167 あの、春の日
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―寮・裏庭―
[寮の裏庭には、巨木があった。 ハルカはその木にもたれて座り、今日も数学書を読んでいる。 その木の種類を、ハルカは知らない。桜でないということだけはかろうじてわかるが。 春とはいえ、まだ肌寒い。けれどそんなことおかまいなし。 ハルカは今日もマイペースで、数学嫌いから見れば謎の呪文書にしか見えないような数式を、熱心に目で追っていた]
(10) 2014/03/03(Mon) 00時半頃
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む?
[己の名を呼ぶ声>>16に、数学書から顔を上げた。 しばらく視線をさまよわせ、マユミの姿を認める]
ああ、マユミ。 おはよう。いい朝だな。
(19) 2014/03/03(Mon) 00時半頃
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ああ、大丈夫だ。 風邪で死ぬ前に、空腹で死んでしまう。 僕はとても空腹なんだ。 そろそろ食堂へ行くことにしよう。
[マユミが窓を閉じる様子を見守って、それから数学書を閉じて、立ち上がる]
(28) 2014/03/03(Mon) 01時頃
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[すたすたと、迷いない足取りで食堂へ向かって歩き出す。 何かをしながら歩いている時以外は、ハルカの歩調は速い]
頭脳労働は、糖分を消費するからな。 僕がこれほど空腹なのは、致し方ないことだ。
[何かに言い訳をしながら歩いていく。 エンゲル係数が高いことは自覚していた。 昨日の夜も、寮を抜け出して雪見大福を買いにコンビニに行っていたりする]
おは……
[よう、と。 食堂に足を踏み入れながら言いかけて。 挨拶の言葉は途切れ、代わりに右手が振りかぶられた]
本当に、学習しない。
[まっすぐに数学書が飛んでいくのは、もちろんシーシャの左手>>29]
(31) 2014/03/03(Mon) 01時半頃
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その数学書は大切なものなのだよ。 早急に返却してくれたまえ。
[果たして数学書はヒットしたかどうか。 投げつけておいて、理不尽なことを言い放つ]
おはよう。
[それから改めて朝の挨拶を食堂の面々へと向けて。 いつもなら寮費に食事代も含まれているのだが、春休みとなるとそうもいかない]
親子丼にしよう。
[朝からがっつりいくことに躊躇いはない]
(33) 2014/03/03(Mon) 01時半頃
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[投げつけた物品が唾液塗れで返却される>>35のはいつものことなので慣れっこだ。 大事な数学書。中のページが湿ってよれよれになってしまったなら怒っただろうが、表紙が濡れたくらいで動じない。 平然と数学書を受け取った]
僕は朝から頭を使って疲れているのだよ。 脳が栄養を欲しているのだ。 ……メイク?
[豪快と評されたことに釈明しつつ、およそ今までの人生で縁のなかったことに誘われて、怪訝そうに眉を寄せた]
別にしてみたいなら、構わないが。 だがしかし、口紅というのはどうなんだ。 僕は今から親子丼を食べるが、口紅まで食べてしまうことにはならないのか。
[食事程度ではとれないのだろうか。そういうことにはさっぱり疎い。 首を傾いだが、ジリヤの名前が挙がると、はは〜ん……という顔になった]
色気づいたか。
[色気のないコメント]
(37) 2014/03/03(Mon) 02時頃
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美味しい!? 口紅は美味しいものなのか!? だから女性は化粧をするのか!?
[激しく誤解して食いついた。レモン味が唇に載るなんて、なにそれ美味しそう、というものである]
そういうことなら、僕は喜んで協力するが。
[容姿に関心はない。それが他人であっても己であっても。 心置きなく化け物メイクをされても、多分平然としているだろう]
しかし、僕よりジリヤがいいなら、潔く身を引くぞ。 話しかけられないとか言っても、すでに会話は筒抜けだと思うが。
[何しろ、食堂には余り人気がない。声はよく届く。 ひょい、とジリヤに顔を向けて、首を傾いだ]
聞こえてるだろう?
