162 絶望と後悔と懺悔と
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―転変―
[夜空に散る赤色が視界を染めた。
引き裂く爪が与えたのは、死に至る傷。
――そのはずだった]
――……。
[散り散りになり、消え行く意識は
黄金の星が月よりも眩く、闇よりも昏く輝くのを見た]
[金色の鬼に血と共に人間であった自分を奪われ
身に打ち込まれた呪いに、苦しげに呻く]
……て、めえ。
殺して、やる。――必ず、だ。
[搾り出す言葉は、黄金の鬼の望みに違わぬ憎悪の毒]
[黄金の鬼に掴みか掛かろうと、伸ばした腕が震えた。
――身体が撥ね、次の瞬間、猛烈な渇きに襲われる。
口元に零された王の血は、至高の甘露に似るが、決して渇きを満たすことはない。
これもまた、金色の鬼の戯れか。
或いは新たな眷属が、血の誘惑に溺れるように仕掛けた罠か]
……涼、平に、何しやがった。
[渇きに苦しむ周に、黄金の鬼は涼平の名を以って更なる呪詛を植え付ける>>*4]
[耐え難い渇きに悶える体を、零瑠に背負われ後方へと運ばれて行く。
揺れる視界に晒される、零瑠の首筋。
戦慄く口元がゆっくりと近付き、牙を――突きたてはしなかった]
……負け、ねえ。 絶対 に。
[熱に浮かされるような呟きは、戦場の喧騒の中でも零瑠には届くだろう。
苦痛に失われそうになる意識の向こうで
語りかけられる言葉たち>>*3>>*5がうねるように、遠く近く聞こえていた**]
―Bestia Niger(黒き獣)―
[紅き瞳に映るのは、己の切り裂かれた喉から零れる鮮血と
無残に壊された同胞の骸。
そして、――憎悪の獣。
鬼となってから百年余り。
クラリッサの美貌は初めての恐怖に歪んでいた]
[どうして――? と、彼女は問う。
この獣は、黄金の王の新たな従者ではなかったのか。
何故、同胞を――鬼の王の僕を襲う?
問いは音にならず、
その答えを与えられることのないまま、
――ぐしゃり。
クラリッサの頭は熟しすぎた紅い実のようにはじけた]
[渇きに身を蹂躙された獣は、
口の端から涎を垂らし、舌を垂らして無様に喘ぐ。
それでも、決して紅い果実に口を付けることなく、
ゆらり、闇へと歩き出した]
[――その後、零瑠か或いは他の鬼達が後方拠点を訪れても、
目にするものは無残な鬼達の屍ばかりだろう*]
[ゆるりと歩きながら、行き逢う鬼をその手に掛ける。
人を超えた肉体から揮われる武の技。
その前には、金色の王や黒姫――その眷属であればいざ知らず
並みの鬼など抗うにも足りない]
ああ、……痛え。
[金色の鬼への憎悪を滾らせれば、
頭が割れんばかりの痛みに襲われて。
膝を突き、地にのたうつのを耐える。
鬼達に爪を振るえば、無数の影色の手に纏わりつかれ、
手足の自由が奪われそうになる]
そんな目で、――見るなよ。
[鬼を殺す鬼に向ける、守護隊の仲間の視線と表情は
恐れと敵意に満ちたもの。
そんな彼らに向けて、寂しげに浮かべる苦笑も
血に飢えた鬼の嘲笑と見られるか。
けれど、難なく鬼を屠り、罷り通る獣を止める者はなかった]
……うる、せえ。
俺が殺すのは――て、めえだ。
[>>*33脳裏に響く金色の鬼の声に抗おうと、獣は身悶えする。
一層強まり癒えることのない渇きに、震える牙がぶつかり、がちりと音を立てた。
眸の焦点すら定まらず、ぐらり体を揺らす獣の様に、
鬼を討つ好機と、守護隊の一人が武器を向ける]
――――っ!!
[振り下ろされる武器を払ったつもりだった。
――けれど、加護という名の呪いを受け、凶爪は、
その刃ごと守護隊員の手首から先を削ぎ落としてしまう]
アイ、ザック――。
[鋭い爪に利き手を落とされ、苦しみ悶える隊員。
それは、同室のアイザックだった。
呆然と眺める獣の背に、今度は刺突が迫る。
殺気に振り返り、突き出された槍を掴んで、
使い手ごと地に捻じ伏せる]
誰、が――従う、かよ。
[>>*36揺さぶるように重ねられる呪詛を払おうと、
振り上げた爪が――また一人、守護隊の仲間を傷つけてしまう]
吾郎、……千明、皆、――やめてくれ。
俺の敵は、お前達じゃねえ。
[苛烈を極める攻撃に身を削られ、血を吐くように零す言葉。
或る者は苦しげな、また或る者は憎しみの色を表に浮かべるけれど、獣の叫びに応える声はなかった。
若手隊員の筆頭格だった南方周は、もはや人間の脅威でしかないのだと、仲間達の視線は語っていた*]
―Bestia Niger:承前―
[金色の鬼の眷属となった身ならば、
並み居る守護部隊を振り切ることは、さほど難しくはない。
けれど呪詛は鎖となって、足を絡めとり、
血を――かつての同志達を贄として捧げるまで、獣を縛り付ける]
――――……。
[吹き荒れた凶風が止んだとき、
この場に獣の他に、生あるもの姿はなかった。
地に倒れ伏す戦士達の屍を前に、魂裂くような慟哭が天に響いた。
ざらり、胸の裡から何かが剥がれ落ちていった。
あと、どれだけ、この手を血に染めれば
金色の鬼に至れるのだろう。
――分からないまま、それでも獣は歩みを止めない]
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