236 【誰歓】 悪魔の月の嗤う夜 【特殊騒動】
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……わかりません。 真夜中に、ラスタバンの唸り声が聞こえて――それで、目を覚まして。 名前を呼ばれた気がします、でも幾分夢うつつのことで、……夢だと、思っていて。
彼女は何もしない、何も言わないまま、目の前で倒れました。
[突然、血を噴いて倒れたのだ。 噴いたのが口や首元からでなく、全身の傷からじわりじわりと、滲むように。 悪い夢だった。夢なら、よかった。]
(59) 2015/08/28(Fri) 02時頃
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オーレリアは、この言葉が、訪問に対するトイへの答えにもなるだろう。彼女は厩に訪れた。
2015/08/28(Fri) 02時頃
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……俺はそう思ってるけど。
証明するものは、何もない、な。
[不意にそちらからも問われれば>>57少し間を置いて返す 何も掴めていないのだから、曖昧な答えにしかならないが。オーレリアが何の関係もなくとも、死に場所は不審だと感じている。]
(60) 2015/08/28(Fri) 02時頃
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[語られた内容>>59には瞬いて、暫し考える。 一つ、その示す意味が浮かびはしたが。軽率に口に出すのは躊躇われる内容。 チャールズはどう思うのか、視線を彼に向けた。**]
(61) 2015/08/28(Fri) 02時頃
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…………、ふむ。
[あの男の死は、己の手によるもの。 なら、その死を疑ってきた青年への疑いも、今朝方の件とは関係ない。
疑いを切り替えて、語られた内容を、吟味してみる]
いまの話を聞くだけなら、傷が開いて、助けを求める途中で――とも、とれるか。
[小さく呟いて、しかし、それを否定する。ならば、厩まで行く必要性がない]
彼女――メルヤは仲間と共に悪魔に挑み、そして、彼女を残して全滅したと。
ひとつ疑問はあった――当の彼女は、どうやって生き残ったのか。それも、あれだけの傷で。
[口元を抑える。死霊術――いや、それはない。自分自身、宿に戻る前のメルヤと言葉を交わしている]
(62) 2015/08/28(Fri) 02時頃
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……、……、
[この街の教会で働く者たちから聞き込んだ、悪魔の情報。曰くが――そう。
……悪魔に憑かれた者は、血を噴いて死ぬ。 そして、悪魔は次の依り代を探す――……、そういうもの]
――そうだとも、そうでないとも、現状では。
[メルヤの死が悪魔によるものか、どうか。 そのオーレリアの問いには、曖昧に応じるしかなかった。 この男にしては、その口調は、弱りきったようだった**]
(63) 2015/08/28(Fri) 02時半頃
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メルヤさんが、夜、やってきて。 わたくしの名を呼ばれましたので、近くに。 そうしたら、肩を、掴まれて。 そのまま、お倒れになられました。
[話せることはそれしかない、と再びあったことを語り直す。 確信はないながら悪魔の所業だと語るトイ、どちらとも言いかねる様子のチャールズ。]
――あの。
[おずおずと、話を切り出す。 控えていたラスタバンが微か喉を鳴らした。]
(64) 2015/08/28(Fri) 11時頃
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わたくしは、悪魔憑きなのでしょうか。
[心の中にあるひとつを、問うた。 半ば確信していて、そうだと決めて切り捨ててほしくて、けれどどこかでそうでなければよいと願っている、ひとつ**]
(65) 2015/08/28(Fri) 11時頃
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[その問いが、発されてしまった。冷たい汗が首筋を伝い、腋下に滲む]
――……、それを疑う、自覚症状でもおありですか。
[発した声が、幾らか掠れた。信じたくはなかった、だが]
それは、判りません……なんとも、いえない。
……貴女は、狂している様子でもない。 理性を保っているようだし、外見上も何の変化もない。
明確な異常がないかぎり、悪魔憑きかどうかを見分けることは、徳の高い聖者にも難しい。
[それは事実だった。そして、それ故に]
悪魔憑きであるかどうかの証明は、悪魔が憑いている印を示せばいい――、
――では、悪魔憑きではないことを、証明するためには?