(39) 2014/03/03(Mon) 02時頃
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ハルカは、シーシャとジリヤの顔を交互に見て、それからジェレミーの方を見た。**
2014/03/03(Mon) 02時頃
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[ハルカとしては、ジリヤに盗み聞きをされていた、という認識はない。 こちらがでかい声で話していただけだと思っている。 聞こえてしまったものは仕方ない。たとえ盗み聞きだったとしても、聞かれて困るようなことでもない。 向けられる、微かに赤みの差したジリヤの顔>>40をじっと見つめ、確かに化粧栄えしそうな整った顔か、と感想を抱く。 腐れ縁が色気づいても仕方ない、なんて思ったが、問題はそんなところではなかった]
なん……だと……!?
[口紅はレモン味じゃない。>>41 その指摘に、多大なるショックを受けた。 ガーン]
(50) 2014/03/03(Mon) 10時半頃
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[ショックを受けるハルカとは裏腹に、気のないそぶりを見せつつも、わりとジリヤはメイクに乗り気のよう。>>44 そういうことなら、レモンの味のしない口紅からは潔く身を引くことにしよう]
それなら、僕は親子丼を食べながら、見学させてもらおうか。
[何度となく口元に持っていかれそうになり、我慢するように下ろされるシーシャの左手>>42をガン見しながらそう言って、出来上がった親子丼を受け取りに一度カウンターへ。 湯気を立てる親子丼の載ったトレイを手に戻ってくると、近くの席を陣取った**]
(51) 2014/03/03(Mon) 10時半頃
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―食堂―
いただきます。
[ぱきりと割り箸を折って、親子丼に取り掛かる。 熱いほうじ茶はセルフサービスだ]
ほう、うまいものだな。
[もぐもぐと親子丼を平らげながら、ジリヤに化粧を施していくシーシャの手つきに、感心したような声を漏らす。 器用なのだから、もっと堂々としたらいいのに、シーシャはとてもおどおどとしている。>>59 赤く頬を染める様子に、うむ、やはり色気づいているという確信を深めた]
(62) 2014/03/03(Mon) 21時半頃
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ふむ。
[親子丼をごっくんと飲み込みながら、ジェレミーの言葉>>70に頷いた]
これだな、これだ。 シーシャもこういうことがさらっと言えるようにならんと。
[「先輩が綺麗だ」発言のことである]
あまり軟派なシーシャというのも想像できないが。 今の君は腰が低いを通り越して挙動が不審人物の域に達しているぞ。
[もともと遠慮のない性格だが、相手が腐れ縁となると一切の容赦がなかった]
(73) 2014/03/03(Mon) 22時半頃
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[女は恋をすると綺麗になるらしいと聞く。 この法則は男にも当てはまるのだろうか。 少なくとも、化粧をしていると勘違いされる程度には。 シーシャとジリヤのやり取りに、そんな感想を抱いたが、生憎親子丼を口いっぱいに頬張っているタイミングだったので、口に出すことはしなかった]
……ふー。 ごちそうさまだな。
[ぺろりと親子丼を平らげて、ほうじ茶をすする]
(81) 2014/03/03(Mon) 22時半頃
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モブのガヤに耐えられないのは修行が足りん証拠だ。
[どこ吹く風でほうじ茶をすすっていたが、化粧が完了すると、トレイの上に湯飲みを戻した]
ほほう。
[立ち上がって、ジリアの至近距離へ。まじまじと見つめる]
うん、とても綺麗だ。 そうだ、せっかくなのだから、写真に残しておいたらどうだろう。 ルーカスに頼めば、撮ってくれると思うがな。
(85) 2014/03/03(Mon) 23時頃
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よし売った。
[別にマネージャーでもなんでもないわけで、写真がほしいというジェレミー>>90にそう返したのは単なるノリである]
いや、僕はいいのだよ。 僕がびっくりな変貌を遂げて、美人になってしまったら、シーシャが困るだろう?
