165 【突発村】bouquet
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[手渡されたそれを受け取って、彼女の言葉を聞く。 ここで――そういわれると、微かに戸惑った。 そして一つの疑問を投げかける。]
『効果はどれくらい続きますか』
[殺せなくなるほど、銃を持てなくなるほどに苦しくなるのは。目的を成せなくなるから嫌だった。 何か後に副作用が残るのもマズい。]
『……黒木さんは、どうしてこんなものを』
[持っているのか。 続きかけた言葉は、黒い線で消されて見えなくなる]
(26) 2014/03/07(Fri) 18時半頃
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その2つなら、そんなに長くは続かないわ。 せいぜいが30分ってとこね。
なんなら、使用し続ければ食事も睡眠も要らなくなるようなのもあるわよ?
[そうして、彼女の問いには微笑んで。]
もうとっくに感づいてるでしょう? あたしはね、これを売り捌いて生活してきたの。
儲かるのよ? ブランド物だって欲しいだけ買えたし。 話題になったところで食事して、会計が10万超えたって気にしないで払えるし。
(27) 2014/03/07(Fri) 18時半頃
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……ま、一度店じまいしちゃってね。
貴女にあげたのは、商品の残りって訳。 ああ、沢山欲しければまた仕入れてあげるわよ?
[そんな言葉を語って見せる。 そこにあったのは、悲しみよりもむしろ。
開き直りともとれるような様子だった。]
(28) 2014/03/07(Fri) 18時半頃
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[せいぜい30分。そう聞いて、ほっと息をつく。 それくらいなら大丈夫だろう。 殺すのに支障はきたさないだろうし――そして、少し考える。
やがてメモに文字を連ねた。]
『このピンク色のものだけを飲んでもいいですか? 少しやりたいことがあるんです』
[何をしたいのかと問われたなら、それは言えないと返しただろう。問われなければメモを閉じた。 儲かったと話す彼女を黙って見つめて、そういうものかと。]
(…大丈夫。私、ちゃんとやれるわ)
[薬を飲むことへの恐怖はなかった。 ただ頭にあるのは、次の殺害の計画で。]
(29) 2014/03/07(Fri) 20時半頃
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――ッ、は ぁ
[震える喉を通して、深呼吸。]
帰ろう……
[遺体をそのままにしておくのは気が引けたが、自分の力でどうこう出来るものでもない。軽そうな朔夜だけでも、とも思ったが、死者の選り好みをするようで罪悪感を抱いた。
公民館へ歩く足取り。 ぞく――と、妙な感覚が背筋を走る。]
は、っ……
[息苦しいような、熱っぽいような。]
(30) 2014/03/07(Fri) 20時半頃
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――花畑――
[帰る心算、だった。 公民館に。
ぐらぐらと重心をなくす軸のように 狂った羅針盤のように 違う場所にいる。]
……っ、かしいな
[此処、どこだっけ?と見回せば、花壇が外へ侵蝕した、花畑。 畑というには狭いが、それでも 多くの花が咲き群れる姿に、ぼぅとする。]
(31) 2014/03/07(Fri) 20時半頃
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うん、構わないわ。
あまりあたしが束縛しても良くないよね……ごめんごめん。
[そう苦笑すると、何なら別の場所で薬を使っても構わないと笑って見せた。]
(32) 2014/03/07(Fri) 20時半頃
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[毒草かもしれない、わからないままに、 花を手折り、また、手折り。 一本一本を手の中に集めては、 花束になるまで、黙々と。]
……花、
[別に好きじゃないのに。 手はかぶれるし、いいことなんかないのに。 何故だろう、そうまるで 誰かがまた死ぬことがわかっているように。]
……。 はぁっ、
[息苦しさはまだ続いている。片腕ほどの花束――花の群れといったほうが正しいか、それを抱き、今度こそ公民館へと向かった。]
(33) 2014/03/07(Fri) 21時頃
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――公民館――
[どさっ、と入口で躓いた]
痛、た、……
[力が入らなくなっている。 酷く体が熱を持っていることを意識した。]
―― ぅぁー、
[体温が、床の古いコンクリートに奪われていくようで気持ちいい。それなのに次から次に体の奥から熱が湧いてくる。]
(34) 2014/03/07(Fri) 21時頃
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[気にしないで、というように首を横に振る。 そして、ピンクの液状のそれをしばし見つめ――自嘲めいた笑みを零した。]
(一緒に苦しんで欲しいなんて、笑っちゃう)
[彼女を部屋に呼び出して、何かに混ぜて飲ませようだなんて。 そして苦しんでいる時を狙って、殺してしまえと。 考える自分がどうにもおかしく思えた。そんな企みの裏側には、自分と一緒に苦しんでほしいという願いもあるのだから。
ぺこり。小さくお辞儀をして、止められなければ部屋を出ていく。 1人で飲んでも良かったなんて言い訳、するつもりはない。 ――ただ、寂しいのだ。 自分がどこまで行っても、一人ぼっちだということを突きつけられるようで]
(35) 2014/03/07(Fri) 21時頃
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[玄関は花の嵐。 何とか上体を起こし、花を一本一本拾う。 熱、でふらふらしながらも。]
……――
[この花は誰に手向けるのだろう。 もしかしたら自分かも知れない――そのくらい 意識が、おかしい。]
(36) 2014/03/07(Fri) 22時頃
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さ、あや?
