114 bloody's evil Kingdom
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[そして無残な己の身体に意識を戻すと、
それは騎士の手によって、白い布を被せられ]
……。
[もう叶わないのか。
手を伸ばすことも、あの男への復讐も。]
[ふと聞こえるのは錬金術師の女の声]
……パピヨン
[泣きたくなった。]
あんたまで残して逝くなんて
本当に情けない――。
[名誉の戦死という言葉に、シニカルに嗤う]
そんな騎士道なんか、もう
――忘れちゃったよ。
この気配は、ピッパか。
お前は死んだのか?
[嘗て騎士団に所属した女性騎士。彼女を女と舐める者も、小莫迦にするものもいた。劣った所を見れば嘲笑が飛び、勝った所を見れば妬心をぶつけられていた。肩肘はって生きていたように思えた]
騎士であるお前達が、
護るべき王も、王妃も王子も死んだ。
[空を、見上げる。
きっとたくさんの人が魔物たちの手によって、
その命を散らしているのだろう。
罪なき人たちの魂が、黎明へと昇っていく]
でも――……。
[自分は、あの列に並ぶ事はない。
並ぶ事は許されない]
[柔らかな肉をはむと、
ぬるりとした血が、
口中にゆっくりと広がり、
舌を染めた
甘い…そう感じるのは
愛しい女のものだったせいだろうか]
あんたは―――まさか
[ムパムピス。思い出したのは随分久しい名だ。
かつてその力強き騎士を先輩として敬ったものだが
ある時突然騎士の座を退き、僧の道に入ったと聞いた]
……そうだね。
[弱々しく頷く。自分か忠誠を誓った者などもういない]
私は、騎士なんかじゃないさ。
[在るのは女として身を灼くような怨恨だけ。]
[死ぬかもしれない
いや、死ぬだろう
そう思った時に…考えたのは
魂の抜けてしまった体でも
誰の手にも渡したくはない、と
意固地にも似た感情
ただ それだけ]
[神は、慈悲深く寛容だ。
だけどそれは正しき行いをする者に対してだけの事。
慈悲深い顔の裏で己の教えに逆らうものには、
世界を海に沈めてしまうほどに苛烈な制裁を施すのだ。
魔に堕ちた自分には、
神のの慈悲は一片たりとも与えられる事はない。
ただこうして、
人々が天に召されているのを、薄暗い場所から見上げる事しか、出来ない]
どうしてこうなってしまったんだろう。
なにを間違ってしまったんだろう。
[自分の手を見降ろし、呟く。
苦しみも悲しみも乖離した世界においてなお、
後悔だけは今も胸に残る。
もし道を違えた場所が判るのなら、
その場所へと戻りたいと思うくらいに]
[誰の手にもわたらぬように
肉を噛み
舌を食み
骨までもしゃぶりつくしたかった
そんな自分は…きっと知らぬ間に
化け物になっていたんだろう]
俺が今、見えるのは、既に狂った国だ。
盲いた王子が、得体の知れない国の女に惚れこんだ事から、狂い始めたか。
[興味のなかった結婚式。けれども謎の小国の存在は噂レベルでは聞いていた。知る限り、何もわからない国。王達はそれを畏れとしなかったのだろうか。見える範囲の事で納得してしまったのか。魔の力に当てられたのか。どうだとしても一生、知る由もないだろう]
なんだ、ラルフ王子。
君も、俺と同類か。
[王子の躯が収められた棺を見た。寝室で殺された王夫妻を見た。女の指示のまま、白い布に被せられたピッパが運ばれていくのも見たか]
全く、情けない。
国よりも一足先に狂ってしまって申し訳ない。
[嘗ての私服。黄色と白の派手な衣服のまま、壊れていく城内を眺める。虫に塗れた料理人達。グロテスクな子供を産み続ける女使用人。触手と融合した王国騎士。目の焦点を失って徘徊する生餌達。彼らはまだ終われていない。気の毒な事だ]
