162 絶望と後悔と懺悔と
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――ほざいてろっ!!
[>>163詰襟姿の鬼が飛翔すると同時に、双児の鋼糸が繰り出される。 天と地から、同時に遅い来る襲撃に]
うおおおぉぉっ!!
[右手の鞭剣で鋼糸を薙ぎ払い、 続けざまに左手に構えた匕首を逆手に持ち替え、遅い来る剣閃を雄叫びと共に受け止める]
(177) 2014/02/10(Mon) 23時半頃
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[左足を軽く引き、 直円との距離を詰めようと爪先に力を籠めた時、 上空から舞い降りた漆黒の影に、絢矢の肌は粟立った。]
──ッ、
[咄嗟に円の腕を掴み、後方へ飛び退る。
菫色が周囲の状況を素早く見渡し、 東端の陣地を巡る戦況を確認すると]
全員散って──逃げて!!
[滅多に上げぬ張り詰めた声で 機動隊の面々へと呼び掛けた。]
(178) 2014/02/10(Mon) 23時半頃
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―駐屯地・通信施設― [銃剣を突きたてトリガーを引いた瞬間、 血だまりの中の無線機が、音を発した。>>174 ふと手を止める、ざあざあとノイズ混じりの声、
銃声に紛れて、声ははっきりとは聞こえなかった。 こちらから届くのは、血だまりを踏んだ小さな足音と]
……まだ逃げないの?
[ゆらがぬ水面の静けさをたたえた少女の声。 問いかけだけを残して、無線機に銃剣を突き立てる]
(179) 2014/02/10(Mon) 23時半頃
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―駐屯地・指令所付近―
[群がる吸血鬼達を文字通り薙ぎ倒しながら進む。 時には小柄な、時には大型な敵が襲ってきても無我夢中で切り伏せた。 腕が、飛沫が舞っても気にせずに。ただ走ってはしって指令所の方へと。 それでも叫び声が耳に入れば>>136]
っ、けど!!
[同じぐらい声を張り上げて返事をしながら速度を緩める。突っ込みすぎなのを自覚していたからか。 逃げ惑う兵士たちの波も手伝い前へと進めない事にイライラしながらも、それをぶつけるように]
っち、邪魔するな鬼!!
[吸血鬼の首を落とし心臓を貫いてゆく。]
(180) 2014/02/10(Mon) 23時半頃
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─ 陸軍駐屯地 ─ [長巻を構えたまま、走る。 速度はサミュエルには叶わない。 それでも走り、走る勢いと共に向かってくる敵を切り上げる。
足りない腕力は、走る勢いと遠心力で補う戦い方だ。]
(181) 2014/02/10(Mon) 23時半頃
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逃げられると思ってるのかしら?
[機動隊の中に切り込んでいく。 速度を最大の武器にしているだけあり、次から次へと切り裂いていく。
無論、いくら速度特化と言っても吸血鬼の筋力があっての事なのだけれど。 声を張り上げた少女にはまだ手出しをしようとはしない。 直円が手を下せばよいとばかりに見守る体制だった。]
(182) 2014/02/10(Mon) 23時半頃
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>>179 [通信した先、 少女の声が聞こえたが、そのあとはノイズとなった。
それだけで、理解する。通信施設は落ちた。 あそこももう、吸血鬼の巣窟となったのだろう。
きっと生存者はいない]
だども……。 それはヤバイだ。
[通信は生命線である。 おそらく、メインはやられても、サブの何かしらがあるかもしれない。 そう考えれば、通信施設の現状は気にするべきところだった]
(183) 2014/02/10(Mon) 23時半頃
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あぁ!僕の功績が!!逃がしませんよぉ……。 みなさぁん、僕のことは嫌いで!いいですからぁ! ただ、「できる」ってことは知っててくださぁい!!
[借りた鬼たちにそう呼び掛ける。 直円は左右にブレながら機動隊へ向かう。 さながら蜥蜴か、蟷螂か。ちょろちょろと動く。]
兵器はぁ……便利ですがぁ。瞬発力なら生身ですよぉ。 簡単なことですよぉ
先に動いた方が……強いのですよ!!
[逃げろ、その声に瞬時に反応し直ぐ様行動に移せる者。 どれくらいいるだろうか。直円は虫が如く動きつつ 「起動する前に」接敵し、「動く前に」爪で引っ掻く。 肉を裂き、限りなく「痛くする」形状の鈎爪。 直円が、動いている。]
(184) 2014/02/10(Mon) 23時半頃
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直円は、ホリーとは違う形だが、こちらも瞬発、敏捷なら長けている。
2014/02/11(Tue) 00時頃
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[左手にクリスを戻して兵士の死体を捨てる。
敵兵の中に、白い外套がちらほら交じり始めた。 吸血鬼の中にも切り捨てられる者が出て来ている。
後詰は、帝都守護隊――鬼狩りの白!
手強い相手だが、だからこそ、預かるのは背のみ。 低く強く吼える男の声に耳を傾ける暇は、]
[――――声は?]
