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[彼女の、相棒の名はセシル。
――……私の、名だ。]
[それから彼女は、残された私のローブを羽織り
何事もなかったように、魔法使いを続けた。
あれから何年が経ったか。
私は彼女の右腕の中で、彼女を見守っていた。]
[――……妙に、昔のことを思い出す。
彼女の魂がその體から離れ
私も、彼女の右腕から離れたからだろうか。
彼女の魂は既にヴェラの右腕に宿っているのだろう。
ならば、私も其処へ行くのだ。
私がまだ其処に居なかったのは、
彼女への執着のようなっものだ。
しかし、彼女の身体が霧散した今、
私も其処へ行く。
それは魔法使いの理だからではなく。]
[彼女がイアンの攻撃を受け、
魔法使いの生贄になることを願った理由。
それは――彼女自身が語るはずだ。
彼女の言葉で。
代わりに、私は少し眠ることにしよう。
彼女の魂の傍で。*]
メモを貼った。
[―何やってんだよ。
下級の魔物なんか放っておけばいい。
あんたは一人なのに。
ホレーショーが戦闘中に、自分達の躯に群がろうとする魔物を追い払っているのに気付く。
目の前の戦いに集中しろとも、ヴェラを逃がしてやれとも、自分は言えなかった。]
あ…っ…。
[
直接触れる事で魔物の纏う冷気は、人の姿のヴェラに伝わっているだろう。
感覚は繋がっていないから、それがどれ程のものかは分からないが。
既に肉体を失って感じない筈の胸の痛みに顔を歪めた。]
メモを貼った。
―当たり前だろ。
俺はずっとあの人達の背を追いかけてたんだから。
[応じる言葉は、少しだけ誇らしげに。
ホレーショーとヴェラの消耗の差は激しい。
けれど傷ついた彼にもうやめろとも望めない。
―例えこの声が聞こえたとしても聞かないだろう。それは彼の矜持に関わる事だから。
ヴェラは、かつて自分を片腕と呼んでくれた男は、気高く強い。
どれ程傷ついても闘志を失わないその姿は、自分が追おうと決めた背から少しも変わっていなかった。]
……。
[―けれど、それが今は胸の痛みを増す。**]
メモを貼った。
【人】 歌い手 コリーン ばぁか。置いて行けるわけないでしょ。 (68) 2013/06/20(Thu) 01時半頃 |
[―早く消えてしまえ。
未だ地面に横たわった自分の躯を見つめる。
それで魔物の意識が逸れなくなればいい、と思いながら。
ツェツィーリヤの肉体が霧散し、風に舞うローブ。
それと同時に、場は動く。
供物である毛皮を手放し、前のめりに倒れ込んだヴェラ。
無言で彼に近付いていくホレーショー。
―魔物の鉤爪が、ヴェラへと向かう。]
―…っ。
[その結末を知りたくない、とでもいうようにイアンの躯は崩れる。
魔に落ちた所為か、うっすらと紅に染まった砂は風に煽られ霧散した。
其処に「死神の指先」と「鉤爪の破片」、ペンダントを残して。**]
メモを貼った。
【人】 歌い手 コリーン[降り注ぐ赤い雨は、皮膚を伝い、傷から溢れる赤い血を混ぜて流れていく。] (76) 2013/06/20(Thu) 19時頃 |
【人】 歌い手 コリーン 貴女は、本当は。 (77) 2013/06/20(Thu) 19時頃 |
【人】 歌い手 コリーン[身体を打つ雨。止まない雨。冷たい雨。 (79) 2013/06/20(Thu) 19時半頃 |
【人】 歌い手 コリーン だめぇぇええッッ!!! (89) 2013/06/20(Thu) 21時頃 |
【人】 歌い手 コリーン[私は咄嗟に、氷蜥蜴を背にする様に、右手を翳すヴェラの前に身体を滑り込ませた。 (90) 2013/06/20(Thu) 21時頃 |
― ―
[ツェツィーリヤは其処にいた。
彼女が覚えているのは、
魔物と化したイアンの武器を受けたこと。
其れから先は、千切れたように曖昧だ。]
……嗚呼。
私は……。
[千切れたような記憶を手繰り寄せ
ツェツィーリヤは、ヴェラの右腕に居ると知る。
傍にいる気配を探ろうとすれば、
其処に感じる気配は、イアンの物。
イアンもまた、同じように生贄にされたのだと知れば
彼女の魂は悲しげに揺れる。]
メモを貼った。
メモを貼った。
―ヴェラさん…っ?
[地に伏したヴェラが、右手を氷を纏う蜥蜴に向ける。
自己を生贄とした術は知識としては知っているが、使用したことも目にした事もない。
だから右手に向けられた彼の声が、何を意図してのものであるかは分からず。
けれどそれまで静かだったツェツィーリヤの声が聞こえれば、其方に意識は映った。]
…ツェツィーリヤさん。
[途方もない願いの為に、ヴェスパタインと同じく、自分が瀕死に追いやった魂。
名前を紡いだだけで、それ以上は何も言えない。]
…っ。
何してんだよ、ホレーショーさん…!
[彼の心中が分からない故に、コリーンの乱入が予想外だったのか、という考えに至った。
彼らを置いて走り去るホレーショーに、声を投げかける。]
[ツェツィーリヤはその名を呼ばれ
……貴方も、此方にいらしたのですね。
[それは、感情を隠すことを止めた彼女の
何処か寂しげな笑み。]
……うん。
[
けれど、それは自分が何度か目にしたそれとは違い、何処か寂しそうだと感じた。]
……。
…ごめんな、さい。
[震える声でやっと紡いだのは、謝罪の言葉。]
[生と死の狭間を漂っていた時に聞こえていた魔物の声は、
今もまだツェツィーリヤに聞こえている。
それは、魔法使いの右腕が
魔物に近いものであるからなのだろうか。
或いは、他に理由があるのかもしれない。
聞こえた氷蜥蜴の声に
何処か言い訳のような響きを感じていた。]
[短い沈黙の後にイアンが紡いだ声
……何を、
謝るのでしょうか?
[返す言葉は、あの時
【人】 歌い手 コリーン やだ。やだよ。ヴェラさん。 (103) 2013/06/20(Thu) 23時半頃 |
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