[女のすべてを喰らってしまえば
永遠に一つになって
満ち足りる
―其のはずだったのに
何故だろう、
いつでもいつまでも、
満たされることはなく
まだ 苦しい
苦しくて苦しくて
堪らない
溜まらない]
|
――三階私室――
さて。
[今日の夕食のメインディッシュはなんだろう。 民の苦心も、或いは仲魔の行動も 今は知ったこっちゃないといった様子で 食事に表情を綻ばせる。]
人間の頬肉のソテー? いいわね。
[転がっている適当な屍体から取ったんだろうが 別に新鮮さなんて気にしない。 焼けば同じだ。
ロベリアはすっかり此方側の人間になってしまった。 美味しい、と微笑む女王に 返り血に塗れたロベリアがうれしそうにわらう。]
(@2) 2013/02/24(Sun) 01時半頃
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[一人は、寂しい。
だけど師であるパピヨンの傍にいる事は、憚られた。
あの人の肩に乗せてしまった「弟子殺し」の荷物を、
これ以上重くするわけにはいかない。
友だと言ってくれたピッパの元にも行けない。
自分は彼女を殺した男と近しいものだ。
彼女に蔑みの目で見られたら……。
そう思うと傍に気配を感じても近づく事は出来なかった]
きっと世界は寒いだろう。
人は震え続けるだろう。
[城下に目を向ける。教会に集まっていた下級モンスター達、奴らと同程度の化け物が撒き散らかされた。広大な国土全てを犯されるまでには時は早いが、食い散らかされている速度は、緩くはない。心臓である王都が壊れている。ならば手足は機能はしない。偶々か英雄の匙加減での運不運しかないだろう]
ああ、槍か剣が欲しいな。
手が寂しくて仕方がない。
[両手の平を開いたり閉じたりを繰り返す。寒い時、行軍中に咄嗟の行動が常にとれるようにと、植えつけられた習性。見ている此処に、此処にいる...に暑さ寒さはない。それでも目下の景色を見れば、寒さだけを感じる]
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その内貴女も食べてあげるわ。 ロベリア。
[わらう。召使はただ幸福そうにわらう。 狂ってしまっている。]
(@3) 2013/02/24(Sun) 01時半頃
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門を固く閉じ、部屋の片隅で震える人よ。
心を閉ざし、己を苛む全ての人よ。
人を愛せ。
汝の隣人を愛せ。
[届かせる気はない言葉。届いていたとしても、特に気にすることもなかったが]
つむじ風に吹かれて、
消える程度の温もりも、
繋いでいる間は暖かい――くっ。
[だから行ける場所は限られていた。
ゆらりと舞う、透けた身体。
三階の豪奢な部屋の中で、
真っ赤に染まった側仕えの女に微笑む女の傍に身を寄せた。
薄い膜に遮られるているかのように、
王女に触れることは叶わない。
それでも――]
もう、あなただけなんだ。
あなたの言葉だけなんだ。
あなたにとっては戯れの言葉にすぎない事は判ってる。
それでも今の私は、あなたの言葉にすがる事しかできない。
はは、あはは。
だーから俺は神を信じない。
[信じる事を許すのは、自分が信じた人だけだ]
此処にいる人間よ。人間ならざる生き物よ。
誰でもいい。何でもいい。
此処をどうにかしてくれ。
此処にいると、自分が神様になったみたいで堪らない。
[前髪を片手でかきあげながら、失笑を続ける。望む限り、国の全てを眺めていられるこの場所で、困ったように口元を曲げる]
なあ、俺がおかしいのか?
