73 ─深夜、薔薇の木の下で。
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2011/12/28(Wed) 01時頃
――――独りだ。
色々と考えるのには良いのかもしれないが。
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…………セシル……
[その名前を覚えるように、一度呟いて。 頭を下げられれば逆に恐縮したけれど。
相手の名を聞けば、当然こちらも訪ねられる。 あ、そうかと納得して、 ただ、そのとき”誰か”の話になれば 顔はこわばったが。]
あ………フィリップ……!!
[それでも、窓を閉めるセシルに咄嗟に名を告げた。 セシル同様、いやそれ以上にまず人付き合いをしないのがあり 自己紹介もただ名を告げるだけの短いものだった。 窓越し姿が見えなくなる。カーテンも引かれれば 向こうから”誰か”に見られることはない、し なにより…………]
………………
(121) 2011/12/28(Wed) 01時半頃
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[また、音が聞こえ始めれば、 鮮やかな方のフィリップと目を合わせ 小さく笑んだ。 ”条件”を早速破ることになってしまったけれど]
(122) 2011/12/28(Wed) 01時半頃
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わかってないよ。
俺が、誰を好きになるかは俺が決める事だし。
鈍感だから中々気付かないし。
でも、素直になるとさ、俺がしたいことは一つなんだ。
ノックスに、触れたい。
……部屋に、戻ってきて。
[そう口にして、ノックスの顔を覗き込んだ**]
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[音が止み、会話も何回目かの空白に。 少しだけ頭をのぞかせて、身を乗り出して]
フィ…
[今聞いたばかりの名前を呼ぼうとして、けれど途中で口を結み、頭をひっこめてもう一度座り込んだ。風吹きすさぶ鐘楼の上は寒かったけれど、だからこそきっと誰も来ないだろう此処は居心地がよかった。ほんの少しだけ、期待もあった]
(123) 2011/12/28(Wed) 01時半頃
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― 中庭 ― [気分的に錯覚を起こしているせいか、 むせ返るはずの薔薇の匂いも、 今は本来開花時の穏やかな香りにも感じる。 相変わらず寒くはあったが、先程よりは暖かかった。]
…………?
[ただ、曲が止んだ後、微か、聞こえた声に 鮮やかなほうと目を合わせる。 一瞬過ぎて確信は持てない。 別の人だったらと思うと……怖い。
音のした方には鐘楼があった。
耳を済ませながら向かう。 ほかの音で認識違いとわかったら すぐに逃げれるようにしながら。]
(124) 2011/12/28(Wed) 01時半頃
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[子守唄。顔を上げ、選曲に首を傾げた。カーテンを閉める音までは聞こえず。 練習というには感情が場所が。奏者自身の為に弾いて居るのだろうか。
子守唄の終わりに。漸く音楽室の扉を叩き、開けた]
あの。練習中でしたら申し訳ありません。 こんな時間ですのに、防音室を使わないのですね。音が漏れて居ましたよ。
[相手の時間感覚がどうなっているのか。誰の為の曲なのか。問いかけを含めて]
いえ、責めている訳ではないのですよ。 ただ。この香りの中でヴァイオリンを弾いて。
―――正気で居るのでしょうか、と。
[ヴァイオリンを見つめ。弓を見つめ。薔薇を口実に**]
(125) 2011/12/28(Wed) 01時半頃
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フィリップは、階段を上がる音が石壁に響くを聞きながら。
2011/12/28(Wed) 02時頃
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[風によって薔薇の香りは鐘楼まで届けられる。深く吸い込めば、寒さも薄れていった]
あ、れ
[足音に気づいたのは、音からしてもうすぐそこまで来ていた時。さっき鐘楼から覗いていた顔を思い出して、ほのかな期待は膨れて
首を振った。違う、きっと違う。 壁に手をついて立ち上がる。中庭をもう一度覗いて、彼がいなくなっていることに気づけば、足音のする方へ振り返り]
(126) 2011/12/28(Wed) 02時頃
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[夜闇よりも暗いのは 月光受け淡い光発する雪がないから。 鮮やかなほうは夜目が聞かないのもあり、肩で大人しく。 フィリップ自身は、むしろ闇に切り抜かれた、闇よりは淡い青に緊張する。 ……間違っていたら、すぐに駆け下りられるよう、足場を確認してから、踏み出す。]
……カル……ヴィン?
