22 共犯者
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あぁ、リンドクヴィストの奥様。
[子犬が、ばう と啼いて自己主張する。]
大人しくしなさい。紹介してやるから。
これ、どうも僕の片割れみたいで……
片割れ……?
もしかして、貴方も……。
[死んだの? と口にするのが躊躇われて、言葉が途切れる。
けれども、ノックスの様子はむしろ生前に会った時よりも楽しげだ。
不思議そうに、ノックスと足元の子犬を見つめた。]
「僕の頭」はミッシェルさんがさっき運んで行ってくれました。
「心」が、ここに留まれるのは次の満月まで……
それまではお迎えは来ない約束、なんだそうです。
[子犬が ばう と、同意するように吼える。]
誰と誰との約束なのかは良くわかりませんけどね。
そうなの。
[ノックスの言葉は、なぜかそのまま真実として受け入れられた。]
(私には、そんなことはちっとも解らなかった。
この子のほうが、森に近い存在なのかしら。)
[理由はわからないのに、ふとそんな考えが浮かんだ。]
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――…お疲れさま。 うん、ありがとう。
[ホリーに仄かな笑みを返して祖母と二人で彼女を見送る。 ひらひらと振っていた手を下ろせばふ、と吐息を零した。 彼女が長老達の家を巡ったのであれば ヴァンルナール家にも行ったのだろうか。 思案するように柳眉を寄せればぽんと祖母に肩を叩かれる]
……何でもないの。 心配しないで……。
[祖母を安堵させようと微笑んで]
少し気になる事があるから……
[出掛けてくる、と言葉を残して娘は家を出た]
(107) 2010/08/02(Mon) 22時半頃
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僕には外の世界をみてみたい気持ちもあるんですけど。そいつはここに残りたいみたいです。かつての同胞がどうなるのか、ちょっと気になるみたいでして……
[子犬は村長夫人の足元でちょこんと、お座りをしている。]
奥様の先ほどの演説を聞いたからでしょうかね?
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― 広場 ―
[ヴァンルナール家に向かおうとしていた娘は 気づけば広場に足を向けていた。 心の中に未だ迷いがあったから寄り道をしてしまった。 広場では年配の者が集まり何か話している。 娘はそろと近付いて]
何のお話をしているのですか?
[こと、と首を傾げてみせる。 そうすればノックスの頭部が森で見つかった事が聞けた]
――…嗚呼、ノックスが……。
[柳眉を顰め物憂げに眼差しを伏せる。 頭部のみ、それはソフィアの最期を彷彿させた]
(115) 2010/08/02(Mon) 23時頃
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奥様なんて、もうそんな呼び方はしなくていいのよ。
私の言葉は結局届かなかったのだし、私はするべきだと思ったことを、実現できなかったのだもの。
本当は、貴方にも謝らなければいけないはずなのだけど……。
でも貴方は……こうなったことを恨んではいないようだから。
そんなことは言わないほうがいいのかしら。
[身をかがめ、子犬に指先を差し出して。]
この子がここにいたいのなら、貴方だけでも外を見てきたら?
恨むだなんてとんでもないですよ。
[子犬は村長夫人の指先をちろっと舐めている]
僕は外を見る、それも良いかもしれないですね。
では、そいつの世話をお願いできますか?
[了解が得られれば、ノックスはふっと消えるだろうか]
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― 広場 ―
[村長夫人のあの言葉は『御使い』には届かなかった。 そんな事を思う娘の貌は翳りを帯びていた。 あの言葉に反発していたのは、誰――? 誰かの姿がすぐに浮かんだけれどふるふると首を振るう]
――……、……。
[腿に嵌まるガーターベルトには守り刀が納まっているのは いつもの事――なれど、其れを使う気などは余り無い。 ラトルの血筋を守る為に銀の其れをお守り代わりに持っているだけ]
話さなきゃ、いけない、けど……
[ぽつ、と呟くのだけど、迷うように眼差しが揺れる]
(136) 2010/08/02(Mon) 23時半頃
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― 広場→墓地 ― [迷う娘が耳にするのは小母様方の噂話。 村長夫人を生贄としたヘクターが墓地にいる、と。 そんな言葉が聞こえてきて娘は柳眉を顰めた]
――…それは何時の話、ですか?
