7 百合心中
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意地悪。 解ってる癖に…
[甘い声に身を捩るも]
…
[肩に手を置いて、 背伸びしようと頑張る姿が まるで]
抱きつきコアラみたい
[だったから――。 漸く私は、らしさ、を取り戻し "年上"の私、として笑う事が出来た。 きっとそれも、イリスの優しさ。]
(151) 2010/03/24(Wed) 06時頃
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牧人 リンダは、あえて屈む事はせずにくすくすと笑い続けている。
2010/03/24(Wed) 06時頃
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あ
[舌先が涙を浚っていく。 感触がくすぐったくて 照れ臭くて、]
やだ…… イリス、やめ、
[堪えるのに必死で。 けれど、甘いキスで結ばれれば]
――――、莫迦。
[だらしない笑みで、小さく罵った]
(153) 2010/03/24(Wed) 06時頃
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牧人 リンダは、メモを貼った。
2010/03/24(Wed) 06時頃
牧人 リンダは、受付 アイリスの目線にあわせて少し屈み込んだ。
2010/03/24(Wed) 06時頃
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え
[改めた言葉にされて 今更に どきり とした 先程までにも『結婚』だなどと口走っていたのに。]
あ
あの…
[どむどむと、階下から喧騒が続いている]
………はい。
[それでも恥ずかしそうに、ゆっくり頷いた]
(155) 2010/03/24(Wed) 06時半頃
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牧人 リンダは、受付 アイリスから身体を離すと真っ赤な顔を両手で覆った。
2010/03/24(Wed) 06時半頃
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どうしよう ……今、凄い恥ずかしい
[少し恨めしげな眸をイリスへ向けて]
莫迦… 何もこんな処で告白しなくても
[ぶつぶつと文句を言うが]
……行こう?
[手を伸ばし、イリスの手を強引に。 確り、握って階下へと*誘う*]
(156) 2010/03/24(Wed) 06時半頃
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牧人 リンダは、メモを貼った。
2010/03/24(Wed) 06時半頃
牧人 リンダは、メモを貼った。
2010/03/25(Thu) 01時頃
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―― 回想・繁華街 ――
[イリスと二人、手を繋ぎ連れ添って ゲームセンターを出る。 顔を見合わせてどうしようか、なんて言葉を交わしても 頭の中では明日の仕事がちらついている。 結ばれようが、どうあろうが、私達には、明日がある。
そんな事を、それと無く切り出そうとした矢先、 街頭テレビジョンが、緊急ニュースを知らせていた。 テレビの周りに人だかりが出来ている。]
―――。
(247) 2010/03/25(Thu) 01時半頃
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[嘘の様な報道内容を茫然と見遣る。 そんな話を真に受けて踊りきれる程、子供でも無い。 どんなに不可能で困難な事であっても、 きっと何処かの誰かが打開策を見つけてくれる。]
……。
[絡ませた手を、きゅ、と強く繋ぐ。 そう。 私達の明日は、今日までと代わらずに続いていくんだから。 だって、こうして、強く、強く。]
ね、イリス。 何処か、行こう?
[繋げる温もりだって、 漸く、確り、握る事が出来たのだから。]
(248) 2010/03/25(Thu) 01時半頃
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[宛てなんて無かった。 イリスへ伝え、互いに家へ帰る心算だった。 それでもそんな事を口にしたのは、 少なからずさっきのニュースが怖かったから、だろうか。]
……何処がいいかな。
[イリスが手に持つ、袋の中で 紡がれる物語の顛末なんて知る由も無い。 知った処で、役に立つのかどうかも解らない。]
少し、おなかすいたかも。
[だって私達は、 御伽のように、綺麗には生きられないから。]
(249) 2010/03/25(Thu) 01時半頃
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お勧め?
[少しの逡巡 仄かに笑んで]
私、店なんて知らないよ ……ファミレスでも良い?
