6 偽りの聖戦《イミテーション・ジ・ハード》
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[翔太の瞳の色の変化を捉える。 彼もまた、戦いの中で変わりゆくのだろうか]
私は大丈夫…翔太も、無事で何よりです。
[いつもの無表情で返すが、翔太の次の言葉には]
え……?
[言われて始めて、彼と視線が“逢った”ことに気づいたようだ。 続くセシルの言葉にも、少しだけ困ったような表情で沈黙するが]
いえ……私の記憶では、初めてお会いしたはずです。
[初めて――本当にそうだったろうか? それに初めて会ったならば、あの音色(しらべ)で起こったことの説明がつかない]
不手際で忘れていたなら申し訳ありません…お名前をお伺いしても構いませんか?
(58) 2010/03/21(Sun) 01時頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2010/03/21(Sun) 01時頃
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>>57
……。 とびうお?
[ぱちくり。深い赤茶が瞬いた。
ぴちゃん。トビウオが跳ねる。跳ねる。跳ねる。 みるみるうちに、流線型は湖畔へと飛び上がり、光に包まれると人型を成して――]
う、わ、わあぁぁ!?
[影のある神主へと変貌した。 彼もこれまでの話は耳にしていたらしく、何も言うことなく一つ頷いて、湖へと向き直るだろう。]
(59) 2010/03/21(Sun) 01時頃
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>>58
……?
[二人の様子に、首を傾げる。 なんだか変な感覚だ。 話しぶりは初対面なのに、どうにもそんな空気を感じない……
まるで、運命の鎖《リーニュ・ディスタン》に導かれているかのように――]
(60) 2010/03/21(Sun) 01時頃
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>>58 ……うん。私も、初めてだと思う、のだけど。 [だけど、何だろう?ナニカが再び、右目を刺す。] 名前、名前ね。 セシル、というらしい。 [軽く瞼を手で押さえ、ぎこちなく微笑んでそう返す。]
(61) 2010/03/21(Sun) 01時頃
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…ええ。初対面ですよね……不手際を働いてしまったのかと思うと、肝が冷えそうでした…。
[男と同様にぎこちない、ほっとしたような表情を作る。 ――心の中では、未だに疑問が残ったまま]
セシル……らしい?なんだか曖昧ですね。
あ…私はリンデル・リグレットと申します。よろしくお願い致します。
[その後、セシルから偽りの力在る者《イミテーション・ジーニアス》などの情報を得ただろうか]
(62) 2010/03/21(Sun) 01時半頃
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[翔太とリンデルと、それから亮とも詞を交わしただろうか。ひととおり、持つ情報を共有したならば] 6人、か…… 結構多いけれど、大丈夫かい? [祭門に問い掛けてみるも、答えは待たず] なんなら、私は独りで後を追おうか。彼ほどの力の持ち主が残した軌跡なら、今の私でも追えるはず。 ……それに。 [近くに居るのは、7人。 ――もう1人が、気になった。]
(63) 2010/03/21(Sun) 01時半頃
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…不思議だな…今まで生きてきた18年では知りえなかった知識が俺の中にある…―――
[霊体でありながら、今のベネットには質量があった。それは“神の真意≪ダアト≫と繋がる十の幻燈鏡≪セフィラ≫からの力のおかげ… そして、このセフィラは運命の基礎となる9人《シャダイ・エル・カイ》と力在る者《イミテーション・ジーニアス》の存在…―――命である事を、ベネットは理解していた…そう、自分の身体は今や、この世界を支える世界樹のように、運命の標識≪アイン・ソフ・オウル≫となったのだ]
(64) 2010/03/21(Sun) 01時半頃
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[リンデルと同じくセシルから情報を得ると、真面目な顔で頷いてそれを聞く。 以前とは違い、徐々に知識も"戻って"いるのか、すんなりと話も理解できているようだった。 彼らのやりとりを横に、祭門は着々と『時空術』の準備を進めていた。]
「オン・マカラギャ・バゾロウシュニシャ・バザラサトバ…… 神聖なる湖よ、大いなる霊峰よ、導き給え。 失われた清水の地《ロス・アクウィエス》への路を、示し給え――!」
[祭門は真言を唱えて湖へと触れる。 《言霊》が波紋を伝われば、穏やかな湖面の中央に白亜の鳥居が浮かび上がるだろう。 しかしまだその姿はぼんやりとしたものだろうか。]
(65) 2010/03/21(Sun) 01時半頃
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[祭門の術を間近で見ると、その神々しさに感嘆の声を挙げた。]
なんか、すごいな…… こういうのって、神道?なのかな?
