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― 2-C ―
[樹に水を遣った後、また何か見えはしないかと、水を張って如雨露を覗き込んでみたが、何も映る気配は無かった。
あの時確かに感じた喪失感は、痛いほどだったのに、何も無いまま時間が経てば、やはりただ寝惚けていただけなのかとも思う。
それでも、とぼとぼと数学科準備室へ向かう様子は消沈していたらしく。
顧問のことは考えておくから、と珠算同好会について、思わぬ励ましをされたり。
教室に戻れば、アネットを始めとする友人らに囲まれて、うりうりもみくちゃにされ。
ぜーはー、と息を切らせて席へ辿り着くことになったり]
もー、大丈夫だってば。モチロン甘味屋は行くけどー。
おごりねっ?
『……現金なやつめ。心配して損したわ。
でもあんた、宇治金時って珍しくない?』
そんな気分なんだもん。あたしも大人の味に目覚めたってことだよ!
[味覚だけなら子供からかけ離れてるから大丈夫よ、なんてまた、頭をうりうりされて机に沈む。
どーゆー意味!?と机をぺちぺち叩いて抵抗するも、押さえつけられたまま]
……あ、
[窓の外、グラウンド。
硝子の一枚だけが、夜のいろを透し。
シャベルらしき棒を手に、何かを掘る人影、ふたつ]
フィリップ先輩、サイモン……。
[珍しい組み合わせだな、なんて自然と呟きが零れ]
『誰、友達?』
え……
[頭から、既に手は退けられていた。
きょろ、と視線は教室を彷徨う。
変わらぬ教室。変わらぬ面子。
……足りないと思う余地など、無い筈なのに]
ううん……。
[ふ、と視線を戻せば。
もう、其処に夜の景色は残っていなかった]
【人】 厭世家 サイモン[近くに行けば、命の実は、前より大きくなっただろうか。青白い光を纏うそれは、ロレンツォ先生やソフィアの命を吸って大きくなっているようにも思えてきた。 (119) 2010/08/06(Fri) 21時半頃 |
メモを貼った。
……そーいえば、あたし、訊こう訊こうって思ってて、タイミング逃しちゃった。
[ぼう、と硝子を見つめたまま。
訊くと口にする割に、それは問いかける気の無さそうな、独り言]
あの時は、必死だったからさ。全然、そんなこと考えてなかったんだけど。
理科室に引っ張ってった時、ほんとはサイモン、ホリー先輩のこと追いかけたかったんじゃないかって。
そーゆーのじゃ、なかったとしても、さ……
[ごめんね、と。
呟きは、硝子の外にすら届かず]
『だから、サイモンって誰なの』
……わかんない。
メモを貼った。
メモを貼った。
― 伝説の樹 ―
……やっぱり、誰も居ない…よね……。
[保健室!と押し遣られそうになったから、教室から逃げ出して。
降りてきたのは、人影の見えた場所]
…… 、
[分からない、とは言ったけれど。
もう半ば、ただの夢じゃないと思い始めてはいた。
けれど、なら、どうして。
自分は此処に居て、彼らの誰も、此処には居なくて、それが当たり前で――]
…わかんない、よ。
[こつり。木肌に額を押し付けてみても、聞こえる音はなく。
ただ、自分の撒いた水溜りが、足元できらりと光った]
……?
[風が、頭を撫でていった。
珍しい事でもないのに、何故かこそばゆくって、自分でさすさす、さすりながら]
…… 、此処、どこだ。……屋上?