(185) 2014/02/11(Tue) 00時頃
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― 駐屯地・通信施設 ―
[兵士にとってみれば、ここはホームグラウンドだ。 ましてや、サミュエルは、通い慣れているべき場所。
その入口付近、吸血鬼がいないかどうか探る。 少数の雑魚ならば、問題ない。 ただ、上級ともなれば、心してかからねばならない]
――……見張りが、声も出さずにやられでる……。
[上級の可能性が高まれば、眼光きつくなる]
(186) 2014/02/11(Tue) 00時頃
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[―――夜に似た黒の、散るは桜花。
鋼糸如きで身を封じられても詰まらない。 刃に乗る重みは人以上の筋力がもたらすもの。受け止められた刀は上から下へと位置を角度を変えて鍔迫り合う。>>177
身長は伸びたが、周と並ぶ程ではない。下からぐぐと押し、上げた視線が捉えたのは―――軍服から覗いた、夜桜。
現実であれと願うことを止めたのに。
抉じ開けられる、記憶。 間近で降る声に緩慢な動きで顔を上げた。]
(187) 2014/02/11(Tue) 00時頃
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[あの日から5年が経った。互いに20も近いはずなのに、一方の零瑠の顔立ちは幼さを残し、時の流れの異なるを現していた。 日焼ける事の無くなった肌は白くなっただろうが、何よりも革色が何処にも無い。
動揺を隠せず、かたかたと鍔が鳴る。]
あま……、ね
[喉の奥から絞り出すような、掠れた声が、出た。
信じられない。でも、この顔は見返しても周のもので。 眉をぎゅと寄せて見詰める。今にも泣きそうな程眉尻を下げて。]
(188) 2014/02/11(Tue) 00時頃
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あまね……良かった
生きて―――た。
(189) 2014/02/11(Tue) 00時頃
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[声に反応した者もしない者も、 現れた少女の刀の前に瞬く間に切り裂かれてゆく。
ホリー=ニルヴァーナ。 始祖と並ぶ吸血鬼側の司令塔。
眼にした瞬間わかる、特徴的な外見と 肌に感じる圧倒的な威圧感。 養成所で知識としては聞いていたものの 実際に対峙して初めてわかる実力差に 絢矢のこめかみから、一筋の冷たい汗が落ちた。]
円、
[僅かに逡巡を滲ませて円の名を呼ぶ。]
直お兄ちゃんを任せた。
ボクはホリーを止める。 ──このままじゃ、機動隊が全滅する。
(190) 2014/02/11(Tue) 00時頃
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そうだ。逃がすな、踏み潰せ。 家畜にどれだけ自分達が思いあがっているのか教えてやれ。
[不利な陣形も、吸血鬼1人舞い降りるだけで崩れ去る。 それを冷ややかに、 だが見つめる紅の奥は業火の様に滾っていた]
ああ、そうだ。 1つ褒美を考えてやらないとな。
[もっと狂う様に、嘆く様に、紅い声が誘う]
(191) 2014/02/11(Tue) 00時頃
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[静止して、目の前以外の場所を見た。
釘付けになる。
――だってそれは、
あの血と炎と煙の中で姿を消した >>180]
(192) 2014/02/11(Tue) 00時頃
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ずっと、気にかかって、た。
で、も…しんじて、た。 周も、サミュエルも、生きてる、って……
[腕から力が抜けていく。周の七首を受け流し。 柄から離した左手を持ち上げ、彼の頬に触れようとした。
確かめるために。生きている温もりを、知るために。*]
(193) 2014/02/11(Tue) 00時頃
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へえ……?
[切り捨てる合間に聞こえた声、《直お兄ちゃん》の部分は今は聞こえない振りをしていた。
それよりも、ホリーを止めると言う言葉に機動隊を追うのを止めてそちらを見る。]
あたしを知ってるんだ。熱心な隊員さんね……
[そう、サミュエルに名乗ったように。彼女の名を直接聞いた者も多い。
だが……]
知ってて「止める」か。大した自信ね。
(194) 2014/02/11(Tue) 00時頃
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[>>187 鬼の鋭い斬撃を受け止めるも早く、追撃の切り上げが遅いかかる。 咄嗟の判断で長ドスを捨て、匕首の背に左手を添えて、恐るべき膂力で押し込まれる刃を受け止めた。
学生帽の下から注がれる鬼の双眸。 ふ、と上げられた顔に思わず息を呑む]
――――……嘘だろ。
[学生帽の下、見下ろす鬼の貌は――零瑠の貌をしていた]
(195) 2014/02/11(Tue) 00時頃
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サミュエルは、そして、注意しながら、通信施設内に潜入していく。**
2014/02/11(Tue) 00時頃
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[次々に斃れてゆく機動隊の只中に、 絢矢は単身飛び込んだ。
円に直円を任せることは 円にとって酷だとわかっているけれど、 今取れる最善は、それしかない。
絢矢の姿が一瞬、鬼達の視界から掻き消え、 機動隊の一人の首筋へと揮われた刃の前に現れる。]
────ッ!!
