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【人】 FSM団 ミナカタ ちょっとばかし動くのが悪くなってな。 (29) 2017/12/03(Sun) 22時半頃 |
【人】 FSM団 ミナカタ 先に、死んどこうか? (30) 2017/12/03(Sun) 22時半頃 |
―4日目の夜/大美
[思い出を辿る夜の巡りの終着点は、
独り立ちした息子、大美(ダイミ)の家だった
戸を通り越し、眠る我が子の姿にそっと微笑む]
最後のお別れに来たつもりでしたが、
こんな時間に、ごめんなさいね
[大美は布団をかぶった中にいた
深い眠りにあるようだった
早口言葉でやたらと母の気を引こうとしていた彼は、
自分の死を知っているのかどうかも、窺がえない
その傍らに正座して、息子を見ることもなく口を開く]
これから、どうなっていくのかは分かりませんが
囚われては、いけませんよ
[心に去来するは、石動の言葉から感じた、
先行きへの陰り
何に、とは言わなかったが、
これまで息子には、度々伝えてきた言葉だった
因習に、とは思わない ただ]
目に映るものだけに、今の自分の観念だけに、
囚われては、いけませんよ
[自分が来てからも、村からも少しずつ変化を感じていた
そもそも屠殺を特定の誰かに託すなんてことも、
自分が受けると言い出さなければ、
この村にはなかった発想だったのではないかと思う
ここに来た当初にいた者たちは、多くが鬼籍に入ったけれど、
因習に囚われた中での微々たる変化は、
肌に触れて感じてきた]
[絶え間なく革新を進めていた東京府を思い出す
街には異国が溢れており、軍は近代化されていった
それも、もう40年も前のこと
あの時感じた大きなうねりは、今どこまで拡大したのか
村に留まる自分には、もう、想像することもできない
やがて、この村もその激流に翻弄される日もくるのだろうか]
例え、この村が変革の時を迎えたとしても、
囚われることなく、柔軟に生き抜いてくださいね
[それだけ告げれば立ち上がり、
扉をすり抜けて外へ出る
鶏がけたたましく鳴き声をあげる
最後にすべきことを終えた江津子は、集会所へと歩みだす
見れぬかもしれぬと、源蔵に託したこと
ここで起こった顛末を、あまさず見届けるために*]
5日目の朝に集会所へと向かっていく*
[偽者、出来損ない。
その言葉を聞く度に、
心の中に仄暗い気持ちが沸き起こる。
けれど、私にあの子を――志乃を憎む資格はない。
何より、目の前の妹の表情を
曇らせたくはなかった。]
偽者なんかじゃないよ。
ゆりは、立派な巫女様だった。
[あの時
幼い妹の顔を覗き込んで、
その頬を伝う涙
ゆりは、私の自慢の妹だよ。
よく、頑張ってたね。
助けられなくて、ごめんね。
[頭を撫でる。縋り付く手を拒むはずもなく、
私も、彼女の背に手を回して
ふたり、わんわんと泣き喚いていた。
姉だというのに、
妹の苦しみに目を向けようとせず、
自分の事ばかりで。私というやつは、本当に。
ごめんね、と幾度繰り返したところで、
その言葉は風のように形無く失せていく。]
[いつまでそうしていただろう。
互いに温かさはない。ただ、そこには風があるだけ。
でも、確かに。
ゆりは私の腕の中にいてくれていた。]
私も、ゆりとこうやって話せて
とっても嬉しいよ。
その、こんなみっともない姉だから、
……嫌われてるんじゃないかな、って。
ずっと、怖かったの。
[母の――先代の眼差しを忘れることは
どうやったって出来そうにない。
それでも、ゆりは巫女である前に
ずっと、優しい私の妹であった。]
[事切れた自分の姿を一瞥して、
そうして、目を閉じた。]
……“次”も、姉妹だったらいいな。
今度は、ちゃんとした姉さんになるから。
[腕の中の小さな子。私の、大切な妹。
どうか、次の世でも共に、と。私は願う。
今度こそ、その手を離すことはしない、と。**]
メモを貼った。
―5日目の朝/集会所―
[源蔵、リツ、志乃が集うこの場所には、
幽体となったものも人知れず、紛れ込み潜んでいた
死を望む志乃の声
薄く笑って首を振る
源蔵の返す言葉
何も、口を挟むことはない
死んだばかりに自分にとって、
死の果てに何があるかわ分からないのが理由の1つ
もう1つは、死と離れた生者にとって、
推し量るしかない死の意味に、
各々が生者の立場で、向き合っているのを察したから
源蔵の視線が動き
江津子は何もできぬ幽体として、
ただ、傍らに佇んでいる*]
[ぼんやりと焦点の定まらぬ瞳が生者のやり取りを見詰めている。
あの場所には、自分の居場所はなかった。
毒、という単語をミナカタが出してくれていたのは覚えている。
きっと誰も、ススムを食わぬだろう。
この家畜ばかりの村になど二度と生まれたくはない。
このまま
誰にも看取られず、消えてしまうのが