[座ろうと屈めば、また水面に何か映っているのに気づいて、慌てて覗き込む。
ホリーとルーカス。それから、やって来たところなのか、少し離れたところに、カルヴィナ。
全員、生徒会室での顔なじみだから、それ自体は不思議に思わなかったけれど。
それぞれに微妙な空気を醸し出しているらしきに、首を傾げた]
……てゆか、なんで屋上映ってるのに、ギターが聞こえんの。
[お陰で、全然彼らの会話に聞き入れないと、くすくす笑う。
笑っているのに、晴天の空から、ぽたりと雫が落ちて、また夜の景色は掻き消えてしまった。
でも、ぽたり、ぽたり、零れていく涙を、止めようもなくて]
なんなの。夢なら……早く覚めてよ。
どっちでもいいから、早く っ
[あちらの世界と、こちらの世界。
思い出せる記憶にも、確かさにも、歴然とした違いがあるのに、どうしてこうも、苦しくなるのか。
どんなに思いを寄せたところで、水面や硝子越しに、あちらの世界へ手は伸ばせない。
夜の光景が消えれば、彼らの名前すら、ほら、もう、曖昧なのに]
[こんな時。
優しいだけじゃないし、むしろ自分より子供っぽいところだってあったけど。
本当に苦しい時には、絶対助けてくれるって信じていた、手があったのに。
水溜りに手を突っ込んでも、ぬるりと泥の感触が広がるだけで。
優しい暖かさも、握り返してくれるちからも、無い。
名前もわからない貴方。
貴方は、いま何処に居ますか。
貴方は、あたしを覚えていますか。
あたしを、]
[思考すら、言葉にならず。
ぽたりぽたり、新たな波紋をつくるだけの水面から。
かすかに、聞いたことの無い、けれど確かにあのギターだと分かる音色が届く。
最後まで聞けたのかは分からない。だって初めて聞く曲だから。
自分が聞いて良かったのかも、分からないけど。
すん、と鼻を鳴らし。泥まみれの手で涙をこすると。
少しだけまた、笑えて。
ぱち、ぱちり。泥を散らしながらも、拍手が出来た。
それは、聞こえたよ、と存在を示すように]
『さっきから何をやっているんだ、お前は』
……っく、…ラシェル。……てか、そっちこそ何やってんの。
[見上げれば、先ほどサッカーボールを蹴飛ばしてたクラスメートが覗き込んでいた。
確かに、泥遊びする年齢ではないし、水溜りに突っ込んだ手を、ぱちりぱちりと叩くさまは、怪しいというか、頭の心配をされるかもしれないが。
バケツ片手に、こっちを無表情に見つめるひとに言われたくない。
てか、そのなみなみ水の入ったヤツをどうするつもりなのかと、]
っ!
[問うよりも、逃げ出すほうが速かった。
更に、それを予測して、相手が自分の肩を抑えるほうが速かった。
結果。ばしゃー、と頭の上から水を被って、びっちゃんびっちゃんになった。
勿論、肩を押さえていたラシェルだって、被害が無いわけはなく]
……にゃー!! もう、何なの何なの! せめて何か理由ー!
『そっちの方が、らしい』
は?
[意味が分からなくて、ぽかんと見上げた顔に、布地が落とされて、あわあわ取り払えば]
『騒いでいないお前なんていうのは、気持ちが悪い。
どうせ良くない頭なのだから、考えるな。常に発散させておけ』
[改めて布地を見れば、それは大判のタオルだった。
何か失礼なこと言ってるよね、とじとり見上げるも、ぐりぐりとタオル越しに頭を撫でられ、そのままラシェルは去っていってしまう]
ちょ、ちょっとー! タオル洗濯しないと返せないし! てゆか結局、だから何なのっていうか、自分もちゃんと拭けー!
[とはいえ、木陰では時折吹く涼しい風が、濡れた身体を心地良く冷やしていくし、この時期に風邪の心配もないだろう。
何とかは風邪を引かないし。や、あれは引いた事に気づかないってだけだった気もするけど。
不器用なクラスメートの、不器用な気遣いだということは、分かっているから。
大人しく、むぅ、とタオルに埋もれて、助言どおり、何も考えずに木の下、目を閉じた]
メモを貼った。
― 伝説の樹 ―
……?
[きゃはは、と子供の笑い声が聞こえた。
タオルに包まったまま、もぞりと身体を動かせば、ころりとコンパクトが転げ、蓋を開く。
其処に映し出されたのは、人形が人形の家で遊んでいる、ちょっとシュールな光景]
……やっぱ、夢か。
[半ば目を閉じつつ、むにゃりとそう呟いてまた、タオルにもぐりこむ。
意識がはっきりしていたなら、その背に隠れるように冴える月が、赤いことにくらいは気づいただろうに*]
【人】 厭世家 サイモン[風がおさまった。どうやら人形の手は離れたらしい。] (273) 2010/08/07(Sat) 02時半頃 |
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