[漆黒を重ねてホリーの力を受け止める。
あまりの衝撃に編み上げた革靴の底が砂を抉った。]
(196) 2014/02/11(Tue) 00時頃
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[すう、と息を吸い込んでから タブレットを一つ噛み砕いて三日月斧を振るう。 沢山居るだけの吸血鬼は簡単に首と胴が分かれてゆく。 その中に幾つか、良い動きが見える。
よくある話だ、人間が攫われて吸血鬼にさせられる。 そうすることで数を増やして、人間を減らす。 放置すれば餌不足で消えるだろうと思うけれど その条件は人間が全滅すること。 まずありえない事だ]
(始祖を叩かないと虫よりも早く殖える)
[サミュエルからの通信>>78で目的の居場所は解っている。 しかし単騎で突っ込んでも意味が無い事も理解している]
もう少し、減らしてからかな。
[またいくつかの叫び声が、耳を擽った]
(197) 2014/02/11(Tue) 00時頃
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[認めた瞬間、体は走っていた。
明之進が抜けた穴を一時、他の吸血鬼が埋める。
普通なら絶対に通らない、切り結ぶ兵と兵の隙間を 容易く掻い潜って駆け抜ける、飛ぶように。
吸血鬼を突き刺す長槍の間合いの大外の外から、懐への最接近。 寸前で両の短剣を手放して腕を伸ばし、 全ての速度を乗せて押し倒す勢いで突撃した]
(198) 2014/02/11(Tue) 00時頃
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[ジャニスから歩法を授けられたのは周だけではない。
周の機動力の目覚ましい向上に気づいた絢矢も、 後を追うようにジャニスに指導を求め、 周に及ばずともそれに近い瞬発力を身に付けた。]
させな──い、
[当然、ホリーの眼に 絢矢の動きは捉えられていただろう。
実力差は刃を交わさずともわかる。
それでも絢矢は退けない。 機動隊は必要な戦力だ。 ここで失うわけにはいかない。]
(199) 2014/02/11(Tue) 00時頃
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へえ、小太刀で受け止めるなんてやるじゃない。
[受け止められた事で、むしろ面白がるように。連続で日本刀を振るう、上段から斬りつけたかと思えば下段から斬りつける。
無論、これで斬り殺す気はないが手傷を負わせることに躊躇は無い。]
(200) 2014/02/11(Tue) 00時頃
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だぁれをぉ?任せるってぇ?
[ホリーの力を受けとめた絢矢の背後に回り込んだ。 ホリーと同等とは言わないが、直円もまた速い。 瞬発力と敏捷性はこの直円も長けている。]
都合よく僕たちが分散するとでもぉ?
はい……獲りましたよぉ!!
[躊躇うことなく、絢矢の背後から首筋を狙って 鉤爪を振るう。努めて「狂って」見せている。]
(201) 2014/02/11(Tue) 00時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2014/02/11(Tue) 00時頃
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[白色が舞う。この防衛線は崩させないと銀色が煌めく。 周りに散らばるのは物言わぬ屍、襲いかかってくる様々な鬼。
心臓を貫けば崩れ落ちる前に踏み台にしながら長槍を引き抜き、飛び上がった勢いを乗せて肩へと。 動かない障害物を蹴り散らしながら少し遠目に周の様子を伺った。 丁度刀と刀が押しあっている所で違和感と変な胸騒ぎを感じる。 どうも周と鬼の様子が可笑しい。>>188>>195
鬼が周に手を伸ばした所で]
何やってんだよ周っ……
[悪態をつきながら駆け出そうとした瞬間、衝撃>>198。 油断していたせいか受身もまともに取れずに転がった。]
(202) 2014/02/11(Tue) 00時頃
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[>>194自信なんてない。
そうするべきと判断したからそうしているまで。 無謀の代償は心得ている。]
キミは有名人──だから。
[視線だけは一歩も引かない。
押し切られる前に小太刀を弾き、 押し返そうとするのでなく、 己の躰を後方へ押し出すように距離を取った。]
(203) 2014/02/11(Tue) 00時頃
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[あま……、ね。
今にも泣きそうな程、秀麗な顔を歪ませ、 擦れた声で名を呼ぶ鬼は>>188 間違いなく零瑠だった]
お前、本当に――零瑠なんだな。 何だよ、泣くんじゃねえよ。
お前、本当に……
[周もまた、言葉に詰まり 戦場だというのに得物を構える手から力が抜けてしまう]
(204) 2014/02/11(Tue) 00時頃
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[諸共に倒れ込み、相手の両肩を地へと掴み留める。>>202
上から勢い込んで、その顔を覗き見た。
静止、瞬き。
暗赤色の双眸が見開いて、明瞭に驚きを示していた。 微かに開いた口が、す、と息をする]
(205) 2014/02/11(Tue) 00時半頃
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当たり前だ、……俺が死ぬわけねえだろう。 サミュエルも絢矢も、皆、元気だよ。
[頬に触れようと伸ばされる手。
不自然なまでに白い膚の色は、零瑠が既に人ではなくなってしまったことの証だ。
けれど――鬼の手を拒むことはしない。 その手は、変わり果ててしまっても、五年の間、無事であれかしと願っていた仲間の手だったから]
(206) 2014/02/11(Tue) 00時半頃
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