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[ 本当は、孫ではなく、
自分の兄の娘がソフィアの母親なのだと。
ベッドサイドのオルゴールの裏板を剥がすと、彼女の前の住所がある。兄はもう死んだと聞いたが真実はわからない。
雑貨屋で、この町に暮らすか、
それとも、船で赤ん坊の頃ここにきたお前が、
また、船に乗るか。
それはソフィア次第だと…]
[少女はつめたい部屋の隅で地虫のように小さくなっていました。
新たにやって来た看守たちは暖かい毛布と甘い飲み物でもって、顔に笑顔を貼り付けて近づいてきます。
ちいさな手のひらに膏を塗りたくり、不躾に髪を撫で付け、あわれな少女の歯の根は留まることがありません。]
[かれらは常に複数でやってきて、少女の身を案じるようなやさしい言葉を投げかけました。
警戒しているのでしょう。少女の枷が外れることもありません。
ほかに欲しいものがあるか、と問うた男に、少女はゆうきを振り絞って応えます。]
……おかみさん
おかみさん、どうなったの?
[そして、ソフィアへの手紙をしたためたあと、
今度は、もう一通。
便箋に若い女性を描き始め…]
『パピヨンさんへ
きっとあなたのお母さんのことを
自分はとても愛しておりました。
いつの日かまた会えるのを楽しみにしておりました。
お母さんは、お幸せにいられたでしょうか。
そうであればいいのですが。』
[そうしたためてまた封をする]
【人】 さすらい人 ヤニク― 朝凪亭 ― (41) 2013/12/28(Sat) 23時半頃 |
[その時、面会を告げる者が現れただろうか。
しかし、そのあとには、老人は、気分を悪くしており、
動かぬ片足を抱えたまま、ぼんやりと眠りについている。]
[男は少女に安心させるような笑みを浮かべて、相棒に視線を向けます。その視線は鋭利で、冷たさを感じさせるものでした。
『ダーラさんもね、別の場所にちゃんといるよ』
やさしい声色で返ってくる言葉に、少女はすがりつくしかありません。]
お、おかみさんは関係ないんだ!
おかみさんは人狼なんかじゃないんだ、だから!
だから、おかみさんは――
[眼前の男は、好好とした顔で少女の訴えに頷きます。
『うえのひとに伝えてくるよ。安心して待っているようにね……』
そうして、彼はハナの頭を撫で付けて去って行きました。
少女は背中に、ぞくぞくと冷たいものが流れるのを止めることが出来ませんでした。]
【人】 洗濯婦 セレスト[途中、坂道で立ちつくしたソフィアを見つけると (42) 2013/12/28(Sat) 23時半頃 |
[町長はダーラとはどのような話をしていただろう。
老人のように痛めつけたのかそれとも、ほかのなにかしらの話をしていたのか。
ともかく、無事であることは間違いなく、
そして、人狼の容疑も彼女からは晴れているだろう。
ハナの元にはそういったことが伝わるだろう]
【人】 さすらい人 ヤニク ……ん、 (43) 2013/12/28(Sat) 23時半頃 |
[ただ、もしかすると、
ダーラになにかしらがハナを脅すことに使われるかもしれない。
ともかく、町長は人狼少女としてのハナ、を
なにかしらのために飼いたがっていることは確かだ。
もちろん、それは少女にとって幸せなことではないかもしれない。
そのハナの運命がどうなるかは、
それからのハナと、そして、ハナを人狼と知る者たちの物語である*]
メモを貼った。
【人】 洗濯婦 セレストにいさんか。 (44) 2013/12/28(Sat) 23時半頃 |
[重たく扉が閉まる音がして、ハナは暗がりで毛布を手繰り寄せます。
じくじくと、したたかに打ち付けた部分が痛みます。
子どもの身体は、大人が考えるよりもよほど脆いのです。
女将さんに会うように頼むことは――出来ませんでした。
ハナにはおそろしかったのです。
女将さんに憎しみの目で見られることも、糾弾されることも――耐えられそうにありませんでした。
ハナにはわからぬことですが、もしも町長に思惑があるのなら――少女がダーラのことを口にしたことを、好機としてしか捉えないでしょう。
彼女の身柄がどうあれ、おさないばけものをコントロールするには十分な材料です。
自らの運命をどうにかするには、少女はか弱きに過ぎました。]
【人】 寡婦 パピヨン[――老人は眠っている、と。 (45) 2013/12/29(Sun) 00時頃 |
【人】 さすらい人 ヤニク[寝ぼけ眼のような顔で便箋を畳むと、封筒に詰める。 (46) 2013/12/29(Sun) 00時頃 |
【人】 洗濯婦 セレストま、ねえさんなら上手いこと持ち直すさ。 (47) 2013/12/29(Sun) 00時頃 |
【人】 さすらい人 ヤニク ちょっと知り合いにな。 (48) 2013/12/29(Sun) 00時頃 |
熱を出してうなされている。
【人】 洗濯婦 セレスト行商で故郷はないって聞いた気がしたからさ。 (49) 2013/12/29(Sun) 00時半頃 |
【人】 店番 ソフィア― 診療所 ― (51) 2013/12/29(Sun) 00時半頃 |
【人】 寡婦 パピヨン[灯りの少ない冷えた空間だ、 (52) 2013/12/29(Sun) 00時半頃 |
[牢屋は暗い冷えた空間だ。
その中で痛めつけられた脚はきっと折れているのだろう。
発した熱はまだ生きている証拠だ。
だが、老人は、やや生きる気力をなくしていた。
人狼騒ぎもそうだが、
なにが原因か自分でもわからない。
でもたしかに、老人は、手紙を書き終えて、もう、自分の使命はなくなったような気がしている]
【人】 寡婦 パピヨン[そう、たとえば、 (54) 2013/12/29(Sun) 00時半頃 |
【人】 洗濯婦 セレスト…おやおや、 (56) 2013/12/29(Sun) 00時半頃 |
【人】 さすらい人 ヤニク 勿体ぶった言い方されると、俺の方が気になっちゃうね。 (57) 2013/12/29(Sun) 01時頃 |
[やがて、うっすら目を開けたとき、
意識はやや朦朧としている。
ただ、みた先に誰かがいるのを感じて、起き上がなければと思い、
身を揺らした]
――……ああ、
ジェリーかい?
[それは、寝ぼけているような声だ。
ふつうに夢だと思っている。
若い頃のままのジェリーの顔が見えたような気がしたから]
――……君は、もう、どこにいるんだろうね。
【人】 洗濯婦 セレスト……忘れてくれって、言ったのに。 (58) 2013/12/29(Sun) 01時頃 |
【人】 洗濯婦 セレスト…あたし達は…、 (59) 2013/12/29(Sun) 01時頃 |
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