[首を傾いだ 声は小さい だって其れは、傍に居る人にだけ聴こえればいいから]
(251) 2010/03/25(Thu) 01時半頃
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牧人 リンダは、メモを貼った。
2010/03/25(Thu) 02時頃
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[絡む腕と密着する、カラダ。 二つの温もりが触れ合えば、こそばゆくて 自然と笑みが零れてしまう]
じゃあ、『ロンド』でいいよね? あそこなら、海が見えるし。
[商業地区の北側に位置する、ファミレス。 其処からは、店の向こう側に海が見える。 其れを意識してか、店も海が俯瞰出来る様な 窓の位置、店の作りになっていて。]
窓際の席、空いてるといいね。
[イリスへ問い掛ける。 きっと私は、普段あまり見せない 優しくて、けれど、何処か危なげな笑みを向けたと思う]
(255) 2010/03/25(Thu) 02時頃
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私達は、未だ知らなかった。 悲報は、其れだけではなかった事を。
例え、どんな病気であろうと 立ち向かおうとする人々は、確かに存在する。
そして、立ち向かおうとするからこそ、 少しでも最良を、選び進もうとする。
結果、最良の影で切り捨てられる命があろうとも――。
(256) 2010/03/25(Thu) 02時頃
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[イリスとリンダが テレビジョンから遠く、離れた頃合だった。 ニュースは続報を伝える。 キャスターの表情は、暗い。 口から零れたのは、一つのキーワード。
『国家緊急権』。
其れは一口で言ってしまえば、 国家が本来的に持つ、憲法の枠越組みを超えた権能。 有事に際して非常事態宣言或いは戒厳令を発令し、 一時的に緊急措置の発動を可能とする 権能のことであり…… 以後、対象となった物に対しては 法律はおろか、人権ですら排除される事が、ある。]
(258) 2010/03/25(Thu) 02時頃
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要すれば。 病気に立ち向かう為。
少しでも時間を稼ぐ、為。 末期と判断された地域を切り捨てる、という報せ。
キャスターが読み上げた対象地区には、 私達の住まう、『桜ヶ丘』が入っていて。
其れはきっと、 其処に住まう人々の『理性』を奪うには十分だった。
(259) 2010/03/25(Thu) 02時頃
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牧人 リンダは、メモを貼った。
2010/03/25(Thu) 02時頃
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―― 商業地区・ファミレス『ロンド』前 ――
高校生の頃、ね。 良く此処に入り浸ってた。
[イリスと身体を密着させて 時折、彼女の髪撫ぜたりしながら 此処まで歩いてきた 行き交う人の好奇な視線を感じたりもしたけれど もう、気にする事は無かった]
友達と何時も、一緒に。 ……好きだったんだ。
結婚、しちゃったけど。
[にこり微笑んで告げると、 店の傍で、立ち止まる]
(263) 2010/03/25(Thu) 02時半頃
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牧人 リンダは、店の向こう側から聞こえる大声に目を細める。
2010/03/25(Thu) 02時半頃
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……うん。
[置いては行かない。 その一言が、嬉しくて。 幸せで、溶けてしまいそうで。 けれど、同時に物凄く、怖くて。 ぎゅ、と一度、強く抱きしめる。]
……どうかした?
[先に店の雰囲気に気づいたイリスの様子に 首を傾ぎ、問い掛ける。 店内に設置された大型のモニター。 テーブル毎に設置された、小さなモニター。 そして、其々が持つ、携帯電話。
悲報が伝わるには、十分すぎる程の、量。]
(266) 2010/03/25(Thu) 02時半頃
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……大丈夫。 大丈夫、だから。
[走り去る女性を見送る事しか出来ぬまま 怖い、と零すイリスの手をきつく握る 少しでも安心させる為に 自分の中の恐怖を紛らわす為に]
……みんな、やっぱり 悲観的になってる、のかな
[地域毎切捨てられた、など知る由も無く 情報は先程までのもので止まっていたから。 眉を寄せ、路の向こうを見ていれば 向こう側から男女のカップルが此方へ歩んでくる]
(270) 2010/03/25(Thu) 03時頃
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……だって?
[イリスの言葉の先が気になって問い掛ける 未だ、死、などという実感は無かった あんなニュースを見て、今も尚。 誰かがどうにか、するんだろう、なんていう 楽観視で私の世界は形作られている。]
何か……変、じゃない?
