18 'Cause I miss you. 〜未来からの贈り物〜
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ただ、俺は……人狼は半端者だと思う。
完全な人間でも、完全な獣でもなく。
アンタにどれだけ人間の心があったのかは分からないが、
全くなかったわけでもないだろ。
その姿してるんだしな。
俺からも質問だ。
アンタは、人間が羨ましいか? 獣が羨ましいか?
[そこまで言うと、少年は男の答えを待った。]
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…どうしたの?
[ 投票を終えれば、紙袋をテーブルへ置いて、自分は扉の近くに立っていた。いつもアイリスが座っていた、入り口横のスペースに。]
パコ?
[ 服を引かれて、首を傾ける。]
(170) 2010/07/07(Wed) 00時頃
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[ 己と違う、と言われれば納得する。
――人と人狼は違うのだ。
少年の意図した解釈とは違えども。]
ケッ。ガキの癖に、よォ。
[ そして、少年の答えを黙して聞く。]
……半端者、か。
[ くつくつ、と笑う。
化物、背信の獣――人の話、そして書物に記されたのは、全て呪詛の句。
少年の答。
――くだらない質問に頭を使って考えてくれたのだろう。
望む解答ではなかったが、それでも有り難かった。]
俺か? どうだったんだろうなあ……?
[ なりたかったのは人か獣か。
忘れて久しい願望だが、それでもかつて、己は人だった筈だ。
涼しい顔をしている少年に、にやりと笑った。]
お前の答は受け取ったぜェ?
――これは礼だ、受け取りなッ!
[ 手を振りかぶり、その頭目掛けて腕を振り下ろす。
――人狼の爪。二人を屠り、赤の剣士に傷を負わせた凶器をその顔に突き立てんと。]
………。
[女は集会所の中で立ち尽くしていた。
ペラジーは、"違う"。
自分が殺された時の記憶はごっそり抜け落ちていたが、それだけは勘で理解していた]
…嫌なものね。
なんで殺し殺されないといけないのかしら。
[相手が化物だから?殺さなければ自分が殺されるから?]
人の形をした化物だなんて、本当に、神様ってのは悪趣味だわ。
[ふい、と尻尾のように長い髪を揺らして、集会所を出て*どこかに*]
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…いいわよ。
[ 二つ返事で。 外には出られない、と視線を巡らせて、]
…キッチン、いく?ここで?
(172) 2010/07/07(Wed) 00時頃
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それ。
人狼の存在理由は、きっと悩むことだと思うぜ。
自分はどちらに属したいのか。
獣としての本能を抑え、人間としての理性を護るか。
それともその逆か。
[自身の問いに答えない男に、少年なりの存在理由を伝える。]
―――なっ、
[振り上げられた腕、その先に延びる爪に。
殺される、少年はそう感じた。
細い腕を盾にして頭を庇う。]
……っ、
どうせなら、背中にしてくれないか?
[腕から血を流したまま、男に無防備な背を向けてみた。]
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飲む。 同じ葉っぱなのに、パコが淹れるとどうしておいしいのかしら。
[ 真顔で唸って、キッチンの出口に一番近い椅子に座った。]
クッキー、はもうなかったわよね… …そうだ、林檎の砂糖漬けがその下に入ってるの。アップルティー風、はどう?
[ 空々しい程に朗らかな顔で、一角の棚を指差した。 時間は、そう長くあるわけではないが。本題に入るまでの間くらいは待つつもりで。]
(176) 2010/07/07(Wed) 00時半頃
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[ ちょっとした脅かしの心算だった。
腰を抜かすの少年をからかってやろう、その程度の悪戯。
誤算といえば、少年の反射神経が想像を上回っていたことか。]
バッ――!
[ 慌てて爪を引っ込めるも間に合わず、腕を掠めるように裂いた。]
危ねえなテメエ! 危うくその腕斬り落とすトコだったじゃねえかッ!!
[ 逆上し、慌てて腕を戻した。派手に血は流れるが、爪に残る手応えは浅い――傷は残らず癒えるだろう。]
まあ、男にしたら掠り傷だろ……自慢できるぜえ? 人狼の爪を受けて生きてるんだしなァ!
[ 頭を書いて笑い飛ばし、振りかぶる。
――今度は、人の手で、思いっきり。]
ほらよッ!!