ススムに定められた未来
此処に留まっているのは
彼の行く末を、見届ける為だけに]
この群れは滅びる。
そうですね、ミナカタさん。
[ふ、と嗤う声ひとつ置く。
彼の名は、ミナカタである。
どちらだ、と問う子供のような大人を
冷たい視線で一度見やり*]
[丞を床に縫い留めた鍬が、湿った音と共に倒れていく。
片目に刀が刺さったまま、飛び掛かるように覆いかぶさってきたその男の顔は、人というよりも獣らしかった。
やがてぽっかりと開きこちらを見つめるその空洞の、さらにその奥に、ミナカタとしてこの村で生きた男の本当があるような気がして、]
ぐ、 ぅあっ、は
[見えなくなるまで、その闇を睨みつけていた。
声をあげている意識もない。
がむしゃらに動かした手指が何かに触れれば、爪をたてる。蹴とばそうとした足は、鍬をわずかに動かしただけで終わる]
メモを貼った。
[己も何度も振るった農具によって自由を奪われ、
己の研いだ刃で
人を喰らわずとも生きられる術を持ちながら、
人の肉ありきの冬の過ごし方を良しとした。
忘れられた鬼の一字を自ら名乗り、命を奪う刃を研ぐを悦びとした]
………、 へ、
[最期に残したのは、笑いにも似た音。
ただ喉奥から込み上げる血が震わせた吐息は、命を繋ぐために取り込まれることなく、流れすぎた血に溶け、神社を穢す役に加わる]
[両目は潰され、鼻と口の境目はなく、捲れ裂かれた唇から歯ばかりが覗くその面立ちは、まさしく鬼。
その鬼から血を啜るは
――――地獄はやはり、地上に在り*]
メモを貼った。
[どこからか、声
生者と異なる何かが聞こえて気がして、周囲を見渡した
視線は何かを捕らえただろうか]
そうかもしれませんね
いつかは、滅びる運命にあるのかもしれません
[声、いや、その何かは、
聞こえるはずのないものだったのかもしれない]
滅びの様を、ご覧になりたいのですか
だとしたら、それはどうしてなのでしょう
[ふと、気になって、問い返す
もし聞こえるはずのないものならば、これも空耳に対する、
受けてのいない独り言だったのかもしれないけれど*]
源蔵の心中、応対がし辛いのではないかと、視線を落とす*
いつか、滅びるようないびつな村なら
家畜しかいない、出来損ないの村なら
今滅べばいい。
嗚呼、僕は
……失敗してしまったんですね
[誰に返したでもない独り言のようにススムは囁き
そして嘆く]
人として生きられぬ家畜など
喰うて宿すしか能のない家畜など
生かす意味など、ないでしょう
殺さなくては。
あれは、不要な生き物だから
殺さなくては。
あれは、狂った群れの家畜共だから
ころさなくても
ぼくは、あのなかにはまじれない
僕だけが、僕だけだ
違うのは
[呪いを吐くよう
殺せ、と
生者の動きを煽るよう*]
そうですね
[生者の、死者の耳にも届かぬやもしれぬ意思
うん うんと頷くのは、
誰かの声
聞こえてくる呪いはやがて、
死した少女の面影
生かす意味などないかもしれません
混じれないなら、殺すのも一手かもしれません
[ですが――――と心に宿るのは、
鶏や牛の声に混じって、
生者たちの言葉
知らなくていいと閉じてしまわれたら、
家畜の方からも、人を知ることは難しいです
門を閉ざして下界を遠ざけた先にあるものは、
村も、人も同じなのではないでしょうか
[語るうちに、志を感じた若者の姿
仮に偽りであったとしても、
前へと進もうとしているように感じた眼差しを思い出し]
胸襟を開いて知ろうと踏み出されていたならば、
違いを乗り越えて分かりあう姿
描けていたかもしれません
知らぬままでは成し遂げられぬのは、
家畜の捌き方と、さほど変わりはしないのかもしれませんね
[お手伝いをさせてあげられず、ごめんなさいね
最後のこの言葉は、声にできていたのだろうか
口をつぐみ、生者達の生きざまを見届ける*]
『外界』
[集会場の騒動とは無縁の、焼け跡の中で。
兄の耳垂に噛みつき、力を籠めれば、口腔にゆるく血の味が広がったような気がした。
何度も執拗に、吸い付き、しゃぶり、高い水音を響かせる。
合間合間に、甘えるように兄を呼びながら**]
【人】 FSM団 ミナカタ がはっっっっ!!! (45) 2017/12/04(Mon) 01時頃 |
【人】 FSM団 ミナカタ げ、ん……ぞっ。 (46) 2017/12/04(Mon) 01時頃 |
メモを貼った。
[源蔵の短刀が指を切り落とす
短刀に力を加えた者は誰だったのか
ただ、分かる生末は、その刃がきっと、
生者の一人から命を奪う
ミナカタさん…………
[分け入るつもりは微塵もなかった
ただ、寒いと訴える声>>*3を耳にして、
自然と足が向かっていく
無駄だと分かってはいても、傾ぐ体を抱きとめようと]
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