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【人】 放蕩者 ホレーショー―9号室― (19) 2014/12/13(Sat) 02時頃 |
―厨房―
[酒樽に、僅かに残ったアルコール。
斜めにしてかき集め、赤色をスープ皿に貯めて飲み干す。
喉の焼ける感覚が些か薄い。
だから、もう一度、二度と口に運んで]
ヒヒッ、
[しゃくりあげるような声で笑ったとき]
ッ!!?
[
即座にその場から離れ、斧に手が行く、条件反射。
それが見知った相手だと気が付けば、僅かに力は緩んだが。
警戒は完全には解けず、酔いで瞳孔の開いた目で彼を見つめる]
……なんだよお。
【人】 放蕩者 ホレーショー[グレッグのバンダナを引っ張って取り上げると、金の髪が露わになった。その頭を、撫でてやる。 (21) 2014/12/13(Sat) 02時頃 |
……あ、え。
[眼下に自分の生首
生気のない瞳でこちらを見つめている。
自分の死体と目を合わせるという奇妙な光景に、混乱して]
どういう、こと。ッスか。
[ええと。自分は。ミナカを殺そうとして。
ギリアンに怪我をさせて。それで、それで――]
船長に殺されたんだ。俺は。
[ふわふわと自分の身体が浮かんでいることに、その時気付く。
たぶんこれが、幽霊というやつなのだろう]
……なんてこった。
[顔を手で覆った。最悪だった。
なんて自分は使えない“道具”なのだろうか]
【人】 紐 ジェレミー[ギリアンをベッドに寝かせれば、後は門外漢だ。今はミナカに任せる他ない。 (22) 2014/12/13(Sat) 02時頃 |
【人】 紐 ジェレミー――船長。 (23) 2014/12/13(Sat) 02時頃 |
[料理人が振り向いたなら、鉤爪をつけていない筈の男の両手が、鉤爪よりずっと鋭い爪を有していることに気付くだろうか。
感情薄い貌、しかし瞳は真紅に染まり、大きく裂けた口からは、牙が覗く。]
────……
[答える必要もない……とでも言うかのように、ひといきに距離を詰める。
今まで募らせてきた苛立ちと、夥しい血臭に酔ったが為か。
いつもの冷静さはそこにはなく。
ただ、目前の男の、煩い声を漏らす喉笛を喰いちぎってしまうために**]
[眼下にいるホレーショー
銅像のように。彼は、微動だにしなかった]
……兄貴。
[ふわりと、ホレーショーに近付く。
その肩に触れようとしたが、するりと身体を通り抜けた]
……あ。
[寂しげに、自分の手の平を見つめる。
自分は死人なのだ。改めて自覚する]
あ、兄貴。いいって。俺の死体なんて。別にいいんスよ。
[死体を引きずる
こんなホレーショーの姿を、グレッグは初めて見た。
兄貴にこんな顔をさせてしまったのは、自分なんだと。
心がちくちくと痛んで]
俺のことで、そんな顔をしないでください。
お願いッスから。
[使えない道具が壊れたとでも、思ってくれればいい。
だから。そんなに悲しまないで]
兄貴ぃ……。
[幽霊だというのに、涙がぽろぽろ流れた]
[ニコラスが厨房へ消えた後、何者かが、人目を避け、音も無く厨房へ忍び込む。
それから暫く後、「ガシャーーーーン」と、皿の割れる音が響いたろう。]
(#2) 2014/12/13(Sat) 02時頃
【人】 放蕩者 ホレーショー……じゃ、ねえ。 (24) 2014/12/13(Sat) 02時頃 |
【人】 放蕩者 ホレーショー……ばぁか。人生なんて、まだ、これからだっただろうが。 (27) 2014/12/13(Sat) 02時頃 |
【人】 放蕩者 ホレーショー[食事処でくすねておいたパンを引っ張りだして、グレッグの傍らに置く。取っておいたのに食いに来ないとはけしからん野郎だ。>>2:273] (28) 2014/12/13(Sat) 02時半頃 |
[
しかし、酔いで侵された頭は、なんだか面白いことになってる、程度にしかその姿を認識しない。
恐怖から逃れるために酒を飲み、酔いの膜に閉じ籠った気狂いの頭は、正常とは言い難く。
だからこそ、今まで戦場で生きてこれた。
今も、恐怖で足が竦み上がることはなく。
ひりつく殺気に、ふうっと動物のように唸って、警戒を解かない]
ッ、わ
[だがその警戒も、もし相手が対応できるレベルのものであれば、の話。
元々の地力が違いすぎるうえに、獣の速さに対応できるはずもなく。
食いちぎる牙の軌道から、体を逸らしただけでも大健闘だった]
ぐえええっ!!!
