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[足を止めて]
「ミツケタ」
「あの人、かくれんぼしてたの」
「何してあそブ?」
[嬉しそうな声は、聞くだけなら本当に無邪気な子どもの声だ。
その右手の先には影しかないけれど]
帰り道知ってるって言ったよね、あの人も一緒に帰れる?
「ワカンナイ」
「イッショに帰りたい?」
「あの人は、カエリタクナイみたいだから」
[それが、ここにいたいという意味なのかはわからない。
でも、掛けられた声は必死さを帯びていたから、帰りたいんじゃないのかな? って。
近づいてくる人の顔は、知っている顔だった。
あの、不動産屋さんから出てきた人だ]
どうも、ええと……不動産屋さんの前で、あいました……よね。
[近づいてきたお兄さんへと一度頭を下げてそれから声を掛けた]
ここってどこだかわかりません、よね。
私も良くわからなくて。この子に、連れてこられたから。
[右手には、誰かがつかんでるような手の跡。小さな手の形だ。
きゅ、と話さないように握られていて、その子の影はお兄さんから隠れるように私の後ろにあった]
あの、私真嶋日菜子っていいます。
気づいたら新宿にいて、この子に連れられてここまで来たんですけど、ちゃんと知ってる新宿の駅だったのに、途中から知らないところに来たみたいで。
電車には乗ってないのに。
[お兄さんを見上げて、それから後ろに隠れていくその子を見た。
又一瞬だけ、その子の表情が見える。
怖がっていると言うよりも、なんていうんだろう、きゅっと握る手の強さを考えたら、恥ずかしがっているのかもしれない*]
メモを貼った。
![]() | 【人】 硯友社 みょんこ─ 新宿通り傍、喫茶店内 ─ (205) 2016/10/04(Tue) 12時半頃 |
![]() | 【人】 硯友社 みょんこ[追いかけなかったのは、失敗だっただろうか。 (206) 2016/10/04(Tue) 12時半頃 |
![]() | 【人】 硯友社 みょんこ[両手を組み合わせて、バッテンに交差した (207) 2016/10/04(Tue) 12時半頃 |
![]() | 【人】 硯友社 みょんこ─ 夕刻、新宿 ─ (225) 2016/10/04(Tue) 18時頃 |
![]() | 【人】 硯友社 みょんこ
(226) 2016/10/04(Tue) 18時頃 |
![]() |
![]() | 【人】 硯友社 みょんこ[雪野瀬、その苗字には心当たりがあった。半年前に不動産屋に来た少女だ。下の名前まではともかくとして。] (228) 2016/10/04(Tue) 18時頃 |
![]() | 【人】 硯友社 みょんこ[硯友社四ツ谷支部には、テレビをおいていない。もっぱら情報はwebから入ってくる。アンテナはマンション共同のものなので、NHKにはオーナーがまとめて料金を支払っているはずだったが。] (230) 2016/10/04(Tue) 18時半頃 |
![]() | 【人】 硯友社 みょんこ
(231) 2016/10/04(Tue) 18時半頃 |
![]() |
![]() | 【人】 硯友社 みょんこ『アイ、 …フレ なんだっけな (233) 2016/10/04(Tue) 18時半頃 |
![]() | 【人】 硯友社 みょんこ[電話口の説明に緩やかに首を傾げる。] (234) 2016/10/04(Tue) 18時半頃 |
![]() | 【人】 硯友社 みょんこ
(235) 2016/10/04(Tue) 18時半頃 |
![]() | 【人】 硯友社 みょんこ[噂話の説明を聞きながら、そうねえ。と視線をやや上に向ける。] (236) 2016/10/04(Tue) 18時半頃 |
![]() | 【人】 硯友社 みょんこ[『生霊ってことですか?』と問いに、まあそうねえ。と答える。影の病、離魂病。肉体と魂の分離。抜け出した魂を見たものはすぐに死んでしまう。] (237) 2016/10/04(Tue) 18時半頃 |
![]() | 【人】 硯友社 みょんこ[ちょうど新宿不動産のビルが視界に入る。 (238) 2016/10/04(Tue) 18時半頃 |