[話していた年配の女に問い掛ける。 少し前よ、などと言われて娘はぺこりと頭を下げた]
ありがとうございます。 私、ヘクターに話さなきゃいけない事があるの。
[言葉にすれば少しだけふっきれたようで 駆け出した娘の眸はまっすぐ前だけを見詰めていた。 墓所に辿りつけば其処には大きな影>>144がある]
ヘクター、……。
[名を呼んで彼の傍へと歩み寄る]
(153) 2010/08/03(Tue) 00時頃
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― 墓地 ―
[ヘクター>>159はいつもと変わらないように見える。 彼の家の墓へと眼差しを向けて祈る仕草。 それからヘクターへと向き直り、じ、と見詰める]
ご先祖様を大事にしているのね。 ヘクターも怖いこと、あるの……?
[ことりと首を傾げて。 如何したと問われれば困ったような顔をして]
ヘクターはヘクターよね。 ヴァンルナール家の子息で…… 優しくて、でも、頼りになって……
[確かめる為に紡いだはずの言葉。 話すべきは其処からではないとわかっていた。 けれど、説明することが難しくて上手く言葉に出来ないらしい]
(164) 2010/08/03(Tue) 00時半頃
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長老の孫 マーゴは、記者 イアンに話の続きを促した。
2010/08/03(Tue) 00時半頃
長老の孫 マーゴは、双生児 オスカーに話の続きを促した。
2010/08/03(Tue) 00時半頃
長老の孫 マーゴは、ランタン職人 ヴェスパタインに話の続きを促した。
2010/08/03(Tue) 00時半頃
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――…怖いから、引き金を引いた? ヴァンルナールの当主に言われて…… 儀式を遂行するために、仕方なく……?
[そうであって欲しいという思いが言葉になる]
………求婚したら、受けて呉れるの?
[ことりと首を傾げるけれど 恋い焦がれるような感情を娘はまだ知らずにいた]
褒めたつもりはないのだけど。 だって、私はヘクターの事、頼りにしてるもの。
[話してみればやはりいつもと変わらない]
――…ね、少しだけ屈んで。
[両の手を伸ばして抱擁をねだるようなそんな仕草を見せた]
(177) 2010/08/03(Tue) 00時半頃
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[動揺するヘクター>>186の様子が何だか可愛くて 少しだけ愉しそうな笑みが浮かんだ]
ヘクターは私が昔から知ってるヘクターなんでしょう? それなら、良いよ。 ヘクターのこと、好き、だから。
[頼りになる兄のような存在。 そんな彼に対する思いは憧れにも似たもの]
あなたのこと、識りたい。 識って支えになりたいと、思う。
[ポツと紡いで彼の肩に華奢な腕を絡めた。 ぎゅっと抱きしめ肌を重ねれば識れる血脈]
(194) 2010/08/03(Tue) 01時頃
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[やはりヘクター>>202の中に異質な、人以外の気配を感じてしまう。 優しい抱擁に甘えるように擦りより]
変わらない、なら、ヘクターは『御使い』様じゃ、ない? そう、だったら、こんな事をして、怒られてしまうのかな。
[仮令そうであろうと態度が変わるわけではないけれど 確かめるように問い掛けて]
――…ヴァンルナール家が儀式を守ろうとするように ラトル家にも別の役割があるの。 血脈を辿り血に異質が混ざっていないかを識る力を有し 『御使い』様を探すことが出来る、はず、だったんだけど。
[抱き付いたまま囁きかけるのは怖がらぬ証か]
ヘクターからは私とは違う気配が混じってる。 支えたいという想いは変わらないけど……
[どうして、という疑問が強くあった]
(206) 2010/08/03(Tue) 01時半頃
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すんなり信じて呉れるとは思わなかった。
[顔を上げてヘクター>>208と視線をまじえれば 距離のなさに何だか恥ずかしくなってしまう。 白い肌にほのかな朱が混じった]
――…最も近い、血筋?