祈る者、助けを求める者を、ただ見る。
見るだけの立場。
まさに神様の席だろ、此処は。
俺はそんなの求めちゃいない。
俺は、そこまで傲慢ではない。
ただの、人殺しだ。
それ以上の何者でもない。
[顔面を隠すように、片手で覆う。涙一つ出ない*]
愛してるってもう一度言ってよ。
可愛いって。
[自分じゃない他の女を見ている彼の人へ、
届くはずのない言葉を紡ぐ。
言ってくれたら、もう他に何もいらないから。
あなたの言いつけを守って、
あなただけを見つめるいい子になるから――]
|
[微かな熱の残滓のようなものに 小首を傾いだ。
その声は届かない。 明確に聞こえるのはきっと この女王の座を奪ったモンスターが討たれた時だけ。
食事を続ける。]
(@4) 2013/02/24(Sun) 01時半頃
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[防腐処理をして、自分の身体を綺麗にしてくれるパピヨンには
"ありがとう" ――届かない言葉を小さく紡ぐ
が]
何笑ってるんだ。
[いつもの軽口の体で思わず問いかけていた。
それも届かないとわかっていても。]
|
――ヨーランダ私室前――
[耳聡く、女の嬌声――否、半ば強制を、聞き止めれば。施錠してあろうとも、魔力でそれを破って顔を出す]
……ヨーランダ。
[コリーンの後孔を犯そうとするヨーランダを見とめるなら、室内のメイド達――彼女らも見遣って]
貴女ね、あんまり無茶させちゃだめよ?
[モンスターではなく、女王として咎めるような物言い]
趣味はわかるけど、この子壊しちゃ だめだからね。
[召使を呼び、コリーンが最初のパーティで着ていたようなドレスを持ってこさせ]
……コリーン、来なさい。
[女王の命令にはヨーランダも反論出来ないだろうか。半ば攫う形でコリーンを連れ去った。]
(@5) 2013/02/24(Sun) 03時頃
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――来賓室――
[フィリップが拠点としている貴賓室とは別の部屋。 まぁ程近い場所にあるだろう。
召使に用意させた下着とドレスを彼女に投げると]
……私の部下が失礼したわ。 アレはちょっと趣味が悪いの。
[自分に警戒した様子を見せるなら 食後だからそういう気はない、と 一つ断った上で]
……ヨーランダ・ムーンチャイルド。 察しているかもしれないけど、 私と同じ類のものよ。
(@6) 2013/02/24(Sun) 03時頃
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[仲魔の情報を敢えてコリーンに与える。 彼女はどんな顔をしただろう。 ふわり微笑んで、]
殺すなり好きにすればいい。
[仲魔すらも――まるでゲームのPawnの様に売ってしまう。 状況が状況だ。 少しくらいハンデを呉れてやっていい。]
(@7) 2013/02/24(Sun) 03時頃
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貴女はまだ、まともな思考をしているようね。
[どんな屈辱を受けても、ドレスを着れば令嬢然とした仕草を見せるコリーンに]
そうでなきゃ――。 壊れてしまってはつまらないもの。
[足元と謂われれば苦笑し、 小さく息を吐いて姿を消すコリーンを見送った。]
(@8) 2013/02/24(Sun) 03時半頃
|
[苦笑する王女の傍に、そっと降り立った。
触れられぬとしても、
ただ寄り添うように傍に]
……………。
[こうして傍にいる事しかできない自分が、
彼女にとってはつまらない、取るに足らない存在なのはわかっている。
それでも―――…]
傍に、いるから。
私は、あなたの傍に。ずっと……。
|
[確かにコリーンが仮に武器の類を持っていれば 一閃されていた可能性もあって。 ロベリアと視線を合わせ]
少し油断が過ぎるかしらね。
[コリーンが立ち去らないなければ 得物を与えようとすら思っていた。 見たいのは人間が堕ちていく姿。
そう、血を浴びて穢れてゆく姿だとか。]
まぁいいわ。
[さらりと過去に流すと、 ウェーブがかった紅茶色の髪を後ろに流し、 来賓室を後にした**]
(@9) 2013/02/24(Sun) 04時頃
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