(66) 2015/08/28(Fri) 20時頃
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……出来ないんですよ。
[――ああ、そうだ。問われてしまった。 その問いが発された時点で、他の選択肢がなくなってしまった。
首を振って、掌を額にあて、搾り出すように結論を出す]
――悪魔憑きではないことの証明はね、不可能なんです。
[悪魔の証明――同じ論法から、かつて、魔女狩りという惨劇が引き起こされた。
疑いが生じたら、そこで終わり。運命は定まり、結末は確定する。 いかなる手段によっても、"そうでない"ことの証明など出来やしない。 無罪の証明が出来ないから、"疑わしきは罰する"――それが、教会の基本姿勢]
(67) 2015/08/28(Fri) 20時頃
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教会の人間としては、最早、選択肢はありません。
ですが――私個人として、出来る助言はあります。
[何を、言おうとしているのか]
今すぐ、お友達――ラスタバンの背に乗って。
[教会の猟犬が、何を言うのか]
――この街を出て、逃げるべきですね。
(68) 2015/08/28(Fri) 20時頃
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第一に、貴女が悪魔憑きでない場合。 貴女は死なずに済むし、私もこのままこの街で任務を続ければいい。
第二に、貴女が悪魔憑きの場合。 結果として、この街から悪魔はいなくなるから、私の任務は完遂される。 そして、貴女は逃げた先のどこかで死ぬかもしれないが――私はそれを知らずに済む。
[そのあと、息をついて]
第三に――いずれの場合にせよ、私は貴女の頼りになるお友達と戦わずに済む。
[悪魔に憑かれていようといまいと、御伽噺の姫君の傍には、竜がいる]
(69) 2015/08/28(Fri) 20時頃
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[オーレリアの言葉に、ゆるりと瞳を閉じる。
悪魔が憑いた認識はメルヤにはなかった。
オーレリアがどう感じているかわからないが、
もし同じように認識がなければいまはつらいだろうと、思う]
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とりあえず、だな。
俺達はあんたを探して街の人間に話を聞いてきた。 それと、何か噂してないか、ってよォく耳を澄ませたつもりだが……
もう少しは見慣れた筈の竜のことばかりで、他に死体が上がったって話は聞こえてこなかったんだ。
[視線を向けた先のチャールズもまたどこか弱気な様子で、さてはてどうしたものか考えあぐね 率直すぎる問い>>65にはまた答えにならないものを困った顔で返すばかり]
(70) 2015/08/28(Fri) 20時半頃
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[まあ、それでも聖職者の語る通り証明は出来ないのだ。 どうするつもりなのか、己より強者であろう男の判断を窺おうと話を聞いていたが。 その結果、青白い顔は驚きの表情を形作ることとなる。]
……あんた、自分で何を言ってるのか分かってるのか。
悪魔憑きだったとしたら、逃がしたことで他の街や村が被害に合うんだぞ。
[それは教会の判断とはとても感じられない。 こそ泥にはまるでチャールズという聖職者が私情を持ち込んだかのように思えた。]
(71) 2015/08/28(Fri) 20時半頃
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[そう、本人だって言っている。これは彼個人の判断。 身柄を拘束し教会に引き渡すでも己が手にかけるでもなく、容疑者に逃げろと言っているのだ。]
……お上はあンたを何と言うだろうね?