[どこかの部屋から出てきた沙綾の姿を 入口のところから視認すれば僅かに表情が緩む。 けれどあの別れ方をしたっきりだ。 自分に怯えやしないかと、不安だった。]
……こないだは、ごめ、
あ、まって……
[ぱらぱらと落ちる花を拾う、とまた落ちる。拾う。それを何度か繰り返した後、少し散ってしまった花を抱えて公民館の広間へと。]
(37) 2014/03/07(Fri) 22時半頃
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― 広間 ―
[自分に声をかけてきた目的の人物に気付くことはなく、広間に入って行く。 そこには誰かいただろうか。 きょろ、と周囲を見渡して。やがて謡が入って来たのなら、少しだけ微笑んで]
『謡さん。少し二人でお話がしたいんです』
[鞄を抱えて。ポケットには、薬が3つ。 怯えた様子は見えず、あの出来事はまるで忘れているようにも見えるかもしれない。
彼女の抱えた花には目もくれない。 きっと人が死んでいると言われても、彼女は動じないのだろう。]
(38) 2014/03/07(Fri) 22時半頃
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[広間に花を抱えて入る。 メモ帳に綴られた文字を見れば]
え、……うん、構わないよ。
[むしろ避けると思っていたから、少し面食らって。]
部屋、あったんだ……、二階とか…… こんな階段、気付かなかった
[意識散慢なせいだ。どこがいい?と、今度は自分のペースではなく沙綾のペースに合わせるため、彼女に場所の指定を願った。]
(39) 2014/03/07(Fri) 23時頃
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[面食らった様子の彼女に、1階の空き部屋に行こうと手招き。 先に部屋に入り、そこで初めて気づく。]
『体調、悪いんですか?』
[どこかこの前と違う気がして。 もしかしたら体調が悪いのかもしれない。そう思って問いかけてみた。
気遣うような言葉の裏側には。 もしそうなら薬だと騙して、あれを飲ませられるかもしれないなんて薄汚い打算。]
(40) 2014/03/07(Fri) 23時頃
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[空き部屋に行く前に、古い新聞紙を取って。 沙綾に続いて空き部屋に入れば、新聞紙を広げて花を包んでいく。]
ん、そうだね、ちょっと 意識が……ああ、いや、うん。 体調悪いみたい。
[こくり、頷く。どこから来る体調の悪さなのか、或いは体調以外の部分なのかは自分でもわからない。]
(41) 2014/03/07(Fri) 23時頃
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『あの、これ。風邪薬なんですけど、よかったら』
[なんて嘘だ。差し出すのは琥珀色の薬。 風邪薬に見えなくもないだろうと。 彼女が飲んでも飲まなくても、本題に入った。]
『昨日、見ましたか? 金髪の男性の死体。とっても綺麗に殺せていたでしょう?』
[彼女は見つけたのだろう。そんな、確証もない確信があった。 花を包む意味なんて、それくらいしかないのではないかという思いも。告げろと後押ししているようで]
『妹は自殺したって、私言いましたよね。 ごめんなさい。嘘なんです、あれ』
[私が殺したんですよ、とメモに綴られる罪の告白に、彼女はどう反応するだろう。]
(42) 2014/03/07(Fri) 23時半頃
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さてと……
[沙綾を見送って、煙草を一本吸ってから歩き出した。沙綾と……謡にも会わない方が良いだろう。
まだ誰か此処に留まっているなら話すのも悪くない。 その後はまた、何処かへと行けばいいのだ。]
(43) 2014/03/07(Fri) 23時半頃
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[この界隈で、薬の類を用意出来るわけがない。 クスリなら、別だけれど。]
そっか、ありがとう。
[けれど、軽く笑んで受け取り、一気に飲んだ。おそらくこれは黒木の合法ドラッグだ。もしかしたらとんでもない、致死量だったりするかもしれない。それでも、飲んだ。 ――沙綾が望んだから。]
……貴女が殺したんだね。
[そして綴られる告白には、一寸沙綾を見つめ]
妹さんも、沙綾が、殺したってこと? あの男みたいに手を下して?
[うん。とひとつ頷く。そして笑う。]
私なんかに正直に話してくれて嬉しい。 もっと聞かせてくれる?
