそうはないものであったから、 随分と偉そうな物言いになるが、他に上手い言いようも知らぬ。]
(159) 2015/04/22(Wed) 00時半頃
|
|
―朱塗りの鳥居前―
今年も、きれい。
[満開を迎えた巨木の下で、鈴を鳴らすような歓声。 大きく開いた気の強そうな目に、暗がりでもほんのりと光るような白い桜が、水面みたいに映り込んでいた。
あんまり大勢に樹の真下を踏まれると根が傷んでしまうから、今は鳥居から奥には入れないよう、ぐるりと一周縄が張ってある。
本当はうすずみさま≠探しに行きたかったけれど(結局一度も会えてない!)、他の子供たちの手前、自分だけが入るわけにはいかないと。小鈴は積み上げられたおさがりの整頓にせいを出していたところだった。]
(160) 2015/04/22(Wed) 00時半頃
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|
[――どれ程の間、そうしていたでしょう。 人の目から、桜の樹が、影が、 惨めな私を隠してくれていたようです。
顔を上げ、頬が濡れた感触もそのままに。 天まで高く伸びる、白く淡い月の光を帯びる花。 空の黒と、藍と滲み混じわりながら輝く其れを、 眩しげに目を細めながら、ただただ仰いで見上げ]
―――、
[あれほど心を乱していた荒波は、凪いだ。 それでも零れ落ちるものは止まらなくて。 溶けた氷が水となり、流れて。
心の臓を覆っていた冬が解けても、 目の前で美しき桜が咲いても、 春が、訪れなくて]
(161) 2015/04/22(Wed) 00時半頃
|
|
[―違う。 忘れてしまった、だけなのだ。
本当の春を。 まやかしで慰め続けたばかりに。 真の美しさを感受する心が、もう、凍えてしまったのだ]
……私は…、
[もう、戻れない。 死して尚動き回る、屍でしかないのだ]
…これが、罰、でしょうね…
[呟く声色に混じる、自嘲。 杖を手に、ゆっくりと立ち上がろうとするけれど。 今日一日、半日だけで随分と酷使した脚は、 本来ならば何をせずとも既に、 使い物にならないがらくただったと今更思い出し]
(162) 2015/04/22(Wed) 00時半頃
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|
[諦めて、樹の根元に腰掛け凭れ。 人の連なる影の向こう、すこうし見える淡墨桜。 其れにすら背を向けて、瞼を下ろし。
聞こえる、聞こえる、咲いた。咲いた。 今年も。来年も。次も。また。 紡がれる声に、耳を澄まして。 流れる筋もそのまま、穏やかな、 笑顔、を、浮かべて]
…来年も。 良い一日を、過ごせますように。
[愛するこの村で、皆様が。 私の願いは、其れだけですから。
来年も、何度でも、同じ祈りを捧げましょう。 この村で生まれ育った者のひとりとして、何度でも]
(163) 2015/04/22(Wed) 00時半頃
|
|
今年は生のお魚とか、縞々のあやしい卵とか、生きた鴨とか。 変わったもの結構あったから、うすずみさま、喜んでるだろうなー…
[鳥居のうちに置かれたものは、生ものであっても不思議とそう直ぐに傷んだりはしない。 勿論、必要そうなものにはきちんと処置をして、大切に奉納するのだが。]
お。……ふふ、
[着物に、小銭に、りんご飴。ラムネの瓶に、たくさんのお酒。他にも、いろいろ。
それでも今朝よりは幾分整頓された長机の端に、見覚えのある器がある。
蟹レタス炒飯が入っていた筈の空っぽのその器には、確かに箸を添えたのに、木匙が放り込まれている。 その上に、ちょこんと乗った白い花弁に、小鈴はくふふ、と一人笑うのだった。]*
(164) 2015/04/22(Wed) 00時半頃
|
|
[目の前でみんなが酔っぱらいながら桜を喜び、祝い、そして笑う。
誰かが行った冗談をにやにやしながら見つめつつ、ついに誘惑に負けておもんもマタタビ酒を一口含む。 喉を通る酒のぴりりとした刺激感と鼻に抜けるマタタビのふくいくとした香り。]
今年もいい花見だにィ。
[独り言ちて見上げた空には、自分の櫛と同じきんいろのお月様が笑っていた。]**
(165) 2015/04/22(Wed) 00時半頃
|
|
[尊大な物言いで褒める猫、アーサーだったが、手の中でしなやかな肢体を器用に操る小さい生き物が発していると思えば自然と笑みが綻ぶ。]
そーだよー?大義だよー。 …ね、一緒にあの大きな樹の近くまで行こっか?
[アーサーが腕の中で大人しく納まってくれていればミツボシが抱えたまま、スルリと逃げられてしまえばもう一度無理に抱き抱えるようなことはせず。 ミツボシは、先程とは異なる気持ちを抱えたまま巨木を目指す。 小さな影が一緒であったかは、定かではない。**]
(166) 2015/04/22(Wed) 00時半頃
|
座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2015/04/22(Wed) 01時頃
|
[ 魚が打ち上げられる音よりも深く轟く、少しだけ嗄れた声>>155
今までに聞いたことのない声。 でも縫い止められたように、頭上を見上げた。
桃。 視界を遮る色に眉を寄せる。 そっと指先を伸ばせば、花びらが、そこにあって。 ]
『あの巨木の桜、又の名を淡墨桜のお力を借りに来たのです。 私も彼と同じ桜の木であるのでね。』
[ 音もなく肩を震わせてくれたあの人>>1:41を思い出した。 ]
(167) 2015/04/22(Wed) 01時頃
|
|
…………。
[ 都合の良い解釈だろう。
過る考えを打ち消すように頭を振ろうとして、やめる。
ひらり。
落ちる花弁が、頁を捲る音と重なる―――。]
(168) 2015/04/22(Wed) 01時頃
|
|
ああ、────好い夜だ。
[逆巻いて吹いたぬるい風に、白い桜が揺れる。さわり。さわり。今にも枝から引きはがされそうに震えて。]
咲くにも、散るにも。…いい、夜だ。
[見上げた宵闇の瞳に、少し傾いだ半月が揺らいで――]**
(169) 2015/04/22(Wed) 01時頃
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