[カップルが、歩んでくるように見えていた。 しかしそれは良く見れば、少し違う。 男性が、女性に覆い被さるように… もっと言えば、女性が男性を必死で引き摺って歩いている。]
(274) 2010/03/25(Thu) 03時頃
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牧人 リンダは、直後、光景を目の当たりにする。
2010/03/25(Thu) 03時頃
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[明らかに普通の様子ではなかった。 女性の顔色が、酷く悪くて その眸は虚ろ、だった。 それに気付いたのは、数m先に近づいたからで。 重みに耐えかねてか、女性は 男性もろとも、その場に崩れ落ち、]
……あ!!
[直後。 男性の身体は白く花びらのように砕けて、 消えて、 花びらのように風に乗って、 女性の周りを舞い、包んで―――。]
(275) 2010/03/25(Thu) 03時頃
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ぅ……
[片手で口許を抑える 死んでしまうかもしれない――。 イリスの言葉が目の前の現実と結び付き 急速に胸の内側で熱を帯びた]
……!
[きっと一人だったら その場で足がすくんで動けなかった けれど傍に居るイリスの様子に 自分が確りしなくてはと彼女の手を掴み その場から逃げるようにして、走りだす]
(280) 2010/03/25(Thu) 03時半頃
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[イリスの手を引いて、路地裏へ。 人気があまり無い所へと走りこんだ。]
……っ、 は、ぁ
…………っ
[必死で呼吸を整える 日頃の運動のお陰か、イリスよりも先に 呼吸が整っていった]
イリス… 大丈夫、 絶対に。 絶対、はなれ―――
[そうして彼女を抱きしめる言葉は、 少し離れた位置からの、女性の悲鳴で掻き消える。]
(284) 2010/03/25(Thu) 03時半頃
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……っ
[イリスの弱音にすら 大丈夫、と慰める事も出来ない 只、ただ、恐怖に捉われ始めていたから。]
神様……
[祈るように、眸を閉じて イリスの両耳を、両手でそっと押さえた 向こう側からは女性の悲鳴。 『助けて』『離して』『誰か』 続くのは、男の罵声。 『五月蝿い』『静かにしろ』
何度も何度も、繰り返し。 やがて、女性の声は、小さく、消えていく。]
(290) 2010/03/25(Thu) 03時半頃
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牧人 リンダは、きっ、と悲鳴が聞こえていた方角を睨んだ。
2010/03/25(Thu) 04時頃
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…
[イリスの温もりが胸元に触れる 髪から香る彼女が、 華の香りと重なってしまい 彼女が消える想像が膨れ上がり そっと抱きしめる
けれど、女性の悲鳴が聞こえなくなり 居てもたっても居られず]
……必ず。 必ず、イリスの部屋に行くから。 御願い、先に行ってて?
止めて、来る。
[云って身体を離すと、立ち上がった]
(294) 2010/03/25(Thu) 04時頃
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牧人 リンダは、受付 アイリスに背を向けて悲鳴のした方向へ歩き出した。
2010/03/25(Thu) 04時頃
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……解った。 また、ね。
何時までも一緒。 約束だから。
[顔だけを振り向かせ、笑みで告げる。 イリスを離したく、無い。 こんな状況下で一人なんて、絶対に出来ない。 そんな思いに従って居ても良かったのかもしれない。
けれど、二度とイリスへは振り返らなかった。 私は、悲鳴のした方へ目一杯に走りだす。]
(298) 2010/03/25(Thu) 04時頃
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[阻止出来る算段なんて無かった。
悲鳴の先、組み敷かれた女性と げたげた笑う数名の男性を見た。
震える声で、精一杯の言葉を紡いだけれど、 男の力に敵う筈も無い。
竹刀があれば或いは――。 本当に助ける事が、出来たかもしれないのに。
此方へ歩み寄ってきた男の右拳が 私へと向いたとき、空は何色だっただろう。
私の意識は一度、其処で途切れた――*]
(300) 2010/03/25(Thu) 04時頃
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牧人 リンダは、混濁する意識の中、幾度も身体を襲う痛みと恐怖から逃げる様にイリスの名を*呟いた*