[少しだけ首を傾げて問う仕草。 自らの鼓動が何だかいつもより速い気がしたけれど その理由は未だ理解出来ない]
『御使い』様との契約をしたのがヴァンルナール家…… 交流があったからヘクターの中に『御使い』様の血の気配が 残っていたのね……。 ねぇ……、それなら……『御使い』様を見つけて…… 契約を変える事って出来ない、かな。 もう、誰かが死ぬのを見るのは、イヤなの。
[契約を守る血筋の者に腕を絡めたまま真摯な眼差しを向けた]
(213) 2010/08/03(Tue) 02時頃
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御使い様が居るって私は思っているけれど 其れはラトルの口伝と力があったから……。 ずっと、生贄を求められなかったから忘れられてしまったのかな。
[信心深くあり御使いの存在を疑わぬのは長老達くらい。 ヘクター>>211の示す墓石を見れば獣の紋が目に留まり]
――…おおかみ?
[ふっと浮かんだのはその形からか それともホリーの言葉があったからか]
ヘクターになら食べられてもいいけど痛くしないでね。
[くすりと笑みをかわす]
そういえば、ピッパが言ってた。 男は狼だから気をつけなさい、って。
[警戒心の薄い娘にその助言を理解できているかは怪しかった]
(216) 2010/08/03(Tue) 02時頃
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[引き金を引いたあの時の事>>212を言われれば 少しだけ困ったような貌をして]
おじいさまの命令なら…… 逆らえないものね。
[当主の言葉は絶対のような家だと感じていたから ぎゅっと一度ヘクターの身体を抱きしめて 慰めるようにその背を撫でた]
でも、ヘクターは後悔しているのでしょう? あの時つらそうな顔してたもの。 あなたにあんな顔、もうさせたくないよ。
[少しだけ腕を緩めて漆黒が彼の双眸を見詰める**]
(217) 2010/08/03(Tue) 02時半頃
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ニール、ニール……
[自分の身体の上にかがむニールの肩に手を置き、額にそっと唇を寄せる。
それはニールには感じ取れないだろうけれども。
夫の名前が口にされると、一歩退き。]
ねえ。今の私は人間じゃないようなものなのだから。
これくらいはいいでしょう?
たぶん、貴方に祝福をあげることはできないけれど……。
[子犬は村長夫人の足元に近寄って慰めるように]
くぅん
[と、ないた。]
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― ラトル家書斎 / NPC:ナタリア ―
[空が赤く染まる頃>>227。 ナタリアは机に向かい書き物をしていた。 其の中には孫娘が語った村長夫人の言葉>>486も記されている。 ペンを置いたナタリアが溜息混じりの吐息を零した]
アルフレッドの件は事故と思っていたが…… パピヨンの言葉に偽りがないなら調査が必要だろうね。
[儀式の間はその余裕はないだろう。 今、調査の為に人手を割くことは難しい]
事が済めばアレクサンデル家に委ねようかね。 ヴァンルナール家の助力もあれば何時の日か真実が……
[大きな窓から射し込む夕日にナタリアは細い目を一層細くする。 事故として処理された夫婦があったことをナタリアは知っていた。 娘夫婦の死は崖からの転落とされたがその真実は闇に包まれた儘。 娘夫婦と村長夫婦を重ね、老婆は深い溜息を吐いた**]
(239) 2010/08/03(Tue) 17時半頃
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[いつしか夜になり、広場に生贄たちが集まってきた。]
……今夜も、続いてしまうのね。
私にはもう、どうすることもできない。
何もできないまま、起きることを見届けるのが、私に与えられた罰なのかしら。
[ちらりと子犬を見やり。]
違う……のかもね。
不思議ね。
ずっと、ほんとうのこととは思っていなかったのに、私は今、「森に還って」いるのでしょうに。
あまり、そういう実感がないわ。
そこに自分の死体がある以外、何も変わったことはなくて。
風の音。
森の梢が鳴る音。
空が明るいのも。
[見上げると、月とは思えないほど明るい楕円の月が、煌々と赤く輝いていた。]