[わざとらしい悲鳴をあげて、浅く食われた首を押さえる。
床にのたうち、ぎゃあぎゃあと騒ぐ声は、さぞや彼には耳障りに聞こえただろう。
一撃で息の根を止めるに到らなかったとはいえ、常人ならば痛みと恐怖に行動を麻痺させるのに十分な傷。
床に倒れる気狂いはそれの手本のようだ。
もっとも、それだけのたうってるのに斧は手離してはいないところは、手本とは少し外れているし。
酔いにまみれた五感が、恐怖や痛みを感じるわけもないのだが。
手斧を手離さないまま、座った目でヴェラの動向を見つめる。
ヴェラほどの優秀な戦士ならば、冷静な本来ならば、その浅い企みにも気がつけただろう**]
【人】 奏者 セシル― 第三甲板 ― (30) 2014/12/13(Sat) 02時半頃 |
【人】 奏者 セシル
(31) 2014/12/13(Sat) 02時半頃 |
― 9号室 ―
[にゃあ、にゃあ。
灰色猫が自分の死体の頬を舐めている
……キティ。ありがと。
もう兄貴を守れるのはお前しかいないんスよ。
[にゃーお。
灰色猫がこちらを向いて鳴いた、気がした。
視線が交差する]
まさか。見えてたり、するんスか……?
[グレッグの問いに灰色猫は答えず。
ホレーショーに黙って頭を撫でられていた。
自分はもう、触れることすらかなわない兄貴に]
……やっぱり、ライバルッスね。
『ごめんなあ、グレッグ……』
[らしくない言葉に、グレッグは目を丸くして]
どうしたんスか、兄貴。なにか悪いもんでも食ったんスか。
『謝るなんて、俺らしくもねえか』
そうそう。謝るなんて兄貴のキャラじゃないッス。
『……アレくらいちょいっと避けろよ、ばぁか』
いやいや。無理ですって。あの船長の一撃ッスよ?
兄貴だって俺の立場じゃあ、避けれないクセにぃ。きしし。
[勝手に独り言をいって。勝手に会話が成立した気になって。
悲しい遊びだな、と自分でも思う]
……あ。
[机の中の遺言を見て、ついに泣き出したホレーショーに
グレッグは声をかけることができなくて。
なんとなく、自分は見ちゃいけない光景な気がして。
そっと目を逸らした]
兄貴でも。泣くこと、あるんスね。
[いつも頼りになって。格好良くて。豪快で。優しくて。
そんな自分の、自慢の兄貴。
弱みを見せる事なんて、絶対にないと勝手に思ってた。
その兄貴が、自分のせいで、泣いている]
ごめん、兄貴。
[何度目か分からない言葉を呟いた]
……パン、食べたかったッスねえ。
取っといてくれたんスか。
[死体の横に置かれたパン
グレッグは泣き笑いのような表情を浮かべた。
お供えのつもりなのだろう]
申し訳ないッス。食べれなくって。
[――事情はわかった。
そう呟くホレーショーは、何かを決意したように見えて]
兄貴……?
[途端に不安にかられる]
お願いッスから。危ない事、しないでほしいッスよ。
[兄貴まで危ない目に遭ったら。俺は。俺は**]
メモを貼った。
[もしいつものように、鉤爪で急所を狙っていたのなら。
もしあと少しでも冷静さが残っていたのなら。
こんな事態には、ならなかったのかもしれない。
けれど、少しずつ積み重なってきていたこの酒臭い料理人への苛立ちは、よりによって今日、限界を超えてしまった。
くわえて、あの朱い月が。
船内に立ち込めている芳醇な血の薫り、絶望の叫喚が、感覚を狂わせていた。
それに自身で気付けなかった、完全な手落ち。]
─────!
[咆哮すら上げぬまま、振り向いた料理人の首元に牙をたてる。
だが、若干浅かった。
喰いちぎった肉は、即座に絶命させるには至らぬ程度。
グル、ヴ……!
[耳障り極まりない悲鳴が、厨房に響く。
この男らしからず、全身に返り血を浴び、不快感露わな唸りを漏らし、今度こそ……今度は、喉笛食い破る程度ではなく、その首を食いちぎり頭と胴を別れさせてやろうかと。
ざわざわと毛を逆立てて、明らかに獣じみた両手……前脚を料理人の肩に掛け、人外な膂力を以って押し倒す。
───永遠に黙れ、酒狂い。
大きく開けた紅い口で、血に染まった喉笛に迫る。
ニコラスの手が、まだ手斧を握ったままであることにすら、気付けぬままに**]
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