[集中している神主には、少年の無邪気な言葉も耳に入らないだろう。 鳥居は時間をかけて徐々に実体化してゆくように見えた。]
(66) 2010/03/21(Sun) 01時半頃
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[そして、霊体たる意識を持つ自分は…運命の羅針盤《コーディエライト》…標識にあり、一つの道を指し示す針――― 独り言のように呟いた後、今度はしかとオスカーに視線を向けた]
君が、俺の身体を使って鏡の外から出れるのは…この身体が『君の身体』でもあるからだ…そして、『他の10人』の身体でもあり、この世界そのもの…
(67) 2010/03/21(Sun) 02時頃
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(リルは―――妹は、だから俺の傍にいてくれたんだ…俺を…世界を守るために…)
[今、“神の真意≪ダアト≫を宿したベネットは、妹が…いや、家族と思っていた人たちが偽りの家族で在ったこと…そして自分を守るために命を既に落としている事も…理解していた。 信じていた者に裏切られたような気持が湧きあがらないわけでもない。 だが、それ以上に、妹が向けてくれる親愛、信頼、そして情愛は疑う余地もなく]
(68) 2010/03/21(Sun) 02時頃
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>>63 [「それに。」その言葉に続く視線を、目で追った。 穏やかな笑みを浮かべる魔女。 彼女もまた、この運命に手を添える一人なのだろう――**]
(69) 2010/03/21(Sun) 02時頃
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[浮かび上がる鳥居を見上げるが、暈けた視界で暈けたモノを見るものだから、何がなにやらわからない。] ほんとうに、不思議な力在る者《ジーニアス》だな。 ……不思議というより、奇妙、が正しい、かな? [残るもう1人の力を探してみる。 嘆きの河の蒼、その水面に彼女の姿を捉えたなら――] ん。それじゃあちょっと、行ってくるよ。 [G3の音色で羽ばたく。 向かう先は―― ――*神に愛されし乙女《フロイライン・グローリア》の元*。]
(70) 2010/03/21(Sun) 02時頃
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[ふっ…と、コーリンの哀しき歌>>8がベネットに届く]
確かに人は…世界を汚してしまう…けれど、俺は人がこの世界にもたらす美しいものも知っている…守りたい…この世界を―――
[それは中立な立場で、世界の為の指針を定めるはずの運命の羅針盤《コーディエライト》としてではなく、世界に住む一人の人間として…そして兄として選んだ選択]
(71) 2010/03/21(Sun) 02時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/03/21(Sun) 02時半頃
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……っ、鏡が。
[祭門が白亜の鳥居を具現しつつある最中。 次第に鏡が熱を持ってくるのを感じとる]
中で何か起こってる、の…?
[鏡はリンデル以外、何も映さない。 今はこちらに語りかけてくる者もいないのか。 あのオスカルのくすくす笑いさえ届きはしない。
――その時、ふと鏡面が揺らぐ]
オスカル?