![]() | 【人】 硯友社 みょんこ─ 新宿不動産 ─ (239) 2016/10/04(Tue) 18時半頃 |
![]() | 【人】 硯友社 みょんこ[耳元で繋がりがささやかれる。さきほど出て行った男の子はどうやらアイドルの弟なのだろうか。 (262) 2016/10/04(Tue) 21時半頃 |
![]() | 【人】 硯友社 みょんこ
(263) 2016/10/04(Tue) 21時半頃 |
![]() | 【人】 硯友社 みょんこ[頬に手を添えてそんなことを口にしてから、希望に添えそうな物件を探す。男は大口の顧客だ。都内の高級マンションをいくつも買っていってくれた経緯がある。事故物件でもそれなりの値で買っていってくれる相手がいるからこそ、新宿不動産が買い上げで曰くつきの物件を保有する決断ができるという面もある。] (265) 2016/10/04(Tue) 21時半頃 |
―新宿衛生病院―
しっかし……
[肋骨も右足もひとまず縫合が終わり、ギブスを巻いている。しばらくは車椅子、そのあと数日は松葉杖がいるだろう。とは言え、それだけだ。別段痕が残るというわけでもない。]
問題は、どうやってあいつに対処するかだよな……
夜ならさすがに問題ないだろうが、まさかって事もある。
……って事は、あれか。
[フルフェイスのヘルメット、ライダースーツ、バイクグローブ。この辺りの装備は必須だろう。バイクに乗らずにこの格好だと目は引くが、背に腹は……というより命には代えられない。]
……なんだったんだろうな。あいつ……
[ジリヤと名乗っていた少女の事を思い出す。ドッペルゲンガーがどうとか言っていたが、彼女は元気にしているのだろうか]
……ま、なんでもないって言ってたしな。
何か言ってこなけりゃそれまで……ってのは少し冷たいか?
どうだろうな。
[何か言ってきたとしても、この状況では何ができるわけでもない。命に別条がないとは言っても、病院の外に出られるような状態ではないのだ]
俺の経験よりよっぽど奇妙な事が起こってんのかね、東京では今……
[それはいくら考えても自分にはわからない事だ。窓の外、新宿の夜景を眺めながら山岸五郎は考えをそこで断ち切った。*]
─ ドコカノ駅 ─
[必死な形相であったろう。だって今までここで、人らしき人というものを見かけるのも初めてだ。見失わないようにと追いかけて、振り返った女の子の姿にほっとした。声は届いているらしい。
ええと、君………
[足を緩めて歩み寄る。何かの影のようなものが、彼女の後ろに隠れるのが見えた気がした。どこかで見た覚えがある、と。記憶を辿るより先、答えが先に差し出される。
あ、君はあの時の。
[言いかけて、口を噤む。僅かに記憶を辿る顔になった。
確かあの時も、見覚えのある顔だと思ったものだ。]
ええと……、…君は確か…
ああ!そうか!!!真嶋さんのところのお嬢さんか。
[名を聞けば、記憶は確かなものとなる
少女に見覚えがあるのもそのはずで、彼女は新宿不動産の所有するマンションの住人だ
事故物件という性質上、鈴里みよ子が主な担当としているものの、”雑用係”としては、関わったことのないわけでない。]
[ここがどこだか分からない。
彼女の言葉は予想通りの反応で、だが嬉しい反応というものでもなかった。僅かに期待したものはある。或いは彼女は、別のどこか…出口を知っているのではあるまいか、と。
そんな儚い期待は裏切られて、東蓮寺は深々と息を落とした。]
そうだね。
ここがどこなのか…どうやったら出ることが出来るのか。
俺にも、まるで分からないんだ。
俺は新宿駅構内で迷って、気が付いたらここにいた。
君もやっぱり新宿で?
ではやはり、ここは新宿駅に繋がっているのかな。
[考えこむように、顎に指先を当てる。
ふと、彼女の右手の先が気になった。視線で辿れば、淡く子供のような影がある。それと同時に、日菜子の身体が僅かに透けて見えることにも気が付いた。
思わずぎょっとした顔になり、自分自身の手を見つめる。透けてない。いや、そう見えるだけなのか?]
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