[人間を、ヘクターを殺めて悪魔憑きかもしれない女を逃がそうとするこの男に口裏を合わせてやろうなどとは居合わせたこそ泥は思っていない。]
(72) 2015/08/28(Fri) 20時半頃
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――判っている、つもりですがね。
[本当に? そうなのか? 自問自答が、頭の中で早鐘のように鳴り響く]
いずれにせよ――貴方が黙っていれば、いいだけの話です。
[悩みながらも、言の葉は自動的に紡がれる。言葉に詰まって、舐められるわけにはいかないから]
彼女を悪魔憑きとして討つためには、まず、竜殺し《ドラゴンスレイヤー》にならねばならない。 金満貴族の領地の連隊を持ってきて、漸くといったところでしょう。 勝ち目もないのに挑むほどの狂信者では、私はないんです。
[口にした言葉を正当化するような言葉が、続く]
もちろん、貴方にも報酬はあります――その命、ですよ。
[オーレリアを悪魔憑きとして、討とうとすれば――青年も、竜を相手にすることになる。 それは、死へ向かう早馬だ。それを避けるには、彼女を見逃すための方便を繕うしかない。 だが、その場合、真実を胸に秘められないというのなら――ここで、悪魔憑きとして死んでもらうだけのこと]
(73) 2015/08/28(Fri) 21時半頃
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はっ、バカバカしい。 こんな時でもお綺麗な言葉ばっかり並べたてるんだな?いやあ、流石聖職者サマ!
反吐が出る。
[私は真っ当な人間ですという顔をして自分の行いを正当化しようとする言い訳を口にする大人 何人も見てきたそれらに、男が重なって見えた]
殺ろうと思えばいつだって殺れる筈だぜ。今もオーレリアはこうやって大人しーくしてるんだからなァ。 それが無理だって言うなら、別の人間に移るまで待てばいいんじゃねーの?逃げろなんて、言う必要はないよなぁ……。
[彼女に街から逃げるという考えが最初からあればもうとっくに竜と共にいなくなっていることだろう。だからきっと、衝動的にここまでやってきたのだと思う。 そこにわざわざチャールズが吹き込んだ、そうとしか見えてなくて]
(74) 2015/08/28(Fri) 21時半頃
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あんた達の間に何があったのか、俺は知らないけどさ。
…ヘクターが異端の罪で死んだなら、今のあんただって死ぬべきじゃないか?
[懐からナイフを取り出して、構えた。 今までの言動と行いからして従わないのなら殺すとでも言うのだろう。だから?いや、…自分だって私情を持ち込んでいるのだろう。]
(75) 2015/08/28(Fri) 21時半頃
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――なら、貴様がやってみるか?
[かつて、竜を目にしたことがある男は、知っている]
彼女を殺せはするだろうが――その瞬間、貴様も死ぬ。
[あの戦で、友軍にいた竜騎士。竜の背にいた男が、城壁からの弩で射られて、死んだ。
その直後に――主を失った竜が、占領するはずだった敵の砦を、更地に変えた
(76) 2015/08/28(Fri) 22時頃
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――、かもしれない。 私は――"俺"はただ、姫君を救う勇者の役を、一度くらい演じてみたいだけなのかもしれない。
[傭兵の頃、遠くに仰ぎ見て憧れた世界。教会の尖兵として働いて、垣間見た世界]
――馬鹿げているとは思うが、ね。 まあいい――刃を抜くなら、是が非もない。
[提げていた杖から、白刃をすらりと抜いて]
何が正しいかは、教会に弓引く愚か者を討ったあとで、考えよう。
[言葉には言葉を、剣には剣を――この方が、話が早くていい。都合もいい。 真に教会の尖兵たらんとすれば――相手が悪魔だろうが竜だろうが、命を賭して挑むべきだからだ]
(77) 2015/08/28(Fri) 22時頃
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[眼を閉じるメルヤの気配を感じながら。
男は、歯噛みし呻くような声を絞る。]
──……何を。……馬鹿なことを。
[墓場のやりとりを眺めながら。]
終わらせるには、……手はひとつだけだ。
── Li pral apresye
[<解るだろう?>と誰にともなく問う声。
浮かべる笑みは、それをせせら笑おうとしながらも。
苦痛を堪えるように歪む。]
……道ずれにするんだ。──悪魔をな?