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― 墓場 ―
[見たくない。 ヘクターの返事>>307にほっとしたのか表情が和らぐ]
怒っているのかな。 ――…ん、見つけて語りかければ、 はじめは話を聞いてもらえないかもしれない。 けど、諦めずに何度でも、語りかければ いつか、きっと、通じると思うの。
[わからないと紡ぐ彼にまっすぐな眼差しを向けて]
ヘクター、一緒に、変わっていこう。 ゆっくりでいいから、変えていこう。
[彼の協力があれば叶うかもしれない。 絡めていた腕をそろと離して、ね、と小首を傾げてみせた]
(313) 2010/08/03(Tue) 23時頃
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― 墓場 ―
[くちびるに触れる温度。 間近に迫るヘクターの相貌>>317 口接けられているのだと分かれば 恥じらうように目を伏せた。 はじめての事なのか羞恥に頬を紅く染めて]
――…ばか。
[ヴァンルナール家の墓前だから 何だかご先祖さまに見られているような気がして 余計に恥ずかしいのだけれど。 同じように、此方から触れるだけの口接けをして 照れ隠しなのか悪戯っぽく笑ってみせた]
(330) 2010/08/03(Tue) 23時頃
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[ヘクター>>324の礼にゆるゆると首を振るう]
疲れているのに…… 引き止めてごめんね。 でも、ヘクターと話せて、良かった。
[まだ日の高い墓所で娘はヘクターに笑みを向ける]
巡礼の時間まで少しでも休んで。 ……また、あとでね。
[死にたくない、と言う彼に同意するかのように頷き 小さく手を振り次の約束をして娘は墓場を辞す]
(331) 2010/08/03(Tue) 23時頃
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― 薄闇に包まれた広場 ―
[広場の大樹に身を委ね無防備に休む娘の姿がある。 ゆらゆらと舟を漕ぐ。 カクンと大きく揺れて、はっと目を開いた]
――…ん。
[ぼんやりと広場に灯る松明を眺め幾度か瞬きする。 既に巡礼者は集まりつつある。 自分も行かなくてはと思い大樹を支えに立ち上がる。 遅れて鐘の音>>#4が響いた]
もっと早くに起きるはずだったのに…… やっぱり疲れてたのかしら。
[ことりと首を傾げ遅れて森の方へと駆けてゆく]
(335) 2010/08/03(Tue) 23時頃
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[結局、昨日と同じく娘は両手に何も持たずに森に入る。 明かりを持たぬのは木々の間から射し込む月明かりが綺麗だったから。 娘の体力では時間が経てば経つほど明かりの重さを感じてしまうから。 何かを気にしている風に見えるピッパ>>346を認めれば ゆると首を傾げる]
ピッパ、如何かしたの?
[問い掛けてからふと思い出したように]
あの、ね。 ヘクターがあんな事してしまったの、 やっぱり当主さまに言われてのことみたい。 私は、ヘクターはヘクターだと思うの。
[密やかに彼女にそう言ってみせる。 家の事、血脈の事は当人が語るのが一番だろうと そのことについては触れなかった]
(358) 2010/08/03(Tue) 23時半頃
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――…殺したくない。 ……殺せないと思う。
[親はいないけれど大事な者を手に掛けるのはイヤで ピッパの言葉>>365にゆるゆると首を振るう]
そう、ね。 普通は出来ないかもしれない。 でも、……大事な者を守る為になら 私は、誰かを傷付ける事もあるかもしれない。 若し、目の前であなたに危険が及んだら…… きっと私は守り刀を抜いてしまうわ。
罪というなら、あの場所で見ていただけの私にも きっと罪があるのだと思う。 止められなかったのだから、同罪だわ。
[違いを聞かれればわからなくなる。 不安げに漆黒の眸が揺れた]
(377) 2010/08/04(Wed) 00時頃
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