[冗談とも本気ともつかない口調で、ジリヤの視線>>87にはそう返した。 女性恐怖症を疑う勢いで、女性相手に挙動不審になるシーシャが、ハルカには一応の正気を保っていられるのは、女というカテゴリに分類されていないからだろうと思っている]
(95) 2014/03/03(Mon) 23時頃
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僕か? 僕は、そうだな。 とりあえず……。
[どうするのかというシーシャ>>92に、ゆったりとジリヤから離れて]
学習しない君をどうしたものかと考えている。
[口の中に入っている左手めがけて、親子丼を食べるのに使った割り箸を投げつけた。 感謝してもらいたい。割れたら困るので、丼や湯飲みは投げなかった]
(96) 2014/03/03(Mon) 23時頃
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ふむ、値段まで考えていなかった。 ジリヤ、取り分は6:4でいいだろうか。
[ジェレミーの問い>>97に、割と本気で考え始めた。 カメラマンのルーカスの取り分はないらしい。 けれど、「もとがいい」という言葉に、驚いたようにわずかに目を瞠る]
さすがだな。 呼吸をするように女をほめる。 爪の垢を煎じてシーシャに飲ませてやってくれないか。
[感心したようにそんなことを言った。ほめているつもりらしい]
(105) 2014/03/03(Mon) 23時半頃
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だから、噛む方がよほど痛いといつも言っている。 投げられたくなければ、学習したまえ。
[おしぼりで手を拭くシーシャ>>103に、腕組みをしてそう言い放つ]
ああ、その箸はもう使わないから、捨てておいてくれ。
[返却されても困るので、腕組みしたまま指でゴミ箱を示した]
数学? 別に構わないが。 ……ふふ、めくるめく美しい数式の世界に、共に耽溺しようではないか。
[くくく……と喉を鳴らし、心なしかうっとりした表情になる。 数学の世界に思いを馳せる姿は、少なめに見積もっても危ない人だった]
(109) 2014/03/03(Mon) 23時半頃
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うむ、ルーカスを差し向けるから、それまではどうかそのままで。
[ジェレミー>>114を援護するように、ハルカも重ねてジリヤに念を押す。 なんだかルーカスが手足のような扱いだが、別にものすごく親しいとか、そういう設定は特にない。ハルカが傍若無人なだけだ。 それからジェレミーのツッコミにゆるりと首を傾いで]
その程度でモテるほどの変貌を遂げられるわけがないだろう。 せいぜい、不審人物から一般人に昇格できるかどうかというところじゃないか。
[やはり一切の容赦がなかった]
(117) 2014/03/03(Mon) 23時半頃
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僕はいつでも構わない。 宿題はもう終わったからな。
[食堂を立ち去ろうとするシーシャ>>106に、そう声をかける。数学を教える話のことだ。 それから、箸がなくなり、丼と湯飲みだけが載ったトレイを、食器返却口へと運んだ。 それから少し思案する。特に予定はなかったが、やらなければならないことができた]
ふむ。ルーカスはどこにいるのだろう。 とっとと確保して写真を撮ってもらわねば。 ビジネスチャンスを不意にする。
[別に本気で商売を始めるつもりはないが。 ジリヤの姿を写真に残しておきたいという気持ちは本気も本気、大本気だ]
(128) 2014/03/04(Tue) 00時頃
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[セルフサービスの給水器で、水を一杯。 水を飲みながら、しばし思案して]
……ふむ。闇雲に捜しに行くよりも、ここは食堂。 ここで張っていれば、そのうち来るのではなかろうか。
[練るのはルーカス捕捉計画。 ジリヤが化粧を落とさないよう見張ることもできるし、とグラスにもう一杯水を注ぐと、ジェレミーの化粧講座の傍に陣取った。 まさか犬が来るとは思っていない]
(145) 2014/03/04(Tue) 00時半頃
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[テーブルの上には、グラスがひとつ。そして数学書を開く。 ジェレミーの化粧講座を耳に入れ、時折そちらに目を向けながら。 ちなみに、後学のためというわけではない。単なる知的好奇心だ]
――――……。
[しかしいつしか数学書に没頭し、ジェレミーの化粧講座も、ルーカスを張っているという目的も、いつの間にやら意識の外へ。 めくるめく数学の世界に没頭してしまうのだった]
(162) 2014/03/04(Tue) 01時半頃
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[ぺらり。 数学書のページをめくったところで、ジリヤの声>>165が耳に届いた。 ちょうどキリのいいところだったので、ちらりと顔を上げる。 果たして、そこにはジリヤの言ったとおり、フィリップとエルゴットと]
…………犬?