[闇よりは淡い青の先で、 振り返るようにこちらを見る姿は 微かに聞こえた声音と一致していて 名前で呼んだのははじめて。 安堵しながら鐘楼、風が吹き抜けるそこに立つ]
(127) 2011/12/28(Wed) 02時頃
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……フィリップ
[返すように名前を呼んでから、驚いたように顔を見つめた]
なんで、名前知ってるの
[向き合うように、足を踏み出した。一歩だけ。急に近づくと驚かせてしまうかもしれない。名前を呼んだのは今が初めてだけれど、それくらいのことはもうわかっていた]
(128) 2011/12/28(Wed) 02時頃
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― 鐘楼 ― [ほんの短い間でも、風を受けていなかったからか いやに風が冷たく感じる。 驚く気配に、一つ、二つ翠を瞬かせる。 フィリップは名前を名乗らなくても 知られていることがあったため、 その理由で驚かれて驚いた。 ただ、名を呼ばれれば……何か違和感も、一つ。]
オスカーに聞いた。 これ…………
[一歩近づくカルヴィンに ロバートかカルヴィンか持ち主が 二択になったブランケットを差し出す。]
(129) 2011/12/28(Wed) 02時頃
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あ、うん そっか
[どこか様子のおかしかった後輩の顔を思い出して納得した。 差し出されたブランケット。誰のもの、というわけでもない。もしかしたら少年が談話室に持ち込んだかもしれないけれど、置き忘れれば共有物、もはや気にしていなかった]
えと 寒いでしょ。かけたら?
[反射的に出した手を握って促した]
(130) 2011/12/28(Wed) 02時半頃
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[黒い手袋越し、握る手が冷たい。 カルヴィンがここにいた時間は短くないように感じる。 確かにフィリップも寒かった。 けど、一人で使って関わりが 濃くなるような気配も怖かった。]
………カルヴィンも。寒い。
[そして、疑問が先立って登ってきたけれど、 先程も、その前も随分泣いて、 酷い顔になっている自信があった。 だから、カルヴィンの視界を覆うように 一度ブランケットを風になびかせてから 彼を包むように頭からかけようと]
(131) 2011/12/28(Wed) 02時半頃
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いや、俺は別に
[ノックスを運んだ時の熱はまだ残っている。首を振ろうとしてそれよりも早く目の前がブランケットで覆われた。いくらなんでも、頭からかけるやつがあるか、と少し呆れた。といっても、しょうがないな、という苦笑のようなものだった]
よし、ここはさ
[手を伸ばしてブランケットの端をつかみ、奪い取れるか勝負を挑む]
一緒にくるまろうよ
[そうすればもっとあったかいはずだ、と笑いかけて]
(132) 2011/12/28(Wed) 03時頃
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[熱のことどころか、3人も昏倒者が出たことさえ知らない。 だから、別に、と言われても フィリップにはやせ我慢としか思えなかった。 ただ、こぼれる苦笑には、ブランケット越し、 別口の理由もあるので黙殺したいところだった、が]
………わっ
[黒に包まれた指先から外れたブランケットが また風に翻る越しに笑顔を見た。そう言われれば、 抗弁できそうな理由が思いつけるわけもなく。]
………うん……
[頷いた後、翻ったブランケットを捕まえて。 自分とカルヴィンを包む。ブランケットだけじゃなく、 カルヴィンの暖かさも加わって思う以上に暖かくて少し笑った。 鮮やかなほうのフィリップが、 羽毛があっても寒いものは寒いと、 二人の間の一番温かそうな位置に収まりながら。]
(133) 2011/12/28(Wed) 03時頃
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あの、さ
[二人と一羽、ブランケットに包まって、あったかくなればさっきまでは確かに寒かったことを思い知る。近くなった体温が少し気になったけれど、フィリップには知られないように、紅い姿を眺めながら口を開いた]
その、ごめん、な。 ……噛み付いたり、して
[何故あんなことをしたのか、よくわからなかった。衝動のままだった]
(134) 2011/12/28(Wed) 03時頃
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[風が吹くたびに、中庭の薔薇の匂いも届く。 ただ、音楽の影響が続いているのか、 ただ、寒いけれど緩やかなまま。
フィリップは、謝罪の言葉に目を瞬かせる。 ……頬に傷があるのは知ってはいたが、 噛み痕だとは認識していなかったから。 だから、噛み付いた、と言われれば、 同じようにフィリップが 噛み付いた部分へ、手を伸ばす。]
……俺も、噛み付いてるから、お相子。
[カルヴィンからすれば、 噛みついたから噛み付かれたと 思っていただろうか? フィリップは偶然の一致が 痛み以外に同じ箇所があるようで、小さく笑う]
(135) 2011/12/28(Wed) 03時半頃
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[目を逸らしていたから、項に手が伸ばされれば大げさなほどに身を震わせた。そこに触れられた時を思い出してほんの少し体温があがった気がした。 噛みついたから、とは思っていなかった。したいからそうしたのだろうと。 衝動とはいえ、少年がそうしたのと同じように]
おあいこか ……うん、じゃあ
ありがと
[痛い時に、傍にいてくれて]
(136) 2011/12/28(Wed) 03時半頃
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[触れた瞬間震えるカルヴィンに 軽く指先をひいて翠を瞬かせる。 ……自分の手が邪魔で見えないが、 今も、月光受けて淡く光っているのだろうか?]
[短い言葉のやり取り。 お相子にしたことがありがとう名なのか? それほど気にしていたのだろうか?と 前後の会話から カルヴィンの思惑からずれたところを考える。 それでも、感謝されれば、暖かさを感じた。]
……ううん……あ、 えっと……”さぃあ”って、どんな人か、聞いても、いいかな?