[届かぬ言葉。
──逃げろ、それでも、逃げろ、逃げろ、逃げろ──
声にならぬ死霊達の慟哭は、男の耳にも共鳴し、闇を震わせる。]
[閉じていた目を開け、墓場のやり取りを眺める。
搾り出すようなヘクターの声にちらりと視線をやり]
――無駄な、死が増えなければいいな。
[トイと相対するチャールズに小さくため息を零した]
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そうかもしれないなァ。 けど、あんたに従って本当に生きて帰れる保証だって無いな。
[ちらと竜を見て、歪に笑った。 言う通り>>76なのかもしれない。けれどもう引くことも出来ないだろう。]
おや、…
[どこか雰囲気が変わった気がして>>77緑を細める]
そりゃあ素敵なお話だ。けれどこの血生臭いしけた街には似合わねぇな。
[死が漂う墓地であっても輝く白刃、正義はやはりあちらにあるのだろうかとふと頭によぎった。 じりと距離を取った後に胸の前で構えていたそれを解いて耳の後ろまで上げて、男目掛けて投げる。 本来ナイフとは近接で使うほうが確実性がある、しかし己を捕まえたヘクターを殺した男になど、正当法で向かっていけるわけがないのだ。 速さだけは自信があった、けれど血液を多く失っているせいで狙いは定まっておらず当たったとて大した傷は与えられないことだろう。 少しでも隙が出来ればいい、そう思っての行動。]
(78) 2015/08/28(Fri) 22時半頃
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本当にさ、なんで俺がこんなことしてるんだろう…な!
[猶予など無い、結果を認識するより先にもう一挺を手に駆ける。今度は突き立てる為に。 逃げるばかりで真っ向から誰かとやりあった経験など無かった。勝機など、砂粒一つ分もあるか怪しい。]
(79) 2015/08/28(Fri) 22時半頃
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[溜め息を溢すメルヤの傍ら。
男は、ゆっくりと、だが確かに横に首を振る。]
手は……、ひとつしかねぇ。……ねぇんだ──
[それは、希望というよりも絶望の言葉。
悪魔は、とり憑く者ばかりでなく。
関わる者達全ての運命を絡めとり、逃さぬように。]
[首を振るヘクターに、もう一つ、ため息を零す]
夜になる前に、オーレリアを殺せれば。
悪魔はどこにも乗り移れないかもしれない。
[そうであればいいのに、と願う言葉だ。
そうだと知っていれば、とり憑かれているとわかっていれば、
何かが変わっていただろうかと思う]
トイもチャールズも。
どうして……
[悲しげに呟く]
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――ああ、それは正しい。 貴様が生きて帰るには――俺を殺した上で、彼女をどうにかしないといけない。
[それは、青年を生かして帰すつもりはないということ。 そこいらのちんぴらに、悪魔憑きの疑いのある娘を逃がしたなどという弱みを握られるわけにはいかないから、当然だ]
ひとつ訂正するなら――血生臭いのも、似合わないのも、この街にじゃない。俺に、だ。
[投擲されたナイフなど、弓矢より余程に遅い。杖剣を閃かして、弾いて落とす]
――窮したか?
[だが、その動きは、本来よりも僅かに遅かった。 前日、蛇に抉られた効き腕と背。その影響は確かにあった]
(80) 2015/08/28(Fri) 23時頃
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……メルヤさんも、そうだったでしょう。 理性を保っていました。外見上……は、わかりませんが、傷がある以外は目立っておかしくはありませんでした。
あの人の死を悪魔の所業と疑う以上は、わたくしも――でしょう?
[自覚症状があるのかについては伏せたまま、チャールズ>>66に言及する。 証明する方法がないのなら。確実に、違うと言い切ってくれるのでないのなら。]
不可能な証明なら、されずとも構いません。 選択肢がないのなら、貴方はその道を往くべきでしょう。
[ゆっくりと、ラスタバンの影から歩み出る。 彼らの話を聞くうちに、不思議と心が鎮まってきた。 チャールズの気遣いに、目を伏せる。]
(81) 2015/08/28(Fri) 23時頃
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――……ちッ、
[何故、こんなことを。まったく、誰もが知りたいことが、それだ。
――突っ込んできた青年、その刃先。 既に、先んじて突ける距離ではない。そして、刃のない杖剣では、突く以外に殺傷力はない]
……、それが判ればッ!
[だから、振ったのは、利き腕に握る杖剣ではなく]
俺が知りたいよ!!
[左手に握った鞘――杖部分を、振りぬいた]
(82) 2015/08/28(Fri) 23時頃
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