2010/03/25(Thu) 04時頃
牧人 リンダは、メモを貼った。
2010/03/25(Thu) 04時頃
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―― 商業地区・廃ビル ――
……っ
[意識を取り戻してから どれくらいの時間が過ぎただろう。 春先と云えど、一枚も纏う物が無ければ当然、寒い。]
イリス……
[冷たいコンクリートの上で、 我が身を抱きながら、名を呼んだ 届かない声は積もった花びらの残滓に溶けていく]
………イリス。
[気付けば、声は涙に塗れて居た。]
(343) 2010/03/25(Thu) 11時半頃
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ごめんなさい…… 助け、られなかった
[花びらと共に、散るのは血痕。 そして幾許かの、男達の精。 それも今は、泡沫の夢。 幾度も無理矢理に覚醒させられた意識は 途切れ途切れの惨状を捉えただけだった。]
ごめんなさい…
[私の身体には、幾つもの痣。 頬は殴られて腫れてしまい、 鼻や唇には傷跡と凝固した血が残った。 彼女と彼らが華に替わっても、血や精液や記憶は残るのだ。]
(346) 2010/03/25(Thu) 12時頃
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[行為の最中、呻きを聴いた。 既に助けようとした女性の悲鳴は、言葉では無くて。 只、薄気味の悪い、呻きと。 其れでも尚、抵抗したせいだろうか。 鈍い音。握り拳が女性の身体を襲う、音。
……其れが繰り返し響いていた気がする。]
なんで…… なんで私、 だけ 私だけ、生きてるの かな
[言葉は自虐気味に宙を舞う。 全ての人が華と化した、狭い空間で。]
なんで…
[襲われていた女性が、『死んだ…』。 そう思った次の瞬間、私が『殺される…』と。 そう強く、思い、諦めもした、のに。]
(349) 2010/03/25(Thu) 12時頃
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[女性が華と化した次の瞬間。 男達が悲鳴を上げた。 その内の一人が不調を訴えたかと思えば やがて華となり、舞い。 私を陵辱して居た男もやがて、華となり 後は只、埋もれるだけ。
華と血と精液と衣服と、記憶。]
イリス…… ……会いたい
会いたいよ……
[きつく眸を閉じて何度もイリスを呼ぶ けれど、此れでは駄目だ 甘えるだけじゃ、依存するだけじゃ、駄目、だ もしもあの女性のような目に、 私のような目にイリスが遭ってしまったら… それを考えるだけで言い表せない位、怖かった。]
(353) 2010/03/25(Thu) 12時頃
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牧人 リンダは、傍に落ちている男達の衣服を拾い集める。
2010/03/25(Thu) 12時頃
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[自分の服はもう、駄目だ。 お気に入りの帽子も…… 此処へ連れられる道中の何処かで落としてしまったらしい。 湧き上がる嫌悪を抑えながら 男達の衣服を掻き集める]
…
[解けた三つ編が視界を覆う よろめきながら少しずつ 少しずつ 着替えていく]
……
[華の香りでも紛れない 男の匂いが 私の身体に纏わり付いた
私は 自分を消してしまいたくなった]
(356) 2010/03/25(Thu) 12時頃
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[腫れた左頬。 膨れ上がった下唇。 やや見え難い右の視界。 左足を引き摺るようにして歩き出す。]
いか、なきゃ
[二度と、同じ悲劇を繰り返さぬ為に。 私には、立ち向かうものが、 護るものが必要だから――。]
[やがて廃ビルを後にする身体は、 一路、実家へと向かう。]
(362) 2010/03/25(Thu) 12時半頃
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―― 実家・剣道場 ――
…
[世界は私が居なくても、回り続ける。 意識が無い間も、只管に。 結論から云えば、祖父は居なかった。 ……只、道場に積もる花びらが出迎えただけ。]
ごめんね… ……昨晩の、日本食にすれば良かった、ね
[祖父の好物を。 せめて其れが最後になるのなら、 お味噌汁と納豆をつけて、あげたかった。 暫くは見下ろし、佇んでいたが]
…
[道場の奥に飾られた日本刀。 其れへ手を伸ばすと、掴み、その場を後にする。]
(370) 2010/03/25(Thu) 12時半頃
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