[だから、また自分が代用品になるとき、 カルヴィンが満足できる代用品であるように まったく知らない”さぃあ”がどんな人かを尋ねた*]
(137) 2011/12/28(Wed) 04時頃
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[固まった。胸のあたりから顔に熱が上ってくるのを感じた。名前になってないけれど、きっとあの時ぐずぐずに泣きながら呼んだのだ。 何故今それを聞くのか、よりも。どう答えるべきか考えて]
えと 俺の、同室
[間違ってはいないが、どんな、という問いの答えにはなっていない。膝を抱えて顔を伏せ]
年上のくせに、可愛い奴だよ
[耳まで赤くなってる気がして隠したかったけれど、そうしたら顔が見えてしまう]
サイラスのことは、忘れろっ
[名前を呼んだ途端、今どうしてるかな、と考えてしまった。少年にとっては絶対忘れられない存在だけど**]
(138) 2011/12/28(Wed) 04時半頃
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[意識はエリアスに戻って。 戻る先は自室。セレストやモリスが至る前に、 当初の目的だった水と湯をもらって戻ってきたのだけれど]
…あぁ、やっぱり……
[いるとは期待していなかった。 自分なら、居れない。けど、彼ならかまわなかったのに]
やっぱり、俺ではだめ、なんだね。 はは…今更じゃ、ないか。
[諦めの感情はもう心の根底に根付いている。 彼が、食堂でモリスとまたしようとしていることなんて知る由もない]
君はやっぱり、俺がいたから…
(139) 2011/12/28(Wed) 05時半頃
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[どくん、と胸が鳴る。痛い。 あぁ、それでも彼を想うキモチが痛い。 高鳴る胸が、痛い。 ぎゅ、と胸元の服を掴んで、耐えるけれど、 病もあわせたその痛みに暫く耐えられずに シーツの中に倒れこむ。 消し忘れた暖炉の火も、もう小さい]
このまま死んでも、別に惜しくないんだろうなぁ…。
[そう、ふと脳裏に思い巡らせながら*]
(140) 2011/12/28(Wed) 05時半頃
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―礼拝室―
[指先に、丁寧に落とされる唇に 微かに声がひとつ落ちる。 最も清浄でなくてはいけない場所で 始まろうとしている背徳の行為に ぞく、と背筋に甘いしびれを感じた。
伸ばされる指先を、遮ることはない。 寧ろ受け入れて、導く。 この体にその行為を教えたのはジェフで けれど彼が大切に思うサイラスに 自分は罪への知識を教えようとしている。
ジェフがこのことを知れば、間違いなく罵られるだろう。 けれど、今更止めるつもりなどない。 サイラスが望むのなら、受け入れるとともに 乱れた宴に酔いしれるのを望むばかり]
(141) 2011/12/28(Wed) 07時半頃
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…サイラスの望み通りに。して。
[シャツのボタンを開けば、 ジェフの残した咬み痕も散った薔薇のような紅も 今だ新しくその名残を青い瞳の前に曝される。 サイラスだけではない。 ステンドグラスの前に佇む聖像にも とがめるような視線を向けられている錯覚が 余計に自身を煽って熱が昂るばかり]
もっと、酷くしていいから…っ
[ぎこちない指先はそれでも丁寧に触れようとしてくれる。 けれど、ジェフによって激しい快楽を知った身には 酷く焦らされているかのようで 思わずあげる懇願の声は、酷く濡れて蠱惑を帯びる**]
(142) 2011/12/28(Wed) 07時半頃
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……ん?
[廊下を歩いていると、見覚えのある姿が見えて。]
……セレスト先輩スか。先輩の大事な王子様とは、一緒じゃないんスか?
[先ほどの一件があったせいか、モリスは目をそらす。]
(143) 2011/12/28(Wed) 08時頃
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……続きは別にいいんスけど。
[モリスは醒めた目で呟く。]
なんで、あン時、逃げたんスか?
(144) 2011/12/28(Wed) 08時頃
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もし、エリアス先輩と『同じような事』、考えてるだけなら――
[モリスは若干の苛立ちを込め、]
――先輩のこと、ただじゃおかないっスよ。 オレも、そこまでお人よしじゃないっスから。
(145) 2011/12/28(Wed) 08時頃
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そんなんよりも、やる事あるんじゃないスか、セレスト先輩。
[セレストの反応を見ながら呟く。]
そうそう、いい事教えてあげるっスよ。
(146) 2011/12/28(Wed) 08時頃
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何か、ここの薔薇の木を燃やそうとしてる子がいるみたいっスけど。
[モリスはゆっくりと目を閉じる。]
もし、あの木が燃えるような事があったら。
(147) 2011/12/28(Wed) 08時頃
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エリアス先輩、目ェ醒まさなくなっちまうかもしれねーっスよ。
(148) 2011/12/28(Wed) 08時頃
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