[しかし――そこに映ったのは]
(72) 2010/03/21(Sun) 02時半頃
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[“いのち”を持った植物たち。 大地を翔ける風も、ただありのままの姿で巡る。
いのちの鼓動が感じられなかった名も無き白い森《ヴェイスヴァルト》とは違い、今見える空間は確かに“生きて”いた。
――この領域は、鏡の幻影(じゅうにん)であるオスカルでさえ知らない。
そう、リンデルの頭の中で確信が過ぎる]
(73) 2010/03/21(Sun) 03時頃
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[――緑の中にそびえる純白はセフィロトの祭壇。
そこに捧げられし供物はなくい。 ただ十の、『原初の幻燈鏡《セフィラ》』のみが宙に浮かぶ。]
[第一のセフィラ《ケテル》は尊厳なる支配者を宿す青年を。 第二のセフィラ《コクマー》は邪眼使いを。 第三のセフィラ《ビナー》は時渡りの白鴉を。 第四のセフィラ《ケセド》は運命の羅針盤を。 第五のセフィラ《ゲブラー》は時空を操る神主を。 第六のセフィラ《テファレト》は純白の奏者を。 第七のセフィラ《ネツァク》は清廉なる人魚姫を。 第八のセフィラ《ホド》は秩序の鍵持つ至高の原石を。 第九のセフィラ《イェソド》は輝光仔蝙蝠を。 第十のセフィラ《マクロト》は幻燈鏡の主を、それぞれ示す]
(74) 2010/03/21(Sun) 03時頃
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[――現時点で“覗く”ことができるのは、主を示す《マクロト》以外の九つから一つ。
――セフィロトの祭壇は、主アリスの意思のままに。 必ずしも即断する必要はない。
――原初の幻燈鏡に映るものからは、アリスのほしいものが得られるかもしれない。 何も得られないかもしれない。
――さあ。 どれを現視(み)たい?]
(75) 2010/03/21(Sun) 03時頃
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[頭の中で言霊(こえ)が響く。
響く――――**]
(76) 2010/03/21(Sun) 03時頃
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牧人 リンダは、メモを貼った。
2010/03/21(Sun) 03時半頃
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―聖母の佇む庭― [暈けた視界にその人を捉えると、ふわり、彼女の許へと舞い降りる。 決戦の湖畔。たゆたう癒しの波紋《ラリマール》。 あの煌めきは、力ある言葉《カーズ・ワーズ》。あの懐かしさは、力ある言葉《カーズ・ワーズ》。 ――――しかし、それだけでは、なく。] ……っやはり……、やはり、そうか、貴女は……! 神に愛されし乙女《フロイライン・グローリア》―― 時渡りの白鴉《シュトゥンデ・ヴァイスクレール》―― そして――――
(77) 2010/03/21(Sun) 04時頃
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月詠の聖母《ルナ・マリア》 ―― 我が母、ビアンカ――……! [純白は跪き、老いて尚しなやかなその手に、自らの手をそっと、添える。 聖母の許に。 *偉大なる母の許に。*]
(78) 2010/03/21(Sun) 04時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/03/21(Sun) 04時頃
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…キミは。
[輝光仔蝙蝠<<Twinkle, twinkle, little bat>>。
まだ“生きて居た”ときの名の内の一つを持ち出され。 そのように呼ばれたこともあったか、と]
キミは、古い世界<<アルティマヴェルト>>かな。
ボクを知ってるなんて、相当むかし。若しくは、博識。
けれど、ごめんね。 ボクは、キミを思い出せないんだ。 永い刻を、生きすぎたものだから。
――きっと今は、神、なのかな? よりによって幻燈鏡<<セフィラ>>に宿るなんて。
(79) 2010/03/21(Sun) 07時半頃
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[続くベネットの言葉で、気付いた。 ボク達――世界のことを知っているのは、本人らのみで]
…ああ、なんだ。 キミは幻燈鏡<<セフィラ>>に関わる者。 不思議の子供達<<トゥイードゥルチルドレン>>のひとりか。
[くすくすくす。面白い予想外に、笑いが止まらない。]
こどもを忘れるような親で、ごめんね。 他のきょうだいは元気かな。 内のひとりふたりは、道を踏み外したようだけど。
[恐らくひとりは、そこの銀。彼女にはまだ救いがある。 しかしもうひとり、後戻り出来ないところまで 来てしまったのが誰なのかは、思い出せない]
(80) 2010/03/21(Sun) 10時頃
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ボクは、前の聖戦<<ジ・ハード>>の時に呪われたよ。 壊した世界の残滓たち<<サンクトゥス・ダスト>>にね。 今のボクには、色は無い。力が無ければ、出られない。
[蒼の色、呪いの主は、今誰に宿っているのだろう。 まさかそれが自分の子供だとは、知る由も無く]
だから身体を借りてたよ。ありがと、ね。くすくす。
[もっとも、不思議の子供達<<トゥイードゥルチルドレン>>だと判っていて借りたわけでは無いのだが]
(81) 2010/03/21(Sun) 10時頃
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でね、困ったことに。 同じことが起ころうとしているんだ。
[聖戦<<ジ・ハード>>を引き起こせば、 また世界は無に帰る。 今までにちらほら起きて来た紛い物じゃない。 その証拠に、<<カタストロフィ・チェイン>>が進行していて]
今度は本物みたいなんだよね。 ボクのほかに、こんなことをする人が居るなんて思わなかったよ。くすくす。
道を踏み外したひとり。 例の偽りの力を持つ者<<イミテーション・ジーニアス>>が、黒幕かな?