[ 手のひらは、少年の背を正確に捕らえた。]
[もしも、自身の両親を奪った人狼がドナルドなら許せない。
けれど、今、目の前にある過去において、ドナルドは両親を殺しはしなかった。
だから、少年は憎みきることはできなかった。否、寧ろ、憎んではいけないと、少年は思っている。]
(母さんの笑った顔、怒った顔、どっちも好きだけど……)
[あの日、少年が処刑を買って出たわけは、見れなかったから。
ドナルドが疑われ、あれ以上苦しんでる母の姿を見たくなかったのだから。]
ありがとう、ドナルドさん。
[背を押されれば、嬉しそうに笑う。
今度は、ちゃんと階段を上がれるだろうか。
目の前には、一匹の″案内人″。]
全てが終わったら、林檎食べてみてよ。
ほらぁ、いっぱいなってるでしょ?
果実の禁断、解いておいたからさ。
[こっちの世界からでも触れるようにしておいたよ。
そう付け加えて、少年は笑う。
男は、何か問うただろうか。
どんな問いがあっても、少年が答えるのはこれだけ。]
ふふふ、
僕から皆への―――贈り物(プレゼント)。
[溜まった魔力、その少しだけを使った贈り物は、
願いを叶える、幸福の果実。]
欲張ったら、堕ちちゃうからね。
アダムとイヴみたいに。
じゃぁ、
[少年の姿は闇へと消える。
ドナルドの目には、儚く消えるように映ったか。]
―――さようなら。
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おいしい。
[ 林檎が口に入る。 禁断の赤い実。 これを好きだと言ったのは―― 若草色の眸、あれは誰だっただろう。]
パコ。
(181) 2010/07/07(Wed) 01時頃
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―未来へ続く階段―
何だよ。
罰じゃなくて魔力だったのか。
……って、あぶねぇ。
使い果たさなくて良かったぜ。
[″案内人″から堕ちた理由を聞けば、小さく舌打ちする。
けれど、少年の目元は確かに緩んでいた。]
なら……今回は大丈夫そうだな。
[闇に浮かぶ、時の螺旋。
チクタク、チクタク。
時を刻む音と共に、少年の足音が響くのだった。*]
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…ヤニクの言葉を、覚えてる? 殺さなくても済むんじゃないかって。
[ 悲しい理想。辛そうに歪んだ表情を>>89]
ヘクターの言葉を、覚えてる? ここで、やめとけば見逃せるって。
[ 静かな声、瞳にこもる炎を>>95]
……私は今日ペラジーを殺すかもしれない。あの子自身が、死ぬことを拒まなかったとしても、殺意を向けたのは私。
[ 何を踏みにじるか、何を吐き捨てるか。]
(182) 2010/07/07(Wed) 01時頃
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聞いて、フランシスカ。 貴方は生きるの。
この村に人狼は、ドナルドだけ。ミッシェルを殺したのはペラジー。
だから、貴方は生きられる。これからも、祭の夜には踊るのよ。
だけど、まだこの村に人狼がいるなら…… 人を殺す衝動を抑えきれないなら。ミッシェルをその為に殺したなら。
今夜、狼は、私を殺すのよ。
[ ごめんなさい、と、心の中で誰に謝ったのだろう。 死ぬなと言ってくれた、誰に。]
(183) 2010/07/07(Wed) 01時頃
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[ まるで、霞の様に消えて行く少年に目を丸くした。]
――ふん。
[ 少年は向かった先は天国か、もしくは此処とは違う何処かか。]
俺は、林檎なんざ喰わねえよ。
[ だが、まあ一つくらいはいいだろうか。
――背を向けて、来た道を戻る。]
水商売 タバサは、メモを貼った。
2010/07/07(Wed) 01時頃
水商売 タバサは、メモを貼った。
2010/07/07(Wed) 01時半頃
水商売 タバサは、メモを貼った。
2010/07/07(Wed) 01時半頃
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パコ。
[ 手を広げて、フランシスカを迎える。 身を守る道具など持ってはいない。]
(『惚れた女を守れるまじない』……あの模様、好きよ。)
大丈夫よ。大丈夫。
[ 兄を亡くして鬱ぐフランシスカにかけたように、穏やかに、掠れた声を。]
(190) 2010/07/07(Wed) 01時半頃
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水商売 タバサは、メモを貼った。
2010/07/07(Wed) 01時半頃
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