[思わず瞬いて確認し、ぼそりと呟いた。 エルゴットが飼っている犬。何度かハルカも食べ物を差し入れたことがあるが、あくまでもこっそりだったはずだ。 それがなぜ食堂に]
(170) 2014/03/04(Tue) 02時頃
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[エルゴットは意外と大胆だったのだろうか。 真意を確認するように、犬に落としていた目線を上げてエルゴットを見つめる]
犬……だな……。
[改めてもう一度、いうまでもないことを呟く。ちなみに「犬」呼ばわりはカモフラージュでもなんでもない。 ハルカに「わんちゃん」なんて呼ぶような発想があるわけがなく、何度か食べ物もやっている犬に対して、「犬」呼びはデフォルトだった**]
(171) 2014/03/04(Tue) 02時頃
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[ハルカの印象より、実はずっとエルゴットは大胆なところがあったらしい。 大丈夫かなと思ったらしいエルゴット>>198と、胸の中の犬を交互に見やってから、食堂のカウンターの向こうにちらりと目を向ける。 どうやらこちらの様子に、今のところ気づいた様子はないが]
明らかに学生以外の人間がいるところなのだぞ。 意外とエルゴットは大胆なのだな。
[呆れとも感心ともつかない、そんな感想を漏らし。 ぬいぐるみというのに眉を寄せた]
いや……この犬、そんなおとなしくはなかったように記憶しているのだが。
[ぬいぐるみの振りができるような聞き分けのいい犬ではなかった気がする。 そんな聞き分けがあったなら、寮母の耳に入るほどバレバレになったりはしなかっただろう>>194]
(200) 2014/03/04(Tue) 21時頃
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まあ、エルゴットは卒業したのだから、見つかったところでなにか罰則があるわけでもないだろうが……。
[しょんぼりするエルゴットに、少し困ったようにハルカは腕を組んだ。別に責めたいわけではないのだ]
ただ、犬の方がな。 最悪のケースだと、処分という話にならないとも言い切れん。
[自分の話と知っているのかいないのか、とぼけた顔をしている犬に目を落とす]
ああ、食堂は避けた方が無難だろう。 しかし、ひとりの食事というのも味気なかろう。 よかったら付き合うが。
[と言っても、ハルカはすでに親子丼を食べているわけで、もう一度食事というのもどうかという説もある。 しかし異には余裕があったのでまあ問題ない。 空になったグラスを手に、席を立って]
そういえば、僕はルーカスを捜していたのだよ。 どこかで見なかっただろうか。
(205) 2014/03/04(Tue) 22時頃
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確かに僕はさっき親子丼を食べたが。 遠慮は無用だ。まだいくらでも入るからな。
[全然自慢にならないことを言って、胸を張る]
まあ、無理にとは言わないが。
[あまり察しが良い方ではない。ハルカ自身が思ったことはそのままストレートに言うタイプなので、飲み込んでしまうタイプを気遣うのは得手ではない]
そうか。ルーカスは見なかったか。 仕方ない。捜しに行くとするか。
[どっちにしても、食堂からはそろそろ引き上げようと、食器返却口にグラスを返した]
(219) 2014/03/04(Tue) 23時頃
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―廊下―
[常のハルカは、廊下を歩く時も大抵数独の本や数学書に目を落としていることがほとんどだが、今は人を捜している。そういうわけにもいかない。 すたすたと早足で歩いていた。およそ人捜しをしているようには見えない]
……ああ。
[窓から、裏庭様子が見えた。お気に入りの巨木も。 ふと足を止め、窓に触れる]
…………。
(232) 2014/03/04(Tue) 23時半頃
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