[答えが返ってくるとは思えぬけれど 問い掛けるような口調で話す]
(82) 2010/03/21(Sun) 10時半頃
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やぁ魔銃の少年、さっきは助かったよ。 蒼い翼のお譲さんもだ。
[ 何故かリンダとは眼を合わせようとしないまま、同じく情報を交換する。 ]
うん、今解っているのはこんな所だ。 後はそこでピコピコやってるラルフ次第かな?
(83) 2010/03/21(Sun) 10時半頃
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理髪師 ザックは、メモを貼った。
2010/03/21(Sun) 10時半頃
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―深層世界― 前回の聖戦の閲覧
呪われてあれ! 呪われてあれ! 呪われてあれ! 呪われてあれ! 呪われてあれ! 呪われてあれ! 呪われてあれ! 呪われてあれ! 呪われてあれ! 呪われてあれ! 呪われてあれ! 呪われてあれ! [ 先代の言霊が響く。 ]
己は何者か? 己は只の観測装置… 全てを識る者≪ラプラス≫が遣わした眼の一つに過ぎない…
己は聖戦の顛末を見届ける観測装置… だが現在、己自身もまた観測される側に立っている…
観測装置の干渉によって聖戦の顛末(未来)が変わるのだとしたら…
呪われてあれ! 呪われてあれ! 呪われてあれ! 呪われてあれ! 呪われてあれ! 呪われてあれ! 呪われてあれ! 呪われてあれ! 呪われてあれ! 呪われてあれ! 呪われてあれ! 呪われてあれ! [ 先代の過ちを繰り返してはならない。 ]
(84) 2010/03/21(Sun) 12時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/03/21(Sun) 12時頃
理髪師 ザックは、メモを貼った。
2010/03/21(Sun) 12時頃
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[――現在(いま)ではない刻。 現世(ここ)ではない場所――] ―第九の監獄《κωκυτός》― [裏切りの末に行き着く先は、凍れる煉獄。 嘆きの河の水面、横たわる純白の奏者は、紅の双眸を天(そら)へと向ける。] ――王の命は、欠けた月。 ――天へ還した私は、Προδότης. Αντίο, σεληνόφως μου―――― [『彼』は其処へは来なかった。 ――嘆きの河の水面に眠る、ひとつの、追憶《memories》]
(85) 2010/03/21(Sun) 13時半頃
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―現在(いま)― ああ、月詠の聖母《ルナ・マリア》――我が母。 貴女とこうして、二度と逢えるとは思ってもいませんでした。 [ずきり、右の紅が痛む。 母なる彼女ならば、気付くだろう。かつての“暁”と違うのは――――瞳。] 月夜の皇女《ロイヤルブルームーン》――死せる彼女を、冥府の河の流れより引き戻したのは、私。彼女の記憶ごと、その音色を受け継いだのも、私。 ――私なのです。 [からん] [弾く、爪弾く、楽園《エリュシオン》への鍵。記憶(すべて)を封じ込める、冥府の鎖。] ……母上。貴女なら識っているはず。 私の『喪われし詩』―― 魂を分けた、私の片翼―― ――私と同じ刻に産まれ、同じ刻を生き…… 同じ刻に屠られた、もう一人の騎士の名を。
(86) 2010/03/21(Sun) 14時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/03/21(Sun) 14時頃
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[舞い降りた純白。それは確かに彼だった]
フォウル――"暁の騎士《ロードナイト》"にして、"漆黒の王《モーリアン》"と"月詠の聖母《ルナ・マリア》"の息子――
[手をとられ、懐かしい声で呼ばれる。その声は記憶と違えることなく。息子の名を呼ぶ老女の声が震えた]
あなたは、あなたは……本当に、心配ばかりかけて――!
(87) 2010/03/21(Sun) 14時半頃
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