(44) 2014/03/07(Fri) 23時半頃
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受付 アイリスは、メモを貼った。
2014/03/07(Fri) 23時半頃
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[彼女が飲んだのを見れば、自分も残った薬の袋をぴりっと破いて口に含む。 ――気付かれているとは思わないまま。]
………っ、ぇ…
[笑って。嬉しいと、もっと聞かせてくれと言う彼女に驚きで小さな声が零れた。]
な、けほっ……う゛、っ
[思わず喋ろうとするけれど、大きな声は喉に負担をかける。 咳き込んで苦しげな様子を見せながらも、落ち着けばまたメモに綴る]
『私が、ひどい言葉をいったから。 でも最初にあの子を追い詰めたのは他人で、私たち以外存在しなければ、幸せになれたはずなの!』
[どうして彼女は笑うのだろう。ぐちゃぐちゃになった頭は正常に動かず、勢い任せに拳銃を取り出して彼女へ向けた]
(45) 2014/03/08(Sat) 00時頃
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[頭がくらくらしてきた。世界が歪に、ゆがむ。 それでも沙綾の存在だけ確かめるように、 きゅっと握ろうとした手は空振りだった。]
……沙綾。
[拳銃を向ける沙綾に、ああ、やっぱりなぁ。恨まれちゃったなぁって、笑う。 文字を読めば、僅かに眉を寄せ]
そんなの沙綾は悪くない。悪いのは――世界だよ……。
私も妹が死ぬ直前に欝状態だったとか、聞いて。それで私、頭おかしくなっちゃって。妹は元々私の存在を嫌ってた。だから私のせいで妹は死んだんだ。今でも追いかけてくるよ。遥は、いつも私を見て、恨み言を呟いて――ほら、聞こえる?きこえる、きこえるね。
[ふふ、と歪んだ視界、涙がこぼれ落ちてくる。]
世界は残酷だよね。でもさ、沙綾。 その銃で私を殺して、復讐出来る?私は沙綾に確かにひどいことしようとした。だけど、沙綾の妹さんを殺した世界に、すべきことなんじゃない、復讐って。
(46) 2014/03/08(Sat) 00時頃
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ーー 翌朝 ーー [広間を謡と入れ替わるように出て外へ、彼女の様子がおかしかったのには気付いていたがもう心配そうにするふりもしない あの壮年の死体を眺めながら、唇を歪めた]
……ふふ。
[後は女達だけ?男が他に二人いた筈だが数日見ていないしもう村に留まっていないだろう 捧げられた花束は謡だろうと分かりながらも姉の墓前が思い起こされて、それを踏みにじる気にはならなかった 暫く見下ろしながらそこに佇んでいる]
(47) 2014/03/08(Sat) 00時半頃
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[帰る場所を失った子供の表情で**]
(48) 2014/03/08(Sat) 01時半頃
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[眸が、浮いている。
涙を滲ませ、浮きゆかば。
自らの体躯。
見下ろす青年。
見下ろす濡れた眼球。]
…死。俺。辜。有。
[怨念か残念か。
未練もないのに目玉が在った。
可視光が眩しい。
地獄にも、天獄にも、
行けぬのか。]
…女。友。恩。義。
[思う頭もなく考える目玉。垂れ流る過去。]
[俺は]
――――すまんかった。
[それだけ言えばよかったのに。]
[もう届かない手は既に無く。
後悔は涙となって滲む。感謝。
餓鬼の頃に出会ってくれてありがとう。
若さあふるる約束でも、交わしてくれてありがとう。
馬鹿やって、女を探して、汚れも堅気も仕事して。
ああ、何処迄もついて来て、何処迄もついて行って。
ありがとう。
そして、裏切って、すまんかった。
嵌められて、俺が組の金を持ちだして。
お前が俺を始末する仕事を請け負って。
俺は、心中するつもりだったのに、
知らずの内に、生かされて。]
…俺。狂。過。
[死んだからこそ。何処にも行けない悲しみに。
暮れる。暮れる。日もまた、暮れる。]
…成。仏。
[何時迄もここにいるのだろうか。
目玉は考える。
ずっと浮かんでいるのだろうか。
ずっとこの地に囚われるのだろうか。
ずっと―――
目玉は迷うのだ。
残った思いを発散させれば、消える。
それが許されるのか分からない。
だが。目玉は。]
未練を、消すことが出来たのかもしれない。
酒は薬。狂った男を、死が意識を完治させた。
天国か地獄か。また、呑むのだろう。傍には、友。
ははっ。
殺した罪が
雪がれると
思うてか?
[目玉は、
→掴まれる。潰される。激痛。生き返る。掴まれる。→
永劫の痛みを繰り返す。]
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[ああ、視界が歪む。それは彼女も同じだろうか。 何故こんな痛み分けのようなことを望むのか、自分でもわからなかった。 混乱する頭、不確かな感情。すべてが自分を掻き乱すものに代わっていく。]
『…さっきのことは、恨んでいませんよ。 私たち以外の人間は殺すって、そう決めたんです。それだけなんです。』
[そう。世界は残酷だ。 だって、誰かがいなくなったって知らん顔して廻るじゃないか。今日もこうしているうちに、誰かを殺しているのだろう。
あの子を殺した世界全てを壊すの。
その為には―― 人間を、殺してしまわなくちゃいけないんでしょう?真衣。]
『大丈夫です。痛みなんて感じないうちに死んじゃいますから。 昨日の男より楽に殺してあげるんです、親切でしょう?』
[撃鉄を起こす。指を引き金にあてて――。]
(49) 2014/03/08(Sat) 14時頃
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