73 ─深夜、薔薇の木の下で。
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― 医務室 ―
……けほっ。
[一度気絶しかけたからか 外気の冷たさで頭が冷えたからか。 多少は落ち着きを取り戻した少年は、 医務室で所在無げにしていた。 あの二人の後を追う気にも、 再び中庭に出る気にもなれず。 ベネットが眠るベッドの端に腰掛けて、 眠るその貌を見つめていた]
(252) 2011/12/29(Thu) 00時頃
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…………おにいちゃん。
[反応の無い相手の髪に指を絡ませる。 少年にはかつて兄がいた。 似ているというわけではないけれど、 年齢的には近かったので、 半ば無意識に零れ落ちた言葉。
兄が自殺したのはちょうどこの年頃だった]
(254) 2011/12/29(Thu) 00時頃
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[寮内のように見えるが少し違う気もする廊下を歩く。
二人で歩いている姿を見て、野良猫が毛を逆立てても軽いため息をついてみせるだけ。
これからは、私にじゃれついてくることも減るのではないだろうか。そう願っているよ。]
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